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公開番号2025066346
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-23
出願番号2023175879
出願日2023-10-11
発明の名称液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法、及び、液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造
出願人白山工業株式会社,学校法人立命館
代理人個人,個人
主分類C23F 15/00 20060101AFI20250416BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】
貯蔵液体又はこれらの含有液体が経年変化等により分離して、容器の内側の底部に溜まり、当該容器の内側底部の構成物質と反応して有害な影響を生ずる事を効果的に防止する。
【解決手段】
貯蔵液体が単体で前記容器の内側底部の構成物質と反応する物質であるか、又は、貯蔵液体に含まれる含有液体が容器の内側底部の構成物質と反応し、かつ、含有液体は、貯蔵液体よりも大きな比重を有する液体である場合に、貯蔵液体及び含有液体よりも更に大きな比重を有する滞留液体を容器の内側底部に滞留させることにより、貯蔵液体若しくは含有液体と、容器の内側底部の構成物質とが反応する事を防止する。
【選択図】図3

特許請求の範囲【請求項1】
液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法であって、
貯蔵液体が単体で前記液体貯蔵容器の内側底部の構成物質と反応するか、
又は、
前記貯蔵液体に含まれる含有液体が前記液体貯蔵容器の内側底部の構成物質と反応し、前記含有液体は、前記貯蔵液体よりも大きな比重を有する液体である場合において、
前記貯蔵液体及び前記含有液体よりも更に大きな比重を有する滞留液体を前記液体貯蔵容器の内側底部に滞留させることにより、
前記貯蔵液体若しくは前記含有液体と、前記容器の内側底部の構成物質とが反応する事を防止する、
ことを特徴とする液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記滞留液体は、前記貯蔵液体、及び、前記含有液体と非相溶である、請求項1に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法。
【請求項3】
前記滞留液体は、常温では、前記容器の内側底部に凹凸があった場合、前記貯蔵液体より比重の大きな前記含有液体が溜まりやすい凹部に隙間なく滞留できる程度の粘性を有する、請求項2に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法。
【請求項4】
前記液体貯蔵容器は、原油タンクであり、前記貯蔵液体は原油であり、前記含有液体は水分であり、前記滞留液体は液状エポキシ樹脂であり、前記容器の内側底部の構成物質は金属であり、前記反応は酸化反応であり、前記粘性は、前記滞留流体の粘度が、常温で前記水分と同程度である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法。
【請求項5】
液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造であって、
貯蔵液体が単体で前記液体貯蔵容器の内側底部の構成物質と反応するか、
又は、
前記貯蔵液体に含まれる含有液体が前記液体貯蔵容器の内側底部の構成物質と反応し、前記含有液体は、前記貯蔵液体よりも大きな比重を有する液体である場合において、
前記貯蔵液体及び前記含有液体よりも更に大きな比重を有する滞留液体を前記液体貯蔵容器の内側底部に滞留させることにより、
前記貯蔵液体若しくは前記含有液体と前記容器の内側底部の構成物質とが反応する事を防止する、
ことを特徴とする液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
【請求項6】
前記滞留液体は、前記貯蔵液体、前記含有液体、及び、前記容器の内側底部の構成物質と非溶性である、請求項5に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
【請求項7】
前記滞留液体は、常温では、前記容器の内側底部に凹凸があった場合、前記貯蔵液体より比重の大きな前記含有液体が溜まりやすい凹部に隙間なく滞留できる程度の粘性を有する、請求項6に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
【請求項8】
前記液体貯蔵容器は、原油タンクであり、前記滞留液体は原油であり、前記含有液体は水分であり、前記滞留物質は液状エポキシ樹脂であり、前記容器の内側底部の構成物質は金属であり、前記反応は酸化反応であり、前記粘性は、前記滞留流体の粘度が、常温で前記水分と同程度である、請求項5乃至7のいずれか1項に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
【請求項9】
前記液体貯蔵容器の側面に前記貯蔵液体の入出口が設けられている場合には、前記滞留液体は、前記入出口から流入又は流出され、
流入された前記滞留液体の上面は、前記入出口の下方に形成される、請求項8に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
【請求項10】
前記液体貯蔵容器の内側に沿って、1又は2以上のリング状の滞留液体用スロッシング防止板が設けられ、前記滞留液体は、最も上側に配置された前記滞留液体用スロッシング防止板以下の高さまで充填される、請求項8に記載の液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法、及び、液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造に関し、更に詳細には、原油などの液体を貯蔵するタンクなどの容器の内側底部が、貯蔵する液体(例えば、原油等)或いは貯蔵する液体に含有される水分等の含有液体と酸化などの化学反応を生じて錆などの障害を生じないように、こうした容器の内側底部に、貯蔵する液体及び貯蔵する液体の含有液体よりも比重の大きな液体を滞留させることにより、貯蔵する液体や貯蔵する液体に含有される液体と容器の内側底部との接触を防止し、有害な化学反応等を防止乃至抑制する、液体貯蔵容器の内側底部を保護する方法、及び、液体貯蔵容器の内側底部を保護する構造に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
原油などの液体を貯蔵容器内に貯蔵する場合には、図1(A)に記載したように、貯蔵しようとする液体(貯蔵液体300)が複数の構成物質を含有している場合には、図1(B)に記載したように、これらの構成物質が経年変化等により分離して分離物質500となり、貯蔵容器100の内側に溜まっていく場合がある。
【0003】
そのため、例えば、様々な分子量の炭化水素の混合物である原油310の場合には、図2に示したように、原油310を貯蔵するタンクなどの容器100の内側の底部120には、原油スラッジ505と言われる、貯蔵する原油310などに含有される油分、アスファルテン、ワックス、水分等の液体成分、或いは、砂、鉄錆等から成る固形乃至半固形の沈殿物等が、長期間にわたって貯蔵されているうちに溜まっていき、容器の内側底部120を構成する金属と化学反応を生じて、腐食などの有害な影響を生じさせる場合がある。
【0004】
そこで、こうした容器の内側底部の腐食等を防止するために、例えば、耐食性に優れる鋼材などが開発され(特許文献1)、或いは、こうした鋼材などを用いた貯蔵タンク等の容器や構造物の底部を含む内面には、コーティング等を施すといった対策が取られている(非特許文献1)。
【0005】
また、このような液体貯蔵タンク等の容器の内側を保護するために、耐食性に優れる鋼材やコーティングを行う等の他に、例えば、バラストタンクの防触方法(特許文献2)や油貯蔵タンクの防錆方法(特許文献3)のように、容器内部の貯蔵液体上に流体を浮遊させたり、容器内面に防錆油による油膜を形成させたりする手段が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
WO2017/098701号
特開平9-24890号公報
特開平11―1784号公報
【非特許文献】
【0007】
消防庁危険物規制課長:特定屋外貯蔵タンク内部の腐食を防止するためのコーティングに関する指針について(通知)、消防危第74号、平成6年9月1日
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、特許文献1に記載されたような、耐食性に優れる鋼材などを用いる事で一定程度の腐食の軽減が図られるとしても、多様な物質を含む石油スラッジ等に対応して、長期間にわたって十分な信頼性を確保することは難しいと思われる。
【0009】
また、耐食性に優れる鋼材などに、非特許文献1に記載されたような塗装やコーティングを行ったとしても、これらの経年劣化や、地震、施工不良などに起因して、塗膜やコーティングの剥離、膨れ、しわ、割れ、ピンホールの発生等の損傷が生じる事によって、貯蔵タンク等の容器の内側底部に腐食等を生じさせる場合がある。
【0010】
そして、これらの塗膜やコーティング等の損傷は、貯蔵タンクの定期的な開放検査の際に点検・補修される場合が多いが、タンク底部の板厚測定や、溶接部探傷検査などの際には、これらの塗装等の剥離や再塗装と言った復旧作業等が必要になる場合も有り、作業対象となる面積が膨大である事から、手間と費用が掛かるという課題があった。
(【0011】以降は省略されています)

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