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公開番号
2024173077
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-12-12
出願番号
2023091201
出願日
2023-06-01
発明の名称
成膜装置および成膜方法
出願人
国立大学法人横浜国立大学
代理人
弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類
C23C
16/46 20060101AFI20241205BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約
【課題】透明基板上に、均質な厚膜を形成することを可能とする成膜装置を提供する。
【解決手段】本発明の成膜装置100は、CVD法により、透明な基板10の一方の主面に成膜を行う成膜装置であって、成膜室101と、基板10を保持する基板保持体105、基板保持体105の表面を覆う断熱層106、および断熱層106を介して基板保持体105を保持するステージ107からなる基板保持手段102と、基板10に対して電磁波Lを照射する電磁波照射手段103と、基板10の一方の主面に、成膜の原料ガスを供給する原料ガス供給手段104と、を備え、基板保持体105が、電磁波Lを吸収し、熱伝導性を有する部材からなる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
CVD法により、透明な基板の一方の主面に成膜を行う成膜装置であって、
成膜室と、
前記基板を保持する基板保持体、前記基板保持体の表面を覆う断熱層、および前記断熱層を介して前記基板保持体を保持するステージからなる基板保持手段と、
前記基板に対して電磁波を照射する電磁波照射手段と、
前記基板の一方の主面に、前記成膜の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、を備え、
前記基板保持体が、前記電磁波を吸収し、熱伝導性を有する部材からなる、ことを特徴とする成膜装置。
続きを表示(約 840 文字)
【請求項2】
前記基板保持体の熱伝導率が、190W/mK以上、250W/mK以下である、ことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。
【請求項3】
前記基板保持体の放射率が、0.8以上、1.0以下である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項4】
前記基板保持体の電磁波吸収率が、90%以上、100%以下である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項5】
前記断熱層の熱伝導率が、0.1W/mK以上、2.0W/mK以下である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項6】
前記電磁波の波長が、9.0μm以上、11.0μm以下である、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項7】
前記基板と対向する前記ステージの一面に、第一凹部が形成され、前記基板保持体および前記断熱層が、前記第一凹部内に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項8】
前記基板保持体の表面のうち前記基板が載置される一面に、第二凹部が形成される、ことを特徴とする請求項7に記載の成膜装置。
【請求項9】
前記基板と対向する前記ステージの一面に第一凹部が形成され、前記断熱層が前記第一凹部内に配置され、前記基板保持体が、前記第一凹部外に配置されている、ことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置。
【請求項10】
請求項1または2のいずれかに記載の成膜装置を用いた成膜方法であって、
前記成膜室の内部を減圧する減圧工程と、
前記基板に電磁波を照射し、前記基板を加熱する加熱工程と、
前記基板の一方の主面に前記原料ガスを供給する原料ガス供給工程と、を有することを特徴とする成膜方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置および成膜方法に関する。
続きを表示(約 1,400 文字)
【背景技術】
【0002】
固体照明や放射線撮像装置は、色調変換素子や放射線撮像素子として、透明なセラミックス蛍光体を備えている。例えば、X線撮像で用いられる蛍光体としては、YAGに代表される希土類アルミニウムガーネット系の酸化物セラミックスに、Ce等の希土類元素を微量に添加した蛍光体が用いられる。X線撮像の高分解能化に伴い、特に、厚みが数十~数百μmの透明なセラミックス蛍光体からなる放射線検出素子が求められている(特許文献1)。
【0003】
一般的に知られる厚膜のセラミックス蛍光体は、その原料から形成された単結晶インゴットや焼結体を、所定の厚みになるように切断し、研磨して得た薄片を、透明な単結晶基板上に接合したものであり、多大な製造コストを要する。そこで、化学気相析出装置(以下、CVD装置という)を用いて、単結晶基板上に、セラミックス蛍光体の厚膜を均一に成膜する製造方法が提案されている(特許文献2)。このCVD装置は、原料ガスの供給系と基板の加熱系を備え、原料ガスの基板上での析出反応を利用して成膜を行うものである。基板の加熱系として、基板に電磁波を照射することにより、基板の表面の温度を十分に高めて析出反応を促し、所定の厚みと透明性を兼ね備えたセラミックス蛍光体の厚膜を得ることができる。
【0004】
しかしながら、セラミックス蛍光体の厚膜を形成する基板が透明である場合、基板に電磁波を照射しても透過してしまう。そのため、基板の表面を十分に加熱することができず、析出反応が不均一になり、得られるセラミックス蛍光体の厚膜の厚みと透明性も不均一になってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2016-045183号公報
特開2022-164058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、透明基板上に均質な厚膜を形成することを可能とする、成膜装置および成膜方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を採用している。
【0008】
(1)本発明の一態様に係る成膜装置は、CVD法により、透明な基板の一方の主面に成膜を行う成膜装置であって、成膜室と、前記基板を保持する基板保持体、前記基板保持体の表面を覆う断熱層、および前記断熱層を介して前記基板保持体を保持するステージからなる基板保持手段と、前記基板に対して電磁波を照射する電磁波照射手段と、前記基板の一方の主面に、前記成膜の原料ガスを供給する原料ガス供給手段と、を備え、前記基板保持体が、前記電磁波を吸収し、熱伝導性を有する部材からなる。
【0009】
(2)前記(1)に記載の成膜装置において、前記基板保持体の熱伝導率が、190W/mK以上、250W/mK以下である、ことが好ましい。
【0010】
(3)前記(1)または(2)のいずれかに記載の成膜装置において、前記基板保持体の放射率が、0.8以上、1.0以下である、ことが好ましい。
(【0011】以降は省略されています)
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