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公開番号
2025063712
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-16
出願番号
2023173117
出願日
2023-10-04
発明の名称
水系分散液、積層体の製造方法、積層体、金属張積層体、及び車載レーダ
出願人
AGC株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
C08L
27/18 20060101AFI20250409BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】接着性に優れる樹脂層を形成できる水系分散液、接着性に優れる樹脂層を有する積層体及びその製造方法、並びに、これを用いた金属張積層体及び車載レーダを提供する。
【解決手段】水系分散液に対して10質量%以上の、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm未満であり比重が3.0以上である無機フィラーと、水と、を含み、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子に対する前記無機フィラーの質量比が1未満であり、表面張力が50mN/m以下である、水系分散液、並びに、これに関連する積層体、積層体の製造方法、金属張積層体、及び車載レーダ。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
水系分散液に対して10質量%以上の、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm未満であり比重が3.0以上である無機フィラーと、水と、を含み、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子に対する前記無機フィラーの質量比が1未満であり、表面張力が50mN/m以下である、水系分散液。
続きを表示(約 750 文字)
【請求項2】
前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位及びヘキサフルオロプロピレンに基づく単位の少なくとも一方と、を含む、請求項1に記載の水系分散液。
【請求項3】
前記無機フィラーがTiO
2
粒子である、請求項1に記載の水系分散液。
【請求項4】
25℃での粘度が10,000mPa・s以下である、請求項1に記載の水系分散液。
【請求項5】
回転数が30rpmの条件で測定される粘度η
1
を、回転数が60rpmの条件で測定される粘度η
2
で除して算出されるチキソ比が、6以下である、請求項1に記載の水系分散液。
【請求項6】
基材の表面に請求項1~5のいずれか1項に記載の水系分散液を付与し、加熱して前記水を除去し、さらに加熱して前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を溶融焼成して樹脂層を形成する、積層体の製造方法。
【請求項7】
前記樹脂層の厚さが20μm以下である、請求項6に記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
前記基材が、不織布状のシートである、請求項6に記載の積層体の製造方法。
【請求項9】
前記不織布状のシートがポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項8に記載の積層体の製造方法。
【請求項10】
前記不織布状のシートが無機フィラーを含み、前記無機フィラーがSiO
2
粒子を含む、請求項9に記載の積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、水系分散液、積層体の製造方法、積層体、金属張積層体、及び車載レーダに関する。
続きを表示(約 4,900 文字)
【背景技術】
【0002】
テトラフルオロエチレン系ポリマーは、その優れた電気特性を利用して、高周波プリント基板材料における絶縁材料等として有用である。このような絶縁材料として、積層構造を有する材料や、無機フィラー等の異種材料と組み合わせた材料など、各種の材料が提案されている。
特許文献1には、それぞれ特定の厚さを有する、第1接着層、第1コア層、及び任意の第2接着層を含む誘電体材料;並びに、これを用いた銅張積層板が記載されている。また、前記第1コア層が、無機フィラーによって改質されたテトラフルオロエチレン系ポリマーから構成されることも記載されている。
特許文献2には、エラストマー、テトラフルオロエチレン系ポリマーのフィラー、及び無機フィラーを含む、樹脂組成物;並びに、これを用いた金属積層体及び印刷回路基板が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2023-002495号公報
特表2022-514976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テトラフルオロエチレン系ポリマーを含む絶縁材料において、低誘電正接性を保持しつつ、誘電率を調節するために、TiO
2
等の誘電率の高いフィラーを絶縁材料に配合する場合がある。しかし、かかる高誘電フィラーは、概して比重が高く、絶縁材料中に均一に分散させるのが困難である。特に、絶縁材料が、テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を含む水系分散液である場合、かかる高誘電フィラーが沈降又は偏在しやすくなり、水系分散液の液物性が著しく低下しやすくなる点を本発明者らは知見している。そして、かかる水系分散液を基材等に付与して樹脂層を形成する場合、均一に樹脂層を形成し難くなりやすくなる点、これにより被着体への接着性が低下する点も本発明者らは知見している。
かかる事情に鑑み、本開示は、接着性に優れる樹脂層を形成できる水系分散液、接着性に優れる樹脂層を有する積層体及びその製造方法、並びに、これを用いた金属張積層体及び車載レーダの提供に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための手段は、以下の態様を含む。
<1> 水系分散液に対して10質量%以上の、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm未満であり比重が3.0以上である無機フィラーと、水と、を含み、前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子に対する前記無機フィラーの質量比が1未満であり、表面張力が50mN/m以下である、水系分散液。
<2> 前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーは、テトラフルオロエチレンに基づく単位と、ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)に基づく単位及びヘキサフルオロプロピレンに基づく単位の少なくとも一方と、を含む、<1>に記載の水系分散液。
<3> 前記無機フィラーがTiO
2
粒子である、<1>又は<2>に記載の水系分散液。
<4> 25℃での粘度が10,000mPa・s以下である、<1>~<3>のいずれか1項に記載の水系分散液。
<5> 回転数が30rpmの条件で測定される粘度η
1
を、回転数が60rpmの条件で測定される粘度η
2
で除して算出されるチキソ比が、6以下である、<1>~<4>のいずれか1項に記載の水系分散液。
<6> 基材の表面に<1>~<5>のいずれか1項に記載の水系分散液を付与し、加熱して前記水を除去し、さらに加熱して前記熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を溶融焼成して樹脂層を形成する、積層体の製造方法。
<7> 前記樹脂層の厚さが20μm以下である、<6>に記載の積層体の製造方法。
<8> 前記基材が、不織布状のシートである、<6>又は<7>に記載の積層体の製造方法。
<9> 前記不織布状のシートがポリテトラフルオロエチレンを含む、<8>に記載の積層体の製造方法。
<10> 前記不織布状のシートが無機フィラーを含み、前記無機フィラーがSiO
2
粒子を含む、<8>又は<9>に記載の積層体の製造方法。
<11> ポリテトラフルオロエチレン及び無機フィラーを含む層Sと、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマー及び平均粒子径が10μm未満であり比重が3.0以上である無機フィラーを含む層Tと、を備え、層Tの厚さに対する層Sの厚さの比が2~50であり、総厚さが50~500μmである、積層体。
<12> 層Sにおける前記無機フィラーがSiO
2
粒子であり、層Tにおける前記無機フィラーがTiO
2
粒子である、<11>に記載の積層体。
<13> 層Sにおける前記無機フィラーの平均粒子径が、層Tにおける前記無機フィラーの平均粒子径よりも大きい、<11>又は<12>に記載の積層体。
<14> <11>~<13>のいずれか1項に記載の積層体と、金属層と、を含む金属張積層体。
<15> <11>~<13>のいずれか1項に記載の積層体と、導体層と、を含む回路基板を備える車載レーダ。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、接着性に優れる樹脂層を形成できる水系分散液、接着性に優れる樹脂層を有する積層体及びその製造方法、並びに、これを用いた金属張積層体及び車載レーダが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示の一実施形態における積層体の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施形態を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本開示の実施形態は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合を除き、必須ではない。数値及びその範囲についても同様であり、本開示の実施形態を制限するものではない。
【0009】
本開示において「工程」との語には、他の工程から独立した工程に加え、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の目的が達成されれば、当該工程も含まれる。
本開示において「~」を用いて示された数値範囲には、「~」の前後に記載される数値がそれぞれ最小値及び最大値として含まれる。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示において各成分に該当する粒子は複数種含まれていてもよい。組成物中に各成分に該当する粒子が複数種存在する場合、各成分の粒子径は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の粒子の混合物についての値を意味する。
本開示において「層」又は「膜」との語には、当該層又は膜が存在する領域を観察したときに、当該領域の全体に形成されている場合に加え、当該領域の一部にのみ形成されている場合も含まれる。
本開示において「積層」との語は、層を積み重ねることを示し、二以上の層が結合されていてもよく、二以上の層が着脱可能であってもよい。
本開示においてポリマーにおける「単位」とは、モノマーの重合により形成された前記モノマーに基づく原子団を意味する。単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって前記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。以下、モノマーaに基づく単位を、単に「モノマーa単位」とも記す。
本開示においてテトラフルオロエチレン系ポリマーの「溶融温度」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定したポリマーの融解ピークの最大値に対応する温度である。
本開示においてテトラフルオロエチレン系ポリマーの「溶融流れ速度」とは、JIS K 7210-1:2014(ISO1133-1:2011)に規定される、ポリマーのメルトマスフローレートを意味する。
本開示においてテトラフルオロエチレン系ポリマーの「ガラス転移点(Tg)」は、動的粘弾性測定(DMA)法でポリマーを分析して測定される値である。
本開示において粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径(D50)を意味し、レーザー回
折・散乱法によって求められる、粒子の体積基準累積50%径である。すなわち、レーザー回折・散乱法によって粒度分布を測定し、粒子の集団の全体積を100%として累積カーブを求め、その累積カーブ上で累積体積が50%となる点の粒子径である。粒子のD50は、粒子を水中に分散させ、レーザー回折・散乱式の粒度分布測定装置(例えば、ベックマンコールター社製のレーザー回折散乱法粒度分布測定装置「LS-13 320」)を用いたレーザー回折・散乱法により分析して求められる。
本開示において「比表面積」は、ガス吸着(定容法)BET多点法で粒子を測定し算出される値であり、BET比表面積測定装置(例えば、NOVA4200e(Quantachrome Instruments社製))を使用して求められる。
本開示において水系分散液の「粘度」は、B型粘度計を用いて、25℃で回転数が30rpmの条件下で水系分散液を測定して求められる。測定を3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
本開示において水系分散液の「チキソ比」とは、水系分散液の、回転数が30rpmの条件で測定される粘度η
1
を、回転数が60rpmの条件で測定される粘度η
2
で除して算出される値である。それぞれの粘度の測定は、3回繰り返し、3回分の測定値の平均値とする。
本開示において水系分散液の「表面張力」は、表面張力計を用いて、25℃の水系分散液に対してウィルヘルミー法により測定する。
本開示において実施形態を図面を参照して説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、図面における部材の大きさは概念的なものであり、部材間の大きさの相対的な関係はこれに限定されない。
【0010】
本開示の水系分散液は、水系分散液に対して10質量%以上の、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子と、平均粒子径が10μm未満であり比重が3.0以上である無機フィラーと、水と、を含み、前記F粒子に対する前記無機フィラーの質量比が1未満であり、表面張力が50mN/m以下である。以下、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーを「Fポリマー」とも記し、熱溶融性テトラフルオロエチレン系ポリマーの粒子を「F粒子」とも記す。また、比重が3.0以上である無機フィラーを「高比重無機フィラー」とも記す。
(【0011】以降は省略されています)
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