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公開番号
2025050413
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-04
出願番号
2023159196
出願日
2023-09-22
発明の名称
メタクリル系樹脂組成物および樹脂成形体
出願人
旭化成株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
C08L
33/10 20060101AFI20250327BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】本発明の目的は、光源点灯時の輝度と透明性のバランスに優れた樹脂成形体を提供するためのメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】本発明のメタクリル系樹脂組成物は、メタクリル系樹脂と、平均粒子径が200nm以上700nm以下の光拡散剤と、波長380~780nmにおいて波長440~600nmに極大吸収波長を有する、特定種の波長調整剤と、を含有し、前記光拡散剤の質量割合が、メタクリル系樹脂組成物100質量%に対して4.0質量ppm超90質量ppm未満であり、前記波長調整剤の質量割合がメタクリル系樹脂組成物100質量%に対して300質量ppm以上6000質量ppm未満である、ことを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
メタクリル系樹脂と、
平均粒子径が200nm以上700nm以下の光拡散剤と、
波長380~780nmにおいて波長440~600nmに極大吸収波長を有する、アゾ系、アンスラキノン系、ペリノン系、メチン系、及びキノフタロン系からなる群から選ばれる少なくとも一種の波長調整剤と、
を含有し、
前記光拡散剤の質量割合が、メタクリル系樹脂組成物100質量%に対して4.0質量ppm超90質量ppm未満であり、
前記波長調整剤の質量割合がメタクリル系樹脂組成物100質量%に対して300質量ppm以上6000質量ppm未満である、
ことを特徴とするメタクリル系樹脂組成物。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記メタクリル系樹脂が、前記メタクリル系樹脂100質量%に対してメタクリル酸メチル単量体単位90質量%以上99.9質量%以下、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位0.1質量%以上10質量%以下であり、重量平均分子量が90000以上200000以下である、請求項1に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項3】
ビカット軟化温度が102℃以上130℃以下である、請求項2に記載のメタクリル系樹脂組成物。
【請求項4】
メタクリル系樹脂と、平均粒子径が200nm以上700nm以下の光拡散剤を2質量ppm以上90質量ppm以下と、波長380~780nmにおいて波長440~600nmに極大吸収波長を有するアゾ系、アンスラキノン系、ペリノン系、メチン系、及びキノフタロン系からなる群から選ばれる少なくとも一種の波長調整剤と、を含有するメタクリル系樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体であって、
ISO13468に準拠して測定した、厚み方向の全光線透過率(Tt)が14%以上30%未満、
ISO14782に準拠して測定した、厚み方向のヘイズ値(H)が1.0%以上11%以下、且つ、
ISO17223に準拠して測定した、厚み方向の黄色度(YI)、前記全光線透過率(Tt)及び前記ヘイズ値(H)が下記式(1)及び下記式(2)を満たす、ことを特徴とする樹脂成形体。
0.11≦H/Tt≦0.8 (1)
25≦YI/H≦150 (2)
【請求項5】
テールランプカバー、ストップランプカバー、ハイマウントストップランプカバー、リアランプカバー、又はリアコンビネーションランプカバーとして用いられる、請求項4に記載の樹脂成形体。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、メタクリル系樹脂組成物及び樹脂成形体に関する。
上記メタクリル系樹脂組成物は、外部視認性に優れた樹脂成形体を提供できることが好ましく、上記樹脂成形体は光源点灯時の優れた輝度による外部視認性と光源消灯時の透明性、艶感に優れることが好ましい。
続きを表示(約 3,300 文字)
【背景技術】
【0002】
メタクリル系樹脂は、ガラスと比較して軽量であり、工業化されている合成樹脂の中でも、透明性、耐候性、機械特性及び加工性のバランスに優れていることから、車輌用内外装部材、照明灯用ランプカバー及び面光源装置用導光体(以下、単に「車輌用内外装部材等」と略する。)の用途で用いられている。特に、最近では、車輌用内外装部材として、テールランプカバー、ストップランプカバー、ハイマウントストップランプカバー、リアランプカバー、リアコンビネーションランプカバー等の車輌用ランプカバー(以下、単に「ランプカバー」ともいう。)や、バイザー、メーターパネル、ディスプレイ部品、ピラーといった車輌用部材の用途で、メタクリル系樹脂組成物が採用されている。
かかる車輌内外装部材等の用途、特にランプカバーの用途では、外部視認性の観点で、光源点灯時には高い輝度を発する樹脂組成物に対する要求が高まっており、導光体の輝度を向上する技術として特許文献1のようにメタクリル系樹脂に光拡散剤として特定粒子径の二酸化チタンを特定量含有させる透明性と輝度のバランスに優れたメタクリル系樹脂組成物とすることが開示されている。また、特許文献2のように拡散剤を含有する樹脂導光板をランプカバーとして用いることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開2019/172243号公報
特開2012-064533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、透明性、輝度、低着色性及び透明性と輝度のバランスに優れたメタクリル系樹脂組成物や、ランプカバーに好適な成形体をランプのアウターカバーに用いる検討がなされ、着色剤等の添加剤を、効果を損なわない範囲で含有させても良いとされており、特許文献2では発光の機能に応じた色が施されることが望ましいとされているが、実際に光拡散剤と組み合わせた樹脂組成物を着色する際にどのような光拡散剤をどれくらい添加したものと、どのような添加剤をどれくらい添加し、組み合わせれば光源点灯時には高い輝度を有し、かつ所望の色に見え、光源消灯時には透明性のある成形体とすることが出来る樹脂組成物とできるのか、具体的な方法が開示されておらず、検討されていなかった。
【0005】
一方で、車輌用のブレーキランプのカバーのように最も光源から遠い外側のアウターカバーとして着色された樹脂組成物が配置された場合、着色剤による光の吸収、成形体表面での反射損失などにより、輝度が減衰する傾向にあり、より高い輝度のまま、外部から認識が出来、かつ、ブレーキランプとしての機能を十分に果たせる樹脂成形体となる樹脂組成物が強く望まれている。また、意匠性の面で、光源消灯時には透明性、艶感があることが求められており、濁って見えず、透明性、艶感のある成形体となる樹脂組成物が求められている。
【0006】
すなわち、本発明の目的は、光源点灯時の輝度と透明性のバランスに優れた樹脂成形体を提供するためのメタクリル系樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
メタクリル系樹脂と、
平均粒子径が200nm以上700nm以下の光拡散剤と、
波長380~780nmにおいて波長440~600nmに極大吸収波長を有する、アゾ系、アンスラキノン系、ペリノン系、メチン系、及びキノフタロン系からなる群から選ばれる少なくとも一種の波長調整剤と、
を含有し、
前記光拡散剤の質量割合が、メタクリル系樹脂組成物100質量%に対して4.0質量ppm超90質量ppm未満であり、
前記波長調整剤の質量割合がメタクリル系樹脂組成物100質量%に対して300質量ppm以上6000質量ppm未満である、
ことを特徴とするメタクリル系樹脂組成物。
[2]
前記メタクリル系樹脂が、前記メタクリル系樹脂100質量%に対してメタクリル酸メチル単量体単位90質量%以上99.9質量%以下、メタクリル酸メチルに共重合可能な他のビニル単量体単位0.1質量%以上10質量%以下であり、重量平均分子量が90000以上200000以下である、[1]に記載のメタクリル系樹脂組成物。
[3]
ビカット軟化温度が102℃以上130℃以下である、[2]に記載のメタクリル系樹脂組成物。
[4]
メタクリル系樹脂と、平均粒子径が200nm以上700nm以下の光拡散剤を2質量ppm以上90質量ppm以下と、波長380~780nmにおいて波長440~600nmに極大吸収波長を有するアゾ系、アンスラキノン系、ペリノン系、メチン系、及びキノフタロン系からなる群から選ばれる少なくとも一種の波長調整剤と、を含有するメタクリル系樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体であって、
ISO13468に準拠して測定した、厚み方向の全光線透過率(Tt)が14%以上30%未満、
ISO14782に準拠して測定した、厚み方向のヘイズ値(H)が1.0%以上11%以下、且つ、
ISO17223に準拠して測定した、厚み方向の黄色度(YI)、前記全光線透過率(Tt)及び前記ヘイズ値(H)が下記式(1)及び下記式(2)を満たす、ことを特徴とする樹脂成形体。
0.11≦H/Tt≦0.8 (1)
25≦YI/H≦150 (2)
[5]
テールランプカバー、ストップランプカバー、ハイマウントストップランプカバー、リアランプカバー、又はリアコンビネーションランプカバーとして用いられる、[4]に記載の樹脂成形体。
【発明の効果】
【0008】
本発明により、光源点灯時の優れた輝度による外部視認性と光源消灯時の透明性、艶感に優れた樹脂成形体を提供するためのメタクリル系樹脂組成物を提供できる。
本発明の樹脂成形体は、光源消灯時には透明性と艶感があり意匠性に優れており、光源点灯時には高い輝度を発するので外部視認性に優れ、即ち透明性と輝度のバランスに優れており、また、優れた耐光性を有するので、車輌外装部材、照明灯用ランプカバー及び面光源装置用導光体、特に、車輌外装部材の車輌用ランプカバーとして好適である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」から選ばれる少なくとも1種を意味する。
本明細書において、「単量体」は未重合の化合物を意味し、「単量体単位」は単量体が重合することによって形成された上記単量体に由来する単位を意味する。単量体単位は、重合反応によって直接形成された単位であってもよく、ポリマーを処理することによって上記単位の一部が別の構造に変換された単位であってもよい。
本明細書において、「質量%」は全体量100質量%中に含まれる特定の成分の質量割合を示す。
本明細書において、「コンビネーションランプカバー」とは、自動車や自動二輪車等の車輌におけるコンビネーションランプの光源の前面側に、該光源の前面を覆うように設けられるランプカバーのことであって、光拡散剤を実質的に含まないランプカバー部と光拡散剤を含むランプカバー部とが組み合わせて構成されたランプカバーを意味する。
本明細書において、「車輌」とは、車輪のついた乗り物を意味する。
【0010】
以下に本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの態様のみに限定されるものではない。
(【0011】以降は省略されています)
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