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公開番号2025124959
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-08-27
出願番号2022117977
出願日2022-07-25
発明の名称樹脂組成物及びその成形体
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08L 27/12 20060101AFI20250820BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】射出成形により容易に成形でき、耐変色性、機械強度、及び表面平滑性に優れる白色の成形体が得られる樹脂組成物の提供。
【解決手段】部分フッ素化フッ素樹脂(A)と、酸化チタンを主成分とする粒子(B)と、リン化合物(C)と、チタン酸カリウムウィスカ(D)とを含む白色の樹脂組成物であり、部分フッ素化フッ素樹脂(A)は、150~300℃の融点を有し、チタン酸カリウムウィスカ(D)は、繊維径が9μm未満、モース硬度が6以下であり、部分フッ素化フッ素樹脂(A)、粒子(B)、リン化合物(C)及びチタン酸カリウムウィスカ(D)の合計質量に対し、粒子(B)が1.0~20.0質量%、リン化合物(C)が0.1~1.0質量%、チタン酸カリウムウィスカ(D)が5~30質量%であり、メルトフローレートが11g/10分以上であり、引張弾性率が2.0GPa以上である、樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
部分フッ素化フッ素樹脂(A)と、酸化チタンを主成分とする粒子(B)と、リン化合物(C)と、チタン酸カリウムウィスカ(D)とを含む白色の樹脂組成物であり、
前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)は、150~300℃の融点を有し、
前記チタン酸カリウムウィスカ(D)は、繊維径が9μm未満、モース硬度が6以下であり、
前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)、前記粒子(B)、前記リン化合物(C)及び前記チタン酸カリウムウィスカ(D)の合計質量に対し、前記粒子(B)が1.0~20.0質量%、前記リン化合物(C)が0.1~1.0質量%、前記チタン酸カリウムウィスカ(D)が5~30質量%であり、
ASTM D3159に準拠し、297℃で測定されるメルトフローレートが11g/10分以上であり、
ASTM D638に準拠し、23±1℃で測定される引張弾性率が2.0GPa以上である、樹脂組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
射出成形用である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記リン化合物(C)が、下式(1)で表され、分子量が600~1,500であるホスホナイト化合物(C1)、下式(2)で表され、分子量が400~1,500であるホスホネート化合物(C2)、下式(3)で表され、分子量が400~1,500であるホスフェート化合物(C3)、及び下式(4)で表され、分子量が400~1,500であるホスファイト化合物(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
TIFF
2025124959000011.tif
109
170
式(1)中、R
11
~R
14
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
15
は、2価の炭化水素基を表す。式(2)中、R
21
~R
24
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
25
は、2価の炭化水素基を表す。式(3)中、R
31
~R
34
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
35
は、2価の炭化水素基を表す。式(4)中、R
41
及びR
42
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表す。
【請求項4】
前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)が、エチレンに基づく単位と、テトラフルオロエチレンに基づく単位とを有する共重合体を含む、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
前記樹脂組成物の全質量に対する前記チタン酸カリウムウィスカ(D)の質量百分率をr

としたときに、前記r

を前記メルトフローレート(g/10分)で割った値が0.45~3.0であり、前記r

と前記メルトフローレート(g/10分)とを乗じた値が200~350である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の樹脂組成物を成形した成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物及びその成形体に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
各種の電子機器の筐体として、樹脂成形体が用いられる。この用途において樹脂成形体には、衝撃を受けた際に筐体に割れや欠けが発生しないように、曲げ強さ等の機械強度が求められる。機械強度の観点から、樹脂成形体の樹脂としては、ABS樹脂が汎用されている。また、美観等の観点から、樹脂成形体に酸化チタン等の白色顔料を含有させて樹脂成形体を白色にすることがある。
しかし、ABS樹脂を用いた樹脂成形体は、光や熱により変色しやすい問題がある。特に白色の場合、変色は目立ちやすい。
【0003】
一方、耐候性に優れた白色の樹脂フィルムとして、フッ素樹脂、酸化チタンを主成分とする粒子、リン化合物、シリコーンオイルを含む樹脂組成物からなる樹脂フィルムが知られている(特許文献1)。
しかし、特許文献1に記載の樹脂組成物は、機械強度が充分ではない。
【0004】
樹脂組成物の機械強度を高める手法としては一般に、ガラス繊維等の強化繊維を含有させる方法が知られている。
しかし、樹脂組成物に強化繊維を含有させると、得られる成形体の表面外観が損なわれる問題がある。また、成形体の成形方法としては、生産性の観点から、射出成形が好ましいが、強化繊維の含有量が多くなると、射出成形が困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2014/069482号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、射出成形により容易に成形でき、耐変色性、機械強度、及び表面平滑性に優れる白色の成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]部分フッ素化フッ素樹脂(A)と、酸化チタンを主成分とする粒子(B)と、リン化合物(C)と、チタン酸カリウムウィスカ(D)とを含む白色の樹脂組成物であり、
前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)は、150~300℃の融点を有し、
前記チタン酸カリウムウィスカ(D)は、繊維径が9μm未満、モース硬度が6以下であり、
前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)、前記粒子(B)、前記リン化合物(C)及び前記チタン酸カリウムウィスカ(D)の合計質量に対し、前記粒子(B)が1.0~20.0質量%、前記リン化合物(C)が0.1~1.0質量%、前記チタン酸カリウムウィスカ(D)が5~30質量%であり、
ASTM D3159に準拠し、297℃で測定されるメルトフローレートが11g/10分以上であり、
ASTM D638に準拠し、23±1℃で測定される引張弾性率が2.0GPa以上である、樹脂組成物。
[2]射出成形用である、前記[1]の樹脂組成物。
[3]前記リン化合物(C)が、下式(1)で表され、分子量が600~1,500であるホスホナイト化合物(C1)、下式(2)で表され、分子量が400~1,500であるホスホネート化合物(C2)、下式(3)で表され、分子量が400~1,500であるホスフェート化合物(C3)、及び下式(4)で表され、分子量が400~1,500であるホスファイト化合物(C4)からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]又は[2]の樹脂組成物。
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2025124959000001.tif
109
170
式(1)中、R
11
~R
14
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
15
は、2価の炭化水素基を表す。式(2)中、R
21
~R
24
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
25
は、2価の炭化水素基を表す。式(3)中、R
31
~R
34
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表し、R
35
は、2価の炭化水素基を表す。式(4)中、R
41
及びR
42
はそれぞれ独立に、アルキル基、又はアルキル基を有していてもよいアリール基を表す。
[4]前記部分フッ素化フッ素樹脂(A)が、エチレンに基づく単位と、テトラフルオロエチレンに基づく単位とを有する共重合体を含む、前記[1]~[3]のいずれかの樹脂組成物。
[5]前記樹脂組成物の全質量に対する前記チタン酸カリウムウィスカ(D)の質量百分率をr

としたときに、前記r

を前記メルトフローレート(g/10分)で割った値が0.45~3.0であり、前記r

と前記メルトフローレート(g/10分)とを乗じた値が200~350である、前記[1]~[4]のいずれかの樹脂組成物。
[6]前記[1]~[5]のいずれかの樹脂組成物を成形した成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、射出成形により容易に成形でき、耐変色性、機械強度、及び表面平滑性に優れる白色の成形体が得られる樹脂組成物及びその成形体を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における用語の意味や定義は以下の通りである。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
単量体に基づく単位を、単に、「単量体単位」とも記す。例えば、エチレンに基づく単位を「エチレン単位」とも記す。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「メルトフローレート」(以下、「MFR」とも記す。)は、ASTM D3159に準拠して測定されるメルトマスフローレイトである。MFRの測定条件は、温度297℃、荷重5kgである。
「比重」は、23±1℃において、水中置換(懸架)方法によって測定される。
「引張強さ」、「引張伸び」、「引張弾性率」は、ASTM D638に準拠して測定される。具体的には、試料(樹脂組成物)から、ASTM Type Iのダンベル形状の試験片(厚さ4mm)を作製し、得られた試験片について、ASTM D638に準拠した条件で引張試験を行って求められる。
「曲げ強さ」、「曲げ弾性率」は、ASTM D790に準拠して測定される。具体的には、試料(樹脂組成物)から、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片を作製し、得られた試験片について、ASTM D790に準拠した条件で曲げ試験を行って求められる。
「アイゾット衝撃強さ」は、JIS K7110に準拠して測定される。具体的には、試料(樹脂組成物)から、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの試験片(ノッチ付き)を作製し、得られた試験片について、JIS K7110に準拠した条件でアイゾット衝撃試験を行って求められる。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0010】
〔樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物(以下、「本樹脂組成物」とも記す。)は、部分フッ素化フッ素樹脂(A)(以下、「成分(A)」とも記す。)と、酸化チタンを主成分とする粒子(B)と、リン化合物(C)(以下、「成分(C)」とも記す。)と、チタン酸カリウムウィスカ(D)(以下、「成分(D)」とも記す。)とを含む白色の樹脂組成物である。各成分については後で詳しく説明する。
本樹脂組成物は、上記以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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