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公開番号2025061300
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2025005302,2022500338
出願日2025-01-15,2021-02-02
発明の名称フッ素含有重合体及びその製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類C08F 14/18 20060101AFI20250403BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れた硬化性及び硬化物の低誘電特性を有するフッ素含有重合体、並びに当該フッ素含有重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】フッ素含有重合体は、フッ素含量が50質量%以上であり、不飽和度が0.1mEq/g以上であり、ガラス転移温度が-20℃以上であり、-50℃~(ガラス転移温度-10℃)の範囲における複素弾性率の最大値E*1と、(ガラス転移温度+10℃)~250℃の範囲における複素弾性率の最小値E*2と、の関係がE*2/E*1≦0.01を満たす。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フッ素含量が50質量%以上であり、不飽和度が0.1mEq/g以上であり、ガラス転移温度が-20℃以上であり、-50℃~(ガラス転移温度-10℃)の範囲における複素弾性率の最大値E

1と、(ガラス転移温度+10℃)~250℃の範囲における複素弾性率の最小値E

2と、の関係がE

2/E

1≦0.01を満たす、フッ素含有重合体。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
多分散度が2.0以下である、請求項1に記載のフッ素含有重合体。
【請求項3】
重量平均分子量が1,000~1,000,000である、請求項1又は請求項2に記載のフッ素含有重合体。
【請求項4】
下記式(1)で表される化合物の重合体、又は
下記式(1)で表される化合物と、反応性炭素-炭素二重結合を有し前記式(1)で表される化合物とは異なる化合物と、の共重合体である、
請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のフッ素含有重合体。
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30
78
式(1)中、Y

はフッ素原子を少なくとも1つ有する2価の有機基を表す。R

~R

はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又は炭素数1~5の有機基を表す。R

とR

、R

とR

、R

とY

、及びR

とY

は、それぞれ独立に、互いに連結して環状構造を構成していてもよい。
【請求項5】
前記式(1)で表される化合物のフッ素含量が20質量%以上である、請求項4に記載のフッ素含有重合体。
【請求項6】
前記式(1)におけるY

が、炭素数1~60のフルオロアルキレン基、炭素数1~60のフルオロポリエーテル基、又は炭素数1~60のフルオロアリーレン基である、請求項4又は請求項5に記載のフッ素含有重合体。
【請求項7】
前記式(1)で表される化合物が、炭素数5~64のジビニルフルオロアルカン、炭素数5~64のジビニルフルオロポリエーテル、及び炭素数5~64のジビニルフルオロアリーレンからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項4~請求項6のいずれか1項に記載のフッ素含有重合体。
【請求項8】
アニオンと対カチオンとからなる下記式(2)で表されるイオン性触媒及び下記式(3)で表される部分構造を有する化合物の存在下、又は、
下記式(4)で表される化合物及び下記式(5)で表される化合物からなる群より選択される少なくとも1つの化合物の存在下、
少なくとも2つの反応性炭素-炭素二重結合を有する化合物を重合することを含む、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のフッ素含有重合体の製造方法。
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7
36
式(2)中、A

は、窒素及びリンからなる群より選択される少なくとも1種の元素を含むカチオン、アルカリ金属イオン、又はプロトンを表し、B

はヨウ素、窒素、及び硫黄からなる群より選択される少なくとも1種の元素を含む1価のアニオンを表す。
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2025061300000030.jpg
33
51
式(3)中、*は有機基に結合する結合手を表す。X

及びX

はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、塩素原子、又は-CX





を表す。X

~X

はそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子、又は塩素原子を表す。
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34
71
式(4)中、Y

は炭素数1~8の非置換アルキル基、炭素数1~8の置換アルキル基、炭素数3~12の非置換アリール基、又は炭素数3~16の置換アリール基を表す。Y

及びY

はそれぞれ独立に、水素原子、又は炭素数1~8の置換又は非置換アルキル基を表す。Y

は水素原子、炭素数1~8の非置換アルキル基、炭素数1~8の置換アルキル基、炭素数3~12の非置換アリール基、炭素数3~16の置換アリール基、炭素数2~8のアシル基、炭素数2~8のアミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を表す。
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7
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式(5)中、Y

及びY

は、それぞれ独立に、炭素数1~8の非置換アルキル基、炭素数1~8の置換アルキル基、炭素数3~12の非置換アリール基、又は炭素数3~16の置換アリール基を表す。
【請求項9】
前記少なくとも2つの反応性炭素-炭素二重結合を有する化合物が、下記式(1)で表される化合物を含む、請求項8に記載のフッ素含有重合体の製造方法。
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30
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式(1)中、Y

はフッ素原子を少なくとも1つ有する2価の有機基を表す。R

~R

はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、又は炭素数1~5の有機基を表す。R

とR

、R

とR

、R

とY

、及びR

とY

は、それぞれ独立に、互いに連結して環状構造を構成していてもよい。
【請求項10】
前記式(1)で表される化合物と、反応性炭素-炭素二重結合を有し前記式(1)で表される化合物とは異なる化合物と、を共重合することを含む、請求項9に記載のフッ素含有重合体の製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示はフッ素含有重合体及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
ラジカル重合反応は、モノマー汎用性に優れ、水等の極性媒体中でも簡便に行えるため、工業的に広く用いられている。
【0003】
モノマーとしてハロオレフィン、特にフルオロオレフィンを用いた場合、ハロオレフィン重合体を合成できる。ハロオレフィン重合体は、低反応性炭素-炭素二重結合溶剤、低反応性溶剤、熱媒体、医農薬中間体、消火剤、界面活性剤、表面処理剤、低摩擦摺動材、離型材料、樹脂成型添加剤、耐薬品グリース、低屈折率材料、低誘電率材料、耐熱エラストマー、熱可塑性エラストマー、難燃材料、耐薬品アイオノマー、フォトレジスト材料などの原料として有用である。
【0004】
ハロオレフィンの重合方法の1つとして、特許文献1に記載の方法が知られている。特許文献1には、特定の有機テルル化合物の存在下で特定のハロオレフィンをラジカル重合し、ハロオレフィン重合体又は共重合体を製造するラジカル重合法が記載されている。この方法は、TERP(organotellurium-mediated living radical polymerization;有機テルル化合物を用いるリビングラジカル重合)法と呼ばれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2018/164147号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
フッ素含有重合体からなる硬化物は誘電特性に優れるため、低誘電材料として各種電子部材等に用いられている。特に、近年の高速通信技術の発展に伴い、高周波信号の損失を低減可能な低誘電材料の需要が増している。発明者は、フッ素含有重合体を多層配線板の層間絶縁膜等の積層可能な材料として開発することを検討した。多層配線板は金属配線の配置及び層間絶縁膜の積層を繰り返して形成することから、層間絶縁膜の材料には加熱硬化により積層可能であることが求められる。また、配線間の絶縁性を担保するために、層間絶縁膜には高い寸法精度が求められる。このような積層性及び寸法精度を達成するためには、層間絶縁膜の材料は高い硬化性を有することが望まれる。しかしながら、これまでにフッ素含有重合体において優れた硬化性及び硬化物の低誘電特性を両立しうる方法に係る知見は得られていない。
【0007】
例えば、特許文献1に記載の方法により得られるフッ素含有重合体は、硬化性基を導入することにより硬化性材料として用いることが可能であるが、当該フッ素含有重合体は分子鎖が直線状であるため、その硬化物は架橋密度が低く、十分な硬化性が得られにくい。
【0008】
かかる状況に鑑み、本開示は、優れた硬化性及び硬化物の低誘電特性を有するフッ素含有重合体、並びに当該フッ素含有重合体の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> フッ素含量が50質量%以上であり、不飽和度が0.1mEq/g以上であり、ガラス転移温度が-20℃以上であり、-50℃~(ガラス転移温度-10℃)の範囲における複素弾性率の最大値E

1と、(ガラス転移温度+10℃)~250℃の範囲における複素弾性率の最小値E

2と、の関係がE

2/E

1≦0.01を満たす、フッ素含有重合体。
<2> 多分散度が2.0以下である、<1>に記載のフッ素含有重合体。
<3> 重量平均分子量が1,000~1,000,000である、<1>又は<2>に記載のフッ素含有重合体。
<4> 下記式(1)で表される化合物の重合体、又は
下記式(1)で表される化合物と、反応性炭素-炭素二重結合を有し前記式(1)で表される化合物とは異なる化合物と、の共重合体である、
<1>~<3>のいずれか1項に記載のフッ素含有重合体。
【0010】
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(【0011】以降は省略されています)

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