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公開番号2025035790
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023143052
出願日2023-09-04
発明の名称低温用鋼のサブマージアーク溶接方法
出願人日鉄溶接工業株式会社
代理人個人
主分類B23K 35/362 20060101AFI20250307BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】アークが安定してスラグ剥離性、ビード外観及びビード形状が良好で耐割れ性に優れ、溶接金属のじん性が良好な低温用鋼のサブマージアーク溶接方法を提供する。
【解決手段】低温用鋼のサブマージアーク溶接方法において、焼成型フラックス全質量に対する質量%で、SiO2:1~20%、Al2O3:10~25%、MgO:1~20%、CaF2:30~60%、CaO:1~10%、Na2O:0.1~5%、CaCO3:1~10%、金属Mn:0.1~5%を含有し、金属Al:0.1%以下、前記SiO2、Al2O3、CaOの含有量が下記(1)式から求められるBIが0.32~0.36であり、残部は、不純物である焼成型フラックスと、溶接用ワイヤ全質量に対する質量%で、Ni:50~64%、Al:0.01~0.4を含有する溶接用ワイヤを組み合わせて溶接する。
BI=[CaO]/([SiO2]+[Al2O3])・・・(1)
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
低温用鋼のサブマージアーク溶接方法において、焼成型フラックス全質量に対する質量%で、
SiO

:1~20%、
Al



:10~25%、
MgO:1~20%、
CaF

:30~60%、
CaO:1~10%、
Na

O:0.1~5%、
CaCO

:1~10%、
金属Mn:0.1~5%を含有し、
金属Al:0.1%以下、
前記SiO

、Al



、CaOの含有量が下記(1)式から求められるBIが0.32~0.36であり、
残部は、不純物である焼成型フラックスと、
溶接用ワイヤ全質量に対する質量%で、
Ni:50~64%、
Al:0.01~0.4%
を含有する溶接用ワイヤを組み合わせて低温用鋼を溶接することを特徴とする低温用鋼のサブマージアーク溶接方法。
BI=[CaO]/([SiO

]+[Al



])・・・(1)
(1)式中の、[CaO]、[SiO

]、[Al



]は、各成分の焼成型フラックス全質量に対する質量%を示す。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、LNG等の低温液体用貯槽タンクの建造に用いられる9%Ni鋼などの低温用鋼のサブマージアーク溶接方法において、特に焼成型フラックス成分を適正化することと溶接ワイヤのNi及びAlを適量とすることによって、下向及び横向姿勢における溶接作業性が良好で、溶接金属の良好なじん性が得られ、割れ等の欠陥がない高品質の溶接部が得られる低温用鋼のサブマージアーク溶接方法に関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
サブマージアーク溶接方法は、高能率で高品質な溶接金属が得られることから、低温用鋼の溶接に多く使用されている。溶接姿勢は、下向や水平すみ肉などの従来使用されている姿勢の他、横向溶接が可能なフラックスが開発され、タンク建造の現場施工に適用されている。
【0003】
9%Ni鋼などの低温用鋼の溶接部は、溶接後熱処理を行わず、溶接のままで高強度且つ低温じん性が要求されることから、母材よりもNi含有量の多い溶接用ワイヤが用いられ、従来からNiを50質量%以上含有するインコネル系、ハステロイ系といったNi基合金ワイヤが使用されている。
【0004】
タンク建造の現場施工では、下向や水平すみ肉に加え、横向姿勢の溶接にサブマージアーク溶接方法が適用されている。近年、全姿勢の溶接作業性に優れるガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤの開発が進められているものの、ブローホールが生じやすく、耐割れ性が不十分であり、重要な突合せ継手には、未だサブマージアーク溶接と被覆アーク溶接が主となっている。
【0005】
従来、低温用鋼のサブマージアーク溶接材料及びその溶接方法は、例えば、特許文献1に、フラックス成分を適正化することで、水平すみ肉及び横向姿勢溶接の溶接作業性に優れる9%Ni鋼のサブマージアーク溶接用フラックスが提案されている。しかし、このサブマージアーク溶接方法では、ブローホールやスラグ巻込みが生じやすく、下向姿勢のビードに凹凸が大きく、横向姿勢のビード形状も安定しないなどタンク建造の現場溶接施工への適用には十分な耐欠陥性と溶接仕上がりが得らないという問題点があった。
【0006】
また、特許文献2には、ワイヤ及びフラックス成分を適正化することで、低温じん性及び溶接作業性に優れた溶接部が得られるサブマージアーク溶接方法が提案されている。しかし、特許文献2に記載の技術においてAl



の添加量が多く、スラグ巻込みを生じやすく耐欠陥性に問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2022-152690号公報
特開2018-8293号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、LNG等低温液体用貯槽タンクの建造に用いられる9%Ni鋼などの低温用鋼のサブマージアーク溶接方法において、下向、水平すみ肉に加え横向姿勢の溶接時において、アークが安定してスラグ剥離性及びビード形状が良好で耐割れ性に優れ、溶接欠陥の発生が無く、溶接金属のじん性が良好な低温用鋼のサブマージアーク溶接方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために、サブマージアーク溶接用フラックスの成分組成について、種々検討を行った。その結果、下向及び横向姿勢の溶接において、ビード形状を整えるためには、スラグ剤成分のうちCaOにおけるSiO

及びAl



に対する比率を示すBI値を調整し、スラグ流動性とビード形成性のバランスを適正化させることで、良好となることを見出した。また金属Alを溶接用ワイヤに適正量添加することで、ブローホールやスラグ巻込みなどの溶接欠陥を防止できる知見を得た。
【0010】
本発明は以上の知見によりなされたもので、その要旨とするところは、低温用鋼のサブマージアーク溶接方法において、焼成型フラックス全質量に対する質量%で、SiO

:1~20%、Al



:10~25%、MgO:1~20%、CaF

:30~60%、CaO:1~10%、Na

O:0.1~5%、CaCO

:1~10%、金属Mn:0.1~5%を含有し、金属Al:0.1%以下、前記SiO

、Al



、CaOの含有量が下記(1)式から求められるBIが0.32~0.36であり、残部は、不純物である焼成型フラックスと、溶接用ワイヤ全質量に対する質量%で、Ni:50~64%、Al:0.01~0.4を含有する溶接用ワイヤを組み合わせて低温用鋼を溶接することを特徴とする低温用鋼のサブマージアーク溶接方法にある。
BI=[CaO]/([SiO

]+[Al



])・・・(1)
(1)式中の、[CaO]、[SiO

]、[Al



]は、各成分の焼成型フラックス全質量に対する質量%を示す。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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