TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025029489
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-06
出願番号2023134194
出願日2023-08-21
発明の名称山葵の屋内栽培システム及び該システムを用いた山葵の屋内栽培方法
出願人国立大学法人長岡技術科学大学,東亜グラウト工業株式会社,株式会社明電舎
代理人個人
主分類A01G 31/00 20180101AFI20250227BHJP(農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業)
要約【課題】屋内で山葵を連作する際に、山葵栽培に用いられる培地の交換の手間を軽減することが可能な山葵の屋内栽培システム及び該システムを用いた山葵の屋内栽培方法を提供すること。
【解決手段】屋内に設けられた山葵苗11が植え付けられる山葵栽培用の培地20と、前記培地20に対する栽培用水31の供給と該培地から排出された前記栽培用水の循環利用を行う水循環装置20と、を含む山葵の屋内栽培システム10において、底部及び/又は下方の側面に排水孔14aを有し上部が開放された筒状体であって内部に前記培地20がそれぞれ小分けされて収容された複数の栽培容器14と、前記複数の栽培容器14が収容され、該複数の栽培容器14に供給され排出された前記栽培用水31を前記水循環装置30にて循環可能な状態で貯留する栽培容器収容ケーシング12と、を備えた。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
屋内に設けられた山葵苗が植え付けられる山葵栽培用の培地と、前記培地に対する栽培用水の供給と該培地から排出された前記栽培用水の循環利用を行う水循環装置と、を含む山葵の屋内栽培システムにおいて、
底部及び/又は下方の側面に排水孔を有し上部が開放された筒状体であって内部に前記培地がそれぞれ小分けされて収容された複数の栽培容器と、
前記複数の栽培容器が収容され、該複数の栽培容器に供給され排出された前記栽培用水を前記水循環装置にて循環可能な状態で貯留する栽培容器収容ケーシングと、
を備えたことを特徴とする山葵の屋内栽培システム。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
前記水循環装置は、
前記栽培用水を前記栽培容器収容ケーシング内の前記各栽培容器に供給する水供給部と、
前記各栽培容器の排水孔から前記栽培容器収容ケーシング内に排出された前記栽培用水を還流させる水還流部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の山葵の屋内栽培システム。
【請求項3】
前記各栽培容器の底部は、前記栽培容器収容ケーシングの内底面から所定高さ離間されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の山葵の屋内栽培システム。
【請求項4】
前記山葵の栽培の終了後に前記培地の洗浄を行うための洗浄水を前記栽培容器収容ケーシングの下方側から該栽培容器収容ケーシング内に供給する洗浄水供給部と、
該洗浄水供給部から供給されて前記各栽培容器の上部から流出した前記洗浄水を集水して前記栽培容器収容ケーシングの外部へ送る洗浄水排出部と、
を有する培地洗浄装置を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の山葵の屋内栽培システム。
【請求項5】
前記各栽培容器は、それぞれの容器に、1本の山葵苗が栽培されることに必要な大きさに設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の山葵の屋内栽培システム。
【請求項6】
前記複数の栽培容器が収容された前記栽培容器収容ケーシングは、上下方向に複数段配置されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の山葵の屋内栽培システム。
【請求項7】
屋内に設けられた山葵栽培用の培地と、前記培地に対する栽培用水の供給と排出された前記栽培用水の循環利用を行う水循環装置と、を備えた請求項2に記載の山葵の屋内栽培システムを用いた山葵の屋内栽培方法であって、
前記複数の栽培容器に前記培地をそれぞれ小分して収容させる培地収容工程と、
該培地の小分け収容された前記各栽培容器に所定数の山葵苗を植え付ける苗植え付け工程と、
該山葵苗の植え付けられた前記複数の栽培容器を前記栽培容器収容ケーシング内に設置する栽培容器設置工程と、
前記水循環装置の水供給部によって、前記栽培用水を前記栽培容器収容ケーシング内の前記各栽培容器に供給する栽培用水供給工程と、
前記水還流部によって、前記各栽培容器の排水孔から前記栽培容器収容ケーシング内に排出された前記栽培用水を還流させる水還流工程と、
を備えることを特徴とする山葵の屋内栽培方法。
【請求項8】
前記栽培容器設置工程において、前記各栽培容器は、底部が前記栽培容器収容ケーシングの内底面から所定高さ離間されて設置され、
前記山葵の栽培の終了後に前記培地の洗浄を行うための洗浄水を前記栽培容器収容ケーシング内の前記栽培容器と前記栽培容器収容ケーシングの内底面との離間空間側から供給する洗浄水供給工程と、
該洗浄水供給部から供給されて前記各栽培容器の上部から流出した前記洗浄水を集水して前記栽培容器収容ケーシングの外部へ送る洗浄水排出工程と、
を有することを特徴とする請求項7に記載の山葵の屋内栽培方法。
【請求項9】
前記洗浄水によって前記培地を洗浄した後、前記水循環装置又は前記培地洗浄装置のいずれかによる流路を用いて、前記栽培容器内の培地に、山葵生育用の養分を含んだ養分水を供給する工程を含むことを特徴とする請求項8に記載の山葵の屋内栽培方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、山葵の屋内栽培システム及び該システムを用いた山葵の屋内栽培方法、特に、屋内に設置された培地に植え付けられた山葵苗に、栽培用水を供給、循環させて山葵を栽培する山葵の屋内栽培システム及び該システムを用いた山葵の屋内栽培方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)【背景技術】
【0002】
日本原産の山葵は山間地の清流の浅瀬に自生している。山葵の生育には通常2年程度かかり、その間、一定の温度範囲にある流水が必要であって、夏季および冬季を通じて適度な温度であることが求められる。それ故、従来、山葵の栽培は、年間を通して温度差の少ない湧水が豊富な山間地の清流のある場所に、水はけの良い「わさび田」を作り、このわさび田に苗を植え付けて生育させる方法が採用されていた。
【0003】
近年では、海外においても日本食店を中心に山葵の需要が高まっているが、山間地での山葵栽培は、栽培場所が限られ、かつ天候にも左右されることから、需要に応じた増産が困難である。それ故、環境や気候に左右されずに山葵の量産が可能な栽培システムの開発が行われている。
【0004】
例えば、特許文献1には、屋内に、山葵栽培用の培地を導入するための大きな培地収容箱を設置するとともに、タンクに溜めた水を、培地収容箱内を通過させて再びタンクに戻るように循環させる循環装置を備えた山葵の栽培システムが記載されている。
【0005】
この栽培システムにおいて、培地収容箱内には、砕石、砂利及び川砂からなる多量の培地が収容されており、この培地に、山葵苗が植え付けられる。培地収容箱は、上部が開口した四角形の箱状に形成されており、底壁には多数の排水孔が形成されている。循環装置は、タンク内の水をポンプによって汲み上げて、培地収容箱の上方側に配置された水供給部から培地収容箱内の山葵苗に水を供給し、培地収容箱の各排水孔から排出された水を樋によって集めて、再びタンク内に戻す。タンクには、水の温度を調節する温度調節器が設けられており、この温度調節器によって山葵苗に供給される水の温度を調節している。
【0006】
このように、特許文献1に記載の山葵の栽培システムでは、循環装置によって、水温を調節しながら一定量の水を循環させて山葵苗に常時の水を供給することで、屋内であっても山葵を量産することが可能となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2001-275504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、山葵を屋内で連作栽培する場合、栽培用の培地を連続して使用すると山葵の生育が悪化する連作障害が生じることが知られている。それ故、屋内に運び込まれた培地によって山葵を1~2回栽培した後は、培地を新しいものに交換する必要がある。
【0009】
山葵を量産するには大量の培地が必要になるが、屋内では重機を入れることはできないことから、作業者が培地収容箱内の培地をスコップで手押しの一輪車に載せて、屋外に運び出し、運び終わった後に、新しい培地に屋内に運び込んで入れ替えるという作業を行っており、多大な労力を要していた。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、屋内で山葵を連作する際に、山葵栽培に用いられる培地の交換の手間を軽減することが可能な山葵の屋内栽培システム及び該システムを用いた山葵の屋内栽培方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許