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公開番号
2025047843
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-03
出願番号
2023156595
出願日
2023-09-22
発明の名称
ポリエステル系樹脂組成物、及びそのフィルム
出願人
リケンテクノス株式会社
代理人
個人
主分類
C08L
67/00 20060101AFI20250327BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約
【課題】
耐ストレスクラック性に優れるフィルムを得ることのできる非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂組成物、及びそのフィルムを提供すること。
【解決手段】
(A)非結晶性又は低結晶性ポリエステル、(B)ポリブチレンテレフタレート系重合体、(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステル、及び(E)グリセリン・オキシ脂肪酸エステルを含む、樹脂組成物。好ましくは更に(C)コアシェルゴムを含む。上記成分(B)はポリブチレンテレフタレートハードセグメントと脂肪族ポリエーテルソフトセグメントとを有するポリエステル系エラストマーが好ましい。
【選択図】 図1
特許請求の範囲
【請求項1】
(A)非結晶性又は低結晶性ポリエステル(但し、下記成分(B)に該当するものを除く) 60~99質量%、
(B)ポリブチレンテレフタレート系重合体 1~20質量部%、及び
(C)コアシェルゴム 0~20質量% からなり、
ここで上記成分(A)、(B)、及び(C)の配合比の和は100質量%である樹脂混合物100質量部、
(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステル 0.01~10質量部、並びに、
(E)グリセリン・オキシ脂肪酸エステル 0.01~10質量部
を含む、樹脂組成物。
続きを表示(約 540 文字)
【請求項2】
上記成分(B)ポリブチレンテレフタレート系重合体が、ポリブチレンテレフタレートハードセグメントと脂肪族ポリエーテルソフトセグメントとを有するポリエステル系エラストマーを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
上記成分(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステルが、グリセリン・飽和脂肪族ジカルボン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステル、及びグリセリン・水酸基含有飽和脂肪族多価カルボン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
上記成分(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステルが、グリセリン・クエン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステルを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
上記成分(E)グリセリン・オキシ脂肪酸エステルが、グリセリン・12-ヒドロキシステアリン酸エステルを含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
【請求項7】
請求項6に記載のフィルムを含む化粧シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル系樹脂組成物、及びそのフィルムに関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
従来から、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、モバイルフォン、及びパソコンなどの家電製品;飾り棚、収納箪笥、食器戸棚、及び机などの家具;あるいは床、壁、及び浴室などの建築部材として、木材、合板、集成材、パーチクルボード、及びハードボードなどの木質系材料を用いて形成された基材;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)、ポリカーボネート、及びポリエステルなどの樹脂系材料を用いて形成された基材;あるいは鉄、及びアルミニウムなどの金属系材料を用いて形成された基材の表面に化粧シートを貼合して加飾化粧されたものが使用されている。また、従来から、木材、合板、集成材、パーチクルボード、及びハードボード等の木質系材料;鉄、及びアルミニウム等の金属系材料;並びに、石膏等の無機質系材料などからなる建築物の壁の表面に、化粧シート(所謂、壁紙)を貼り、化粧・装飾することが行われている。このような化粧シートの各層を構成するフィルムとしては、非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂組成物のフィルムが多用されている。非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂組成物のフィルムは、高い透明性、光沢性を有し、耐衝撃性が良好であり、エンボス加工性や三次元成型性に優れているためである。ところが、非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂組成物のフィルムには、耐ストレスクラック性が十分ではない(アルカリ洗剤などに接触させたとき割れが生じ易い)という不都合があった。然も、アルカリ洗剤にはしばしばオレンジオイルが添加されるところ、耐ストレスクラック性の不都合は、オレンジオイルの添加量がより多い場合に顕著になる。また、耐ストレスクラック性の不都合は、化粧シートを真空成型、圧空成型、真空圧空成型、メンブレンプレス成型、インモールド成型、インサートモールド成型、及びオーバーレイ真空成型などの三次元成型により基材に適用したとき顕著になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第3492318号公報
特開2002-053741号公報
特開平05-086277号公報
特開2003-138116号公報
特開2014-162833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、耐ストレスクラック性に優れるフィルムを得ることのできる非結晶性又は低結晶性ポリエステル系樹脂組成物、及びそのフィルムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、鋭意研究した結果、特定の樹脂組成物により、上記課題を達成できることを見出した。
【0006】
即ち、本発明の諸態様は以下の通りである。
[1].
(A)非結晶性又は低結晶性ポリエステル(但し、下記成分(B)に該当するものを除く) 60~99質量%、
(B)ポリブチレンテレフタレート系重合体 1~20質量部%、及び
(C)コアシェルゴム 0~20質量% からなり、
ここで上記成分(A)、(B)、及び(C)の配合比の和は100質量%である樹脂混合物100質量部、
(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステル 0.01~10質量部、並びに、
(E)グリセリン・オキシ脂肪酸エステル 0.01~10質量部
を含む、樹脂組成物。
[2].
上記成分(B)ポリブチレンテレフタレート系重合体が、ポリブチレンテレフタレートハードセグメントと脂肪族ポリエーテルソフトセグメントとを有するポリエステル系エラストマーを含む、[1]項に記載の樹脂組成物。
[3].
上記成分(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステルが、グリセリン・飽和脂肪族ジカルボン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステル、及びグリセリン・水酸基含有飽和脂肪族多価カルボン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含む、[1]項に記載の樹脂組成物。
[4].
上記成分(D)グリセリン・多価カルボン酸・脂肪酸エステルが、グリセリン・クエン酸・炭素数12~22の飽和高級脂肪酸エステルを含む、[1]項に記載の樹脂組成物。
[5].
上記成分(E)グリセリン・オキシ脂肪酸エステルが、グリセリン・12-ヒドロキシステアリン酸エステルを含む、[1]項に記載の樹脂組成物。
[6].
[1]~[5]項の何れか1項に記載の樹脂組成物からなるフィルム。
[7].
[6]項に記載のフィルムを含む化粧シート。
【発明の効果】
【0007】
本発明の樹脂組成物からなるフィルムは耐ストレスクラック性に優れる。本発明の好ましい樹脂組成物からなるフィルムは、更に透明性にも優れ、三次元成型性も良好である。そのため、本発明の樹脂組成物は化粧シートを構成するフィルムの材料として好適に用いることができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において「樹脂」の用語は、2種以上の樹脂を含む樹脂混合物や、樹脂以外の成分を含む樹脂組成物をも含む用語として使用する。
【0009】
本明細書において「フィルム」の用語は、「シート」と相互交換的に又は相互置換可能に使用する。本明細書において、「フィルム」及び「シート」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできるものに使用する。「板」の用語は、工業的にロール状に巻き取ることのできないものに使用する。また本明細書において、ある層と他の層とを順に積層することは、それらの層を直接積層すること、及び、それらの層の間にアンカーコートなどの別の層を1層以上介在させて積層することの両方を含む。
【0010】
本明細書において数値範囲に係る「以上」の用語は、ある数値又はある数値超の意味で使用する。例えば、20%以上は、20%又は20%超を意味する。数値範囲に係る「以下」の用語は、ある数値又はある数値未満の意味で使用する。例えば、20%以下は、20%又は20%未満を意味する。また数値範囲に係る「~」の記号は、ある数値、ある数値超かつ他のある数値未満、又は他のある数値の意味で使用する。ここで、他のある数値は、ある数値よりも大きい数値とする。例えば、10~90%は、10%、10%超かつ90%未満、又は90%を意味する。更に、数値範囲の上限と下限とは、任意に組み合わせることができるものとし、任意に組み合わせた実施形態が読み取れるものとする。例えば、ある特性の数値範囲に係る「通常10%以上、好ましくは20%以上である。一方、通常40%以下、好ましくは30%以下である。」や「通常10~40%、好ましくは20~30%である。」という記載から、そのある特性の数値範囲は、一実施形態において10~40%、20~30%、10~30%、又は20~40%であることが読み取れるものとする。
(【0011】以降は省略されています)
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