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公開番号2025035099
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141905
出願日2023-09-01
発明の名称芳香族ジイミド誘導体及びそれを用いたペロブスカイト太陽電池
出願人国立研究開発法人産業技術総合研究所
代理人弁理士法人秀和特許事務所
主分類C07F 9/6561 20060101AFI20250306BHJP(有機化学)
要約【課題】ペロブスカイト太陽電池のn型バッファ層に用いることができる化合物を提供し、さらにはこの化合物を用いた良好なペロブスカイト太陽電池を提供する。
【解決手段】一般式(I)で表される芳香族ジイミド誘導体。
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(一般式(I)中、Aはホスホン酸基、リン酸基、スルホン酸基、若しくは硫酸基、又はこれらの塩に相当する基である;Rは置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未置換のヘテロアリール基、又は置換アルキル基である;aは1~6の整数である;bは0又は1である)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
一般式(I)で表される芳香族ジイミド誘導体。
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(一般式(I)中、Aはホスホン酸基、リン酸基、スルホン酸基、若しくは硫酸基、又はこれらの塩に相当する基である;Rは置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未置換のヘテロアリール基、又は置換アルキル基である;aは1~6の整数である;bは0又は1である)
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記一般式(I)における置換アリール基又は置換ヘテロアリール基の置換基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基及びヘテロ環基からなる群から選択され、
前記一般式(I)における置換アルキル基の置換基が、アミノ基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基及びヘテロ環基からなる群から選択される、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
【請求項3】
前記一般式(I)におけるRが、未置換のアリール基、又は未置換のヘテロアリール基である、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
【請求項4】
前記一般式(I)におけるbが、0である、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
【請求項5】
前記一般式(I)におけるAが、ホスホン酸基又はその塩に相当する基である、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
【請求項6】
前記一般式(I)におけるRが、置換若しくは未置換のアリール基、又は、置換若しくは未置換のヘテロアリール基であって、前記ヘテロアリール基は、環原子として炭素原子以外に窒素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を1個含有する、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
【請求項7】
一般式(II)~(XI)で表される、請求項1に記載の芳香族ジイミド誘導体。
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【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載の芳香族ジイミド誘導体を備える光電変換素子。
【請求項9】
請求項8に記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト太陽電池。
【請求項10】
請求項8に記載の光電変換素子を備える、フォトダイオード。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、ペロブスカイト太陽電池の性能を向上するための機能性材料として用いる新規化合物、及びそれを用いた太陽電池に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池はエネルギー・環境問題の観点から注目されている。実用化されている太陽電池は主にシリコンを用いるものであるが、これらの太陽電池は製造コストが高く、一般家庭に広く普及するには至っていない。また、耐荷重の問題などで設置場所が制限されることもある。今後、再生可能エネルギーを主力電源化するためには、太陽光発電施設のさらなる導入拡大が不可欠であり、シリコン系太陽電池に変わる新しいタイプの太陽電池の研究が進められている。有機系太陽電池は、資源的制約が少ないこと、製造コストが比較的低いこと、軽量・フレキシブルなどの利点があり、その普及が期待されている。しかしながら、エネルギー変換効率や耐久性等の面でシリコン系太陽電池に劣っており、実用化に向けた課題が残っている。
【0003】
有機系太陽電池の一つであるペロブスカイト太陽電池は、2009年に溶液型の電池が報告され(非特許文献1)、その後、2012年に固体型の電池が報告されるとエネルギー変換効率が急速に進展した(非特許文献2)。ペロブスカイト太陽電池の基本構造は、通常図1のように、透明電極の上に、光吸収層(ペロブスカイト層)をn型半導体であるn型バッファ層とp型半導体であるp型バッファ層とで挟んだ構造である。n型バッファ
層としては酸化チタンからなる緻密なチタニアの膜が一般的に用いられ、p型バッファ層としては、有機半導体の正孔輸送材料が用いられることが多い。
【0004】
高いエネルギー変換効率が得られるペロブスカイト太陽電池の電子輸送材料として一般には、緻密なチタニアの膜が用いられているが、これらの化合物は製膜の際に高温での処理が必要であり、フレキシブルな太陽電池を作製する際の課題となっている。そのため、高温での処理を必要としない電子輸送材料の開発が求められている。
【0005】
そのような電子輸送材料として、例えば非特許文献3には、下記化学式で表される自己組織化膜を形成可能な芳香族イミド誘導体が報告されている。この化合物を、「化合物1」という。この化合物は結合基にカルボキシ基を持つことから、高いエネルギー変換効率を示す太陽電池を作製するには製膜のための6時間の浸漬過程が必要であり、実用化の際に大量生産するためのRoll to Rollなどへの適用に課題が残る。
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【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
J. Am. Chem. Soc. (2009) Vol.131, p.6050-6051
Science (2012) Vol.388, p.643-647
Chem. Commun. (2019) Vol.55, p13239-13242
【0007】
本発明者らは高温での処理や長時間の製膜過程を必要としない電子輸送材料として、結
合基にホスホン酸基を持つ「化合物2」を合成した。化合物2は導電層上に短時間でn型バッファ層を形成できたものの、n型バッファ層の上にペロブスカイト層を形成することができず太陽電池を作製することができなかった。そのため、ペロブスカイト層を形成するための更なる構造修飾が必要であることがわかった。このような背景から、自己組織化膜を形成可能な電子輸送材料の導入は高温プロセスを必要とせずにn型バッファ層を導入することができるので、ペロブスカイト太陽電池の利点をいかした実用化に有用といえるが、それを実現しうる化合物はほとんど報告されていないのが現状であり、優れた材料の開発が求められている。
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【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、従来の技術における上記の状況に鑑みてなされたものであり、ペロブスカイト太陽電池のn型バッファ層に用いることができる化合物を提供し、さらにはこの化合物を用いた良好なペロブスカイト太陽電池を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、新規芳香族ジイミド誘導体をペロブスカイト太陽電池のn型バッファ層に導入することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は以下の[1]~[11]に関する。
[1]一般式(I)で表される芳香族ジイミド誘導体。
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(一般式(I)中、Aはホスホン酸基、リン酸基、スルホン酸基、若しくは硫酸基、又はこれらの塩に相当する基である;Rは置換若しくは未置換のアリール基、置換若しくは未置換のヘテロアリール基、又は置換アルキル基である;aは1~6の整数である;bは0又は1である)
[2]前記一般式(I)における置換アリール基又は置換ヘテロアリール基の置換基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基及びヘテロ環基からなる群から選択され、
前記一般式(I)における置換アルキル基の置換基が、アミノ基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基及びヘテロ環基からなる群から選択される、[1]に記載の芳香族ジイミド誘導体。
[3]前記一般式(I)におけるRが、未置換のアリール基、又は未置換のヘテロアリール基である、[1]又は[2]に記載の芳香族ジイミド誘導体。
[4]前記一般式(I)におけるbが、0である、[1]~[3]のいずれかに記載の芳香族ジイミド誘導体。
[5]前記一般式(I)におけるAが、ホスホン酸基又はその塩に相当する基である、[1]~[4]のいずれかに記載の芳香族ジイミド誘導体。
[6]前記一般式(I)におけるRが、置換若しくは未置換のアリール基、又は、置換若しくは未置換のヘテロアリール基であって、前記ヘテロアリール基は、環原子として炭素原子以外に窒素原子及び硫黄原子から選択される少なくとも1種のヘテロ原子を1個含有する、[1]~[5]のいずれかに記載の芳香族ジイミド誘導体。
[7]一般式(II)~(XI)で表される、[1]~[6]のいずれかに記載の芳香族ジイミド誘導体。
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[8][1]~[7]のいずれかに記載の芳香族ジイミド誘導体を備える光電変換素子。[9][8]に記載の光電変換素子を備える、ペロブスカイト太陽電池。
[10][8]に記載の光電変換素子を備える、フォトダイオード。
[11][8]に記載の光電変換素子を備える、光センサ。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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