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公開番号2025030320
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-07
出願番号2023135500
出願日2023-08-23
発明の名称シミュレーション方法、シミュレーション装置及びプログラム
出願人横浜ゴム株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G06F 30/23 20200101AFI20250228BHJP(計算;計数)
要約【課題】実際の仕様を反映した大きなモデルを用いたシミュレーション方法、シミュレーション装置及びプログラムを提供する。
【解決手段】シミュレーション方法は、凹凸表面を有する物体について、凹凸表面の幾何学形状情報を取得する第1の工程と、凹凸表面の幾何学形状情報に基づいて、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された基準凹凸表面モデルを作成する第2の工程と、基準凹凸表面モデルを複製して複数の基準凹凸表面モデルを結合し、基準凹凸表面モデルよりも大きな、予め設定した大きさの凹凸表面モデルを作成する第3の工程と、凹凸表面モデルと構造体モデルとを接触させる第4の工程と、接触させた状態で構造体モデルを凹凸表面モデル上を相対的に移動させる第5の工程と、構造体モデルを凹凸表面モデル上を移動させた時に構造体モデル及び凹凸表面モデルのうち、少なくとも一方に発生する物理量を取得する第6の工程とを有する。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
凹凸表面を有する物体について、前記凹凸表面の幾何学形状情報を取得する第1の工程と、
前記凹凸表面の前記幾何学形状情報に基づいて、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された基準凹凸表面モデルを作成する第2の工程と、
前記基準凹凸表面モデルを複製して複数の基準凹凸表面モデルを結合し、前記基準凹凸表面モデルよりも大きな、予め設定した大きさの凹凸表面モデルを作成する第3の工程と、
前記凹凸表面モデルと、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された構造体モデルとを接触させる第4の工程と、
前記接触させた状態で、前記構造体モデルを前記凹凸表面モデル上を相対的に移動させる第5の工程と、
前記構造体モデルを前記凹凸表面モデル上を相対的に移動させた時に、前記構造体モデル及び前記凹凸表面モデルのうち、少なくとも一方に発生する物理量を取得する第6の工程とを有する、シミュレーション方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記第3の工程は、前記基準凹凸表面モデルを複製して、複数の基準凹凸表面モデルを結合する際、前記基準凹凸表面モデル同士の縁を合わせ、前記予め設定した大きさの前記凹凸表面モデルを作成する、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項3】
前記凹凸表面モデルに接触する前記構造体モデルを作成する工程を有する、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項4】
前記凹凸表面の前記幾何学形状情報の取得範囲は、前記凹凸表面モデルと前記構造体とが接触する接触領域以上、前記接触領域の最大領域の20倍以下である、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項5】
前記第3の工程は、前記基準凹凸表面モデルを複製して結合して、前記基準凹凸表面モデルよりも大きな中間凹凸表面モデルを作成する工程と、
前記中間凹凸表面モデルを複製して結合して、前記中間凹凸表面モデルよりも大きな前記凹凸表面モデルを作成する工程とを有する、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項6】
前記凹凸表面モデルの大きさは、前記構造体の幾何学形状情報又は前記物理量を取得するための解析情報に基づいて決定される、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項7】
前記凹凸表面モデルを構成する前記要素の最小寸法をAsとし、前記凹凸表面モデルと前記構造体モデルとが接触する接触領域における前記構造体モデルを構成する前記要素の最小寸法をAcとするとき、0.5Ac≦As≦10Asである、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項8】
前記凹凸表面モデルを構成する前記要素の最小寸法をAsとし、前記構造体モデルを構成する前記要素の最小寸法をAdとするとき、Ad≦Asである、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項9】
前記凹凸表面モデルは、剛体である、請求項1に記載のシミュレーション方法。
【請求項10】
前記凹凸表面モデルの剛性をGsとし、前記凹凸表面モデルと前記構造体モデルとが接触する接触領域における前記構造体モデルの剛性をGcとするとき、
10Gc≦Gsである、請求項1に記載のシミュレーション方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータで数値解析可能な要素を用いたシミュレーション方法、シミュレーション装置及びプログラムに関し、特に、実際の仕様を反映した大きなモデルを用いたシミュレーション方法、シミュレーション装置及びプログラムに関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在、タイヤを試作することなくタイヤの性能を予測又は評価するために、コンピュータを用いた有限要素法(FEM)等の数値解析を利用してタイヤのシミュレーションが行われている。有限要素法等による数値解析は、タイヤの開発効率を向上させる観点から有効である。
従来、有限要素法等による数値解析では、タイヤモデルを平坦な路面モデルに接地させて転動させる解析を実施して、検討タイヤの転がり抵抗、コーナリング特性、及び制駆動特性を評価している。しかし、実際のアスファルト等の実路面上には様々な凹凸が存在しており、タイヤが実路面を走行する場合、平坦な路面と実路面とでは接地圧又は接地面積等に大きく差異が生じる。このため、数値解析において平坦な路面を用いて評価したタイヤ性能と、実路面を走行した実車性能評価結果との間に差異が生じる可能性があると考えられる。
【0003】
例えば、特許文献1に、マクロな凹凸を有する凹凸路面モデルを作成し、凹凸路面モデルとタイヤモデル又はゴムモデルとの接触特性を評価する方法が提案されている。
特許文献1には、凹凸路面モデルを作成するステップと、タイヤモデル又はゴムモデルを作成するステップと、凹凸路面モデルとタイヤモデル又はゴムモデルとを接触させて接触特性の評価値を計算するステップとを含む接触特性の評価方法において、凹凸路面モデルを作成するステップが、マクロな凹凸とミクロな凹凸とを含む路面の凹凸データのパワースペクトル密度分布における低周波数領域を特定するステップと、パワースペクトル分析したときに低周波数領域の分布を近似することができる新たな関数を、低周波数領域の周波数の三角関数を重ね合わせることにより作成するステップと、作成された新たな関数に基づきマクロな凹凸からなる凹凸路面モデルを作成するステップとを含み、路面の凹凸データは、表面の凹凸データを取得することのできる測定手段による測定で取得された凹凸データであり、低周波数領域を特定するステップは、路面の凹凸データをパワースペクトル分析してパワースペクトル密度と周波数について両対数プロットしたパワースペクトル密度分布を作成するステップと、パワースペクトル密度分布においてパワースペクトル密度の対数が直線的に下がる高周波数側とパワースペクトル密度の対数が一定的になる低周波数側との境界の周波数をコーナー周波数として特定するステップと、パワースペクトル密度分布におけるコーナー周波数よりも低い周波数の領域を低周波数領域として特定するステップとを含む接触特性の評価方法が記載されている。
評価値は、例えば、凹凸路面モデルとタイヤモデルとの間の摩擦力、接触面積又は接触長さ、接触圧分布等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6993201号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
数値解析では精度を高めるために、路面モデルとして、タイヤモデルを十分に転動できる長い距離を有する実際の仕様を反映したものであることが好ましい。しかしながら、実際に路面を測定して、実際の仕様を反映した路面モデルを得ることは非常に困難である。
また、上述の特許文献1では、上述のように測定手段による測定で取得された凹凸データを用いて、マクロな凹凸を有する凹凸路面モデルを作成している。特許文献1では、評価値として、凹凸路面モデルとタイヤモデルとの間の摩擦力、接触面積又は接触長さ、接触圧分布等を計算している。しかしながら、特許文献1には、タイヤモデルを十分に転動できる長い距離を有する路面モデルを作成することについて記載されていない。
タイヤモデルを十分に転動できる長い距離を有する実際の仕様を反映した路面モデルのような大きなモデルを用いた数値解析が実施されていないのが現状である。
【0006】
本発明の目的は、実際の仕様を反映した大きなモデルを用いたシミュレーション方法、シミュレーション装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、発明[1]は、凹凸表面を有する物体について、凹凸表面の幾何学形状情報を取得する第1の工程と、凹凸表面の幾何学形状情報に基づいて、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された基準凹凸表面モデルを作成する第2の工程と、基準凹凸表面モデルを複製して複数の基準凹凸表面モデルを結合し、基準凹凸表面モデルよりも大きな、予め設定した大きさの凹凸表面モデルを作成する第3の工程と、凹凸表面モデルと、コンピュータで数値解析可能な要素で構成された構造体モデルとを接触させる第4の工程と、接触させた状態で、構造体モデルを凹凸表面モデル上を相対的に移動させる第5の工程と、構造体モデルを凹凸表面モデル上を相対的に移動させた時に、構造体モデル及び凹凸表面モデルのうち、少なくとも一方に発生する物理量を取得する第6の工程とを有する、シミュレーション方法である。
【0008】
発明[2]は、第3の工程は、基準凹凸表面モデルを複製して、複数の基準凹凸表面モデルを結合する際、基準凹凸表面モデル同士の縁を合わせ、予め設定した大きさの凹凸表面モデルを作成する、発明[1]に記載のシミュレーション方法である。
発明[3]は、凹凸表面モデルに接触する構造体モデルを作成する工程を有する、発明[1]又は[2]に記載のシミュレーション方法である。
発明[4]は、凹凸表面の幾何学形状情報の取得範囲は、凹凸表面モデルと構造体とが接触する接触領域以上、接触領域の最大領域の20倍以下である、発明[1]~[3]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
【0009】
発明[5]は、第3の工程は、基準凹凸表面モデルを複製して結合して、基準凹凸表面モデルよりも大きな中間凹凸表面モデルを作成する工程と、中間凹凸表面モデルを複製して結合して、中間凹凸表面モデルよりも大きな凹凸表面モデルを作成する工程とを有する、発明[1]~[3]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[6]は、凹凸表面モデルの大きさは、構造体の幾何学形状情報又は物理量を取得するための解析情報に基づいて決定される、発明[1]~[5]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[7]は、凹凸表面モデルを構成する要素の最小寸法をAsとし、凹凸表面モデルと構造体モデルとが接触する接触領域における構造体モデルを構成する要素の最小寸法をAcとするとき、0.5Ac≦As≦10Asである、発明[1]~[6]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
【0010】
発明[8]は、凹凸表面モデルを構成する要素の最小寸法をAsとし、構造体モデルを構成する要素の最小寸法をAdとするとき、Ad≦Asである、発明[1]~[6]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[9]は、凹凸表面モデルは、剛体である、発明[1]~[8]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[10]は、凹凸表面モデルの剛性をGsとし、凹凸表面モデルと構造体モデルとが接触する接触領域における構造体モデルの剛性をGcとするとき、10Gc≦Gsである、発明[1]~[8]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[11]は、構造体モデルは、エラストマーの物性値の情報が付与されている、発明[1]~[10]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
発明[12]は、凹凸表面を有する物体は路面であり、凹凸表面モデルは、路面を表す路面モデルであり、構造体モデルは、タイヤを表すタイヤモデルである、発明[1]~[11]のいずれか1つに記載のシミュレーション方法である。
(【0011】以降は省略されています)

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