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公開番号2025146050
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-10-03
出願番号2024046628
出願日2024-03-22
発明の名称反射型マスクブランク、反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03F 1/24 20120101AFI20250926BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】 サイドエッチングが抑制される位相シフト膜を含む、反射型マスクブランクの提供。
【解決手段】 基板と、EUV光を反射する多層反射膜と、保護膜と、位相シフト膜とをこの順で有する反射型マスクブランクであって、上記位相シフト膜は、クロムおよびホウ素を含み、上記位相シフト膜における窒素の含有量が、位相シフト膜の全原子に対して10原子%未満である、反射型マスクブランク。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
基板と、
EUV光を反射する多層反射膜と、
保護膜と、
位相シフト膜とをこの順で有する反射型マスクブランクであって、
前記位相シフト膜は、クロムおよびホウ素を含み、
前記位相シフト膜における窒素の含有量が、位相シフト膜の全原子に対して10原子%未満である、反射型マスクブランク。
続きを表示(約 1,600 文字)【請求項2】
前記位相シフト膜が、さらにルテニウムを含む、請求項1に記載の反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記位相シフト膜におけるルテニウムの含有量が、前記位相シフト膜の全原子に対して1~95原子%であり、
前記位相シフト膜におけるクロムの含有量が、前記位相シフト膜の全原子に対して4~98原子%であり、
前記位相シフト膜におけるホウ素の含有量が、前記位相シフト膜の全原子に対して1~40原子%である、請求項2に記載の反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記保護膜が、ロジウムを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記位相シフト膜に含まれる1種の特定元素Qの含有量の値をP
PQ
、前記特定元素Qの原子量をM
PQ
、前記特定元素Qの単体の密度の値をd
PQ
として、式(2Q)より算出されるV
PQ
を前記特定元素Qの特定体積量V

とし、
前記保護膜に含まれる1種の特定元素Rの含有量の値をP
PR
、前記特定元素Rの原子量をM
PR
、前記特定元素Rの単体の密度の値をd
PR
として、式(2R)より算出されるV
PR
を前記特定元素Rの特定体積量V

とした際に、
前記位相差膜に含まれる各元素をそれぞれ前記特定元素Qとして各元素の前記特定体積量V

を算出し、算出された各元素の前記特定体積量V

の合計量に対する、ホウ素の前記特定体積量V

の比を算出し、前記比と前記位相シフト膜の膜厚とを乗じた値であるL

と、
前記保護膜に含まれる各元素をそれぞれ前記特定元素Rとして各元素の前記特定体積量V

を算出し、算出された各元素の前記特定体積量V

の合計量に対する、ロジウムの前記特定体積量V

の比を算出し、前記比と前記保護膜の膜厚とを乗じた値であるL
Rh
とが、式(1)の関係を満たす、請求項4に記載の反射型マスクブランク。
式(1) L

< 10×L
Rh
式(2Q) V
PQ
= P
PQ
・M
PQ
/d
PQ
式(2R) V
CR
= P
CR
・M
CR
/d
CR
式(2Q)中、P
PQ
の単位は原子%であり、d
PQ
の単位はg/cm

である。
式(2R)中、P
CR
の単位は原子%であり、d
CR
の単位はg/cm

である。
【請求項6】
前記位相シフト膜の膜厚が、70.0nm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記保護膜の膜厚が、1.0~5.0nmである、請求項1~3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランク。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクの前記位相シフト膜をパターニングして形成される位相シフト膜パターンを有する、反射型マスク。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか1項に記載の反射型マスクブランクの前記位相シフト膜をパターニングする工程を含む、反射型マスクの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造の露光プロセスで使用されるEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)露光に用いられる反射型マスクおよびその製造方法、ならびに、反射型マスクの原板である反射型マスクブランクに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの更なる微細化のために、光源として中心波長13.5nm付近のEUV光を使用したEUVリソグラフィが検討されている。
【0003】
EUV露光では、EUV光の特性から、反射光学系および反射型マスクが用いられる。反射型マスクは、基板上にEUV光を反射する多層反射膜が形成され、多層反射膜上にEUV光を吸収する吸収体膜がパターニングされている。
【0004】
露光装置の照明光学系より反射型マスクに入射したEUV光は、吸収体膜の無い部分(開口部)では反射され、吸収体膜の有る部分(非開口部)では吸収される。結果として、マスクパターンが露光装置の縮小投影光学系を通してウエハ上にレジストパターンとして転写され、その後の処理が実施される。
吸収体膜としては、EUV光の位相をシフトさせてEUV光の反射率を低下させる、位相シフト膜と呼ばれる態様も用いられている。位相シフト膜においては、吸収体膜の多層反射膜側とは反対側の表面で反射したEUV光と、吸収体膜の多層反射膜側の表面で反射したEUV光とを干渉させてEUV光の反射率を低下させる。
このような位相シフト膜を構成する材料としては、例えば、特許文献1では、ルテニウム(Ru)およびクロム(Cr)を含む材料、ならびに、Ru、Crおよび窒素(N)を含む材料が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/225736号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
反射型マスクを作製する際には、反射型マスクブランクの吸収体膜(位相シフト膜)をパターニングする。位相シフト膜のパターニングは、例えば、位相シフト膜上に設けられたパターンをマスクとして、ドライエッチングにより実施される。上記ドライエッチングにより、マスクのパターンの開口部において位相シフト膜がエッチングされ、用いたマスクのパターンに対応する形状に、位相シフト膜がパターニングされる。
ここで、位相シフト膜のパターニングの際には、用いたマスクのパターンに対応する形状に加工されることが望ましい。例えば、マスクの開口部から侵入したエッチャントによって、マスクの非開口部の下部に存在する位相シフト膜が面内方向にエッチングされる現象(サイドエッチング)は、抑制されることが好ましい。
本発明者らが、上記特許文献に記載の態様の位相シフト膜について検討したところ、サイドエッチングが発生しやすく、その改善が必要であることを知見した。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、サイドエッチングが抑制される位相シフト膜を含む、反射型マスクブランクの提供を課題とする。
また、本発明は、反射型マスクの提供および反射型マスクの製造方法の提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、クロムおよびホウ素を含み、窒素の含有量を所定量以下とすることで位相シフト膜のサイドエッチングが抑制されることを知見し、本発明に至った。
すなわち、発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
〔1〕 基板と、
EUV光を反射する多層反射膜と、
保護膜と、
位相シフト膜とをこの順で有する反射型マスクブランクであって、
上記位相シフト膜は、クロムおよびホウ素を含み、
上記位相シフト膜における窒素の含有量が、位相シフト膜の全原子に対して10原子%未満である、反射型マスクブランク。
〔2〕 上記位相シフト膜が、さらにルテニウムを含む、〔1〕に記載の反射型マスクブランク。
〔3〕 上記位相シフト膜におけるルテニウムの含有量が、上記位相シフト膜の全原子に対して1~95原子%であり、
上記位相シフト膜におけるクロムの含有量が、上記位相シフト膜の全原子に対して4~98原子%であり、
上記位相シフト膜におけるホウ素の含有量が、上記位相シフト膜の全原子に対して1~40原子%である、〔2〕に記載の反射型マスクブランク。
〔4〕 上記保護膜が、ロジウムを含む、〔1〕~〔3〕のいずれか1つに記載の反射型マスクブランク。
〔5〕 上記位相シフト膜に含まれる1種の特定元素Qの含有量の値をP
PQ
、上記特定元素Qの原子量をM
PQ
、上記特定元素Qの単体の密度の値をd
PQ
として、式(2Q)より算出されるV
PQ
を上記特定元素Qの特定体積量V

とし、
上記保護膜に含まれる1種の特定元素Rの含有量の値をP
PR
、上記特定元素Rの原子量をM
PR
、上記特定元素Rの単体の密度の値をd
PR
として、式(2R)より算出されるV
PR
を上記特定元素Rの特定体積量V

とした際に、
上記位相差膜に含まれる各元素をそれぞれ上記特定元素Qとして各元素の上記特定体積量V

を算出し、算出された各元素の上記特定体積量V

の合計量に対する、ホウ素の上記特定体積量V

の比を算出し、上記比と上記位相シフト膜の膜厚とを乗じた値であるL

と、
上記保護膜に含まれる各元素をそれぞれ上記特定元素Rとして各元素の上記特定体積量V

を算出し、算出された各元素の上記特定体積量V

の合計量に対する、ロジウムの上記特定体積量V

の比を算出し、上記比と上記保護膜の膜厚とを乗じた値であるL
Rh
とが、式(1)の関係を満たす、〔4〕に記載の反射型マスクブランク。
式(1) L

< 10×L
Rh
式(2Q) V
PQ
= P
PQ
・M
PQ
/d
PQ
式(2R) V
CR
= P
CR
・M
CR
/d
CR
式(2Q)中、P
PQ
の単位は原子%であり、d
PQ
の単位はg/cm

である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、サイドエッチングが抑制される位相シフト膜を含む、反射型マスクブランクを提供できる。
また、本発明によれば、反射型マスクおよび反射型マスクの製造方法も提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本発明の反射型マスクブランクの実施態様の一例を示す断面図である。
本発明の反射型マスクブランクを用いた反射型マスクの製造工程の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

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