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公開番号2025034580
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023141056
出願日2023-08-31
発明の名称本体側面に内側方向へ回動する逆止弁を備えた吸水口を有する筒形状の注水合流部材、及びこの注水部材を使用したサイフォン送水装置及びサイフォン送水工法。
出願人株式会社山辰組
代理人個人
主分類E02B 7/18 20060101AFI20250306BHJP(水工;基礎;土砂の移送)
要約【課題】コンパクトかつ軽量に作製することができ、貯水部内に設置する際の労力も低減することができる注水合流部材と注水合流部材を備えたサイフォン送水装置を提供する。
【解決手段】注水合流部材30の側面に貯水部1の水をサイフォン作用により吸水するサイフォン吸水口11aを有しており、前記サイフォン吸水口11aの縁部の上流部に、注水合流部材30内部の水圧が外部となる貯水部1の水中の水圧より小さくなった時に貯水部1の水圧に押されて注水合流部材30の内側に回動する蝶番構造を有する逆止弁32を備えてなることを特徴とする注水合流部材30とした。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
上流側開口部は送水機器と直接又は送水機器接続部材を介して連結され、下流側開口部はサイフォン送水管側と連結されて貯水部内に配置される略筒形状の注水合流部材であって、
前記注水合流部材の側面に貯水部の水をサイフォン作用により吸水するサイフォン吸水用開口部を有しており、
前記サイフォン吸水用開口部の外周上の一部に、注水合流部材内部の水圧が外部となる貯水部の水中の水圧より小さくなった時に貯水部の水圧に押されて注水合流部材の内側に回動する蝶番構造を有する逆止弁を備えてなることを特徴とする注水合流部材。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記注水合流部材の本体側面に設けた逆止弁は、逆止弁が回動して開いたときに前記注水合流部材本体内側の通水断面内の一部又は全部を逆止弁で狭めることを防止するために、側方方向に突出した収納部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の注水合流部材。
【請求項3】
前記注水合流部材は、円筒状又は角筒状又はこれらを組み合わせた断面形状を有する略筒形状に形成され、前記筒形状は、直線状又は曲線状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の注水合流部材。
【請求項4】
前記注水合流部材の側面に設けた前記サイフォン吸水口の開口形状及びこれに備えられた逆止弁の形状は円形、楕円形、多角形又はこれらを組み合わせた形状に構成されており、逆止弁の面は平面、曲面又はこれらを組み合わせた形状に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の注水合流部材。
【請求項5】
高水位域にある貯水部の水を前記高水位域より低所に位置する低地域に移動させるサイフォン送水装置において、
高水域の貯水部に、上流側と下流側にそれぞれ連結部を有する上流側開口部と下流側開口部と側面に貯水部の水を吸水するサイフォン吸水口とを有し、前記サイフォン吸水口の上流部に内側に回動する蝶番構造を有する逆止弁を備えてなる注水合流部材と、前記注水合流部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続部材を介して連結された送水機器と、下流側の開口部に連結したサイフォン送水管と、を一体にしたサイフォン起動送水部と、
前記注水合流部材の下流側の開口部には、1条配管で配管の最高部を経て下流部の吐出口まで延伸設置されるサイフォン送水管を連結した状態で前記サイフォン起動送水部を水中に浸漬して設置し、
前記サイフォン送水管の前記最高部又はその近傍にサイフォン停止用空気吸入部材を備え、前記貯水部の水面からの揚程が7m以下の場合はサイフォン作用起動後には送水機器による送水を停止してサイフォン単独の送水作業に使用することを特徴とするサイフォン送水装置。
【請求項6】
高水位域にある貯水部の水を前記高水位域より低所に位置する低地域に移動させるサイフォン送水装置において、
高水域の貯水部に、上流側と下流側にそれぞれ連結部を有する上流側開口部と下流側開口部と側面に注水部の水を吸水するサイフォン吸水口とを有し、前記サイフォン吸水口の上流部に内側に回動する蝶番構造を有する逆止弁を備えてなる注水合流部材と、前記注水合流部材の上流側開口部に直接又は送水機器接続部材を介して連結された送水機器と、下流側の開口部に連結したサイフォン送水管とと、を一体にしたサイフォン起動送水部と、
前記注水合流部材の下流側の開口部には、1条配管で配管の最高部を経て下流部の吐出口まで延伸設置されるサイフォン送水管を連結した状態で前記サイフォン起動送水部を水中に浸漬して設置し、
前記サイフォン送水管の前記最高部又はその近傍にサイフォン停止用空気吸入部材を備え、前記貯水部の水面からの揚程が7m以上の場合にサイフォン送水機能と送水機器の送水機能とを併用して使用することを特徴とするサイフォン送水装置。
【請求項7】
前記注水合流部材の側面に設けた前記サイフォン吸水口には、前記サイフォン吸水口の前面を含む範囲にサイフォン吸水口用防塵カゴが備えられていることを特徴とする請求項5又は6に記載のサイフォン送水装置。
【請求項8】
前記サイフォン送水装置を起動するための送水機器、送水機器接続部材、注水合流部材、サイフォン送水管等のサイフォン用部材の内必要な部材を組合わせて一体化したサイフォン起動送水部を収納用枠組内に組み立てて固定し、収納用枠組を吊るして水中に浸漬けして設置することを特徴とする請求項5又は6に記載のサイフォン送水装置。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の注水合流部材を使用したサイフォン送水装置を使用して、高水位域にある貯水部の水を前記高水位域より低所に位置する低地域に移動させることを特徴とする送水工法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、注水合流部材、サイフォン送水装置及びそれを使用したサイフォン送水工法に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
サイフォン送水装置は、高水位域にある貯水部と低地域との間に管状部材を架設して、サイフォン作用によって高水位域にある貯水部の水を低地域に送水するためのものである。本発明者は、サイフォン作用を起動し稼働させる部材の一つして、注水合流部材を提案している(特許文献1)。
【0003】
本発明者は送水機器に直接サイフォン送水管(ホースを含む)を接続して送水し、送水管内が満水状態で流れるようになったら送水機器の電源を停止してサイフォン作用に切替わるサイフォン送水装置を考案して特許を取得している。しかし、このサイフォン送水装置は送水機器として水中ポンプを使用しており、サイフォン送水作用に切替わった後は送水機器(水中ポンプ)がサイフォン吸水部となるためサイフォン稼働中に水中ポンプの吸水部に設けられるストレーナの小さな孔にゴミが吸い付くと送水が停止することになり、ゴミを取り除く維持作業が欠かせず煩わしかった。そこで、配管の最高部に配置する「Y」の字形状の注水合流部材を開発した。この注水合流部材は、上流側の二又の一方に送水機器からの注水を流す注水用管(ホース)を連結し、他方にサイフォン吸水管(ホース)を連結しYの字状に合流させて下流側にサイフォン送水管(ホース)を連結して送水する構造となっている。この送水装置にかかる構造の特徴の1つは、送水装置の注水管とサイフォンの吸水管が別々に構成され、サイフォン吸水口のストレーナの取り付けの必要をなくしたため、サイフォン吸水口を大きく開いて開放することができたので、サイフォン吸水中にゴミが吸水孔に詰まることをなくすことができた点である。サイフォン作用は揚程7mを超えるとサイフォン単独での送水作用が困難であるため、本発明者はその場合にはサイフォン作用に送水機器を併用して注水合流部材に注水することでサイフォン作用を高揚程でも持続させることができることを発見し特許を取得している。
【0004】
特許文献1にかかるサイフォン送水装置を使用する場合は、送水機器、サイフォン吸水管、吸水用防塵カゴ、送水機器接続部材、サイフォン送水管、注水合流部材及び、逆流防止装置等サイフォン送水装置として必要な部材を組み合わせる前の状態で現地に搬入し、現地で組み合わせて貯水部などに順番に浸漬けして設置し使用していた。そのため、始めて使用する現場では組み立て経験者などが組み立て手順などの技術指導をしなければ組み立てが難しかった。また、図12に示すように、略「Y」の字形状、又はカタカナの「ト」の字形状の注水合流部材130を配管の最高部付近に設置する構成としていたため、貯水池101の水中から注水合流部材130までの間には水中ポンプ注水用ホース140とサイフォン吸水用ホース150の2本のホースを注水合流部材130の二又のそれぞれの開口部に連結する必要があった。
【0005】
また、特許文献1にかかるサイフォン送水装置は、また、各部材は連結していても、個々の部材を組み立てた全体構成とした形状で固定できていなかったため、垂直壁面又は垂直に近い壁面に対して設置する場合は、水中ポンプなど送水機器、注水合流部材などサイフォン送水装置の各部材のそれぞれにワイヤーロープ等の吊下げ用ロープの長さを調節したロープを取付け、さらに例えば、タンパックルなどの長さ調節部材を用いて各部材に均等に荷重がかかるようにして吊下げたり、設置に必要な足場材やアンカー材、固定用資材などを使用したりして以下のように設置していた。
【0006】
まず、空中の壁面に配管するには、図13に示すように、まず、壁面にアンカーを打ち込んで足場202を組んで固定し、作業員がこの足場202を使用して、ホース、管状部材等の配管材203の配管作業を行う。次いで、連結用継手204を使用して壁面にアンカー孔を削孔して配管材の固定用アンカー205を打ち込んで配管材203を固定する。こうした作業を繰り返して、所定長さの配管材203を順番に連結し、配管延長を伸ばしていく。こうした作業工程は、施工費用が高額になるという欠点があった。
【0007】
次に、水中の垂直壁面に配管する場合には、図13のように、潜水夫によって、水中の壁面を削孔してアンカー孔を設けて、それにケミカルアンカー(登録商標)などの充填剤を使用して配管用アンカー206を施工する。連結用継手204を使用して所定長さの配管材203を順番に連結し、配管延長を伸ばしていく。こうした、水中でのアンカー孔削孔作業は想像以上に厳しい作業で、特定の資格者しか施工することができないため施工費用が多大となるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2014-196656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、まず、それまで二又であった注水合流部材の形状を、注水合流部材の本体側面に内側方向へ回動する逆止弁を備えた筒形状の注水合流部材構造とし、送水機器に直接又は送水機器接続部材を介して連結し、それまで送水機器から注水合流部材までとサイフォン吸水部から注水合流部材までの2条配管であった構造を1条配管構造としたことで、吸水管(ホース)を省略できるためコスト縮減となった。また、配管の最高部に配置していた注水合流部材を送水機器と近接して連結し貯水部内に配置することができるようにしたため、設置作業の簡略化にもつながった。例えば、垂直壁面又は垂直に近い壁面に対して設置する場合は収納用枠組の中にサイフォン起動送水部材を固定して、そのまま収納用枠組をワイヤーロープ等で吊下げることで容易に設置することができるようになった。これにより、従来必要とした足場材やその組み立作業、送水管の壁面への固定作業などを省略して施工期間の工期短縮及び施工費用の削減を図ることができる。また、出荷元で収納用枠組内にサイフォン送水装置の必要部材を組み立てて固定した収納用枠組ごと出荷することで、現地での組み立て作業などの技術指導に出掛けなくても良いこととなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明にかかる注水合流部材は、
上流側開口部は送水機器と直接又は送水機器接続部材を介して連結され、下流側開口部はサイフォン送水管と連結されて貯水部内に配置される略筒形状の注水合流部材であって、
前記注水合流部材の側面に貯水部の水をサイフォン作用により吸水するサイフォン吸水用開口部を有しており、
前記サイフォン吸水用開口部の上流部には、注水合流部材内部の水圧が外部となる貯水部の水中の水圧より小さくなった時に貯水池の水圧に押されて注水合流部材の内側に回動する蝶番構造を有する逆止弁を備えてなることを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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