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公開番号
2025047645
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023156256
出願日
2023-09-21
発明の名称
吸水率の低い天然素材配合熱可塑性樹脂複合体
出願人
イー・トップ株式会社
代理人
弁理士法人はなぶさ特許商標事務所
主分類
C08L
101/00 20060101AFI20250326BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】吸水率が低く、機械的強度に優れる、建築部材として有用である新規な天然素材配合熱可塑性樹脂を提供すること。
【解決手段】平均粒径60~150μmの粉炭と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂複合体であって、前記粉炭は、もみ殻焼成物の1000~1200℃での熱処理物である、熱可塑性樹脂複合体及びその製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
平均粒径60~150μmの粉炭と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂複合体であって、前記粉炭は、もみ殻焼成物の1000~1200℃での熱処理物である、
熱可塑性樹脂複合体。
続きを表示(約 800 文字)
【請求項2】
前記粉炭は、大気下、650℃で4時間加熱した後の強熱残渣が85%以上である、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項3】
前記もみ殻焼成物が、もみ殻の400~600℃での焼成物である、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項4】
前記粉炭は、ケイ素(Si)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)を含み、ケイ素(Si)1に対してカリウム(K)を0.02~0.03の質量割合で含む、
請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂複合体は、35℃温水に96時間浸漬した後の吸水率が1.0%以下であるである、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂複合体は、JIS K7171に従い測定した曲げ強度が30MPa以上である、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項7】
前記粉炭は、前記粉炭と前記熱可塑性樹脂との合計量(100質量%)に対して30~75質量%の割合で含まれる、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項8】
前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ塩化ビニルである、請求項1記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項9】
前記熱可塑性樹脂複合体は、押出成形体である、請求項1に記載の熱可塑性樹脂複合体。
【請求項10】
粉炭と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂複合体の製造方法であって、
もみ殻を温度1000~1200℃で熱処理する段階を経て、平均粒径60~150μmの粉炭を製造する工程、
前記得られた粉炭と熱可塑性樹脂とを混合する工程、を含む、
製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築部材として好適な熱可塑性樹脂複合体に関し、具体的には、もみ殻由来の粉炭と熱可塑性樹脂からなり、吸水率が低く、曲げ強度や引張強度などの機械的強度に優れる複合体に関するものである。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂であるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル等と天然素材である木粉よりなる熱可塑性樹脂複合体は、種々の形状に成型され、従来より広く建築部材として使われている。
また熱可塑性樹脂に植物由来の炭を配合する技術も開示されている。例えば特許文献1には、ホルムアルデヒドなどの悪臭の吸着・除去、および静電気の発生・帯電の防止を図った建築用部材として、比表面積が300m
2
/g以上である木炭と熱可塑性樹脂からなる木炭プラスチック部材が提案されている。また特許文献2には、軽量で低熱伝導性を有し、引張強度などの機械的物性に優れた熱可塑性樹脂成形品の提供を図るとして、炭粒子を含有する熱可塑性樹脂成形品の製造方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2011-183658号公報
特開2014-185204号公報
特開2018-86853号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の木粉を含有してなる熱可塑性樹脂複合体は、配合された木粉の吸水により寸法が変化し、施工後、変形または膨張により取付金具より外れる問題があり、取り付ける設計に制約があった。一般に、木材の吸水・吸湿性の改善方法として、木材成分(セルロースやリグニンなど)に含まれている親水性のヒドロキシ基に酢酸を化学的に結びつけ、疎水性であるアセチル基に置き換える処理(アセチル化処理)が知られている(例えば特許文献3)。木粉に対してアセチル化処理を行うことは可能ではあるが、充填剤である木粉の製造においてこうした化学的な処理が必要となることは、設備面・費用面の双方から不利である。
【0005】
引用文献1及び引用文献2に開示された技術は、いずれも、炭由来の吸着性能を有用に利用するものである。その吸着性能を活かすべく、熱可塑性樹脂との配合前に吸着した水分を、熱可塑性樹脂成形体を製造する過程で脱離(炭を乾燥)させる必要があるが、その吸着性能ゆえに汎用の木粉乾燥より時間を要する。また炭の乾燥が不十分な場合には、成形体に気泡が生じるという不具合も生じ得る。
さらに、配合する炭自体の製造(炭化工程、粉末化工程等)において、木粉製造と比較して経済的にも不利な点が多い。例えば木炭は一般的に焼成温度が800℃以上と高温であり、設備・熱処理費用等がかかること、また樹脂との配合にあたり木炭の粉末化処理が必要で、しかも炭は黒色であるため、粉砕装置等の清掃に手間を要する。
さらにまた、炭成分の配合重量を50重量%以上とした場合、同量の木粉配合品と比べ、機械的強度(曲げ強度、引張強度)が低くなり、カンナ掛け等の加工中に成形体が破損する場合があった。
【0006】
本発明は上記課題を鑑み、吸水率が低く、機械的強度に優れる、建築部材として有用で
ある新規な天然素材配合熱可塑性樹脂を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題について精意研究を重ねた結果、平均粒径が60~150μmであるもみ殻由来の粉炭と熱可塑性樹脂からなる複合体が、建築部材として吸水率が低く、機械的強度にも優れたものとなることを新たに見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち本発明は、以下の[1]~[14]を対象とする。
[1]
平均粒径60~150μmの粉炭と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂複合体であって、前記粉炭は、もみ殻焼成物の1000~1200℃での熱処理物である、
熱可塑性樹脂複合体。
[2]
前記粉炭は、大気下、650℃で4時間加熱した後の強熱残渣が85%以上である、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[3]
前記もみ殻焼成物が、もみ殻の400~600℃での焼成物である、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[4]
前記粉炭は、ケイ素(Si)、カリウム(K)、カルシウム(Ca)を含み、ケイ素(Si)1に対してカリウム(K)を0.02~0.03の質量割合で含む、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[5]
前記熱可塑性樹脂複合体は、35℃温水に96時間浸漬した後の吸水率が1.0%以下である、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[6]
前記熱可塑性樹脂複合体は、JIS K7171に従い測定した曲げ強度が30MPa以上である、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[7]
前記粉炭は、前記粉炭と前記熱可塑性樹脂との合計量(100質量%)に対して30~75質量%の割合で含まれる、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[8]
前記熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリ塩化ビニルである、[1]記載の熱可塑性樹脂複合体。
[9]
前記熱可塑性樹脂複合体は、押出成形体である、[1]に記載の熱可塑性樹脂複合体。
[10]
粉炭と熱可塑性樹脂とを含む熱可塑性樹脂複合体の製造方法であって、
もみ殻を温度1000~1200℃で熱処理する段階を経て、平均粒径60~150μmの粉炭を製造する工程、
前記得られた粉炭と熱可塑性樹脂とを混合する工程、を含む、
製造方法。
[11]
前記もみ殻を熱処理する段階が、自燃式焼成炉にて実施される、[10]に記載の製造方法。
[12]
前記粉炭を製造する工程が、もみ殻を温度400~600℃で焼成する段階、続いて温度1000~1200℃で熱処理する段階を含む、[10]に記載の製造方法。
[13]
前記混合工程の前に、前記粉炭を乾燥する工程を含む、[10]に記載の方法。
[14]
前記混合工程の後、さらに押出成形工程を含む、[10]に記載の製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、吸水率が低く、機械的強度に優れ、建築部材として有用な熱可塑性樹脂複合体を提供できる。
また本発明に係る熱可塑性樹脂複合体に使用する粉炭は、天然物である植物(稲)の有用部分である米を得たのちに発生するもみ殻を原料とし、産業廃棄物の有効利用につながる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、実施例1で使用した粉炭の累積分布(体積基準)を示す図(左軸:累積粒度分布、右軸:頻度分布)である。
図2は、製造例1で得た、粉炭(図2(A))、粉体の強熱残渣(図2(B))、もみ殻燻炭(図2(C))のXRDチャートを示す図である。
図3は、製造例1で得た粉炭の走査型電子顕微鏡である。
図4は、比較例1~3で使用した木粉末(▲)、もみ殻燻炭粉末(▼)、備長炭粉末(■)の累積分布(体積基準)を示す図である(図4(A)累積粒度分布、(B)頻度分布)。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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