TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025031268
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-07
出願番号
2023137384
出願日
2023-08-25
発明の名称
光導波路素子
出願人
沖電気工業株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
G02B
6/12 20060101AFI20250228BHJP(光学)
要約
【課題】偏波を分離する素子を別途用意することなく、できるだけ少ない要素で、偏波無依存の波長分離を実現する。
【解決手段】光導波路コアは、長さ方向に延在する、相対的に厚みが大きいリブ導波路と、リブ導波路の両側に、相対的に厚みが小さいスラブ導波路を備える。リブ導波路の両側には、リブ導波路の中心軸に対して反対称のグレーティングが設けられる。リブ導波路の一方の側面が彫りこまれていない場所では、一方の端面側にスラブ導波路が存在しない領域があり、及び、リブ導波路の一方の側面が彫りこまれている場所では、一方の端面側にスラブ導波路が存在する。リブ導波路の他方の側面が彫りこまれていない場所では、他方の端面側にスラブ導波路が存在しない領域があり、及び、リブ導波路の他方の側面が彫りこまれている場所では、他方の端面側にスラブ導波路が存在する。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
支持基板と、
前記支持基板上に形成されるクラッドと、
前記クラッド中に埋設され、前記支持基板の上面に平行に設けられる、光導波路コアとを備え、
前記光導波路コアは、長さ方向に延在する、
相対的に厚みが大きいリブ導波路と、前記リブ導波路の両側に、相対的に厚みが小さいスラブ導波路を備え、
前記リブ導波路の両側には、前記リブ導波路の中心軸に対して反対称のグレーティングが設けられ、
前記リブ導波路の一方の側面が彫りこまれていない場所では、前記一方の端面側にスラブ導波路が存在しない領域があり、及び、前記リブ導波路の一方の側面が彫りこまれている場所では、前記一方の端面側にスラブ導波路が存在し、
前記リブ導波路の他方の側面が彫りこまれていない場所では、前記他方の端面側にスラブ導波路が存在しない領域があり、及び、前記リブ導波路の他方の側面が彫りこまれている場所では、前記他方の端面側にスラブ導波路が存在する
光導波路素子。
続きを表示(約 360 文字)
【請求項2】
前記スラブ導波路には、前記中心軸に対して反対称のグレーティングが設けられ、
前記スラブ導波路に設けられたグレーティングは、前記リブ導波路に設けられたグレーティングと同じ周期で、半周期ずれて設けられている
請求項1に記載の光導波路素子。
【請求項3】
前記リブ導波路の一方の側面が彫りこまれていない場所では、前記一方の端面側のスラブ導波路に開口が設けられ、
前記リブ導波路の他方の側面が彫りこまれていない場所では、前記他方の端面側にスラブ導波路が開口が設けられている
請求項1に記載の光導波路素子。
【請求項4】
前記リブ導波路に設けられたグレーティングは正弦波状の構造である
請求項1~3のいずれか一項に記載の光導波路素子。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
この発明は、光導波路素子、例えば、1本の光ファイバで異なる複数の波長を用いて伝送を行うために光の合分波を行う素子に適用可能な光導波路素子に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、加入者系光アクセスシステムとして、受動光ネットワーク(PON:Passive Optcial Network)が主流となっている。PONでは、1つの局側装置(OLT:Optical Line Terminal)と複数の加入者側装置(ONU:Optical Network Unit)が、光ファイバ及びスターカプラを介して接続されていて、1つのOLTを複数のONUが共有する。PONでは、OLTからONUへ向けた下り通信とONUからOLTに向けた上り通信とが相互に干渉し合わないように、下り通信に使われる光信号波長と上り通信に使われる光信号波長とを違えている。
【0003】
従って、下り通信と上り通信のそれぞれに使われる互いに波長の異なる光信号を分波し、かつ合波するために合分波素子が必要である。一般に、OLTやONUは、波長の異なる光信号を送受信する機能を実現させるために、合分波素子としての光波長フィルタ、フォトダイオード(PD:Photodiode)、レーザーダイオード(LD:Laser Diode)を空間結合して構成される。
【0004】
空間結合させるためには、光波長フィルタ、PD、LD間で光軸を合わせるためのアライメント作業が必要となる。これに対し、この光軸合わせのための作業を不要とするため、導波路を利用して構成される光波長フィルタが開発されている。また、この光波長フィルタを形成するに当たり、小型化と量産性に優れることから、シリコン系素材を導波路材料として用いるシリコン(Si)導波路が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
Si導波路では、実質的に光の伝送路となる光導波路コアを、Siを材料として形成する。そして、Siよりも屈折率の低い例えばシリカ等を材料としたクラッドで、光導波路コアの周囲を覆う。このような構成により、光導波路コアとクラッドとの屈折率差が極めて大きくなるため、光導波路コア内に光を強く閉じ込めることができる。その結果、曲げ半径を例えば1μm程度まで小さくした、小型の曲線導波路を実現することができる。そのため、電子回路と同程度の大きさの光回路を作成することが可能であり、光デバイス全体の小型化に有利である。
【0006】
また、Si導波路では、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の半導体装置の製造過程を流用することが可能である。そのため、チップ上に電子機能回路と光機能回路とを一括形成する光電融合(シリコンフォトニクス)の実現が期待されている。
【0007】
ところで、波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplex)技術を利用したPONでは、ONUごとに異なる受信波長が割り当てられる。OLTは、各ONUへの下り光信号を、送り先のONUの受信波長に対応した送信波長でそれぞれ生成し、これらを多重して送信する。各ONUは、複数の波長で多重された下り光信号から、自身に割り当てられた受信波長の光信号を選択的に受信する。ONUでは、各々の受信波長の下り光信号を選択的に受信するために、光波長フィルタが使用される。そして、光波長フィルタを、上述したSi導波路によって構成する技術が実現されている。
【0008】
Si導波路を用いる光波長フィルタとしては、例えば、マッハツェンダー干渉器を用いたものやアレイ導波路回折格子(AWG:Arrayed Waveguide Grating)を用いたものがある。また、Si導波路を用いる光波長フィルタとして、リング共振器型、グレーティング型又は方向性結合器型の、出力波長を可変にでき、素子構造が簡単であるため使いやすいという利点を有する可変波長フィルタがある(例えば、特許文献2参照)。しかし、これらの光波長フィルタは、いずれも特定の偏波のみで動作するものである。
【0009】
さらに、TE(Transverse Electric)偏波及びTM(Transverse Magnetic)偏波の双方に対応すべく、光波長フィルタの前段に偏波分離素子及び偏波回転素子を設ける構造がある(例えば非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
米国特許第4,860,294号明細書
特開2003-215515号公報
【非特許文献】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
他の特許を見る