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公開番号
2025022881
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-14
出願番号
2024186658,2021542704
出願日
2024-10-23,2020-08-07
発明の名称
銅張積層体及びその製造方法
出願人
東洋鋼鈑株式会社
代理人
弁理士法人太田特許事務所
主分類
C23C
18/28 20060101AFI20250206BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】フレキシブル回路基板に適用した場合の伝送損失を抑制しつつ、樹脂フィルムと銅めっき層との高い密着力が確保可能な銅張積層体を提供する。
【解決手段】周波数10GHzにおける比誘電率が3.5以下、且つ誘電正接が0.008以下である樹脂フィルム1と、前記樹脂フィルム1の少なくとも一方の面に積層された無電解銅めっき層2と、を含み、前記樹脂フィルム1のうち前記無電解銅めっき層2と接するめっき層側界面における平均表面粗さRaが1~150nmであり、且つ、前記樹脂フィルム1と前記無電解銅めっき層2との密着強度が4.2N/cm以上である、ことを特徴とする銅張積層体。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
周波数10GHzにおける比誘電率が3.5以下、且つ誘電正接が0.008以下である低誘電樹脂フィルムと、
前記低誘電樹脂フィルムの少なくとも一方の面に積層された無電解銅めっき層と、
を含み、
前記無電解銅めっき層が無電解Cu-Ni合金めっき層であって、
前記低誘電樹脂フィルムのうち前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層と接するめっき層側界面における平均表面粗さRaが1~150nmであり、且つ、前記樹脂フィルムと前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層との
90°ピール
強度が4.2N/cm以上であ
り、
前記樹脂フィルムのめっき層側界面は、水酸基が付与されてなり、且つ、前記めっき層側界面において前記水酸基はカルボキシル基よりも多く付与され、
前記めっき層側界面のTOF-SIMSスペクトルにおいて質量数121のピーク強度が1000以上であ
る、ことを特徴とする銅張積層体。
続きを表示(約 1,900 文字)
【請求項2】
前記樹脂フィルムのめっき層側界面における飛行時間型質量分析法(TOF-SIMS)による質量121の強度が、800以上である、請求項1に記載の銅張積層体。
【請求項3】
前記樹脂フィルムが、ポリイミド、変性ポリイミド、液晶ポリマー、フッ素系樹脂の何れか、もしくはその混成物である、請求項1
又は2
に記載の銅張積層体。
【請求項4】
前記
無電解
Cu-Ni合金
めっき層におけるNiの含有率が3wt%以下である、請求項1~
3
のいずれか一項に記載の銅張積層体。
【請求項5】
前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層の厚みが0.1~1.0μmの範囲である、請求項1~
4
のいずれか一項に記載の銅張積層体。
【請求項6】
前記樹脂フィルムの、無電解
Cu-Ni合金
めっき層側の界面に、Cu、Ni、Pd、Agのいずれかからなる金属が存在している、請求項1~
5
のいずれか一項に記載の銅張積層体。
【請求項7】
前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層上に形成された保護層をさらに含む、請求項1~
6
のいずれか一項に記載の銅張積層体。
【請求項8】
前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層が前記樹脂フィルムの両面に形成されるとともに、
前記樹脂フィルムにはスルーホールを有し、前記スルーホールの内壁には前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層の少なくとも一部が形成されてなる、請求項1~
7
のいずれか一項に記載の銅張積層体。
【請求項9】
周波数10GHzにおける比誘電率が3.5以下、且つ、誘電正接が0.008以下である樹脂フィルムに無電解銅めっき層を形成して製造される銅張積層体の製造方法であって、
前記樹脂フィルムの表面にカルボキシル基
及び
水酸基を付与する第1表面改質工程と、
前記カルボキシル基
及び
水酸基が付与された前記表面に対して湿式方式により電荷を付与する第2表面改質工程と、
前記電荷が付与された前記表面に触媒を吸着させる触媒吸着工程と、
前記触媒が吸着された前記表面に対して無電解
Cu-Ni合金
めっき層を形成する無電解銅めっき工程と、
前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層が形成された前記銅張積層体を加熱する加熱工程と、
を含
み、
前記第1表面改質工程においてアルカリ水溶液とアミノアルコールの混合液を用い、前記混合液における混合比率は、モル比率において、-OH基と-NH
2
基の比率が(-NH
2
基/-OH基)=2.00~3.00であり
、
前記樹脂フィルムのめっき層側界面は、前記水酸基が付与されてなり、且つ、
前記めっき層側界面において前記水酸基は前記カルボキシル基よりも多く付与されてい
ることを特徴とする銅張積層体の製造方法。
【請求項10】
周波数10GHzにおける比誘電率が3.5以下、且つ、誘電正接が0.008以下である樹脂フィルムとしての変性ポリイミド(MPI)に無電解銅めっき層を形成して製造される銅張積層体の製造方法であって、
前記樹脂フィルムの表面にアルカリ水溶液とアミノアルコールの混合液を用いてカルボキシル基及び水酸基を付与する第1表面改質工程と、
前記カルボキシル基及び水酸基が付与された前記表面に対して湿式方式により電荷を付与する第2表面改質工程と、
前記電荷が付与された前記表面に触媒を吸着させる触媒吸着工程と、
前記触媒が吸着された前記表面に対して無電解Cu-Ni合金めっき層を形成する無電解銅めっき工程と、
前記無電解Cu-Ni合金めっき層が形成された前記銅張積層体を加熱する加熱工程と、
を含み、
前記樹脂フィルムのめっき層側界面は、前記水酸基が付与されてなり、且つ、前記めっき層側界面において前記水酸基は前記カルボキシル基よりも多く付与されている、ことを特徴とする銅張積層体の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信機器などに搭載されるフレキシブル回路基板用の銅張積層体と、その製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
近年における電子機器の小型化・高性能化は目覚ましく、例えば携帯電話や無線LANなど電波を用いた通信機器の発達が大きく寄与している。
特に昨今ではIoTによるビッグデータに代表される情報の大容量化に伴い、電子機器間における通信信号の高周波化が進んでおり、かような通信機器に搭載される回路基板には高周波領域における伝送損失(誘電損失)の低い材料が要求される。
【0003】
ここで、この回路基板に生じる誘電損失は、「信号の周波数」、「基板材料の誘電率の平方根」および「誘電正接」で構成された3要素の積に比例することが知られている。そのため、上記した優れた誘電特性を得るには、必然的に誘電率と誘電正接が共にできるだけ低い材料が要求される。
【0004】
かような回路基板においては、一般的に銅などの金属によって回路が形成される。この回路基板における銅層は、例えば特許文献1に示されるラミネート法や、特許文献2に示されるキャスト法、あるいは特許文献3に示されるめっき法などによって形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許第6202905号
特許第5186266号
特開2002-256443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したとおり近年では高周波通信における伝送損失を抑えることが重要な開発要素となっており、低伝送損失を有する樹脂フィルム(以下、「低誘電フィルム」又は「低誘電樹脂フィルム」とも称する)がフレキシブル回路基板の基材として使用されつつある。
しかしながら上記した特許文献を含む従来技術では、上記した低誘電フィルムと回路を形成するための金属層(例えば銅層)との充分な密着力を確保できてはいない。例えば上記した特許文献1に例示されるラミネート法や特許文献2に例示されるキャスト法では、銅層と低誘電フィルムにおける界面を粗化しなければならず、界面の平滑性が劣化して伝送損失が生じてしまう。
【0007】
一方で特許文献3に示されるめっき法によれば、高誘電率の樹脂フィルムに対しては銅層との間で比較的良好な密着力が確保できる。しかしながら、低誘電フィルムは、分子構造が比較的剛直であり、表面の分極が少ないことから、めっき法で銅層を形成した場合には密着力の確保が課題であった。すなわち低誘電フィルムを基材とした場合、密着力を確保するための従来の手法として、界面を粗面化することが広く行われていたが、伝送損失との間でトレードオフの関係を有するため、それらの両立が望まれていた。
なお、上記以外の製法で例えばスパッタ法も例示できるが、上記の手法に比して製造工程が煩雑になる結果、その生産性やコスト面で多くの課題が残ってしまう。
【0008】
本発明は上記した課題を一例として解決することを目的としており、具体的には、基材となる低誘電フィルムと回路形成のための金属層との界面において、伝送損失を抑制するために平滑性を確保しつつ、高い密着力が確保可能な銅張積層体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するため、本発明の一実施形態における銅張積層体は、(1)周波数10GHzにおける比誘電率が3.5以下、且つ誘電正接が0.008以下である低誘電樹脂フィルムと、前記低誘電樹脂フィルムの少なくとも一方の面に積層された無電解銅めっき層と、を含み、
前記無電解銅めっき層が無電解Cu-Ni合金めっき層であって、
前記低誘電樹脂フィルムのうち前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層と接するめっき層側界面における平均表面粗さRaが1~150nmであり、且つ、前記樹脂フィルムと前記無電解
Cu-Ni合金
めっき層との
90°ピール
強度が4.2N/cm以上であ
り、前記樹脂フィルムのめっき層側界面は、水酸基が付与されてなり、且つ、前記めっき層側界面において前記水酸基はカルボキシル基よりも多く付与され、前記めっき層側界面のTOF-SIMSスペクトルにおいて質量数121のピーク強度が1000以上であ
る、ことを特徴とする。
【0010】
なお上記した(1)に記載の銅張積層体においては、(2)前記樹脂フィルムのめっき層側界面における飛行時間型質量分析法(TOF-SIMS)による質量121の強度が、800以上であることが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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