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公開番号2025039107
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-21
出願番号2023145958
出願日2023-09-08
発明の名称放射線量測定方法、ゲル線量計および放射線量測定システム
出願人東芝エネルギーシステムズ株式会社,地方独立行政法人神奈川県立病院機構,国立大学法人横浜国立大学
代理人弁理士法人東京国際特許事務所
主分類A61N 5/10 20060101AFI20250313BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】ゲル線量計の実用化を図る。
【解決手段】放射線量測定方法は、放射線3から付与されるエネルギーによる電離作用で生成されるラジカルと反応する反応物質8を含むゲル線量計4と、ラジカルと反応した反応物質8の反応量の測定値を取得する測定機器5と、1つ以上のコンピュータ6とを用いて行う方法であり、コンピュータ6は、予め求められた補正係数に基づいて、測定値を補正して放射線3の線量を求める処理と、測定値が正しいか否かを確認する処理との少なくとも一方を行う。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
放射線から付与されるエネルギーによる電離作用で生成されるラジカルと反応する反応物質を含むゲル線量計と、
前記ラジカルと反応した前記反応物質の反応量の測定値を取得する測定機器と、
1つ以上のコンピュータと、
を用いて行う方法であり、
前記コンピュータは、予め求められた補正係数に基づいて、前記測定値を補正して前記放射線の線量を求める処理と、前記測定値が正しいか否かを確認する処理と、の少なくとも一方を行う、
放射線量測定方法。
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記コンピュータは、
前記ラジカルの生成量と消失量と前記反応量との関係から前記補正係数を求め、
前記測定機器で取得した前記反応量の前記測定値に、前記補正係数を乗ずることで前記放射線の前記線量を求める、
請求項1に記載の放射線量測定方法。
【請求項3】
前記放射線である加速エネルギーの異なる複数種の荷電粒子を照射して拡大ブラッグピークを形成し、放射線治療を行う治療装置の前記拡大ブラッグピークの線量分布を測定する方法であり、
前記ゲル線量計における前記荷電粒子の照射始点と原点とし、前記荷電粒子の進行方向と一致する1次元方向の座標を規定した場合において、
前記測定機器は、それぞれの前記座標における前記反応量の前記測定値を取得し、
前記コンピュータは、
同一の前記座標において前記加速エネルギーの異なる前記荷電粒子ごとに生成される前記ラジカルの生成量を算出し、
前記原点の前記ラジカルの前記生成量を用いて、それぞれの前記座標における前記ラジカルの前記生成量を除することで得られる、前記座標ごとに対応する前記補正係数を求め、
それぞれの前記座標おける前記反応量の前記測定値に、対応する前記補正係数を乗じることで前記反応量の補正値を求め、
前記加速エネルギーの異なる前記荷電粒子ごとに求めた複数の前記補正値を和することで前記拡大ブラッグピークの前記線量分布を算出する、
請求項1に記載の放射線量測定方法。
【請求項4】
前記放射線である加速エネルギーの異なる複数種の荷電粒子を照射して拡大ブラッグピークを形成し、放射線治療を行う治療装置の前記拡大ブラッグピークの線量分布を確認する方法であり、
前記ゲル線量計における前記荷電粒子の照射始点と原点とし、前記荷電粒子の進行方向と一致する1次元方向の座標を規定した場合において、
前記コンピュータは、
予め治療計画で策定された前記加速エネルギーの異なる前記荷電粒子ごとの前記座標の前記線量の計画値に基づいて、同一の前記座標において前記加速エネルギーの異なる前記荷電粒子ごとに生成される前記ラジカルの生成量を算出し、
前記原点の前記ラジカルの前記生成量を用いて、それぞれの前記座標における前記ラジカルの前記生成量を除することで得られる、前記座標ごとに対応する前記補正係数を求め、
前記補正係数の逆数を前記座標ごとに対応する換算係数とし、それぞれの前記座標における前記線量の前記計画値に、対応する前記換算係数を乗じることで補正値を求め、
前記加速エネルギーの異なる前記荷電粒子ごとに求めた複数の前記補正値を和することで確認値を求め、
前記測定機器で取得したそれぞれの前記座標における前記反応量の前記測定値を前記確認値と比較し、前記治療計画で策定された前記線量分布が再現されているか否かを確認する、
請求項1に記載の放射線量測定方法。
【請求項5】
前記補正係数は、前記ゲル線量計のそれぞれの前記座標における前記放射線の照射後、1ナノ秒後のOHラジカルの濃度値を、前記原点における前記放射線の照射後、1ナノ秒後の前記OHラジカルの前記濃度値で除した値である、
請求項3または請求項4に記載の放射線量測定方法。
【請求項6】
前記ラジカルは、水分子の励起で生じるOHラジカルである、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線量測定方法。
【請求項7】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線量測定方法に用いるゲル線量計であって、
前記反応物質は、
水溶液をゲル化するゲル化剤と、
前記放射線により水が電離して生成される前記ラジカルにより切断され、酸化した分子結合基が特定の波長領域の光を選択的に吸光して発色する発色剤と、
を含む、
ゲル線量計。
【請求項8】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の放射線量測定方法に用いるゲル線量計であって、
前記反応物質は、
水溶液をゲル化するゲル化剤と、
前記放射線により水が電離して生成される前記ラジカルにより変化するビニルモノマーまたは鉄イオンの少なくとも一方と、
を含む、
ゲル線量計。
【請求項9】
放射線から付与されるエネルギーによる電離作用で生成されるラジカルと反応する反応物質を含むゲル線量計と、
前記ラジカルと反応した前記反応物質の反応量の測定値を取得する測定機器と、
1つ以上のコンピュータと、
を備え、
前記コンピュータは、予め求められた補正係数に基づいて、前記測定値を補正して前記放射線の線量を求める処理と、前記測定値が正しいか否かを確認する処理と、の少なくとも一方を行う、ように構成されている、
放射線量測定システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、放射線量測定技術に関する。
続きを表示(約 2,900 文字)【背景技術】
【0002】
放射線によるがん治療は、がん腫瘍に治療用の放射線を集中して照射することで、効率的な治療を実現するものである。放射線が人体に照射されると、放射線による物質へのエネルギー付与が生じ、これにより物質が電離されてラジカルが生成される。このラジカルがDNAに作用し、腫瘍の増殖機能が破壊される。X線によるがん治療は、電子線をターゲット材料に照射して生成したX線を人体に照射するものである。
【0003】
一方、粒子線によるがん治療は、荷電粒子を加速器により所定のエネルギーまで加速して人体に照射するものである。この荷電粒子が人体に照射されると、クーロン相互作用によって荷電粒子の持つエネルギーが物質に付与される。このエネルギーの付与量は、荷電粒子の入射エネルギーに対応する体内の特定深さにおいて、急峻な最大値を取る。この現象は、ブラッグピークと呼ばれている。粒子線におけるがん治療は、このブラッグピークの発現原理を応用したものであり、付与されるエネルギーを腫瘍に集中させるとともに、健常細胞へのエネルギーの付与を抑制している。
【0004】
粒子線治療における照射野の形成法としては、パッシブ法とスキャニング法の2種類がある。パッシブ法では、加速器より輸送される粒子線を散乱体、電磁石、リッジフィルタを使用して平面方向および深さ方向に広げる。平面方向は、コリメータを使って腫瘍形状に合わせてビームの形状を調整する。そして、深さ方向は、ポリエチレンブロックなどの部材を腫瘍形状に合わせて掘削した補償フィルタを使ってビームの形状を調整する。このように調整された粒子線のビームを患者に照射することで、正常臓器への線量付与を軽減し、腫瘍に限局した照射が可能となる。スキャニング法では、粒子線をペンシルビームと呼ばれる細いビームに絞り、腫瘍の形に合わせて照射が行われる。スキャニング法では、最初に粒子線の出射方向を変化させながら、出射軸に垂直な面に対し、2次元的にビームが照射される。続いて、粒子線のエネルギーを変化させ、ブラッグピークが生じる位置を人体の深さ方向に変化させて、同様に2次元的に照射する。これを繰り返して、腫瘍の形に合わせて粒子線が3次元的に照射され、健常組織への照射ダメージが最小限に抑えられる。
【0005】
X線および荷電粒子などの放射線が物質中の分子の電離と励起を生じさせる際の微視的なエネルギーの付与量は、線エネルギー付与(Linear Energy Transfer:LET)と呼ばれている。このLETは、光子線で2keV/μm程度である。一方、荷電粒子の1つである炭素イオンビーム(
12

6+
)は、人体への入射位置で約10keV/μm、ブラッグピークの発生位置で数百keV/μmとなる。すなわち粒子線によるがん治療は、高いLETの線質を有する放射線による治療法として知られている。
【0006】
粒子線治療は、人体組織のがん標的に粒子線を正確に照射するために、生体組織中のがん標的の3次元での各位置における線量分布を最適化する必要がある。このため、予め患者のX線画像またはコンピュータ断層撮影(CT)画像が取得され、がん腫瘍の種類、その空間座標、その周辺の臓器などの情報が特定される。これらの情報に基づいて、コンピュータプログラムを用いて、患者に付与する粒子線の照射方向、ブラッグピークが生じる空間座標、照射する粒子線の数量などの治療指示を治療装置に与える目的で、治療計画が立案される。
【0007】
ここで、人体組織における狙った位置に粒子線が正確に照射されている否かを確認するために、粒子線照射装置の照射精度に関し、定期的な確認検査を行う必要がある。具体的には、粒子線のエネルギーとその照射深さの関係、すなわちブラッグピークが出現する位置を確認する必要がある。さらに、粒子線を2次元的、3次元的、4次元的に照射する場合は、照射野が、治療計画時の設定範囲に収まっていることを確認する必要がある。さらに、患者の放射線の被ばくをより少なくし、腫瘍の形状に対して確実に放射線が照射されているか否かを確認するために、ファントムと呼ばれる人体を模擬した材料および水を入れた容器を用いて、放射線量の分布を測定することが行われている。現状は、電離箱またはラジオクロミックフィルムなどの線量測定器をファントム内に配置して、放射線量の2次元分布を測定し、それを3次元に換算して評価する方法が採用されている。しかし、3次元解析には、時間と手間が生じるという欠点がある。
【0008】
そこで、近年、簡便に3次元的な放射線の線量分布を測定できるように、放射線感受性を有する反応物質を使用した3次元ゲル線量計の開発が進められている。ゲル線量計の種類としては、ポリマーゲル線量計、フリッケゲル線量計、ミセルゲル線量計がある。ポリマーゲル線量計は、放射線により生成するラジカルによるビニルモノマーの重合反応を利用したものである。フリッケゲル線量計は、ラジカルによる鉄イオンの酸化反応を利用したものである。ミセルゲル線量計は、ラジカルによる放射線感受性色素の発色を利用したものである。これらの線量計は、放射線の照射でゲル線量計内に生成されるラジカルと、ゲル線量計の物質が化学反応し、その反応量を測定することで、媒質に付与された放射線の強度分布を測定するものである。例えば、ポリマーゲル線量計は、ビニルモノマーの重合量が水素原子のスピンに影響する原理を利用し、磁気共鳴画像(MRI)によりスピン変化量を測定するものである。フリッケゲル線量計は、ラジカルによる鉄二価の鉄三価への変化量を測定するものである。ミセルゲル線量計は、ラジカルによる放射線感受性色素の発色量の吸光度と発色強度を測定するものである。これらの測定量は、いずれも、放射線が媒質に付与したエネルギー量により生成されるラジカルの量に比例する原理を利用しているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特許第6212695号公報
特許第6296230号公報
特表昭58-501091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のゲル線量計の課題は、MRI、価数の変化量、色素の発色量などの各測定値の線量応答性が線質に依存することにある。代表的な線質の1つがLETであり、特に、荷電粒子の飛程終端のような局所的にLETが上昇する部分では、測定値がエネルギー付与に比例しなくなる現象が発生する。このため、付与されるエネルギーと測定値の関係性が保てず、測定値が付与されたエネルギーを正しく表しているのか、その確認が不可能になる。このような理由により、荷電粒子による3次元線量分布の測定にゲル線量計が適用できず、実用化できない状態が長く続いてきた。
(【0011】以降は省略されています)

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