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公開番号
2025146884
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-10-03
出願番号
2025123308,2022566762
出願日
2025-07-23,2021-09-03
発明の名称
化学強化ガラスおよび電子機器筐体
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人栄光事務所
主分類
C03C
4/16 20060101AFI20250926BHJP(ガラス;鉱物またはスラグウール)
要約
【課題】本発明は、高周波数帯における優れた電波透過性と高い強度とを併せ持つ化学強化ガラスの提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、厚さがt(単位:μm)であり、20℃、周波数10GHzにおける比誘電率が7.0以下の化学強化ガラスであって、ガラスの中心部分のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S1、ガラス表面から0.05tの深さまでの平均のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S2、およびガラス表面から深さ0.05tまでの領域における圧縮応力の平均値X[単位:MPa]から式[Z=(S2-S1)×10+X/1000]により求められるZが0.65以上である化学強化ガラスに関する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
厚さがt(単位:μm)であり、20℃、周波数10GHzにおける比誘電率が7.0以下の化学強化ガラスであって、
母組成が、酸化物基準のモル百分率で、以下の成分を含有し、
SiO
2
を40~65%、
B
2
O
3
を0~20%、
Al
2
O
3
を12~25%、
Li
2
Oを5~12%、
Na
2
Oを1.5~10%、
K
2
Oを1%以下、
MgOを5%以下、
TiO
2
を3%以下、
P
2
O
5
を6%以下、
MgO+CaO+SrO+BaOを10%以下含有し、
ガラスの中心部分のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S
1
、ガラス表面から0.05tの深さまでの平均のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S
2
、およびガラス表面から深さ0.05tまでの領域における圧縮応力の平均値X[単位:MPa]から以下の式で求められるZが0.65以上であり、
前記エントロピー関数S
1
が0.375以下である化学強化ガラス。
Z=(S
2
-S
1
)×10+X/1000
ただしエントロピー関数Sは、それぞれの深さにおけるLi
2
O、Na
2
OおよびK
2
Oの酸化物基準のモル百分率による含有量[Li
2
O]、[Na
2
O]および[K
2
O]から以下の式で求めるものとする。下記式において、[Li
2
O]、[Na
2
O]および[K
2
O]がゼロである場合は、1×10
-4
とする。
S=-[Li
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O])log([Li
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
続きを表示(約 790 文字)
【請求項2】
母組成が、酸化物基準のモル百分率で、Li
2
Oおよび/またはNa
2
Oを合計で7.5~20%含有する請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項3】
母組成が、酸化物基準のモル百分率で、K
2
Oを0.5%以下含有する請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項4】
母組成が、酸化物基準のモル百分率で、MgOを4%以下含有する請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項5】
母組成が、酸化物基準のモル百分率で、Na
2
OおよびK
2
Oの含有量の合計に対するLi
2
Oの含有量の比率が1以上である請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項6】
前記エントロピー関数S
2
から前記エントロピー関数S
1
を減じた値である(S
2
-S
1
)の値が0.04以上である請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項7】
20℃、周波数10GHzにおける誘電正接が0.02以下である請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項8】
ガラス表面から0.05tの深さにおける内部化学強化応力CS
0
.05tが75MPa以上、かつ前記厚さtが300μm以上である請求項1~5のいずれか1項に記載の化学強化ガラス。
【請求項9】
表面圧縮応力値CS
0
が300MPa以上である請求項1に記載の化学強化ガラス。
【請求項10】
前記厚さtが100μm以上2000μm以下である請求項1に記載の化学強化ガラス。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学強化ガラスおよび電子機器筐体に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)
【背景技術】
【0002】
携帯端末等の電子機器の筐体には、携帯端末を落としても容易に割れない強度が求められることから、化学強化ガラスが広く用いられている。化学強化ガラスは、ガラスを硝酸ナトリウムなどの溶融塩に浸漬する等の方法で、ガラス中に含まれるアルカリイオンと、溶融塩に含まれるイオン半径がより大きいアルカリイオンとのイオン交換を生じさせ、それによってガラスの表層部分に圧縮応力層を形成したガラスである。例えば特許文献1には、特定の組成を有し、化学強化により高い表面圧縮応力を得られるアルミノシリケートガラスが開示されている。
【0003】
一方で、携帯電話機、スマートフォン、携帯情報端末、Wi-Fi機器のような通信機器、弾性表面波(SAW)デバイス、レーダ部品、アンテナ部品等の電子デバイスにおいては、通信容量の大容量化や通信速度の高速化等を図るために、信号周波数の高周波化が進められている。近年は、より高周波の帯域を使用する新たな通信システムとして、5G(第5世代移動通信システム)の普及が見込まれる。
【0004】
5Gで用いられる高周波数帯においてはカバーガラスが電波送受信の妨げとなる場合があり、5G対応の携帯端末には電波透過性等の誘電特性に優れたカバーガラスが求められる。優れた誘電特性としては、例えば、比誘電率及び誘電損失が低いことが望ましい。比誘電率の低下により電波の反射を抑制し、電波透過性を向上できる。また誘電損失の低下により、電波の損失を抑制できる。
【0005】
5Gで用いられるような高周波数帯において電波透過性の高いガラス、すなわち比誘電率や誘電正接の小さいガラスとしては、これまでにいくつかの無アルカリガラスが開発されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
日本国特表2018-520082号公報
国際公開第2019/181707号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されているようなアルカリイオンをほぼ含有しない無アルカリガラスは化学強化が困難である。また、化学強化ガラスの電波透過性は、予測がつきにくく、高周波数帯における電波透過性と強度との両立は難しい。
【0008】
したがって、本発明は、高周波数帯における優れた電波透過性と高い強度とを併せ持つ化学強化ガラスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、高周波数帯において、化学強化前と比して、化学強化後の電波透過性が低下するガラスと上昇するガラスとの両方が存在することを見出した。さらに化学強化後に高周波数帯での電波透過性が上昇するガラスについて、化学強化後の表面特性と電波透過性との相関関係を見出し、本発明をなした。
【0010】
本発明は、厚さがt(単位:μm)であり、20℃、周波数10GHzにおける比誘電率が7.0以下の化学強化ガラスであって、
ガラスの中心部分のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S1、ガラス表面から0.05tの深さまでの平均のアルカリイオン量から算出されるエントロピー関数S2、およびガラス表面から深さ0.05tまでの領域における圧縮応力の平均値X[単位:MPa]から以下の式で求められるZが0.65以上である化学強化ガラスである。
Z=(S2-S1)×10+X/1000
ただしエントロピー関数Sは、それぞれの深さにおけるLi
2
O、Na
2
OおよびK
2
Oの酸化物基準のモル百分率による含有量[Li
2
O]、[Na
2
O]および[K
2
O]から以下の式で求めるものとする。下記式において、[Li
2
O]、[Na
2
O]および[K
2
O]がゼロである場合は、1×10
-4
とする。
S=-[Li
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O])log([Li
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O]))-[Na
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O])log([Na
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O]))-[K
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O])log([K
2
O]/([Li
2
O]+[Na
2
O]+[K
2
O]))
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する
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