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公開番号
2025078906
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-05-21
出願番号
2022064502
出願日
2022-04-08
発明の名称
複合粒子、その製造方法、組成物及び成形体
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C08L
27/18 20060101AFI20250514BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】非フッ素の熱可塑性樹脂に優れた耐摩耗性を付与できる複合粒子の提供。
【解決手段】重合体Aと重合体Bとを含み、重合体Aは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を99.5モル%以上含み、重合体Bは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を90.0モル%以上99.5モル%未満含み、融点が260℃以上であり、溶融成形可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、記重合体A/重合体Bで表される質量比が55/45~99/1であり、150℃以上500℃未満の範囲内に融点を2つ以上有し、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により求めた体積基準の頻度分布曲線のピークが1つである、複合粒子。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
重合体Aと重合体Bとを含み、
前記重合体Aは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を99.5モル%以上含み、
前記重合体Bは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を90.0モル%以上99.5モル%未満含み、融点が260℃以上であり、溶融成形可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、
前記重合体A/前記重合体Bで表される質量比が55/45~99/1であり、
150℃以上500℃未満の範囲内に融点を2つ以上有し、
レーザー回折・散乱式粒度分布測定により求めた体積基準の頻度分布曲線のピークが1つである、複合粒子。
続きを表示(約 700 文字)
【請求項2】
前記重合体Bが、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン及びフルオロアルキルエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位を含む請求項1に記載の複合粒子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の複合粒子の製造方法であって、
下式1を満たす前記重合体Aの粉体と前記重合体Bの粉体とを、メカノフュージョン法により複合化する、複合粒子の製造方法。
D50
A
/D50
B
≧1.1 ・・・式1
ただし、D50
A
は、前記重合体Aの粉体の平均粒子径(μm)を示し、D50
B
は、前記重合体Bの粉体の平均粒子径(μm)を示す。
【請求項4】
前記重合体Aの粉体と前記重合体Bの粉体とを複合化する際に、各粉体の表面温度を、前記重合体Bのガラス転移温度未満とする請求項3に記載の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の複合粒子と、非フッ素の熱可塑性樹脂とを含む組成物。
【請求項6】
前記非フッ素の熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリアリーレンサルファイド、ポリアリーレンサルフォン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリアセタール及びポリカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
請求項5に記載の組成物を含む、成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合粒子、その製造方法、組成物及び成形体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
燃費の向上や静音性の観点から、自動車や航空機等の樹脂部品に対して、摩擦の低減が求められる。ポリアミド等の非フッ素の熱可塑性樹脂の摩擦低減方法としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を添加して摺動性を付与する方法が知られている。
【0003】
しかし、PTFEは溶融流動性がなく、非フッ素の熱可塑性樹脂との親和性も低いことから、特に高充填した際にPTFEの分散不良や脱落が生じる場合がある。
そこで、非フッ素の熱可塑性樹脂と、PTFEと、テトラフルオロエチレンに基づく単位を40.0モル%以上99.5モル%未満含む重合体とを特定の割合で含む樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-37656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の樹脂組成物は、PTFEが非フッ素の熱可塑性樹脂に充分に分散せず、PTFEによる耐摩耗性が充分に発現しないことがある。
本発明は、非フッ素の熱可塑性樹脂に優れた耐摩耗性を付与できる複合粒子及びその製造方法、並びに耐摩耗性に優れる組成物及びその成形体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]重合体Aと重合体Bとを含み、
前記重合体Aは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を99.5モル%以上含み、
前記重合体Bは、テトラフルオロエチレンに基づく単位を90.0モル%以上99.5モル%未満含み、融点が260℃以上であり、溶融成形可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基を有し、
前記重合体A/前記重合体Bで表される質量比が55/45~99/1であり、
150℃以上500℃未満の範囲内に融点を2つ以上有し、
レーザー回折・散乱式粒度分布測定により求めた体積基準の頻度分布曲線のピークが1つである、複合粒子。
[2]前記重合体Bが、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)、ヘキサフルオロプロピレン及びフルオロアルキルエチレンからなる群から選ばれる少なくとも1種のコモノマーに基づく単位を含む前記[1]の複合粒子。
[3]前記[1]又は[2]の複合粒子の製造方法であって、
下式1を満たす前記重合体Aの粉体と前記重合体Bの粉体とを、メカノフュージョン法により複合化する、複合粒子の製造方法。
D50
A
/D50
B
≧1.1 ・・・式1
ただし、D50
A
は、前記重合体Aの粉体の平均粒子径(μm)を示し、D50
B
は、前記重合体Bの粉体の平均粒子径(μm)を示す。
[4]前記重合体Aの粉体と前記重合体Bの粉体とを複合化する際に、各粉体の表面温度を、前記重合体Bのガラス転移温度未満とする前記[3]の製造方法。
[5]前記[1]又は[2]の複合粒子と、非フッ素の熱可塑性樹脂とを含む組成物。
[6]前記非フッ素の熱可塑性樹脂が、ポリアミド、ポリエーテルイミド、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリエステル、半芳香族ポリエステル、ポリアリーレンサルファイド、ポリアリーレンサルフォン、ポリアリーレンエーテルケトン、ポリアセタール、及びポリカーボネートからなる群から選ばれる少なくとも1種である前記[5]の組成物。
[7]前記[5]又は[6]の組成物を含む、成形体。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、非フッ素の熱可塑性樹脂に優れた耐摩耗性を付与できる複合粒子及びその製造方法、並びに耐摩耗性に優れる組成物及びその成形体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明における用語の意味や定義は以下の通りである。
「非フッ素」は、フッ素原子を含まないことを意味する。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことを意味する。
「溶融流動性を示す」とは、重合体の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流れ速度が0.1~1,000g/10分となる温度が存在することを意味する。
「溶融流れ速度」は、JIS K 7210-1:2014(対応国際規格ISO 1133-1:2011)に規定されるメルトマスフローレイト(MFR)である。以下、溶融流れ速度をMFRとも記す。
「カルボニル基含有基」とは、構造中にカルボニル基(-C(=O)-)を有する基を意味する。
「ガラス転移温度」は、動的粘弾性測定(DMA)法で測定したtanδピークの最大値に対応する温度である。以下、ガラス転移温度をTgとも記す。
「平均粒子径」は、体積基準で求めた粒度分布の全体積を100%とした累積分布曲線において50%となる点の粒子径、すなわち体積基準累積50%径(D50)を意味する。粒度分布は、レーザー回折・散乱式粒子径分布測定により得られる。以下、平均粒子径をD50とも記す。
「モノマーに基づく単位」は、モノマー1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0009】
〔複合粒子〕
本発明の一態様に係る複合粒子(以下、本複合粒子とも記す。)は、重合体Aと重合体Bとを含む。
重合体Aは、テトラフルオロエチレン(以下、TFEとも記す。)に基づく単位(以下、TFE単位とも記す。)を99.5モル%以上含む。
重合体Bは、TFE単位を90.0モル%以上99.5モル%未満含み、融点が260℃以上であり、溶融成形可能であり、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基及びイソシアネート基からなる群から選択される少なくとも1種の官能基(以下、官能基Gとも記す。)を有する。
重合体A、重合体Bについては後で詳しく説明する。
【0010】
本複合粒子において、重合体A/重合体Bで表される質量比は、55/45~99/1である。重合体A/重合体Bが55/45以上であれば、重合体Aによる耐摩耗性の向上効果が充分に発現し、99/1以下であれば、重合体Bによる分散性の向上効果が充分に発現する。そのため、重合体A/重合体Bが前記範囲内であれば、複合粒子が非フッ素の熱可塑性樹脂に良好に分散し、優れた耐摩耗性が得られる。
重合体A/重合体Bで表される質量比は、70/30~99/1が好ましく、80/20~95/5がより好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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