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公開番号2025026116
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131492
出願日2023-08-10
発明の名称薄膜の膜厚を測定する測定方法、測定装置および測定プログラム
出願人学校法人立命館,日邦プレシジョン株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G01B 15/02 20060101AFI20250214BHJP(測定;試験)
要約【課題】極薄膜の膜厚を非接触、非破壊で測定する。
【解決手段】薄膜の膜厚を測定する測定方法であって、光を前記薄膜に入射させ、前記薄膜からの反射光を検出する検出ステップS1と、前記反射光のp偏光とs偏光の位相差()および振幅比(Ψ)を計測する計測ステップS2と、位相差()および振幅比(Ψ)に基づいて、前記薄膜のシート抵抗値および散乱時間を求める第1解析ステップS3と、フレネルの式を用いたモデルにより、前記シート抵抗値および前記散乱時間に基づいて、前記薄膜の膜厚を求める第2解析ステップS4と、を有する測定方法。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
薄膜の膜厚を測定する測定方法であって、
光を前記薄膜に入射させ、前記薄膜からの反射光を検出する検出ステップと、
前記反射光のp偏光とs偏光の位相差(△)および振幅比(Ψ)を計測する計測ステップと、
前記位相差および前記振幅比に基づいて、前記薄膜のシート抵抗値および散乱時間を求める第1解析ステップと、
フレネルの式を用いたモデルにより、前記シート抵抗値および前記散乱時間に基づいて、前記薄膜の膜厚を求める第2解析ステップと、
を有する測定方法。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記第1解析ステップでは、
特性インピーダンスを用いたモデルにより、前記膜厚を考慮せずに、前記シート抵抗値および前記散乱時間を求める、請求項1に記載の測定方法。
【請求項3】
前記第1解析ステップでは、
前記シート抵抗値および前記散乱時間をフィッティングパラメータとして、前記特性インピーダンスを用いたモデルにおける理論上の振幅反射強度比(tanΨ)が、前記計測ステップにおいて計測された振幅比(Ψ)に対応する振幅反射強度比(tanΨ)と整合するようにフィッティングを行う、請求項2に記載の測定方法。
【請求項4】
前記第1解析ステップでは、
フレネルの式を用いたモデルにより、前記膜厚が所定値と仮定した場合の、前記シート抵抗値および前記散乱時間を求める、請求項1に記載の測定方法。
【請求項5】
前記所定値は1μm以下である、請求項4に記載の測定方法。
【請求項6】
前記第2解析ステップで求められる前記膜厚が収束するまで、前記所定値を前記第2解析ステップで求められた膜厚に置き換えて、前記第1解析ステップおよび前記第2解析ステップを繰り返す、請求項4に記載の測定方法。
【請求項7】
前記第2解析ステップでは、
前記膜厚をフィッティングパラメータとして、前記フレネルの式を用いたモデルにおける理論上の位相差(△)が、前記計測ステップにおいて計測された位相差(△)と整合するようにフィッティングを行う、請求項1から請求項6のいずれかに記載の測定方法。
【請求項8】
薄膜の膜厚を測定する測定装置であって、
前記薄膜からの反射光のp偏光とs偏光の位相差(△)および振幅比(Ψ)を計測する計測部と、
前記位相差および前記振幅比に基づいて、前記薄膜のシート抵抗値および散乱時間を求める第1解析部と、
フレネルの式を用いたモデルにより、前記シート抵抗値および前記散乱時間に基づいて、前記薄膜の膜厚を求める第2解析部と、
を有する測定装置。
【請求項9】
薄膜の膜厚を測定するための測定プログラムであって、
前記薄膜からの反射光のp偏光とs偏光の位相差(△)および振幅比(Ψ)を計測する計測部、
前記位相差および前記振幅比に基づいて、前記薄膜のシート抵抗値および散乱時間を求める第1解析部、および
フレネルの式を用いたモデルにより、前記シート抵抗値および前記散乱時間に基づいて、前記薄膜の膜厚を求める第2解析部、
としてコンピュータを動作させる、測定プログラム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜の膜厚を測定する技術に関し、特に、テラヘルツ時間領域分光エリプソメトリーによって膜厚を測定する技術に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体薄膜の非破壊での特性評価手法としての非破壊・非接触特性評価手法としてテラヘルツ時間領域分光エリプソメトリー(Terahertz Time-Domain Spectroscopic Ellipsometry;THz-TDSE)が注目されている。THz-TDSEによる半導体の電気特性(抵抗率、キャリア濃度、移動度)測定は、2001年に大阪大学の長島らにより提案された(特許文献1)。
【0003】
さらに2013年、日邦プレシジョン株式会社は、半導体基板やエピタキシャル膜の電気特性(抵抗率、キャリア濃度、移動度)および厚さを非接触・非破壊で測定可能なテラヘルツエリプソメトリー装置(商品名:TeraEvaluator(登録商標))を上市した。TeraEvaluator(登録商標)では、テラヘルツ波の反射による偏光状態の変化から、サンプルの電気特性を推定する。
【0004】
図10に示すように、THz-TDSEでは、テラヘルツ(1THz~3THz)の直線偏光を薄膜のサンプルに入射させ、サンプルからの反射光のp偏光とs偏光の振幅比(Ψ)および位相差(Δ)を、周波数を変化させながら測定する。図11(a)および(b)はそれぞれ、振幅反射強度比(tanΨ)および位相差(Δ)の周波数依存性(実験値)を示すグラフである。これらの実験値を、フレネル方程式を用いた理論値(FRモデル)とフィッティング(コンピュータにより最適化)させることにより、電気特性を推定している(非特許文献1)。
【0005】
図6に示すような基板上の薄膜(2層構造)に対して、フレネル方程式から、振幅反射強度比(tanΨ)および位相差(Δ)の関係は下記の式で表される。
JPEG
2025026116000002.jpg
41
87
上記式において、
JPEG
2025026116000003.jpg
17
116
である。
【0006】
Drudeモデルにより、複素屈折率は下記の式で表される。
JPEG
2025026116000004.jpg
20
76
上記式において、
τ:散乱時間
ε

:バックグラウンド誘電率
N:キャリア密度
ε

:真空誘電率


:有効質量
ω:角周波数
e:素電荷
である。
【0007】
従来のFRモデルでは、これらの式における膜厚(d)、キャリア密度(N)および散乱時間(τ)の各パラメータを、TeraEvaluator(登録商標)で測定された振幅反射強度比(tanΨ)および位相差(Δ)が同時に成立するようにフィッティングさせることで、膜厚等を推定している。出願人らは、これまでにこの手法を用いてSi、GaAs、SiC、GaN、InN等の3次元半導体基板上のエピタキシャル膜の電気特性を非接触、非破壊で測定し、測定結果を報告した。これらの報告から、バルク結晶やある程度の厚みのある(おおよそ1μm以上)のエピタキシャル膜に関して、FRモデルによる測定結果が他の手法での測定結果とよい一致を示していることを明らかにした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特許第3550381号
【非特許文献】
【0009】
岩室憲幸監修、「次世代パワーエレクトロニクスの課題と評価技術」、S&T出版株式会社、2022年7月、p.127―138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
出願人らは、GaNの自立基板の作成を目指して、ScAlMgO

(SAM)基板上にRF-MBE法により約1μm以下のGaN薄膜を成長させたテンプレートを検討している。しかしながら、このような極薄膜の膜厚を従来のFRモデルによって解析しようとしたところ、膜厚に複数の最適解が存在するために一意に膜厚を決定することができないことが分かった。
(【0011】以降は省略されています)

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