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公開番号
2025028612
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-03
出願番号
2023133531
出願日
2023-08-18
発明の名称
ポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法、再生ポリアミドの製造方法、及びポリアミド加水分解物の製造方法
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08J
11/08 20060101AFI20250221BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明は、ポリアミド樹脂組成物から、高品質の再生ポリアミドと、再生ポリアミドの重合原料として用いることができるポリアミド加水分解物とを高効率かつ高収率で得るポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物から再生ポリアミドとポリアミド加水分解物とを得るポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法であり、工程1:ポリアミド樹脂組成物から、ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドの重量平均分子量Mw
0
よりも大きい重量平均分子量Mw
1
を有するポリアミド1を含む第一の成分と、重量平均分子量Mw
0
よりも小さい重量平均分子量Mw
2
を有するポリアミド2を含む第二の成分とを分離する工程と、工程2:第一の成分から再生ポリアミドを得ることを含む工程と、工程3:第二の成分中のポリアミド2を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることを含む工程とを含む、ポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ポリアミド樹脂組成物から再生ポリアミドとポリアミド加水分解物とを得るポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法であり、
工程1:前記ポリアミド樹脂組成物から、該ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドの重量平均分子量Mw
0
よりも大きい重量平均分子量Mw
1
を有するポリアミド1を含む第一の成分と、前記重量平均分子量Mw
0
よりも小さい重量平均分子量Mw
2
を有するポリアミド2を含む第二の成分とを分離する工程と、
工程2:前記第一の成分から再生ポリアミドを得ることを含む工程と、
工程3:前記第二の成分中のポリアミド2を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることを含む工程と
を含む、ポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
続きを表示(約 1,800 文字)
【請求項2】
前記工程1における分離が、前記ポリアミド樹脂組成物を洗浄溶媒と接触させて前記第二の成分を該洗浄溶媒に溶解させることにより、前記第一の成分と、前記第二の成分が溶解した洗浄溶媒とに分離することである、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項3】
前記工程2が、
前記第一の成分中のポリアミド1を、金属塩化物及びアルコール類を含む金属塩化物アルコール溶液で溶解してポリアミド1溶解液を得るポリアミド1溶解工程と、
前記ポリアミド1溶解液から再生ポリアミド成分を析出させて分離する再生ポリアミド成分分離工程と
を含む、請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項4】
前記工程2の再生ポリアミド成分分離工程が、前記ポリアミド1溶解液から、前記再生ポリアミド成分と、前記ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドの重量平均分子量Mw
0
よりも小さい重量平均分子量Mw
3
を有するポリアミド3を含む第三の成分が溶解した溶解液とを分離することを含む、請求項3に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項5】
前記工程2の再生ポリアミド成分分離工程における分離が、固液分離により、前記析出した再生ポリアミド成分を含む固体と、前記第三の成分が溶解した溶解液とに分離することを含み、
前記工程3が、前記第三の成分が溶解した溶解液から、第三の成分中のポリアミド3を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることをさらに含む、請求項4に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項6】
前記工程2の再生ポリアミド成分分離工程における分離が、固液分離により、前記析出した再生ポリアミド成分を含む固体と、前記第三の成分が溶解した溶解液とに分離した後、さらに、前記固体に付着した第三の成分を洗浄液で洗浄することにより、再生ポリアミド成分を含む固体と、前記第三の成分が溶解した洗浄液とに分離することを含み、
前記工程3が、前記第三の成分が溶解した洗浄液から、第三の成分中のポリアミド3を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることをさらに含む、請求項5に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項7】
前記工程1が、
ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドを、金属塩化物及びアルコール類を含む金属塩化物アルコール溶液で溶解してポリアミド溶解液を得るポリアミド溶解工程と、
前記ポリアミド溶解液から前記第一の成分を析出させて、前記第一の成分と、前記第二の成分が溶解した溶解液とに分離する第一の成分分離工程と
を含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項8】
前記工程1の第一の成分分離工程における分離が、固液分離により、前記析出した第一の成分を含む固体と、前記第二の成分が溶解した溶解液とに分離することを含み、
前記工程3が、前記第二の成分が溶解した溶解液から、第二の成分中のポリアミド2を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることを含む、請求項7に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項9】
前記工程1の第一の成分分離工程における分離が、固液分離により、前記析出した第一の成分を含む固体と、前記第二の成分が溶解した溶解液とに分離した後、さらに前記固体に付着した第二の成分を洗浄液で洗浄することにより、第一の成分を含む固体と、前記第二の成分が溶解した洗浄液とに分離することを含み、
前記工程3が、前記第二の成分が溶解した洗浄液から、第二の成分中のポリアミド2を加水分解してポリアミド加水分解物を得ることを含む、請求項8に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
【請求項10】
前記第一の成分中のポリアミド1における分子量が2000以下であるポリアミドの比率が、前記ポリアミド樹脂組成物中のポリアミドにおける分子量が2000以下であるポリアミドの比率以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法、再生ポリアミドの製造方法、及びポリアミド加水分解物の製造方法に関する。より詳細には、ポリアミド樹脂組成物から再生ポリアミド及びポリアミド加水分解物を得るポリアミド樹脂組成物のリサイクル方法、ポリアミド樹脂組成物からポリアミドを得る再生ポリアミドの製造方法、ポリアミド樹脂組成物からポリアミド加水分解物を得るポリアミド加水分解物の製造方法、及びポリアミド加水分解物の製造方法により得られたポリアミド加水分解物を重合原料とした再生ポリアミドの製造方法に関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
代表的なエンジニアリングプラスチックである、ポリアミド6、ポリアミド66をはじめとしたポリアミドは、耐熱性や良好な力学的特性を持ち、繊維や自動車部品、電気製品部品などに幅広く用いられており、現代社会において代替の効かない材料の一つである。
近年では、省資源、カーボンニュートラルを目的としてプラスチックのリサイクルに関する技術開発がなされているが、ポリアミドも例外ではない。
【0003】
リサイクルとしては、マテリアルリサイクルと呼ばれる、一度成形したものをポリマーの分解を経ずに再度ペレット化して利用するものと、ケミカルリサイクルと呼ばれる、ポリマーを解重合して得たモノマーを重合原料として再利用するものに大別される。
【0004】
マテリアルリサイクルは、化学反応を伴わず、また必要とする副原料も少ないため、投入する資源、エネルギーが少なくて済むことから、用途を固定して循環する場合などではマテリアルリサイクルが選択される。
また、ケミカルリサイクルを実施する前にも、工場や市場から回収した加工済み、使用済みのポリアミド樹脂組成物から添加物、コーティングなどを取り除く場合には、マテリアルリサイクルと同様に清浄なポリアミドを回収する工程を経るため、マテリアルリサイクル技術は、ケミカルリサイクルを行うためにも有用な技術である。
【0005】
使用済のポリアミド樹脂組成物から夾雑物を取り除く方法としては、ポリアミドを溶媒で一度溶解し、夾雑物を不溶物として除去したのちに何らかの方法でポリアミドを析出させ、回収するという方法が考えられる。しかし、ポリアミドを溶解する溶媒は、ギ酸、硫酸などの強酸やHFIPのような高価な溶媒など、工業的に用いる溶媒としては適していないものが多い。
工業的に使用しやすい溶媒の使用例としては、エチレングリコールによる溶解回収方法が挙げられる。しかし、この方法では、非常に高温な処理が必要であるため、ポリアミドがグリコリシスにより分子量低下してしまう懸念がある。また、溶媒が高沸点で乾燥除去しにくく、加熱と合わせて多くのエネルギーを必要とすると考えられる。
【0006】
そこで、低温かつ汎用的な原料を用いた方法としてアルコールの金属塩化物溶液による溶解方法も存在する。例えば、特許文献1には、シリコーンが塗布されたポリアミドの布を塩化カルシウムのメタノール溶液を用いて処理することにより、ポリアミドを溶解し、夾雑物であるシリコーン等を分離して目的のポリアミドを得る方法が開示されている。
【0007】
一方、ケミカルリサイクルは、解重合反応を基本とするものであり、解重合反応はポリマーの結合様式及びポリマーを構成するモノマーの安定性に依存する。ポリアミドの主鎖を構成するアミド結合は、アミンとカルボン酸との脱水縮合により生成する結合であり、
その逆反応の解重合は加水分解反応によって行われる。
加水分解反応としては、例えば、酸性又は塩基性条件下での反応、高温水、超臨界水又は水蒸気による反応等の有機化学的な加水分解が挙げられる。ポリアミドは熱安定性が高く、いずれの反応条件でも高温での反応が必要であるため、その反応条件におけるモノマーの安定性がケミカルリサイクルの効率に大きな影響を与える。
【0008】
その他の加水分解反応としては、酵素を用いた方法が提案されている(非特許文献1及び非特許文献2)。酵素反応は、低温ではポリマー鎖と酵素の活性部位とが相互作用しにくく、進行が非常に遅い。これは、ポリアミドにはアミド結合同士の強固な水素結合により結晶性の高い部分が存在することや、水に対する可溶性が低いことなどが要因と考えられる。また、酵素反応は、初期の反応速度は速いものの、その後の反応速度の低下が著しい。これは、ポリマー表面の反応性が比較的高い非晶性部分の反応が反応の初期に終わり、反応性が低い結晶部分のみが残るためと推測される。
そこで、反応性を高める方法として、非特許文献1には、結晶性を低下させる成分を共重合させる方法が提案されているが、本来のポリマーの機能が低下するため、汎用性は低い。
また、非特許文献2には、酵素反応を行う前にポリマーを低分子量化し、水に対する可溶性を高める方法、具体的には、酵素反応の前にポリアミド6をギ酸により分解する反応も提案されている。しかしながら、ギ酸によって分解すると、ジアミン化合物とギ酸とが反応し、ギ酸アミド化合物が形成される。このギ酸アミド化合物を加水分解したとしても、ジカルボン酸化合物及びジアミン化合物は、ギ酸との混合物としてしか得られない。また、ギ酸が残存する場合、重合時にモノカルボン酸としてポリマー末端の生成に寄与し、ポリマーの分子量が上がりにくくなる。ギ酸のようなモノカルボン酸化合物は少量の残存でも影響が大きいため、十分に除去する必要があるが、ジアミン化合物と塩を生成するため、除去は非常に困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第5110704号公報
【非特許文献】
【0010】
Nagai K,Iida K,Shimizu K,Kinugasa R,Izumi M,Kato D,Takeo M,Mochiji K,Negoro S.,Appl Microbiol Biotechnol.98(20):8751-61(2014)
Negoro S,Kato DI,Ohki T,Yasuhira K,Kawashima Y,Nagai K,Takeo M,Shibata N,Kamiya K,Shigeta Y,Methods Enzymol.648,357-389(2021)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)
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