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公開番号2025025974
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-21
出願番号2023131279
出願日2023-08-10
発明の名称補強フィルム、デバイスの製造方法および補強方法
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人はるか国際特許事務所
主分類C09J 7/38 20180101AFI20250214BHJP(染料;ペイント;つや出し剤;天然樹脂;接着剤;他に分類されない組成物;他に分類されない材料の応用)
要約【課題】被着体との貼り合わせ直後ははく離が容易であり、被着体との貼り合わせ後に粘着剤を光硬化することにより被着体と強固に接着可能であり、高温環境下においても高い接着力を示す補強フィルムを提供する。
【解決手段】補強フィルム(10)は、フィルム基材(1)の一主面上に固着積層された粘着剤層(2)を備える。粘着剤層は、架橋構造を有するアクリル系ベースポリマー、光硬化剤、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物からなる。アクリル系ベースポリマーは、モノマー成分として、ヒドロキシ基含有モノマーおよびカルボキシ基含有モノマーからなる群から選択される1以上、ならびに窒素原子含有モノマーを含む。光硬化性組成物は、光硬化剤として、アルキレンオキサイド鎖を有しウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレート、およびウレタン(メタ)アクリレートを含む。
【選択図】図1


特許請求の範囲【請求項1】
フィルム基材と、前記フィルム基材の一主面上に固着積層された粘着剤層とを備え、
前記粘着剤層は、アクリル系ベースポリマー、2以上の光重合性官能基を有する光硬化剤、および光重合開始剤を含む光硬化性組成物からなり、
前記アクリル系ベースポリマーは、モノマー成分として、ヒドロキシ基含有モノマーおよびカルボキシ基含有モノマーからなる群から選択される1以上、ならびに窒素原子含有モノマーを含み、
前記アクリル系ベースポリマーには架橋構造が導入されており、
前記アクリル系ベースポリマーのモノマー成分全量100重量部に対する前記窒素原子含有モノマーの含有量が、0.3~10重量部であり、
前記光硬化性組成物は、前記光硬化剤として、アルキレンオキサイド鎖を有しウレタン結合を有さない多官能(メタ)アクリレートを、前記アクリル系ベースポリマー100重量部に対して、3~30重量部;およびウレタン(メタ)アクリレートを、前記アクリル系ベースポリマー100重量部に対して、0.03~5重量部含む、
補強フィルム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記アクリル系ベースポリマーは、ポリマー100重量部に対して、0.05~1.0重量部の架橋剤を用いて架橋構造が導入されている、請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項3】
前記架橋剤が、イソシアネート系架橋剤またはエポキシ系架橋剤である、請求項2に記載の補強フィルム。
【請求項4】
前記多官能(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基の官能基当量が80~500g/eqである、請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項5】
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基の官能基当量が80~5000g/eqである、請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項6】
前記ウレタン(メタ)アクリレートは、1分子中に4個以上の(メタ)アクリロイル基を有する、請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項7】
前記粘着剤層は、
光硬化前において、ポリイミドフィルムに対する温度25℃での接着力F

が、0.4N/25mm以下であり、かつ、プラズマ処理されたポリイミドフィルムに対する温度25℃での接着力F

が、F

の1.4倍以下であり、
光硬化後において、プラズマ処理されたポリイミドフィルムに対する、温度25℃の環境下での接着力F

が3.0N/25mm以上、温度85℃の環境下での接着力F

が1.0N/25mm以上である、
請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項8】
前記粘着剤層は、光硬化後において、温度25℃におけるせん断貯蔵弾性率が150kPa以下である、請求項1に記載の補強フィルム。
【請求項9】
表面に補強フィルムが貼り合わせられたデバイスの製造方法であって、
請求項1~8のいずれか1項に記載の補強フィルムの前記粘着剤層を被着体の表面に仮着した後、
前記粘着剤層に活性光線を照射して、前記粘着剤層を光硬化することにより、前記補強フィルムと前記被着体との接着力を上昇させる、デバイスの製造方法。
【請求項10】
前記補強フィルムを前記被着体に仮着した後、前記粘着剤層を光硬化する前に、前記被着体に仮着された前記補強フィルムを切断し、前記被着体上の一部の領域から、前記補強フィルムをはく離除去する、請求項9に記載のデバイスの製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム基材と光硬化性の粘着剤層とが固着積層された補強フィルムに関する。さらに、本発明は、補強フィルムが表面に貼り合わせられたデバイスの製造方法、および被着体の表面に補強フィルムを固着積層する補強方法に関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
ディスプレイ等の光学デバイスや電子デバイスの表面には、表面保護や耐衝撃性付与等を目的として、粘着性フィルムが貼着される場合がある。このような粘着性フィルムは、通常、フィルム基材の主面に粘着剤層が固着積層されており、この粘着剤層を介してデバイス表面に貼り合わせられる。
【0003】
デバイスの組み立て、加工、輸送等の使用前の状態において、デバイスまたはデバイス構成部品の表面に粘着性フィルムを仮着することにより、被着体の傷つきや破損を抑制できる。特許文献1には、フィルム基材上に、アクリル系ベースポリマー、光硬化剤としての多官能(メタ)アクリレート、および光重合開始剤を含む光硬化性の粘着剤層を備える補強フィルムが開示されている。
【0004】
この補強フィルムは、被着体との貼り合わせ直後は低粘着性であるため、被着体からのはく離が容易である。そのため、被着体からのリワークが可能であるとともに、被着体の補強を必要としない箇所から補強フィルムを位置選択的にはく離除去することも可能である。補強フィルムの粘着剤は、光硬化により被着体と強固に接着するため、被着体の表面にフィルム基材が永久接着した状態となり、デバイスの表面保護等を担う補強材として利用可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2020-132846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
デバイス等の被着体の表面に補強フィルムを貼り合わせる前に、被着体表面の清浄化等を目的として、プラズマ処理やコロナ処理等の表面活性化処理が行われる場合がある。表面活性処理後の被着体の表面に補強フィルムを貼り合わせると、表面活性化処理を行っていない被着体に補強フィルムを貼り合わせた場合に比べて、接着力が高く、被着体からの補強フィルムのはく離が困難となる場合がある。
【0007】
特許文献1では、光硬化性粘着剤を構成するアクリル系ベースポリマーが窒素原子を含まないことにより、被着体表面が活性化処理されている場合でも、被着体に対する接着力が低く補強フィルムのはく離が容易であり、かつ粘着剤を光硬化すると接着力が上昇することが記載されている。しかし、特許文献1の補強フィルムは、光硬化後の粘着剤の高温での接着力が小さく、接着信頼性が十分ではない。
【0008】
かかる課題に鑑みて、本発明は、被着体表面がプラズマ等により活性化処理されている場合でも、粘着剤を光硬化する前は被着体に対する接着力が低く、はく離が容易であり、かつ、粘着剤を光硬化後は高温での接着力が高く接着信頼性に優れる補強フィルムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の補強フィルムは、フィルム基材の一主面上に固着積層された粘着剤層を備える。粘着剤層は、架橋構造を有するアクリル系ベースポリマー、光硬化剤および光重合開始剤を含む光硬化性組成物からなる。
【0010】
アクリル系ベースポリマーは、モノマー成分として、ヒドロキシ基含有モノマーおよびカルボキシ基含有モノマーからなる群から選択される1以上、ならびに窒素原子含有モノマーを含む。アクリル系ベースポリマーのモノマー成分全量100重量部に対する窒素原子含有モノマーの含有量は、0.3~10重量部が好ましい。
(【0011】以降は省略されています)

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