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公開番号2025141419
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-29
出願番号2024041339
出願日2024-03-15
発明の名称真空断熱材
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類F16L 59/065 20060101AFI20250919BHJP(機械要素または単位;機械または装置の効果的機能を生じ維持するための一般的手段)
要約【課題】本発明は、長期信頼性に優れ、かつ、芯材の圧縮強度が向上した真空断熱材を提供する。
【解決手段】真空断熱材1は芯材10と、芯材を覆うガスバリア性フィルム12とを備え、芯材10がガスバリア性フィルムで形成された外袋12内に減圧封入され、芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、無機長繊維とを含有し、ヒュームドシリカの含有割合が芯材の総量の50~90質量%であり、輻射抑制成分の含有割合が芯材の総量の3~30質量%であり、無機長繊維の含有割合が芯材の総量の2~30質量%であり、外袋12内に減圧封入された芯材10の密度が0.2g/cm3以下であり、無機長繊維には繊維集束剤が付着し、繊維集束剤の含有割合が芯材の総量の0.01質量%以上0.50質量%未満である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムと、を備え、
前記芯材が、前記ガスバリア性フィルムで形成された外袋内に減圧封入され、
前記芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、無機長繊維とを含有し、
前記ヒュームドシリカの含有割合が、芯材の総量の50~90質量%であり、
前記輻射抑制成分の含有割合が、芯材の総量の3~30質量%であり、
前記無機長繊維の含有割合が、芯材の総量の2~30質量%であり、
前記外袋内に減圧封入された芯材の密度が、0.20g/cm

以下であり、
前記無機長繊維には繊維集束剤が付着し、
前記繊維集束剤の含有割合が、芯材の総量の0.01質量%以上0.50質量%未満である、真空断熱材。
続きを表示(約 650 文字)【請求項2】
前記無機長繊維の総量に対する前記繊維集束剤の総量の質量比が、1/200~1/30である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項3】
前記繊維集束剤が、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびシランカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項4】
前記無機長繊維が、アルミナ長繊維、ガラス長繊維、シリカ長繊維、シリカ・アルミナ長繊維およびカーボン長繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項5】
前記輻射抑制成分が、グラファイト、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化スズおよびチタン酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項6】
前記無機長繊維の少なくとも一部が、ガラス長繊維であり、
前記ガラス長繊維中のNa

OとK

Oの合計質量の前記ガラス長繊維の総質量に対する割合が、11質量%以下である、請求項1に記載の真空断熱材。
【請求項7】
前記無機長繊維の繊維長が、0.1~10mmであり、かつ、
前記無機長繊維の重量平均繊維長Lwに対する数平均繊維長Lnの比で表される繊維長分布Lw/Lnが、1.05以上である、請求項1に記載の真空断熱材。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、真空断熱材に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
真空断熱材は、冷蔵庫、給湯器等の様々な分野で使用されている。例えば、特許文献1では、ガラス繊維を含有するボード状の芯材が外袋内に減圧封入された真空断熱材が提案されている。該ボード状の芯材は、繊維化装置による形成直後のガラス繊維にバインダーを付着させた後、該ガラス繊維を積層したマットを加熱圧縮して成形することで製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2004-251304号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の真空断熱材においては、ガラス繊維を積層したマットをボード状の芯材に成形するためにバインダーを使用している。芯材の形成にはある程度のバインダー量を必要とするため、バインダーの使用量を低減しにくい。
しかし、真空断熱材の使用中には芯材中のバインダーが外袋内で揮発することがあるため、真空断熱材の内圧が徐々に上昇する恐れがある。内圧の上昇は、長期的な断熱性能が徐々に低下すること、つまり、真空断熱材の長期信頼性の低下の一因となり得る。
【0005】
加えて、特許文献1の真空断熱材においては、マット形成前にガラス繊維にバインダーを付着させることで、加熱成形後の芯材中のガラス繊維同士の接触点を交絡した状態でバインダーによって結着している。そのため、ガラス繊維による芯材の補強効果にも改善の余地がある。
【0006】
本発明は、長期信頼性に優れ、かつ、芯材の圧縮強度が向上した真空断熱材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]芯材と、前記芯材を覆うガスバリア性フィルムと、を備え、
前記芯材が、前記ガスバリア性フィルムで形成された外袋内に減圧封入され、
前記芯材が、ヒュームドシリカと、輻射抑制成分と、無機長繊維とを含有し、
前記ヒュームドシリカの含有割合が、芯材の総量の50~90質量%であり、
前記輻射抑制成分の含有割合が、芯材の総量の3~30質量%であり、
前記無機長繊維の含有割合が、芯材の総量の2~30質量%であり、
前記外袋内に減圧封入された芯材の密度が、0.20g/cm

以下であり、
前記無機長繊維には繊維集束剤が付着し、
前記繊維集束剤の含有割合が、芯材の総量の0.01質量%以上0.50質量%未満である、真空断熱材。
[2]前記無機長繊維の総量に対する前記繊維集束剤の総量の質量比が、1/200~1/30である、[1]に記載の真空断熱材。
[3]前記繊維集束剤が、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル共重合体樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびシランカップリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]または[2]に記載の真空断熱材。
[4]前記無機長繊維が、アルミナ長繊維、ガラス長繊維、シリカ長繊維、シリカ・アルミナ長繊維およびカーボン長繊維からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[3]のいずれかに記載の真空断熱材。
[5]前記輻射抑制成分が、グラファイト、炭化ケイ素、酸化チタン、酸化スズおよびチタン酸カリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種である、[1]~[4]のいずれかに記載の真空断熱材。
[6]前記無機長繊維の少なくとも一部が、ガラス長繊維であり、
前記ガラス長繊維中のNa

OとK

Oの合計質量の前記ガラス長繊維の総質量に対する割合が、11質量%以下である、[1]~[5]のいずれかに記載の真空断熱材。
[7]前記無機長繊維の繊維長が、0.1~10mmであり、かつ、
前記無機長繊維の重量平均繊維長Lwに対する数平均繊維長Lnの比で表される繊維長分布Lw/Lnが、1.05以上である、[1]~[6]のいずれかに記載の真空断熱材。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、長期信頼性に優れ、かつ、芯材の圧縮強度が向上した真空断熱材が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1は、真空断熱材の一例を示す断面図である。
図2は、例3の真空断熱材の芯材のSEM観察像である。
図3は、例1の真空断熱材の芯材のSEM観察像である。
図4は、繊維集束剤の含有量と内圧上昇速度の関係を検証した実験結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
用語の意味は、以下の通りである。
「芯材」とは、真空断熱材における原料混合物からなる成形体であって、成形によって所望の形とされたものを意味する。
「ヒュームドシリカ」とは、アモルファスかつ球状で、細孔のない一次粒子からなるシリカ微粒子を意味する。ヒュームドシリカは、例えば、四塩化ケイ素を気化し、高温の水素炎中で気相反応を行う方法により得られる。
「輻射抑制成分」とは、赤外光を反射もしくは散乱するか、または、赤外光を一旦吸収してその吸収による温度上昇分を再放射する際に等方的に放射して赤外光の方向性を乱すことで、輻射伝熱を抑える粒子を意味する。
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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