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公開番号2025077504
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-05-19
出願番号2023189747
出願日2023-11-07
発明の名称セラミックス粉末、セラミックス焼結体、及び、セラミックス焼結体の治癒方法
出願人国立大学法人横浜国立大学,第一稀元素化学工業株式会社
代理人弁理士法人ユニアス国際特許事務所
主分類C04B 35/488 20060101AFI20250512BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】 より低温で自己治癒機能が発現されるセラミックス焼結体を得ることが可能なセラミックス粉末を提供すること。
【解決手段】 炭化ジルコニウムと部分安定化ジルコニアとを含み、炭化ジルコニウムの平均粒子径が1μm以下であり、部分安定化ジルコニアの平均粒子径が1μm以下であり、炭化ジルコニウムの含有量が15体積%以上40体積%以下であり、部分安定化ジルコニア含有量が60体積%以上85体積%以下であるセラミックス粉末。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
炭化ジルコニウムと部分安定化ジルコニアとを含み、
前記炭化ジルコニウムの平均粒子径が1μm以下であり、
前記部分安定化ジルコニアの平均粒子径が1μm以下であり、
前記炭化ジルコニウムの含有量が15体積%以上40体積%以下であり、
前記部分安定化ジルコニア含有量が60体積%以上85体積%以下であることを特徴とするセラミックス粉末。
続きを表示(約 790 文字)【請求項2】
前記部分定化ジルコニアの平均粒子径が0.7μm以下であり、
前記炭化ジルコニウムの含有量が15体積%以上35体積%以下であり、
部分安定化ジルコニアの含有量が65体積%以上85体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックス粉末。
【請求項3】
前記部分安定化ジルコニアは、安定化剤を含み、
前記安定化剤が、Y、Ca、Mg、Ce、Yb、Er、及び、Scからなる群より選ばれる1種類以上の酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載のセラミックス粉末。
【請求項4】
前記安定化剤が、Yの酸化物であることを特徴とする請求項3に記載のセラミックス粉末。
【請求項5】
炭化ジルコニウムと部分安定化ジルコニアとを含み、
前記炭化ジルコニウムの平均粒子径が1μm以下であり、
前記部分安定化ジルコニアの平均粒子径が1μm以下であり、
前記炭化ジルコニウムの含有量が15体積%以上40体積%以下であり、
前記部分安定化ジルコニア含有量が60体積%以上85体積%以下であり、
以下の<損傷付与条件>で損傷を与えた後に、以下の<治癒条件>で治癒させた試験片の3点曲げ強度が、損傷を与える前と比較して70%以上であることを特徴とするセラミックス焼結体。
<損傷付与条件>
3mm×4mm×44mmの試験片に、2kgfの力でビッカース圧子を圧入して、損傷を入れる。
<治癒条件>
水蒸気雰囲気中、400℃で1時間熱処理する。
【請求項6】
請求項5に記載のセラミックス焼結体を、水蒸気雰囲気中、350℃以上550℃以下で1時間以上熱処理する工程を有することを特徴とするセラミックス焼結体の治癒方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックス粉末、セラミックス焼結体、及び、セラミックス焼結体の治癒方法に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
従来、酸化誘起型自己治癒セラミックスが知られている。酸化誘起型自己治癒セラミックスは、高温大気中での酸化に対して高活性な非酸化物(以下、治癒剤ともいう)がセラミックス母材に分散している。酸化誘起型自己治癒セラミックスでは、使用中のき裂発生を引き金として、治癒剤が、外部に存在する大気中の酸素と高温条件下で酸化し、それにより生成した酸化物がき裂を自律的に充填及び接合し、強度が回復する。
【0003】
特許文献1には、セラミックス母材と、前記母材中に分散している酸化活性な非酸化物の治癒エージェントと、治癒活性剤を含む、酸化誘起型自己治癒セラミックス組成物であって、前記治癒エージェントは、前記セラミックス組成物のき裂発生による外部酸素との接触で酸化物を生成する物質であり、前記治癒活性剤は、前記治癒エージェントの酸化反応を律速する物質の拡散速度を高速化する物質であるセラミックス組成物が開示されている(請求項1参照)。また、特許文献1には、1050℃~600℃程度の範囲で有効な自己治癒機能が発現するように治癒活性剤を選定することが好ましいことが開示されている(例えば、段落[0029])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許第6436513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明者らは、より低温で自己治癒機能が発現されれば、有用性が高いセラミックス焼結体が提供できるのではないかと考えるに至った。
【0006】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、より低温で自己治癒機能が発現されるセラミックス焼結体を得ることが可能なセラミックス粉末を提供することにある。また、より低温で自己治癒機能が発現されるセラミックス焼結体を提供することにある。また、当該セラミックス焼結体を用いた、セラミックス焼結体の治癒方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討を行った。その結果、驚くべきことに、下記構成を採用することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明は、以下を提供する。
[1] 炭化ジルコニウムと部分安定化ジルコニアとを含み、
前記炭化ジルコニウムの平均粒子径が1μm以下であり、
前記部分安定化ジルコニアの平均粒子径が1μm以下であり、
前記炭化ジルコニウムの含有量が15体積%以上40体積%以下であり、
前記部分安定化ジルコニア含有量が60体積%以上85体積%以下であることを特徴とするセラミックス粉末。
【0009】
本発明者らは、治癒剤として炭化ジルコニウムを用いたセラミックス焼結体を、水蒸気雰囲気で加熱すると、従来よりも低温(例えば、550℃以下、500℃以下、450℃以下等)で、自己治癒機能が発現することを見出した。
そのメカニズムについては明らかではないが、本発明者らは以下のように推察している。
まず、治癒剤として炭化ジルコニウムを含むセラミックス焼結体に亀裂等の損傷が発生すると、亀裂部分に炭化ジルコニウム(ZrC)が露出する。この状態で、水蒸気雰囲気下で、350℃~550℃で1時間以上加熱すると、炭化ジルコニウム(ZrC)の表面に水酸化物が生成する。その後、さらに、水酸化物からZrO

の核が生成し、治癒剤の表面から結晶(核)が成長していく。その後、さらに反応が進み、水酸化物脱水が完了することにより、治癒が完了し、強度等が回復する。
前記構成によれば、炭化ジルコニウムを含むため、当該セラミックス粉末を焼結させることにより得られるセラミックス焼結体は、水蒸気雰囲気下で、350℃~550℃で1時間以上加熱すると、自己治癒機能が発現される。
【0010】
また、前記構成によれば、母材として部分安定化ジルコニアを含む。母材として部分安定化ジルコニアを用いるため、水蒸気雰囲気下にて、低温で自己治癒機能が発現される。その理由について詳細は不明であるが、母材として治癒剤と同じZr系の材料を用いているためと推察される。
(【0011】以降は省略されています)

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