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公開番号2025035546
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-14
出願番号2023142646
出願日2023-09-04
発明の名称レール締結装置
出願人公益財団法人鉄道総合技術研究所
代理人個人
主分類E01B 9/38 20060101AFI20250307BHJP(道路,鉄道または橋りょうの建設)
要約【課題】少ない部品点数で軌間調整と高低調整とを同時に行うレール締結装置を提供する。
【解決手段】レール締結装置1は、タイプレート4と、タイプレート4に載置されたレール3を押圧する押圧部5と、を有し、タイプレート4は、レール3が載置される載置部と、載置部よりも上方に突出した突出部8と、を含み、押圧部5は、座金部材12を含み、突出部8は、方向DR1におけるレール3側の側面SS1を含み、座金部材12は、方向DR1におけるレール3側と反対側の側面SS2を含む。側面SS1は、側面SS1の方向DR3における前側の端部EP1が側面SS1の方向DR3における後側の端部EP2よりも方向DR1におけるレール3側に位置し、且つ、側面SS1の上側の端部EP3が側面SS1の下側の端部EP4よりも方向DR1におけるレール3側と反対側に位置するように、方向DR1に垂直な面PL1に対して傾斜する。
【選択図】図2


特許請求の範囲【請求項1】
レールを支持する支持体に前記レールを締結するレール締結装置において、
前記支持体に固定され、第1上面を含み、且つ、前記第1上面に前記レールが載置されるタイプレートと、
前記タイプレートの前記第1上面に載置されている前記レールを前記タイプレートの前記第1上面に押圧して締結する第1押圧部と、
を有し、
前記タイプレートは、
前記第1上面を含み、且つ、前記第1上面に前記レールが載置される載置部と、
前記載置部よりも前記レールの幅方向である第1方向における第1の側に配置され、且つ、前記載置部の前記第1上面よりも上方に突出した第1突出部と、
前記載置部と前記第1突出部との間に配置され、且つ、上下方向である第2方向に貫通する第1貫通孔が形成された第1貫通孔部と、
を含み、
前記第1押圧部は、
前記第2方向に貫通する第2貫通孔が形成され、且つ、前記レールを押圧するための第1座金部材と、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に挿通可能な第1雄ねじ部と、
前記第1雄ねじ部に螺合可能な第1雌ねじ部と、
を含み、
平面視において前記第2貫通孔が前記第1貫通孔と重なり、且つ、前記第1雄ねじ部が前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に配置された状態で、前記第1雄ねじ部及び前記第1雌ねじ部のうちいずれか一方である第1ねじ部が他方である第2ねじ部に螺合し、
前記第1突出部は、前記第1方向における前記第1の側と反対側の第1側面を含み、
前記第1座金部材は、前記第1方向における前記第1の側の第2側面を含み、
前記第1側面は、前記第1側面の、前記レールの長さ方向である第3方向における第2の側の第1端部が前記第1側面の前記第3方向における前記第2の側と反対側の第2端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置し、且つ、前記第1側面の上側の第3端部が前記第1側面の下側の第4端部よりも前記第1方向における前記第1の側に位置するように、前記第1方向に垂直な第1面に対して傾斜し、
前記第2側面は、前記第2側面の前記第3方向における前記第2の側の第5端部が前記第2側面の前記第3方向における前記第2の側と反対側の第6端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置し、且つ、前記第2側面の上側の第7端部が前記第2側面の下側の第8端部よりも前記第1方向における前記第1の側に位置するように、前記第1面に対して傾斜し、
前記第1押圧部は、前記第1座金部材の前記第2側面が前記第1突出部の前記第1側面と接触し、平面視において前記第2貫通孔が前記第1貫通孔と重なり、且つ、前記第1雄ねじ部が前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔に配置された状態で、前記第1ねじ部が前記第2ねじ部に螺合することにより、前記レールを前記載置部の前記第1上面に押圧して締結する、レール締結装置。
続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
請求項1に記載のレール締結装置において、
前記第1座金部材は、
第1下面と、
前記第1下面のうち前記第1方向における前記第1の側と反対側の第1縁部に形成され、前記第3方向に延在し、且つ、前記レールの底部のうち前記第1方向における前記第1の側の第2縁部に係合する第1切り欠き部と、
を含み、
前記第1座金部材の前記第3方向における位置は、前記第1切り欠き部が前記第2縁部に係合し、且つ、前記第2側面が前記第1側面と接触するように、前記第1方向及び前記第2方向における前記レールの位置に応じて、調整される、レール締結装置。
【請求項3】
請求項1に記載のレール締結装置において、
前記レールは、前記載置部の前記第1上面に、前記第1上面と前記レールとの間隔を調整する調整板を介して、載置され、
前記第1座金部材の下面は、前記第1貫通孔部から離隔する、レール締結装置。
【請求項4】
請求項2に記載のレール締結装置において、
前記第1切り欠き部の前記第1方向における第1幅は、前記第3方向におけるいずれの位置でも等しく、
前記第1切り欠き部の前記第2方向における第1深さは、前記第3方向におけるいずれの位置でも等しい、レール締結装置。
【請求項5】
請求項1に記載のレール締結装置において、
前記タイプレートは、第2上面を含み、前記第1突出部よりも前記第1方向における前記第1の側に配置され、且つ、前記支持体に固定される固定部を含み、
前記第1突出部は、前記固定部の前記第2上面よりも上方に突出している、レール締結装置。
【請求項6】
請求項1に記載のレール締結装置において、
前記第1押圧部は、前記第1雄ねじ部と、第1頭部と、を含む第1ボルトを含み、
前記第1雌ねじ部は、第1ナットであり、
前記第1ねじ部は、前記第1ナットであり、
前記第2ねじ部は、前記第1雄ねじ部であり、
平面視において前記第2貫通孔が前記第1貫通孔と重なり、前記第1雄ねじ部が前記第2貫通孔に挿通され、且つ、前記第1頭部が前記第1貫通孔に係止された状態で、前記第1ナットが前記第1ボルトに含まれる前記第1雄ねじ部に螺合し、
前記第1押圧部は、平面視において前記第2貫通孔が前記第1貫通孔と重なり、前記第1雄ねじ部が前記第2貫通孔に挿通され、且つ、前記第1頭部が前記第1貫通孔に係止された状態で、前記第1ナットが前記第1ボルトに含まれる前記第1雄ねじ部に螺合することにより、前記レールを前記載置部の前記第1上面に押圧して締結する、レール締結装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載のレール締結装置において、
前記タイプレートの前記第1上面に載置されている前記レールを前記タイプレートの前記第1上面に押圧して締結する第2押圧部を有し、
前記タイプレートは、
前記載置部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に配置され、且つ、前記載置部の前記第1上面よりも上方に突出した第2突出部と、
前記載置部と前記第2突出部との間に配置され、且つ、前記第2方向に貫通する第3貫通孔が形成された第2貫通孔部と、
を含み、
前記第2押圧部は、
前記第2方向に貫通する第4貫通孔が形成され、且つ、前記レールを押圧するための第2座金部材と、
前記第3貫通孔及び前記第4貫通孔に挿通可能な第2雄ねじ部と、
前記第2雄ねじ部に螺合可能な第2雌ねじ部と、
を含み、
平面視において前記第4貫通孔が前記第3貫通孔と重なり、且つ、前記第2雄ねじ部が前記第3貫通孔及び前記第4貫通孔に配置された状態で、前記第2雄ねじ部及び前記第2雌ねじ部のうちいずれか一方である第3ねじ部が他方である第4ねじ部に螺合し、
前記第2突出部は、前記第1方向における前記第1の側の第3側面を含み、
前記第2座金部材は、前記第1方向における前記第1の側と反対側の第4側面を含み、
前記第3側面は、前記第3側面の前記第3方向における前記第2の側の第9端部が前記第3側面の前記第3方向における前記第2の側と反対側の第10端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置し、且つ、前記第3側面の上側の第11端部が前記第3側面の下側の第12端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置するように、前記第1面に対して傾斜し、
前記第4側面は、前記第4側面の前記第3方向における前記第2の側の第13端部が前記第4側面の前記第3方向における前記第2の側と反対側の第14端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置し、且つ、前記第4側面の上側の第15端部が前記第4側面の下側の第16端部よりも前記第1方向における前記第1の側と反対側に位置するように、前記第1面に対して傾斜し、
前記第2押圧部は、前記第2座金部材の前記第4側面が前記第2突出部の前記第3側面と接触し、平面視において前記第4貫通孔が前記第3貫通孔と重なり、且つ、前記第2雄ねじ部が前記第3貫通孔及び前記第4貫通孔に配置された状態で、前記第3ねじ部が前記第4ねじ部に螺合することにより、前記レールを前記載置部の前記第1上面に押圧して締結する、レール締結装置。
【請求項8】
請求項7に記載のレール締結装置において、
前記第2座金部材は、
第2下面と、
前記第2下面のうち前記第1方向における前記第1の側の第3縁部に形成され、前記第3方向に延在し、且つ、前記レールの底部のうち前記第1方向における前記第1の側と反対側の第4縁部に係合する第2切り欠き部と、
を含み、
前記第2座金部材の前記第3方向における位置は、前記第2切り欠き部が前記第4縁部に係合し、且つ、前記第4側面が前記第3側面と接触するように、前記第1方向及び前記第2方向における前記レールの位置に応じて、調整される、レール締結装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レールを支持する支持体にレールを締結するレール締結装置に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
例えばまくらぎ等の支持体にレールを締結するレール締結装置として、支持体に固定され、上面にレールが載置されるタイプレートと、タイプレートの上面に載置されているレールをタイプレートの上面に押圧して締結する押圧部と、を有するレール締結装置が用いられている。或いは、支持体に固定された一対の横圧受け金具と、一対の横圧受け金具の間の床板の上面に載置されているレールを床板の上面に押圧して締結する押圧部と、を有するレール締結装置が用いられている。
【0003】
特開2020-16010号公報(特許文献1)には、レールの伸縮継目用締結装置において、まくらぎ上に調整板を介してアンカーボルトにより固定される一対の横圧受け金具と、横圧受け金具間の調整板上に、軌道パッドを介して載置される、受けレールおよびトングレールの少なくとも一方が固定される床板と、床板を軌道パッド上に弾性的に押さえ付ける弾性押圧手段とからなる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2020-16010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えばレール用ねじくぎによって、タイプレート等を、例えばまくらぎ等の支持体に固定する構造を有するレール締結装置を用いて、レールの高低調整を行う場合を考える。このような場合、従来のレール締結装置では、レールの位置をレールの幅方向にずらす軌間調整を行うことはできるものの、レールの位置を上下方向にずらす高低調整を行うことができない。そのため、従来のレール締結装置を用いて高低調整を行うためには、レールと、押圧部に含まれる座金部材と、のいずれの下にも高低調整を行うための調整板を挿入する必要があり、部品点数が多くなるという問題があった。即ち、従来のレール締結装置では、少ない部品点数で軌間調整と高低調整とを同時に行うことができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述のような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、支持体にレールを締結するレール締結装置において、押圧部に含まれる座金部材の下に高低調整を行うための調整板を挿入する必要がなく、少ない部品点数で軌間調整と高低調整とを同時に行うことができるレール締結装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0008】
本発明の一態様としてのレール締結装置は、レールを支持する支持体にレールを締結するレール締結装置である。当該レール締結装置は、支持体に固定され、第1上面を含み、且つ、第1上面にレールが載置されるタイプレートと、タイプレートの第1上面に載置されているレールをタイプレートの第1上面に押圧して締結する第1押圧部と、を有する。タイプレートは、第1上面を含み、且つ、第1上面にレールが載置される載置部と、載置部よりもレールの幅方向である第1方向における第1の側に配置され、且つ、載置部の第1上面よりも上方に突出した第1突出部と、載置部と第1突出部との間に配置され、且つ、上下方向である第2方向に貫通する第1貫通孔が形成された第1貫通孔部と、を含む。第1押圧部は、第2方向に貫通する第2貫通孔が形成され、且つ、レールを押圧するための第1座金部材と、第1貫通孔及び第2貫通孔に挿通可能な第1雄ねじ部と、第1雄ねじ部に螺合可能な第1雌ねじ部と、を含む。平面視において第2貫通孔が第1貫通孔と重なり、且つ、第1雄ねじ部が第1貫通孔及び第2貫通孔に配置された状態で、第1雄ねじ部及び第1雌ねじ部のうちいずれか一方である第1ねじ部が他方である第2ねじ部に螺合する。第1突出部は、第1方向における第1の側と反対側の第1側面を含み、第1座金部材は、第1方向における第1の側の第2側面を含む。第1側面は、第1側面の、レールの長さ方向である第3方向における第2の側の第1端部が第1側面の第3方向における第2の側と反対側の第2端部よりも第1方向における第1の側と反対側に位置し、且つ、第1側面の上側の第3端部が第1側面の下側の第4端部よりも第1方向における第1の側に位置するように、第1方向に垂直な第1面に対して傾斜する。第2側面は、第2側面の第3方向における第2の側の第5端部が第2側面の第3方向における第2の側と反対側の第6端部よりも第1方向における第1の側と反対側に位置し、且つ、第2側面の上側の第7端部が第2側面の下側の第8端部よりも第1方向における第1の側に位置するように、第1面に対して傾斜する。第1押圧部は、第1座金部材の第2側面が第1突出部の第1側面と接触し、平面視において第2貫通孔が第1貫通孔と重なり、且つ、第1雄ねじ部が第1貫通孔及び第2貫通孔に配置された状態で、第1ねじ部が第2ねじ部に螺合することにより、レールを載置部の第1上面に押圧して締結する。
【0009】
また、他の一態様として、第1座金部材は、第1下面と、第1下面のうち第1方向における第1の側と反対側の第1縁部に形成され、第3方向に延在し、且つ、レールの底部のうち第1方向における第1の側の第2縁部に係合する第1切り欠き部と、を含んでもよい。第1座金部材の第3方向における位置は、第1切り欠き部が第2縁部に係合し、且つ、第2側面が第1側面と接触するように、第1方向及び第2方向におけるレールの位置に応じて、調整されてもよい。
【0010】
また、他の一態様として、レールは、載置部の第1上面に、第1上面とレールとの間隔を調整する調整板を介して、載置され、第1座金部材の下面は、第1貫通孔部から離隔してもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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