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公開番号2025036466
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2024225552,2023570341
出願日2024-12-20,2022-05-25
発明の名称界面活性剤を含む天然ポリマー系繊維要素及びその作製方法
出願人ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー,THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
代理人弁理士法人谷・阿部特許事務所
主分類D04H 1/413 20120101AFI20250306BHJP(組みひも;レース編み;メリヤス編成;縁とり;不織布)
要約【課題】「メルトブローン」紡糸天然ポリマー系繊維要素を生成するのに好適な繊維要素形成組成物、繊維要素形成組成物から形成される繊維構造体、および繊維構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】複数の繊維要素を含む繊維構造体であって、複数の繊維要素が、1種または複数種の繊維要素形成材料を含み、1種または複数種の繊維要素形成材料の少なくとも1種は、変性多糖および1種または複数種の活性剤を含み、1種または複数種の活性剤は、界面活性剤を含み、界面活性剤および変性多糖は、0.15:1~6:1の重量比で前記複数の繊維要素内に存在し、変性多糖が、Fedors法に従って測定したときに、14.00超~16.25未満の溶解度パラメータを有することを特徴とする繊維構造体。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
複数の繊維要素を含む繊維構造体であって、
前記複数の繊維要素が、1種または複数種の繊維要素形成材料を含み、
前記1種または複数種の繊維要素形成材料の少なくとも1種は、変性多糖および1種または複数種の活性剤を含み、
前記1種または複数種の活性剤は、界面活性剤を含み、
前記界面活性剤および前記変性多糖は、0.15:1~6:1の重量比で前記複数の繊維要素内に存在し、
前記変性多糖が、Fedors法に従って測定したときに、14.00超~16.25未満の溶解度パラメータを有する
ことを特徴とする繊維構造体。
続きを表示(約 810 文字)【請求項2】
前記複数の繊維要素が、複数のフィラメントを含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項3】
前記変性多糖が、重量平均分子量試験方法に従って測定したときに、50,000g/モル超~40,000,000g/モル未満の重量平均分子量を呈することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項4】
前記変性多糖が、非イオン性変性多糖であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項5】
前記変性多糖が、アセチル置換多糖であることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項6】
前記アセチル置換多糖が少なくとも0.3~1.0の置換度(DS)を呈することを特徴とする、請求項5に記載の繊維構造体。
【請求項7】
前記変性多糖が、デンプンに由来することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項8】
前記複数の繊維要素が、乾燥繊維要素の80重量%未満の総濃度の前記変性多糖と、乾燥繊維要素の20重量%超の総濃度の前記界面活性剤とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項9】
前記変性多糖および前記界面活性剤が、1以下の変性多糖対界面活性剤の重量比で前記乾燥繊維要素中に存在することを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
【請求項10】
前記1種または複数種の活性剤が、スキンケア活性剤、薬剤、ローション、布地ケア活性剤、食器洗浄活性剤、カーペットケア活性剤、表面ケア活性剤、ヘアケア活性剤、空気ケア活性剤、歯ケア活性剤、およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの追加の非界面活性の活性剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の繊維構造体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、天然ポリマー由来の変性ポリマーと界面活性剤とを含む天然ポリマー系繊維要素、より具体的には、変性多糖、例えばアセチル化多糖、例えばアセチル化デンプンと、界面活性剤、例えばアニオン性界面活性剤とを含む天然ポリマー系繊維要素、そのような天然ポリマー系繊維要素の作製方法、そのような天然ポリマー系繊維要素から作製された繊維構造体、及びそのような繊維構造体の作製方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
ポリビニルアルコール(「polyvinyl alcohol、PVOH」)は、ポリ酢酸ビニルから生成される合成ポリマーであり、特に不織布(繊維構造体)の作製プロセスにおいて、繊維要素、例えばフィラメント及び/又は繊維を作製するための主力のフィラメント形成材料(例えば、構造化剤)である。PVOHは、広範囲の重量平均分子量で入手可能である。PVOHは、押出加工(例えば、連続押出加工)及び/又はバッチ加工によって容易に加工される。PVOHは、強度が高いが、Tgが約80~85℃であることから可撓性である。また、広範囲の界面活性剤にわたって優れた混和性を呈する。PVOHグレードの多くは生分解性である。
【0003】
現在天然の材料及び製品に関心が集まっていることから、配合者は、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンによるPVOHの代替が可能であるか模索している。しかしながら、デンプン等の現行の多糖は、PVOHよりも界面活性剤、例えば高濃度の界面活性剤との混和性が低い。更に、デンプン等の多糖をよりPVOHと同様に機能させるためには、界面活性剤、特に高濃度の界面活性剤との混和性がより良好であり、水素結合がより少なく、Tgがより低く、及び/又は多糖、特にデンプンの疎水性がより高いことが必要となる。
【0004】
デンプンの誘導体は、PVOHにより類似した特性を有するデンプンを提供することができる。例えば、アセチル化デンプンは、有望なデンプン誘導体の1つである。アセチル化デンプンは、当該技術分野において既知である。このような既知のアセチル化デンプンは、0.1~3の範囲の様々な置換度(DS)で作製されている。更に、食品医薬品局(Food & Drug Administration)は、現在、例えば食品に使用されるアセチル化デンプンが有するアセチル基が2.5%未満である(DSが0.1未満である)ことを求めている。
【0005】
例えばTg、疎水性、より少ない水素結合、及び/又は界面活性剤、特に例えばPVOHの代替として使用することができる現在達成可能なものよりも高濃度の界面活性剤とのより良好な混和性等の特性を呈する天然ポリマー系材料、例えば多糖系材料、例えばデンプン系材料、例えばデンプン誘導体、例えば変性多糖及び/又は変性デンプン、このような天然ポリマー系材料から作製された繊維要素、例えば水溶性繊維要素、このような天然ポリマー系繊維要素から作製された繊維構造体、並びに天然ポリマー系材料、天然ポリマー系繊維要素、及び繊維構造体の作製方法が必要とされている。
【0006】
繊維要素、すなわち架橋された水不溶性繊維要素、及びこのような繊維要素を含む繊維構造体は、デンプン及び/又はデンプン誘導体、例えばエトキシ化デンプンを使用して作製されてきたが、このような繊維要素及び繊維構造体は、低い界面活性剤濃度(界面活性剤対デンプンの重量比が1:1未満)に制限されてきた。更に、水性繊維要素形成組成物のポリビニルアルコールは高濃度の界面活性剤及び高固形分濃度(例えば、15重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は少なくとも25重量%)と混和性であるので、高界面活性剤含有(界面活性剤対ポリビニルアルコールの重量比が1:1超)水性繊維要素形成組成物が作製され、次いで水溶性繊維要素に紡糸されるポリビニルアルコール、特に特定の加水分解度(約84~87%加水分解)を有するポリビニルアルコールとは異なり、デンプンでは今日まで成功していない。実際、同様に高い界面活性剤濃度(例えば、界面活性剤対デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超)及び高い固形分濃度(15重量%超、及び/又は20重量%超、及び/又は少なくとも25重量%)で未変性デンプン(アミロース対アミロペクチン比に関係なく)を利用する場合、非混和性水性繊維要素形成組成物が生じるので、繊維要素、例えば水溶性繊維要素への変換は、不可能ではないにしても困難になる。
【0007】
未変性多糖、すなわち未変性デンプンでは成功しなかったので、デンプン誘導体が模索されてきた。配合者は、食品用途のために市販されているデンプン誘導体、例えば最大2.5%のアセチル基(0.1未満のDS)を有するアセチル化デンプンを試してきたが、それらもまた、高濃度の界面活性剤(例えば、界面活性剤対アセチル化デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超)と混和しないので、界面活性剤とアセチル化デンプンとの相分離が生じ、これにより、繊維要素の紡糸が失敗する又は満足のいかないものになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記を考慮すると、高濃度の界面活性剤と組み合わせて、紡糸天然ポリマー系繊維要素、例えば、界面活性剤対天然ポリマー系材料の重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超である「メルトブローン」紡糸天然ポリマー系繊維要素を生成するのに好適な天然ポリマー系材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、このような天然ポリマー系繊維要素から作製される繊維構造体、並びにその作製方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、界面活性剤対天然ポリマー系材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンの重量比が0.15:1超、及び/又は0.20:1超、及び/又は0.25:1超、及び/又は0.5:1超、及び/又は1:1超、及び/又は約以下約6:1以下、又は約5.5:1以下、又は約5:1以下である紡糸天然ポリマー系繊維要素、例えば「メルトブローン」紡糸天然ポリマー系繊維要素を生成するために高濃度の界面活性剤と組み合わせるのに好適な天然ポリマー系材料、このような天然ポリマー系繊維要素から作製される繊維構造体、その作製方法、本発明の天然ポリマー系繊維要素に紡糸することができる天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンと界面活性剤とを含む繊維要素形成組成物を提供することによって、上述の必要性を満たす。
【0010】
この問題を解決するためには、天然ポリマーを天然ポリマー系繊維要素形成材料として使用することができるように、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンを化学修飾することが必要である。このような天然ポリマー系繊維要素形成材料、例えば変性多糖、例えばデンプン誘導体、例えばアセチル化デンプンは、界面活性剤、例えば高濃度の界面活性剤と組み合わせて、本発明による天然ポリマー系繊維要素を紡糸するのに好適な水性天然ポリマー系繊維要素形成組成物を形成することができる。具体的な天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの化学修飾の種類及び修飾レベルは、Robert F.Fedors’A Method for Estimating Both the Solubility Parameters and Molar Volumes of Liquids.POLYMER ENGINEERING AND SCIENCE,FEBRUARY,1974,Vol.14,No.2,147に記載されているような「Fedors法」(以下、本明細書に記載の「Fedors法」と称する)を使用して溶解度パラメータを計算することによって概算することができ、その関連部分には、高界面活性剤及び高固形分濃度の混和性フィラメント形成材料/界面活性剤水性製剤が存在する場合、PVOH(溶解度パラメータ数14~16)等の他のフィラメント形成材料の溶解度パラメータと一致していることが記載されている。更に、天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの重量平均分子量は、高界面活性剤/高固形分製剤における混和性に影響を与える。したがって、本発明の天然ポリマー、例えば多糖、例えばデンプンの特徴、重量平均分子量、化学修飾のレベル、及び化学修飾の種類によって、天然ポリマー系繊維要素形成材料を本発明による天然ポリマー系繊維要素に紡糸可能であるように、高界面活性剤及び高固形分濃度で界面活性剤と混和性水性製剤を形成する天然ポリマー系繊維要素形成材料が得られる。例えば、未変性デンプン、例えば未変性アミオカデンプンは17.2の溶解度パラメータ数を呈するが、0.3のDSを有するアセチル化デンプンは16.2の溶解度パラメータ数を呈し、0.7のDSを有するアセチル化デンプンは14.7の溶解度パラメータ数を呈する。
(【0011】以降は省略されています)

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