TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2025027593
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-28
出願番号
2023132478
出願日
2023-08-16
発明の名称
網膜の疾患を治療する方法
出願人
JCRファーマ株式会社
代理人
個人
主分類
A61K
47/68 20170101AFI20250220BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】網膜の異常を伴う疾患の治療又は予防のための医薬組成物を提供すること。
【解決手段】血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片と,網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質とを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,網膜の異常を伴う疾患の治療又は予防のための医薬組成物。ここで,抗体又はその断片は,例えば,トランスフェリン受容体に特異的親和性を有するものである
【選択図】図4
特許請求の範囲
【請求項1】
血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片と,網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質とを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,網膜の疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
続きを表示(約 610 文字)
【請求項2】
該血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質が,トランスフェリン受容体(TfR),インスリン受容体,レプチン受容体,リポ蛋白質受容体,IGF受容体,OATP-F等の有機アニオントランスポーター,モノカルボン酸トランスポーター,及びFc受容体からなる群から選択されるものである,請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
該抗体が,抗ヒトトランスフェリン受容体抗体又は抗ヒトインスリン受容体抗体である,請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
該網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質が,リソソーム酵素である,請求項1~3の何れかに記載の医薬組成物。
【請求項5】
該リソソーム酵素が,ヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(hI2S)又はヒトα-L-イズロニダーゼである,請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項6】
ヒトトランスフェリン受容体に親和性を有する抗体又はその断片とhI2Sとを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,グリコサミノグリカン(GAG)が網膜内に蓄積することを伴う疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
【請求項7】
網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質をして血液網膜関門を通過させるための,血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片の使用。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は,血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片と,網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質とを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,網膜の異常を伴う疾患の治療剤に関し,特に,抗ヒトトランスフェリン受容体抗体(抗hTfR抗体)とヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(hI2S)とを結合させた蛋白質を有効成分として含有してなる,網膜を構成する細胞内にヘパラン硫酸やデルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン(GAG)が蓄積することを伴う網膜の疾患の治療剤に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)
【背景技術】
【0002】
抗ヒトトランスフェリン受容体抗体(抗hTfR抗体)とヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(hI2S)とを結合させた蛋白質が,ハンター症候群の治療剤として有効であることが報告されている(特許文献1)。当該治療剤は,血液脳関門(BBB)を構成する血管内皮細胞上に存在するトランスフェリン受容体(hTfR)に結合することにより,BBBを通過して脳内に到達することができる。従って,当該治療剤をハンター症候群の患者に投与することにより,該患者の脳内に蓄積したヘパラン硫酸やデルマタン硫酸のようなグリコサミノグリカン(GAG)を分解して,除去することができる。これにより,ハンター症候群の患者に認められる脳の異常が緩解される(非特許文献1)。
【0003】
網膜は,神経細胞が規則的に並ぶ層構造を有する膜状の組織である。網膜は,血液網膜関門(blood retinal barrier,BRB)により,血液からの物質輸送が制限される構造となっている。従って,高分子物質,例えば蛋白質を静脈注射等により投与したとしても,ほとんどBRBを通過することができないので,網膜に到達させることができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
US20180171012
【非特許文献】
【0005】
Okuyama T. et al., Mol Ther. 29. 671-9 (2021)Her. 67, 46-53 (1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は,例えば,BRBを通過することができ,網膜で機能を発揮することのできる,抗ヒトトランスフェリン受容体抗体(抗hTfR抗体)とヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(hI2S)とを結合させた蛋白質を有効成分として含有してなる,網膜を構成する細胞内にヘパラン硫酸やデルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン(GAG)が蓄積することを伴う網膜の疾患の治療剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的に向けた研究において,本発明者らは,鋭意検討を重ねた結果,網膜を構成する細胞内に蓄積したGAGの量を,抗hTfR抗体とhI2Sとを結合させた蛋白質を投与することにより,減少させることができることを見出し,本発明を完成した。すなわち,本発明は以下を含むものである。
1.血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片と,網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質とを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,網膜の異常を伴う疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
2.該血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質が,トランスフェリン受容体(TfR),インスリン受容体,レプチン受容体,リポ蛋白質受容体,IGF受容体,OATP-F等の有機アニオントランスポーター,モノカルボン酸トランスポーター,及びFc受容体からなる群から選択されるものである,上記1に記載の医薬組成物。
3.該抗体が,抗ヒトトランスフェリン受容体抗体又は抗ヒトインスリン受容体抗体である,上記1に記載の医薬組成物。
4.該網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質が,リソソーム酵素である,上記1~4の何れかに記載の医薬組成物。
5.該リソソーム酵素が,ヒトイズロン酸-2-スルファターゼ又はヒトα-L-イズロニダーゼである,上記4に記載の医薬組成物。
6.ヒトトランスフェリン受容体に親和性を有する抗体又はその断片とヒトイズロン酸-2-スルファターゼ(hI2S)とを結合させた結合体を有効成分として含有してなる,グリコサミノグリカン(GAG)が網膜内に蓄積することを伴う疾患の治療又は予防のための医薬組成物。
7.網膜で薬効を発揮させるべき活性を有する物質をして血液網膜関門を通過させるための,血液網膜関門を形成する細胞上に存在する蛋白質に特異的に結合する抗体又はその断片の使用。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば,例えば,網膜を構成する細胞内に蓄積したヘパラン硫酸やデルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン(GAG)を分解して減少させることができるので,網膜内にGAGが蓄積することを伴う網膜症を治療剤することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
マウスに尾静脈より投与したhI2S-抗hTfR抗体及びhI2Sの,網膜における濃度の測定結果を示す図。縦軸は網膜におけるhI2S-抗hTfR抗体の濃度(μg/g 組織蛋白質)を示す。(1)はhI2S-抗hTfR抗体,(2)はhI2Sの濃度をそれぞれ示す。
hI2S-抗hTfR抗体を尾静脈より投与したマウスの網膜のヘパラン硫酸の,網膜における濃度の測定結果を示す図。縦軸は網膜におけるヘパラン硫酸の濃度(ng/g 組織蛋白質)を示す。(1)は野生型マウス,(2)は病態モデルマウス,(3)は0.5 mg/kg hI2S-抗hTfR抗体を投与した病態モデルマウス,(4)は2.0 mg/kg hI2S-抗hTfR抗体を投与した病態モデルマウス,(5)は0.5 mg/kg hI2Sを投与した病態モデルマウス。
(a) 野生型及びI2S-KO/hTfR-KIマウスのERGのa波(視細胞由来のシグナル)の測定結果を示す図。(1)は野生型マウス,(2)は病態モデルマウスの測定結果,縦軸はa波の強度(μV)を示す。(b) 野生型及びI2S-KO/hTfR-KIマウスのERGのb波(アマクリン細胞/双極細胞由来のシグナル)の測定結果を示す図。(1)は野生型マウス,(2)は病態モデルマウスの測定結果,縦軸はb波の強度(μV)を示す。
(a) hI2S-抗hTfR抗体を尾静脈より投与したマウスにおける,ERGのa波(視細胞由来のシグナル)の測定結果を示す図。縦軸はa波の強度(μV)を示す。(b) hI2S-抗hTfR抗体を尾静脈より投与したマウスにおける,ERGのb波(アマクリン細胞/双極細胞由来のシグナル)の測定結果を示す図。縦軸はb波の強度(μV)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明において,ヒト抗体は,その全体がヒト由来の遺伝子にコードされる抗体のことをいう。但し,遺伝子の発現効率を上昇させる等の目的で,元のヒトの遺伝子に変異を加えた遺伝子にコードされる抗体も,ヒト抗体である。また,ヒト抗体をコードする2つ以上の遺伝子を組み合わせて,ある一つのヒト抗体の一部を,他のヒト抗体の一部に置き換えた抗体も,ヒト抗体である。後述するヒト化抗体についても同様である。
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
個人
健康器具
15日前
個人
錠剤撒き器
6か月前
個人
男性用下着
7か月前
個人
歯の掃除具
3か月前
個人
鼾防止用具
11日前
個人
歯茎みが品
1か月前
個人
脈波測定方法
11日前
個人
導電香
1か月前
個人
乗馬テラピー
4か月前
個人
マッサージ機
26日前
個人
身体牽引装置
4か月前
個人
塗り薬塗り具
2か月前
個人
脈波測定方法
18日前
個人
染毛方法
3か月前
個人
クリップ
1か月前
個人
収納容器
2か月前
個人
片足歩行支援具
1か月前
個人
健康器具
2か月前
個人
発熱器具
3か月前
個人
磁器治療器
4か月前
個人
動体視力強化装置
4か月前
個人
口内洗浄具
18日前
株式会社コロナ
脱臭機
6か月前
個人
眼科診療車
1か月前
個人
挟圧手工爪矯正具
6か月前
個人
鼻腔拡張具
6か月前
個人
避難困難者救出台車
1か月前
株式会社コーセー
美爪料
1か月前
株式会社 MTG
浴用剤
1か月前
株式会社ナカニシ
生検針
4か月前
個人
口腔ケア用歯ブラシ
6か月前
個人
血管硬化度算出方法
4か月前
個人
除菌システム
1か月前
東レ株式会社
下肢着用具
4か月前
東レ株式会社
吸収制御剤
3か月前
株式会社コーセー
化粧料
1か月前
続きを見る
他の特許を見る