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公開番号2025037692
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-18
出願番号2023144780
出願日2023-09-06
発明の名称金属粒子
出願人有限会社 ナプラ
代理人個人
主分類B23K 35/26 20060101AFI20250311BHJP(工作機械;他に分類されない金属加工)
要約【課題】極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、金属間化合物の脆さを克服して優れた接合強度および機械的強度を維持できる金属粒子を提供する。
【解決手段】Snと、Sn-Cu合金と、を含む母相中に、Sn、Cu、Ni、AlおよびCrを含む金属間化合物結晶を有し、前記金属粒子の組成が、Cu 0.7~15質量%、Ni 1~0.02質量%、Al 3~0.02質量%、Cr 2~0.02質量%、残部がSnであり、前記母相の組成が、Sn 92~99.9質量%、Cu 5質量%以下、Ni 1質量%以下、Al 3質量%以下であり、前記金属間化合物の組成が、Cu 5~50質量%、Ni 6.5~0.1質量%、Al 20~0.5質量%、Cr 0.001~0.1質量%、残部がSnである金属粒子によって上記課題を解決した。
【選択図】図4B
特許請求の範囲【請求項1】
Snと、Sn-Cu合金と、を含む母相中に、Sn、Cu、Ni、AlおよびCrを含む金属間化合物結晶を有する、金属粒子であって、
前記金属粒子の組成が、
Cu 0.7~15質量%、
Ni 1~0.02質量%、
Al 3~0.02質量%、
Cr 2~0.02質量%、
残部がSnであり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記母相の組成が、
Sn 92~99.9質量%、
Cu 5質量%以下、
Ni 1質量%以下、
Al 3質量%以下であり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記金属間化合物の組成が、
Cu 5~50質量%、
Ni 6.5~0.1質量%、
Al 20~0.5質量%、
Cr 0.001~0.1質量%、
残部がSnであり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記母相中に前記金属間化合物結晶が包含されて存在する、
ことを特徴とする金属粒子。
続きを表示(約 36 文字)【請求項2】
請求項1に記載の金属粒子からなる固結体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、金属粒子に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)の進展や、一層の省エネルギーが求められる中で、その技術の核心を担うパワー半導体の重要性が益々高まっている。しかしながら、その活用には多くの課題がある。パワー半導体は、高電圧、大電流の大きな電力を扱うことと超高速伝送から、多くの熱を発して高温となる。現行のSiパワー半導体に求められる耐熱性は約175℃程度への対応であるが、約200℃の温度に耐えるSiパワー半導体の開発が進められており、また、SiCやGaNのような次世代のパワー半導体は高速通信伝送にはデバイスの表裏面に金を使用し伝送特性を維持し、極高温耐熱性250~500℃に耐えることが要求される。
【0003】
一方、接合材に関して言えば、上述のようなSiCやGaNのような次世代のパワー半導体に求められる高い耐熱性を有する接合材は存在しない。
例えば、特許文献1に開示されているSnAgCu系接合材(粉末はんだ材料)では、約125℃程度に対応したパワー半導体に適用可能であるに過ぎず、次世代のパワー半導体に適用することができない。
また従来のハンダ接合材では、アルミニウムに対し接合することができないという課題がある。
【0004】
一方、本出願人は特許文献2において、外殻と、コア部とからなり、前記コア部は、金属又は合金を含み、前記外殻は、金属間化合物の網目状から成り、前記コア部を覆っており、前記コア部は、Sn又はSn合金を含み、前記外殻は、SnとCuとの金属間化合物を含む、金属粒子を提案している。この金属粒子により形成された接合部は、長時間にわたって高温動作状態が継続した場合でも、また、高温動作状態から低温停止状態へと大きな温度変動を伴うなど、過酷な環境下で使用された場合でも、長期にわたって高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を維持することができる。
しかし、金属間化合物は脆いという弱点があり、この問題点を解決すれば、更に高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を有する接合材を提供できることになる。
【0005】
そこで本出願人はさらに特許文献3において、SnおよびSn-Cu合金を含む母相中に、Sn、CuおよびNiからなる金属間化合物を有し、前記母相におけるSn-Cu合金および前記金属間化合物の少なくとも1部が、エンドタキシャル接合してなる金属粒子を提案した。しかし、260℃加熱雰囲気以上では、金属間化合物を囲っている母相が収縮し、エンドタキシャル接合の崩壊が起きボイドの発生を助長することが判明した。したがって、高温下での過酷な環境下で使用された場合、長期にわたって高い耐熱性、接合強度及び機械的強度を維持することができなくなる恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2007-268569号公報
特許第6029222号公報
特許第6799649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、金属間化合物の脆さを克服して優れた接合強度および機械的強度を維持できるとともに、アルミニウムに対し接合が可能な金属粒子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、Snと、Sn-Cu合金と、を含む母相中に、Sn、Cu、Ni、AlおよびCrを含む金属間化合物結晶を有する、金属粒子であって、
前記金属粒子の組成が、
Cu 0.7~15質量%、
Ni 1~0.02質量%、
Al 3~0.02質量%、
Cr 2~0.02質量%、
残部がSnであり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記母相の組成が、
Sn 92~99.9質量%、
Cu 5質量%以下、
Ni 1質量%以下、
Al 3質量%以下であり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記金属間化合物の組成が、
Cu 5~50質量%、
Ni 6.5~0.1質量%、
Al 20~0.5質量%、
Cr 0.001~0.1質量%、
残部がSnであり(ただし、不可避不純物が存在する場合、前記不可避不純物は0.1質量%以下である)、
前記母相中に前記金属間化合物結晶が包含されて存在する、
ことを特徴とする金属粒子を提供するものである。
また本発明は、前記1に記載の金属粒子からなる固結体を提供するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、極高温ないし極低温環境の過酷な温度変動に対しても、金属間化合物の脆さを克服して優れた接合強度および機械的強度を維持できるとともに、アルミニウムに対し接合が可能な金属粒子及び固結体を提供することができる。
本発明者らは鋭意検討を行ったところ、本発明の金属粒子は、Cu、Ni、Al、Crおよび残部がSnからなる組成の原材料を下記条件の製造方法に基づき製造することにより、SnとSn-Cu合金とを含む母相中に、Sn、Cu、Ni、AlおよびCrを含む金属間化合物結晶を包含するという特徴的な構造を有することになる。この金属粒子およびこれを固結してなる固結体は、金属の固相、液相温度の調整が可能になり、また金属間化合物結晶にAlが存在することによって、従来は不可とされていたAlおよび他の金属間の接合を可能にするとともに、上述の金属間化合物は脆さに起因する課題を解決でき、優れた接合強度および機械的強度を維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で得られた本発明の金属粒子からなる固結体をFIB(集束イオンビーム)で薄くカッティングした断面のSTEM像である。
本発明の金属粒子の製造に好適な製造装置の一例を説明するための図である。
実施例1で得られた金属粒子1断面のEDSによる元素マッピング分析の結果を示す図である。
実施例1で得られた金属粒子1断面のEDSによる元素マッピング分析の結果を示す図である。
実施例2における接合構造部において、(a)は、銅クリップのめっき層の面120とSiチップ上のアルミニウム面140の接合面断面のSEM像であり、(b)は拡大図である。
図4Aの接合部分Cのさらなる拡大写真である。
本発明における接合構造部の構造を説明するための模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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