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公開番号2025052818
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-07
出願番号2023161734
出願日2023-09-25
発明の名称シート及びシートの製造方法
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類B32B 27/30 20060101AFI20250328BHJP(積層体)
要約【課題】ガスバリア性に優れるフッ素樹脂系のシート、及びこのシートの製造方法を提供する。
【解決手段】シートは、ポリアミド系樹脂を含有する第一の層と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み、溶融成形可能であるパーフルオロ重合体を含有する第二の層と、接着性官能基を有するフッ素樹脂を含有する中間層と、を有し、前記第一の層と前記中間層との界面の平均粗さが5μm以下である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド系樹脂を含有する第一の層と、
テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み、溶融成形可能であるパーフルオロ重合体を含有する第二の層と、
接着性官能基を有するフッ素樹脂を含有する中間層と、を有し、
前記第一の層と前記中間層との界面の平均粗さが5μm以下である、シート。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記第一の層の外側表面の算術平均粗さRaが、5μm以下である、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
平均総厚が、1μm~3mmである、請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項4】
前記接着性官能基が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、シアノ基、シリル基、及びシラネート基からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項5】
前記ポリアミド系樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド12、及びポリアミド6/ポリアミド12共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項6】
前記パーフルオロ重合体は、主鎖炭素数1×10

個に対して接着性官能基が50個以下である、請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項7】
シートの平均総厚に対する前記第一の層の平均厚さの比が、0.30~0.80である、請求項1又は請求項2に記載のシート。
【請求項8】
前記第一の層を構成する溶融物と、前記中間層を構成する溶融物と、前記第二の層を構成する溶融物とをダイから共押出する、請求項1又は請求項2に記載のシートの製造方法。
【請求項9】
前記ダイの温度を、前記パーフルオロ重合体の融点、前記ポリアミド系樹脂の融点、及び接着性官能基を有するフッ素樹脂の融点のうち、最も高い融点以上、かつ前記最も高い融点との差が50℃以内の温度に設定する、請求項8に記載のシートの製造方法。
【請求項10】
冷却速度が、5~35℃/秒である、請求項8に記載のシートの製造方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、シート及びシートの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
フッ素樹脂は、電気特性、撥水撥油性、耐薬品性、耐熱性等の物性に優れており、様々な分野で利用されている。特に、テトラフルオロエチレン系ポリマーは、離型性、電気絶縁性、撥水撥油性、耐薬品性、耐候性、耐熱性等の物性に優れており、種々の成形物に加工されて利用されている。
このようなフッ素樹脂特有の性質を活かしつつ、ガスバリア性を有するシートが望まれている。なお、ガスバリア性に優れる材料としては、ポリアミド樹脂が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2012-077193号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の一実施形態における課題は、ガスバリア性に優れるフッ素樹脂系のシート、及びこのシートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示には、以下の態様が含まれる。
<1> ポリアミド系樹脂を含有する第一の層と、
テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み、溶融成形可能であるパーフルオロ重合体を含有する第二の層と、
接着性官能基を有するフッ素樹脂を含有する中間層と、を有し、
前記第一の層と前記中間層との界面の平均粗さが5μm以下である、シート。
<2> 前記第一の層の外側表面の算術平均粗さRaが、5μm以下である、<1>に記載のシート。
<3> 平均総厚が、1μm~3mmである、<1>又は<2>に記載のシート。
<4> 前記接着性官能基が、カルボニル基含有基、ヒドロキシ基、エポキシ基、アミド基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、シアノ基、シリル基、及びシラネート基からなる群より選択される少なくとも1種である、<1>~<3>のいずれか1つに記載のシート。
<5> 前記ポリアミド系樹脂が、ポリアミド6、ポリアミド12、及びポリアミド6/ポリアミド12共重合体からなる群より選択される少なくとも1種を含む、<1>~<4>のいずれか1つに記載のシート。
<6> 前記パーフルオロ重合体は、主鎖炭素数1×10

個に対して接着性官能基が50個以下である、<1>~<5>のいずれか1つに記載のシート。
<7> シートの平均総厚に対する前記第一の層の平均厚さの比が、0.30~0.80である、<1>~<6>のいずれか1つに記載のシート。
<8> 前記第一の層を構成する溶融物と、前記中間層を構成する溶融物と、前記第二の層を構成する溶融物とをダイから共押出する、<1>~<7>のいずれか1つに記載のシートの製造方法。
<9> 前記ダイの温度を、前記パーフルオロ重合体の融点、前記ポリアミド系樹脂の融点、及び接着性官能基を有するフッ素樹脂の融点のうち、最も高い融点以上、かつ前記最も高い融点との差が50℃以内の温度に設定する、<8>に記載のシートの製造方法。
<10> 冷却速度が、5~35℃/秒である、<8>又は<9>に記載のシートの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一実施形態によれば、ガスバリア性に優れるフッ素樹脂系のシート、及びこのシートの製造方法を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本開示において「~」を用いて示された数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において、各成分の量は、各成分に該当する物質が複数種存在する場合には、特に断らない限り、複数種の物質の合計量を意味する。
本開示において、「フッ素樹脂」とは、分子中にフッ素原子を有する樹脂を意味する。
本開示において、「単位」とは、重合体中に存在して重合体を構成する、単量体に由来する部分を意味する。また、ある単位の構造を重合体形成後に化学的に変換したものも単位という。なお、場合によっては、個々の単量体に由来する単位をその単量体名に「単位」を付した名称で呼ぶ。
各層の平均厚さは、室温(25℃)の厚みを示し、マイクロメータを用いて測定し、得られる任意5箇所の測定値の平均値である。
【0008】
<シート>
本開示のシートは、ポリアミド系樹脂を含有する第一の層と、テトラフルオロエチレンに基づく単位を含み、溶融成形可能であるパーフルオロ重合体を含有する第二の層と、接着性官能基を有するフッ素樹脂を含有する中間層と、を有し、前記第一の層と前記中間層との界面の平均粗さが5μm以下である。
上記構成を有するシートによれば、ガスバリア性に優れる。その理由は以下のように推察される。
【0009】
フッ素樹脂特有の性質を奏するテトラフルオロエチレンに基づく単位を含むパーフルオロ重合体を含有する第二の層に、ガスバリア性に優れるポリアミド系樹脂を含有する第一の層を積層することで、ガスバリア性が向上する。そして、接着性官能基を有するフッ素樹脂を含有する中間層を介してこれらの層を積層することで、第二の層の特性を損なわずに積層できる。ここで、第一の層と中間層との界面が荒れていると、ガスバリア性に優れる第一の層の厚みが不均一となり、厚みの薄い箇所でのガスバリア性が低下することが明らかとなった。この傾向は、第一の層の厚みが薄くなるほど、シート全体の厚みが薄くなるほど、顕著である。本開示のシートでは、第一の層と中間層との界面の平均粗さが5μm以下であることから、このような不具合の発生が抑制されるものと考えられる。
以下、積層体を各層ごとに説明する。
【0010】
〔第一の層〕
第一の層は、ポリアミド系樹脂を含有する。ポリアミド系樹脂としては、脂肪族ポリアミド系樹脂及び芳香族ポリアミド系樹脂が挙げられる。ポリアミド系樹脂は、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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