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公開番号2025057793
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167542
出願日2023-09-28
発明の名称真空断熱材
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類F16L 59/065 20060101AFI20250402BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】内部に浸入する水分による熱伝導率の悪化を抑制できる、長期信頼性に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
【解決手段】芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムとを備え、前記芯材が前記ガスバリア性フィルムで形成された外袋内に減圧封入された真空断熱材であって、前記芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、ガラス繊維とを含み、前記ガラス繊維に含まれるNa2OとK2Oの合計質量の前記ガラス繊維の総質量に対する割合が11質量%以下である、真空断熱材。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムとを備え、前記芯材が前記ガスバリア性フィルムで形成された外袋内に減圧封入された真空断熱材であって、
前記芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、ガラス繊維とを含み、
前記ガラス繊維に含まれるNa

OとK

Oの合計質量の前記ガラス繊維の総質量に対する割合が11質量%以下である、真空断熱材。
続きを表示(約 890 文字)【請求項2】
前記ガラス繊維のアルカリ溶出量が1.9mL/g以下である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項3】
前記ガラス繊維の熱膨張係数が90×10
-7
/℃以下である、請求項1または2に記載の真空断熱材。
【請求項4】
前記ガラス繊維のヤング率が50GPa以上である、請求項1または2に記載の真空断熱材。
【請求項5】
前記ガラス繊維を構成するガラスは、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸ガラスから選ばれる1種以上である、請求項1または2に記載の真空断熱材。
【請求項6】
前記芯材の総質量に対し、前記ヒュームドシリカの含有割合が50~90質量%、前記輻射抑制成分の含有割合が3~30質量%、前記ガラス繊維の含有割合が2~30質量%であり、
減圧封入された前記芯材の密度が0.30g/cm

以下であり、
前記ガラス繊維の繊維長の範囲は0.1~10mmであり、
前記ガラス繊維の重量平均繊維長Lwに対する数平均繊維長Lnの比で表される繊維長分布Lw/Lnが1.05以上である、請求項1または2に記載の真空断熱材。
【請求項7】
前記ガラス繊維の繊維長D10が2.4mm以下である、請求項6に記載の真空断熱材。
【請求項8】
前記ガラス繊維の繊維長D50に対する、繊維長D90と繊維長D10との差で表される、前記ガラス繊維の繊維長の広がり指標(D90-D10)/D50が0.21以上である、請求項6に記載の真空断熱材。
【請求項9】
前記輻射抑制成分が、グラファイト、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、およびチタン酸カリウムから選ばれる1種以上である、請求項6に記載の真空断熱材。
【請求項10】
平板状の真空断熱材を作製し、前記真空断熱材の厚み方向の平面に4400Paの圧力を1時間加えた際のひずみ量が0.25%以下である、請求項6に記載の真空断熱材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
真空断熱材は、冷蔵庫、給湯器等の様々な分野で使用されている。真空断熱材としては、粉体とガラス繊維とを含む芯材が成形された成形体が外袋内に減圧封入された真空断熱材が知られている(特許文献1)。芯材に粉体を用いた真空断熱材は、芯材にガラス繊維等の繊維のみを用いた真空断熱材に比べ、初期の断熱性能が劣るものの、低真空でも充分な断熱性能を維持できるため耐久性に優れる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-215538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のような従来の真空断熱材においては、芯材を減圧封入している外袋の熱融着部分から湿気が少しずつ内部に浸入し、浸入した水分の影響で熱伝導率が悪化し、断熱性能が徐々に低下していく問題がある。
【0005】
本発明は、内部に浸入する水分による熱伝導率の悪化を抑制できる、長期信頼性に優れた真空断熱材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の構成を含む。
[1]芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムとを備え、前記芯材が前記ガスバリア性フィルムで形成された外袋内に減圧封入された真空断熱材であって、
前記芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、ガラス繊維とを含み、
前記ガラス繊維に含まれるNa

OとK

Oの合計質量の前記ガラス繊維の総質量に対する割合が11質量%以下である、真空断熱材。
[2]前記ガラス繊維のアルカリ溶出量が1.9mL/g以下である、[1]に記載の真空断熱材。
[3]前記ガラス繊維の熱膨張係数が90×10
-7
/℃以下である、[1]または[2]に記載の真空断熱材。
[4]前記ガラス繊維のヤング率が50GPa以上である、[1]~[3]のいずれかに記載の真空断熱材。
[5]前記ガラス繊維を構成するガラスは、アルミノホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラスおよびアルミノケイ酸ガラスから選ばれる1種以上である、[1]~[4]のいずれかに記載の真空断熱材。
[6]前記芯材の総質量に対し、前記ヒュームドシリカの含有割合が50~90質量%、前記輻射抑制成分の含有割合が3~30質量%、前記ガラス繊維の含有割合が2~30質量%であり、
減圧封入された前記芯材の密度が0.30g/cm

以下であり、
前記ガラス繊維の繊維長の範囲は0.1~10mmであり、
前記ガラス繊維の重量平均繊維長Lwに対する数平均繊維長Lnの比で表される繊維長分布Lw/Lnが1.05以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の真空断熱材。
[7]前記ガラス繊維の繊維長D10が2.4mm以下である、[6]に記載の真空断熱材。
[8]前記ガラス繊維の繊維長D50に対する、繊維長D90と繊維長D10との差で表される、前記ガラス繊維の繊維長の広がり指標(D90-D10)/D50が0.21以上である、[6]または[7]に記載の真空断熱材。
[9]前記輻射抑制成分が、グラファイト、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化スズ、およびチタン酸カリウムから選ばれる1種以上である、[6]~[8]のいずれかに記載の真空断熱材。
[10]平板状の真空断熱材を作製し、前記真空断熱材の厚み方向の平面に4400Paの圧力を1時間加えた際のひずみ量が0.25%以下である、[6]~[9]のいずれかに記載の真空断熱材。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、内部に浸入する水分による熱伝導率の悪化を抑制できる、長期信頼性に優れた真空断熱材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
実施形態の一例の真空断熱材の概略構成を示す断面図である。
例6に用いた繊維6と、例8で用いた繊維8について、繊維長(mm)に対する繊維の個数基準の頻度分布を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の用語は、以下の意味を示す。
「芯材」とは、真空断熱材における原料混合物からなる成形体であって、成形によって所望の形とされたものを意味する。
「ヒュームドシリカ」とは、アモルファスかつ球状で、細孔のない一次粒子からなるシリカ微粒子を意味する。ヒュームドシリカは、例えば、四塩化ケイ素を気化し、高温の水素炎中で気相反応を行う方法により得られる。
「輻射抑制成分」とは、赤外光を反射もしくは散乱するか、または、赤外光を一旦吸収してその吸収による温度上昇分を再放射する際に等方的に放射して赤外光の方向性を乱すことで、輻射伝熱を抑える粒子を意味する。
「ヒュームドシリカの平均凝集粒子径D50」とは、レーザー回折散乱法により求められるヒュームドシリカの体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折散乱法によるヒュームドシリカの体積基準頻度粒度分布において、粒子集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径をD50とする。
「ガラス繊維の繊維長D10」とは、個数基準で求めた繊維長分布の全個数を100%とした累積個数分布曲線において、累積個数が10%となる点の繊維長を意味する。「繊維長D50」とは、個数基準で求めた繊維長分布の全個数を100%とした累積個数分布曲線において、累積個数が50%となる点の繊維長を意味する。「繊維長D90」とは、個数基準で求めた繊維長分布の全個数を100%とした累積個数分布曲線において、累積個数が90%となる点の繊維長を意味する。繊維長分布は、光学顕微鏡で観察した写真において無作為に50本以上の繊維の長さを測定して得られる頻度分布および累積個数分布曲線で求められる。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の両側の数値をその数値範囲に含む。
【0010】
以下、本発明を実施するための形態を説明する。なお、本発明は後述する実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の変形が可能である。
(【0011】以降は省略されています)

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