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公開番号2025028492
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-03
出願番号2023133339
出願日2023-08-18
発明の名称体調異常検知方法、体調異常検知プログラム及び体調異常検知システム
出願人公立大学法人 富山県立大学
代理人個人
主分類A61B 5/01 20060101AFI20250221BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】体表温の測定データを基に被検者の体調異常をより高い精度で検知できる体調異常検知方法、体調異常検知プログラム及び体調異常検知システムを提供する。
【解決手段】正常時体表温特徴量STT及び正常時気温特徴量SKTからなる複数の第一の正常時特徴量ベクトルS1Bを入力とする機械学習を行って、第一の識別器26を作成する。正常時体表温特徴量STT及び正常時湿度特徴量SSTからなる複数の第二の正常時特徴量ベクトルS2Bを入力とする機械学習を行って、第二の識別器28を作成する。検出体表温特徴量KTT及び検出気温特徴量KKTからなる第一の検出特徴量ベクトルK1Bを第一の識別器26に入力して第一の判定を行う。検出体表温特徴量KTT及び検出湿度特徴量KSTからなる第二の検出特徴量ベクトルK2Bを第二の識別器28に入力して第二の判定を行う。期間T毎の第一及び第二の判定のカウントの合計値を、連続するn個の期間Tについて非正常度Aの合計値Anを算出する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
被検者の体調の異常を検知する方法であって、コンピュータシステムによって実行される体調異常検知方法において、
一定長さの期間Tにおける、被検者が正常な時の体表温の時間変化の特徴を示す正常時体表温特徴量の情報と、当該期間Tにおける、前記被検者の居住空間の気温の時間変化の特徴を示す正常時気温特徴量の情報と、当該期間Tにおける、前記被検者の居住空間の湿度の時間変化の特徴を示す正常時湿度特徴量の情報との組み合わせを複数組収集し、同時期の期間T同士の前記正常時体表温特徴量及び前記正常時気温特徴量の組み合わせからなる複数の第一の正常時特徴量ベクトルを入力とする機械学習を行って第一の識別器を作成するとともに、同時期の期間T同士の前記正常時体表温特徴量及び前記正常時湿度特徴量の組み合わせからなる複数の第二の正常時特徴量ベクトルを入力とする機械学習を行って第二の識別器を作成する、又は作成された前記第一及び第二の識別器を取得する識別器準備ステップと、
前記被検者の体表温、居住空間の気温、及び居住空間の湿度の各測定データを取得する被検者データ取得ステップと、
前記被検者データ取得ステップで取得した前記測定データを、順に連続する一定長さの期間T毎に分析し、前記被検者の体表温の時間変化の特徴を示す検出体表温特徴量を抽出する処理、前記被検者の居住空間の気温の時間変化の特徴を示す検出気温特徴量を抽出する処理、及び前記被検者の居住空間の湿度の時間変化の特徴を示す検出湿度特徴量を抽出する処理を行う検出特徴量抽出ステップと、
期間T毎の前記検出体表温特徴量及び前記検出気温特徴量からなる第一の検出特徴量ベクトルを前記第一の識別器に入力することによって、当該第一の検出特徴量ベクトルが「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かを判定する第一の判定を行うとともに、期間T毎の前記検出体表温特徴量及び前記検出湿度特徴量からなる第二の検出特徴量ベクトルを前記第二の識別器に入力することによって、当該第二の検出特徴量ベクトルが「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かを判定する第二の判定を行う仮判定ステップと、
期間T毎に、前記第一の判定で「正常グループに属する」と判定された場合はゼロを、「正常グループに属しない」と判定された場合に+1を各々カウントするとともに、前記第二の判定で「正常グループに属する」と判定された場合はゼロを、「正常グループに属しない」と判定された場合に+1を各々カウントし、期間T毎の、前記第一及び第二の判定のカウントの合計値を、当該期間Tの非正常度Aとする非正常度算出ステップと、
連続するn個[定数nは2以上の自然数]の期間Tについて、各期間Tの非正常度Aの合計値Anを算出し、合計値Anが基準値Ar以上の場合に「被検者の体調異常が検知された」と判定する主判定ステップとを備えることを特徴とする体調異常検知方法。
続きを表示(約 2,200 文字)【請求項2】
前記非正常度算出ステップでは、n個の期間T(k)~T(k+n-1)の各非正常度Aの合計値An(k)、n個の期間T(k+1)~T(k+n)の各非正常度Aの合計値An(k+1)を順次算出し、
前記主判定ステップでは、合計値An(k),An(k+1)の各々について、「被検者の体調異常が検知された」かどうかの判定を行う請求項1記載の体調異常検知方法。
【請求項3】
前記第一の識別器は、複数の前記第一の正常時特徴量ベクトルに所定のクラスタリングアルゴリズムを適用することによって生成された1つ以上の正常クラスタの情報が登録されたものであり、
前記第二の識別器は、複数の前記第二の正常時特徴量ベクトルに所定のクラスタリングアルゴリズムを適用することによって生成された1つ以上の正常クラスタの情報が登録されたものであり、
前記仮判定ステップの前記第一の判定において、「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かの判定は、前記第一の識別器に登録された1つ以上の前記正常クラスタの中の、クラスタ重心と前記第一の検出特徴量ベクトルとの間のマハラノビス距離が最も近い前記正常クラスタを抽出し、抽出した前記正常クラスタのクラスタ重心に対するマハラノビス距離が第一の閾値Dr1以上の場合に「正常グループに属しない」と判定し、
前記仮判定ステップの前記第二の判定において、「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かの判定は、前記第二の識別器に登録された1つ以上の前記正常クラスタの中の、クラスタ重心と前記第二の検出特徴量ベクトルとの間のマハラノビス距離が最も近い前記正常クラスタを抽出し、抽出した前記正常クラスタのクラスタ重心に対するマハラノビス距離が第二の閾値Dr2以上の場合に「正常グループに属しない」と判定する請求項1記載の体調異常検知方法。
【請求項4】
前記第一及び第二の識別器は、k-means法を適用することによって生成された正常クラスタの情報が登録されている請求項3記載の体調異常検知方法。
【請求項5】
前記識別器準備ステップでは、前記正常時体表温特徴量の情報と、当該正常時体表温特徴量と同時期の期間Tにおける、前記被検者の居住空間の前記気温と前記湿度以外の環境情報の時間変化の特徴を示す正常時環境情報特徴量の情報との組み合わせを複数組収集し、同時期の期間T同士の前記正常時体表温特徴量及び前記正常時環境情報特徴量の組み合わせからなる複数の第三の正常時特徴量ベクトルを入力とする機械学習を行って第三の識別器を作成し、又は作成された前記第三の識別器を取得し、
前記被検者データ取得ステップでは、前記被検者の居住空間の環境情報の測定データを取得し、
前記検出特徴量抽出ステップでは、前記被検者データ取得ステップで取得した前記環境情報の測定データを、前記検出体表温特徴量を抽出した時の期間T毎に分析し、前記被検者の居住空間の環境情報の時間変化の特徴を示す検出環境情報特徴量を抽出する処理を行い、
前記仮判定ステップでは、期間T毎の前記検出体表温特徴量及び前記検出環境情報特徴量からなる第三の検出特徴量ベクトルを前記第三の識別器に入力することによって、当該第三の検出特徴量ベクトルが「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かを判定する第三の判定を行い、
前記非正常度算出ステップでは、前記第三の判定で「正常グループに属する」と判定された場合はゼロを、「正常グループに属しない」と判定された場合に+1をカウントし、期間T毎の、前記第一、第二及び第三の判定のカウントの合計値を、当該期間Tの非正常度Aとする請求項1記載の体調異常検知方法。
【請求項6】
前記被検者の居住空間の前記環境情報は気圧である請求項5記載の体調異常検知方法。
【請求項7】
前記第三の識別器は、複数の前記第三の正常時特徴量ベクトルに所定のクラスタリングアルゴリズムを適用することによって生成された1つ以上の正常クラスタの情報が登録されたものであり、
前記仮判定ステップの前記第三の判定において、「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かの判定は、前記第三の識別器に登録された1つ以上の前記正常クラスタの中の、クラスタ重心と前記第三の検出特徴量ベクトルとのマハラノビス距離が最も近い前記正常クラスタを抽出し、抽出した前記正常クラスタのクラスタ重心に対するマハラノビス距離が第三の閾値Dr3以上の場合に「正常グループに属しない」と判定する請求項6記載の体調異常検知方法。
【請求項8】
前記第三の識別器は、k-means法を適用することによって生成された前記正常クラスタの情報が登録されている請求項7記載の体調異常検知方法。
【請求項9】
前記主判定ステップで「被検者の体調異常が検知された」と判定されなかった場合に、当該判定の基になった前記被検者の測定データを基に、前記各識別器を更新する処理を行う識別器更新ステップを備える請求項1記載の体調異常検知方法。
【請求項10】
期間T毎の前記各特徴量は、期間Tの測定データの中の最大値から最小値を差し引いた値である請求項1乃至9のいずれか記載の体調異常検知方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、被検者の体調異常を検知するための体調異常検知方法、体調異常検知プログラム及び体調異常検知システムに関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
介護施設では、高齢者の体調異常を速やかに発見することが求められる。体調異常を発見するための重要な指標になるのが体温であるが、体温測定は被検者にとって拘束感があるので、頻繁な測定が必要な見守りには不向きである。
【0003】
近年、非接触式の赤外線放射温度計等を用いて被検者の体表温を観測し、体表温の測定データを基に異常検知を行う技術が提案されている。ただし、体表温は、環境変動の影響を受けて常に変動するため、体調が正常と言える体表温の範囲を定めることが難しいという問題があるので、体表温の測定データから被検者の体調異常をいかに高精度に検知するかが課題となる。
【0004】
従来、例えば特許文献1に開示されているように、被検者の体表温に関する情報を検知し、所定の基準時点における体表温を基準値とし、その後に検知された体表温と基準値との差分が所定の閾値を上回った時にアラート表示を出力する見守り方法があった。この見守り方法は、体表温の絶対値に着目するのではなく、体表温の変化幅に着目し、環境変動の影響を受けにくくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2021-96760号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の見守り方法は、体表温から直接体調異常を検知する場合と比較して検知精度がある程度は向上すると考えられるが、その効果は限定的である。
【0007】
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、体表温の測定データを基に被検者の体調異常をより高い精度で検知できる体調異常検知方法、体調異常検知プログラム及び体調異常検知システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検者の体調の異常を検知する方法であって、コンピュータシステムによって実行される体調異常検知方法であって、
一定長さの期間Tにおける、被検者が正常な時の体表温の時間変化の特徴を示す正常時体表温特徴量の情報と、当該期間Tにおける、前記被検者の居住空間の気温の時間変化の特徴を示す正常時気温特徴量の情報と、当該期間Tにおける、前記被検者の居住空間の湿度の時間変化の特徴を示す正常時湿度特徴量の情報との組み合わせを複数組収集し、同時期の期間T同士の前記正常時体表温特徴量及び前記正常時気温特徴量の組み合わせからなる複数の第一の正常時特徴量ベクトルを入力とする機械学習を行って第一の識別器を作成するとともに、同時期の期間T同士の前記正常時体表温特徴量及び前記正常時湿度特徴量の組み合わせからなる複数の第二の正常時特徴量ベクトルを入力とする機械学習を行って第二の識別器を作成する、又は作成された前記第一及び第二の識別器を取得する識別器準備ステップと、
前記被検者の体表温、居住空間の気温、及び居住空間の湿度の各測定データを取得する被検者データ取得ステップと、
前記被検者データ取得ステップで取得した前記測定データを、順に連続する一定長さの期間T毎に分析し、前記被検者の体表温の時間変化の特徴を示す検出体表温特徴量を抽出する処理、前記被検者の居住空間の気温の時間変化の特徴を示す検出気温特徴量を抽出する処理、及び、前記被検者の居住空間の湿度の時間変化の特徴を示す検出湿度特徴量を抽出する処理を行う検出特徴量抽出ステップと、
期間T毎の前記検出体表温特徴量及び前記検出気温特徴量からなる第一の検出特徴量ベクトルを前記第一の識別器に入力することによって、当該第一の検出特徴量ベクトルが「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かを判定する第一の判定を行うとともに、期間T毎の前記検出体表温特徴量及び前記検出湿度特徴量からなる第二の検出特徴量ベクトルを前記第二の識別器に入力することによって、当該第二の検出特徴量ベクトルが「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かを判定する第二の判定を行う仮判定ステップと、
期間T毎に、前記第一の判定で「正常グループに属する」と判定された場合はゼロを、「正常グループに属しない」と判定された場合に+1を各々カウントするとともに、前記第二の判定で「正常グループに属する」と判定された場合はゼロを、「正常グループに属しない」と判定された場合に+1を各々カウントし、期間T毎の、前記第一及び第二の判定のカウントの合計値を、当該期間Tの非正常度Aとする非正常度算出ステップと、
連続するn個[定数nは2以上の自然数]の期間Tについて、各期間Tの非正常度Aの合計値Anを算出し、合計値Anが基準値Ar以上の場合に「被検者の体調異常が検知された」と判定する主判定ステップとを備える体調異常検知方法である。
【0009】
前記非正常度算出ステップでは、n個の期間T(k)~T(k+n-1)の各非正常度Aの合計値An(k)、n個の期間T(k+1)~T(k+n)の各非正常度Aの合計値An(k+1)、・・・を順次算出し、前記主判定ステップでは、合計値An(k),An(k+1),・・・の各々について、「被検者の体調異常が検知された」かどうかの判定を行う。
【0010】
前記第一の識別器は、複数の前記第一の正常時特徴量ベクトルに所定のクラスタリングアルゴリズムを適用することによって生成された1つ以上の正常クラスタの情報が登録されたものであり、前記第二の識別器は、複数の前記第二の正常時特徴量ベクトルに所定のクラスタリングアルゴリズムを適用することによって生成された1つ以上の正常クラスタの情報が登録されたものであり、前記仮判定ステップの前記第一の判定において、「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かの判定は、前記第一の識別器に登録された1つ以上の前記正常クラスタの中の、クラスタ重心と前記第一の検出特徴量ベクトルとの間のマハラノビス距離が最も近い前記正常クラスタを抽出し、抽出した前記正常クラスタのクラスタ重心に対するマハラノビス距離が第一の閾値Dr1以上の場合に「正常グループに属しない」と判定し、前記仮判定ステップの前記第二の判定において、「正常グループに属する」か「正常グループに属しない」かの判定は、前記第二の識別器に登録された1つ以上の前記正常クラスタの中の、クラスタ重心と前記第二の検出特徴量ベクトルとの間のマハラノビス距離が最も近い前記正常クラスタを抽出し、抽出した前記正常クラスタのクラスタ重心に対するマハラノビス距離が第二の閾値Dr2以上の場合に「正常グループに属しない」と判定する構成にする。この場合、前記第一及び第二の識別器は、k-means法を適用することによって生成された正常クラスタの情報が登録されていることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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