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公開番号2025080940
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-27
出願番号2023194347
出願日2023-11-15
発明の名称透明アンテナの製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人栄光事務所
主分類H01Q 1/38 20060101AFI20250520BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】アンテナ導体及び接地導体をメッシュパターンの導電材料で形成する場合でも、高い透明性と高いアンテナ放射効率を得ること。
【解決手段】導電性ペーストの粘弾性を、せん断速度が0.1s-1では500~2000Pa・s、せん断速度が250s-1では1~20Pa・sに調整する。調整後の導電性ペーストを、スクリーン版上に展開した後、導電性ペーストを透明基材にスクリーン印刷する。透明基材に印刷されたメッシュパターンの導電性ペーストを加熱して、透明基材に導電性ペーストが焼成された導電メッシュ層を形成する。焼成された導電メッシュ層を、その導電メッシュ層の線幅が50~200μm、導電メッシュ層の開口の配列ピッチが900~1100μmとし、導電メッシュ層の可視光透過率が50%を超え、導電メッシュ層のシート抵抗が10×10-2Ω/sq以下である層にする。
【選択図】図7
特許請求の範囲【請求項1】
透明基材にメッシュパターンのアンテナが形成された透明アンテナの製造方法であって、
(1) 前記透明基材と前記アンテナの印刷材料となる導電性ペーストとを準備し、前記導電性ペーストの粘弾性を、せん断速度が0.1s
-1
では500~2000Pa・s、せん断速度が250s
-1
では1~20Pa・sに調整すること、
(2) 前記導電性ペーストを、前記アンテナのメッシュパターンに応じた孔部を有するスクリーン版上に展開した後、前記スクリーン版を前記透明基材に押し当てながら前記孔部に充填された前記導電性ペーストを前記透明基材にスクリーン印刷すること、及び
(3) 前記(2)において前記透明基材に印刷された前記メッシュパターンの前記導電性ペーストを加熱して、前記透明基材に前記導電性ペーストが焼成された導電メッシュ層を形成すること、を順に含み、
前記(3)において焼成された前記導電メッシュ層は、該導電メッシュ層の線幅が50~200μm、前記導電メッシュ層の開口の配列ピッチが900~1100μmであり、前記導電メッシュ層の可視光透過率が50%を超え、前記導電メッシュ層のシート抵抗が10×10
-2
Ω/sq以下である、透明アンテナの製造方法。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記導電性ペーストは、銀粒子を含む、
請求項1に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項3】
前記導電性ペーストの前記銀粒子の質量パーセント濃度は50~95質量%である、
請求項2に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項4】
前記導電性ペーストの前記銀粒子の平均粒度は0.1~1.0μmである、
請求項2に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項5】
前記透明基材は、ガラス又は樹脂である、
請求項1に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項6】
前記透明基材の厚さは100~2000μmである、
請求項1に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項7】
前記導電メッシュ層の表面を黒化させる黒化処理を更に含む、
請求項1に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項8】
前記黒化処理は、前記導電メッシュ層にカーボンブラックを含む有機材料を塗布又は浸漬する処理を含む、
請求項7に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項9】
前記黒化処理は、前記導電メッシュ層の表面に酸化皮膜を形成する処理を含む、
請求項7に記載の透明アンテナの製造方法。
【請求項10】
前記黒化処理後の前記導電メッシュ層の反射率は、0~10%である、
請求項7に記載の透明アンテナの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、透明アンテナの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、インターネット通信、ラジオ放送、GPS(Global Positioning System)等の無線技術を利用した多様な通信システムが開発されている。これらの通信システムに対応するためには、それぞれの通信システムに使用される電磁波の送受信が可能なアンテナが必要となる。また、無線通信の高速化及び大容量化を図るため、第5世代移動通信システム(5G)用の周波数帯等のように、使用する周波数帯域の高周波化が進んでいる。そのため、アンテナには、このような高周波帯の電波が携帯電話、インターネット通信等に使用された場合でも安定して電波を送受信できる能力が必要となる。
【0003】
例えば、スマートフォン、タブレット型端末等の携帯通信端末のディスプレイ表示部、住宅の窓等は、良好な電波の通過部となるため、その通過部に視認されにくい透明なアンテナを設置させることが望まれる。しかし、アンテナの材料としてITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電材料を用いた場合、透明導電材料は電気抵抗及び伝送損失が大きく、アンテナ放射効率が低くなる不利がある。そこで、導電材料の細線からなる多数の開口を有するメッシュパターンによりアンテナを形成することが提案されており、その技術が特許文献1に開示されている。このアンテナによれば、メッシュパターンの開口によってアンテナの透明性が保たれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2021/229994号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記したメッシュパターンのアンテナを用いる場合、メッシュパターンの開口部の面積を広げて光透過率を増加させ、アンテナを視認しにくくするほど、アンテナ放射効率が劣化する。このように、アンテナ放射効率の向上とアンテナの透過性の向上とはトレードオフの関係にあり、アンテナ設計を難しくする要因となっている。
【0006】
また、メッシュパターンのアンテナを、必要とされる面積及び厚さで効率よく形成するにはスクリーン印刷が好適であるが、導電材料を用いたスクリーン印刷では、メッシュパターンを形成する際に細線の太り、断線、滲み等の印刷欠陥が生じやすく、正確かつ安定して所望のメッシュパターンを形成することが難しい。
【0007】
そこで本発明は、導電材料の細線からなるメッシュパターンをスクリーン印刷して、高いアンテナの透明性と高いアンテナ放射効率が得られるアンテナを形成する際に、印刷欠陥を生じ難くするアンテナの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は下記の構成からなる。
透明基材にメッシュパターンのアンテナが形成された透明アンテナの製造方法であって、
(1) 前記透明基材と前記アンテナの印刷材料となる導電性ペーストとを準備し、前記導電性ペーストの粘弾性を、せん断速度が0.1s
-1
では500~2000Pa・s、せん断速度が250s
-1
では1~20Pa・sに調整すること、
(2) 前記導電性ペーストを、前記アンテナのメッシュパターンに応じた孔部を有するスクリーン版上に展開した後、前記スクリーン版を前記透明基材に押し当てながら前記孔部に充填された前記導電性ペーストを前記透明基材にスクリーン印刷すること、及び
(3) 前記(2)において前記透明基材に印刷された前記メッシュパターンの前記導電性ペーストを加熱して、前記透明基材に前記導電性ペーストが焼成された導電メッシュ層を形成すること、を順に含み、
前記(3)において焼成された前記導電メッシュ層は、該導電メッシュ層の線幅が50~200μm、前記導電メッシュ層の開口の配列ピッチが900~1100μmであり、前記導電メッシュ層の可視光透過率が50%を超え、前記導電メッシュ層のシート抵抗が10×10
-2
Ω/sq以下である、
透明アンテナの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、導電材料の細線からなるメッシュパターンをスクリーン印刷して、高いアンテナの透明性と高いアンテナ放射効率が得られるアンテナを形成する際に、印刷欠陥を生じ難くし得る。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施形態におけるアンテナの概略断面図である。
図2は、アンテナ導体と接地導体における導電メッシュ層のメッシュパターンの一例を示す模式図である。
図3は、図2に示すメッシュパターンの一部拡大図である。
図4は、アンテナ放射効率の周波数特性がアンテナ部の導電率によって変化する様子を示すグラフである。
図5は、メッシュパターンの外縁に外形フレーム線を設けた場合の一形状例を示す概略図である。
図6は、渦巻き型のアンテナ部を示す概略図である。
図7は、アンテナの製造方法の手順を示すフローチャートである。
図8は、種々の導電性ペーストのせん断速度に対するせん断粘度の変化を示すグラフである。
図9は、例1、例4,例5,例8の試験結果を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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