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公開番号2025043079
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-28
出願番号2023150395
出願日2023-09-15
発明の名称セルロース微細繊維を含むウェットケーク
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C08L 1/00 20060101AFI20250321BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】樹脂中でセルロース微細繊維が凝集することなく均一に分散され、機械特性及び熱寸法安定性に優れる樹脂組成物用フィラーとして用いることができるセルロース微細繊維ウェットケーク及び該ウェットケークを用いた樹脂組成物の製造方法を提供する。
【解決手段】セルロース微細繊維1質量部と、
粉末状ポリアミド0.1~4質量部と、
水2~9質量部と、
を含む、ウェットケーク。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セルロース微細繊維1質量部と、
粉末状ポリアミド0.1~4質量部と、
水2~9質量部と、
を含む、ウェットケーク。
続きを表示(約 560 文字)【請求項2】
前記粉末状ポリアミドの平均粒子径が1μm~1000μmである、請求項1に記載のウェットケーク。
【請求項3】
前記セルロース微細繊維が化学修飾されている、請求項1又は2に記載のウェットケーク。
【請求項4】
前記化学修飾がアセチル化である、請求項3に記載のウェットケーク。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のウェットケークの製造方法であって、
セルロース微細繊維を含む水系分散体を調製する工程、
前記水系分散体と、水分率50質量%以下の粉末状ポリアミドとを混合して、混合分散体を得る工程、及び
前記混合分散体をろ過して濃縮する工程、
を含む、方法。
【請求項6】
セルロース微細繊維と粉末状ポリアミドとを含む複合材料の製造方法であって、
請求項5に記載の方法でウェットケークを製造する工程、
前記ウェットケークと、ε-カプロラクタムとを混合して混合物を得る工程、
前記混合物を、ε-カプロラクタムの融点以上、水の沸点以下の温度で攪拌する工程、及び
前記攪拌後の前記混合物を、ε-カプロラクタムの重合開始温度以上に加熱する工程、
を含む、方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セルロース微細繊維を含むウェットケークに関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
近年、自動車や電化製品等の分野において、製品軽量化のために部品を金属から樹脂へ代替することが積極的に行われている。このような用途においては従来、樹脂単体では機械特性及び寸法安定性が不十分であることが多く、ガラス繊維、炭素繊維、タルク、クレイ等の各種無機材料がフィラーとして添加されてきたが、比重が大きいため樹脂成型体の重量が大きくなるという課題があった。
これに対し、セルロースは、真密度が1.56g/cm

と低く、且つ、アラミド繊維に匹敵する高い弾性率と、ガラス繊維よりも低い線熱膨張係数を持つことからセルロースをフィラーとした樹脂複合材料が注目を集めている。中でも、通常繊維径20~30μmであるセルロースを1μm以下まで解繊したセルロース微細繊維が注目を集めている。セルロース微細繊維は同質量当たりの繊維本数が通常のセルロース繊維に比べて飛躍的に上昇することから、フィラーとして樹脂成型体とした際に機械特性や寸法安定性を大きく向上させることができる。
【0003】
一方で、セルロース微細繊維は乾燥凝集しやすく、親水性であるため樹脂中で分散させることが難しいという課題がある。
【0004】
特許文献1には、ポリアミド樹脂中にセルロース繊維が均質に分散されたポリアミド樹脂組成物及び該樹脂組成物の製造方法が開示されている。
特許文献1では、ポリアミド樹脂を構成するモノマーと、平均繊維径が10μm以下のセルロース繊維の水分散液とを混合し、重合反応を行うことでセルロース繊維が均質に分散されたポリアミド樹脂組成物を得ている。
【0005】
特許文献2には、セルロース微細繊維を含む水系懸濁液にポリアミド樹脂水性エマルションを混合し、多孔性の基材上でろ過により脱水した後、乾燥することで、均質なポリアミド樹脂の複合体を製造する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2011/126038号
特開2015-168914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に記載のセルロース繊維のうち、特にセルロース微細繊維は、固形分5質量%程度でペースト状、固形分10質量%程度で粘土状となるため、セルロース繊維が高濃度の場合ではモノマーとの均質混練が難しくなる。
セルロース繊維が低濃度の場合、モノマーとの均質混合は可能であるが、混合物に対して大量の水が存在するため、樹脂組成物の製造には非常に大きな設備が必要となる。又は、セルロース繊維とモノマーとを混合して当該モノマーを重合する前に水を除去する場合には、大量の水を除去する必要があることから多くのエネルギーを必要とする。そのため、昨今の低炭素社会実現に向けたカーボンフットプリント(CFP)の観点からも高濃度のセルロース繊維で複合化できることが求められている。
特許文献2に記載の技術において、水性エマルション中の樹脂は、水中で均質に分散させるために一般的に1μm以下と小さい粒子径を有する。このような樹脂は、通常の多孔性の基材では捕捉しきれないことから、セルロース微細繊維と樹脂との組成比は、通常、調整困難である。
また、該エマルションを捕捉できるような多孔性の基材を用いると、ろ過性が悪くなり、ろ過に多大な時間を要することから生産性が著しく低下する問題がある。
更には、水中での樹脂の分散安定化のために、界面活性剤を用いたり、分子中に親水基を導入する必要がある。これらの成分は、セルロース微細繊維と樹脂とを含む複合材料の耐熱性及び強度の低下を起こすことがある。
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するものであり、機械特性及び熱寸法安定性に優れる複合材料の製造に有用なフィラーであるセルロース微細繊維ウェットケーク及びその製造方法、並びに該ウェットケークを用いた複合材料の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以下の様態を包含する。
[1]
セルロース微細繊維1質量部と、
粉末状ポリアミド0.1~4質量部と、
水2~9質量部と、
を含む、ウェットケーク。
[2]
前記粉末状ポリアミドの平均粒子径が1μm~1000μmである、[1]に記載のウェットケーク。
[3]
前記セルロース微細繊維が化学修飾されている、[1]又は[2]に記載のウェットケーク。
[4]
前記化学修飾がアセチル化である、[3]に記載のウェットケーク。
[5]
[1]~[4]のいずれかに記載のウェットケークの製造方法であって、
セルロース微細繊維を含む水系分散体を調製する工程、
前記水系分散体と、水分率50質量%以下の粉末状ポリアミドとを混合して、混合分散体を得る工程、及び
前記混合分散体をろ過して濃縮する工程、
を含む、方法。
[6]
セルロース微細繊維と粉末状ポリアミドとを含む複合材料の製造方法であって、
[5]に記載の方法でウェットケークを製造する工程、
前記ウェットケークと、ε-カプロラクタムとを混合して混合物を得る工程、
前記混合物を、ε-カプロラクタムの融点以上、水の沸点以下の温度で攪拌する工程、及び
前記攪拌後の前記混合物を、ε-カプロラクタムの重合開始温度以上に加熱する工程、
を含む、方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、機械特性及び熱寸法安定性に優れる複合材料の製造に有用なフィラーであるセルロース微細繊維ウェットケーク及びその製造方法、並びに該ウェットケークを用いた複合材料の製造方法が提供され得る。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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