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公開番号2025063324
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-15
出願番号2025012247,2023119023
出願日2025-01-28,2021-04-19
発明の名称EUVリソグラフィ用反射型マスクブランク
出願人AGC株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G03F 1/32 20120101AFI20250408BHJP(写真;映画;光波以外の波を使用する類似技術;電子写真;ホログラフイ)
要約【課題】位相差175度~185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすく、表面の平滑性が高い吸収層を備えた、ハーフトーン型に適したEUVマスクブランクの提供。
【解決手段】基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、上記吸収層が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、(ラザフォード後方散乱分光法(RBS)で測定される)上記吸収層におけるTaとNbとの組成比(at%)(Ta:Nb)が4:1~1:4の範囲であり、out of plane XRD法で、2θ:20°~50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHMが1.0°以上であることを特徴とするEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
基板上に、EUV光を反射する反射層と、EUV光を吸収する吸収層とがこの順に形成されたEUVリソグラフィ用反射型マスクブランクであって、
前記吸収層が、タンタル(Ta)と、ニオブ(Nb)とを含有し、
out of plane XRD法で、2θ:20°~50°に観測される吸収層由来の回折ピーク中、最も強度の高いピークの半値幅FWHMが1.0°以上であり、
前記吸収層表面のEUV光線反射率と、前記反射層表面のEUV光線反射率との相対反射率((吸収層表面のEUV光線反射率/反射層表面のEUV光線反射率)×100)が2.5%~15.0%である、EUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
続きを表示(約 860 文字)【請求項2】
前記吸収層が、さらに、水素(H)、ボロン(B)、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項3】
前記吸収層が、Bを5.0~20.0at%含有する、請求項2に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項4】
前記吸収層が、Nを10.0~35.0at%含有する、請求項2または3に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項5】
前記吸収層が、Hを0.1~15.0at%含有する、請求項2~4のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項6】
前記吸収層が、Oを1.0~20.0at%含有する、請求項2~5のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項7】
前記吸収層のEUV光学定数の屈折率が0.935~0.963、消衰係数が0.008~0.030である、請求項1~6のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項8】
前記反射層からのEUV光の反射光と、前記吸収層からのEUV光の反射光との位相差が150度~220度である、請求項1~7のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項9】
前記吸収層表面の表面粗さ(rms)が、0.50nm以下である、請求項1~8のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
【請求項10】
前記吸収層の上に、ハードマスク層を有しており、前記ハードマスク層が、クロム(Cr)と、窒素(N)および酸素(O)からなる群から選択される少なくとも1つとを含有する、請求項1~9のいずれか1項に記載のEUVリソグラフィ用反射型マスクブランク。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造等に使用されるEUV(Extreme Ultra Violet:極端紫外)リソグラフィ用反射型マスクブランク(以下、本明細書において、「EUVマスクブランク」という。)に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来、半導体産業において、Si基板等に微細なパターンからなる集積回路を形成する上で必要な微細パターンの転写技術として、可視光や紫外光を用いたフォトリソグラフィ法が使用されてきた。しかし、半導体デバイスの微細化が加速する一方で、従来のフォトリソグラフィ法の限界に近づいてきた。フォトリソグラフィ法の場合、パターンの解像限界は露光波長の1/2程度である。液浸法を用いても露光波長の1/4程度と言われており、ArFレーザ(193nm)の液浸法を用いても20nm~30nm程度が限界と予想される。そこで20nm~30nm以降の露光技術として、ArFレーザよりさらに短波長のEUV光を用いた露光技術のEUVリソグラフィが有望視されている。本明細書において、EUV光とは、軟X線領域または真空紫外線領域の波長の光線を指す。具体的には波長10nm~20nm程度、特に13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。
【0003】
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近い。そのため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィのような屈折光学系を使用できない。このため、EUVリソグラフィでは、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが使用される。
【0004】
一方で、光の短波長化とは別に、位相シフトマスクを利用した解像度向上技術が提案されている。位相シフトマスクは、マスクパターンの透過部を、隣接する透過部とは異なる物質または形状とすることにより、それらを透過した光に180度の位相差を与えるものである。したがって両透過部の間の領域では、180度位相の異なる透過回折光同士が打ち消し合い、光強度が極めて小さくなって、マスクコントラストが向上し、結果的に転写時の焦点深度が拡大するとともに転写精度が向上する。なお、位相差は原理上180度が最良であるが、実質的に175度~185度程度であれば、解像度向上効果は十分得られる。
【0005】
位相シフトマスクの一種であるハーフトーン型マスクは、マスクパターンを構成する材料として、露光光に対する半透過性の薄膜を吸収層として用い、透過率を数%程度(通常は基板透過光に対して2.5%~15.0%程度)まで減衰させつつ、通常の基板透過光と175度~185度程度の位相差を与えることで、パターンエッジ部の解像度を向上させ、転写精度を向上させる位相シフトマスクである。
【0006】
ここで、ハーフトーン型マスクにおける、透過率の適正範囲について説明する。従来のエキシマレーザ用のハーフトーン型マスクでは、露光波長である紫外線に対して、吸収層の透過率が一般的には2.5%~15.0%という光学条件を満足することが望ましい。この理由として、まず露光波長での吸収層の透過率が2.5%未満だと、隣接した透過パターン部を透過した光の回折光が重なり合ったとき、打ち消しあい効果が小さくなる。逆に透過率が15.0%を超えてしまうと、露光条件によってはレジストの解像限界を越えてしまい、吸収層を光が透過した領域に余分なパターンができてしまう。
【0007】
EUV露光は反射光学系を用い、NA(開口数)が小さいうえに、波長が短いため、特有の課題として、ミラーやマスクの表面凹凸の影響を受けやすく、目標とする微細な線幅を精度良く解像することは容易ではない。このため、従来のエキシマレーザ露光等で用いられているハーフトーン型マスクの原理を、反射光学系を用いたEUV露光においても適用可能とするハーフトーン型EUVマスクが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
EUVマスクのような反射型マスクにおいても、位相シフト効果による解像度向上の原理は同じであるので、上記の「透過率」が「反射率」に置き換わるだけで、その適正値はほとんど同じである。すなわち、吸収層におけるEUV光の反射率が2.5%~15.0%であることが、反射層からのEUV光の反射光と、吸収層からのEUV光の反射光との位相差が175度~185度の場合における(以下、本明細書において、「位相差175度~185度における」と記載する。)、反射率の選択性の広さ(自由度)が広くなるため、望ましいと考えられる。
【0009】
ハーフトーン型EUVマスクの使用は、原理的にはEUVリソグラフィにおいて、解像性を向上させる、有効な手段である。しかし、ハーフトーン型EUVマスクにおいても最適な反射率は、露光条件や転写するパターンに依存し、一概に決めることは難しい。
【0010】
以上のことから、ハーフトーン型EUVマスクにおける吸収層は、位相差175度~185度における、反射率の選択性の広さ(自由度)をもつと同時に、エッチングしやすい膜が要求される。
特許文献1に記載の発明では、吸収層の材料として、Ta(タンタル)およびNb(ニオブ)を有する材料を選定することで、反射率の選択性の広さ(自由度)を持つと同時に、エッチングの加工精度が高くなるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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