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公開番号
2025020998
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-02-13
出願番号
2023124669
出願日
2023-07-31
発明の名称
船舶
出願人
商船三井テクノトレード株式会社
,
株式会社三井造船昭島研究所
,
株式会社 商船三井
,
学校法人東海大学
代理人
清流国際弁理士法人
,
個人
,
個人
主分類
B63H
9/067 20200101AFI20250205BHJP(船舶またはその他の水上浮揚構造物;関連艤装品)
要約
【課題】 エアドラフトを抑制しつつ、良好な帆走性能を発揮することを可能にした船舶を提供する。
【解決手段】 船体1の上甲板3に少なくとも1枚の翼型の帆10を備えた船舶において、帆10は、垂直軸Xの廻りに回動自在であって水平断面において左右対称の流線形をなす翼本体11を有し、翼本体11の水平方向長さLに対する翼本体11の垂直方向長さHの比からなるアスペクト比が2.0以下であり、翼本体11の最大幅Wが水平方向長さLの12%~25%の範囲にある。
【選択図】 図3
特許請求の範囲
【請求項1】
船体の上甲板に少なくとも1枚の翼型の帆を備えた船舶において、
前記帆は垂直軸の廻りに回動自在であって水平断面において左右対称の流線形をなす翼本体を有し、前記翼本体の水平方向長さに対する前記翼本体の垂直方向長さの比からなるアスペクト比が2.0以下であり、前記翼本体の最大幅が水平方向長さの12%~25%の範囲にあることを特徴とする船舶。
続きを表示(約 1,000 文字)
【請求項2】
前記翼本体は、水平方向の少なくとも1箇所に、厚さ方向に貫通するスリットを有することを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項3】
前記翼本体は、前記スリットで分断された複数の分割片を有し、これら分割片の少なくとも1つが他の分割片に対して水平方向に揺動自在に構成されることを特徴とする請求項2に記載の船舶。
【請求項4】
前記帆は、前記翼本体の上端に前記翼本体の幅方向に突き出した上部端板を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の船舶。
【請求項5】
前記翼本体は、その最前面に前記翼本体の前後方向の中心線に対して直交する平面からなるフラット部を有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の船舶。
【請求項6】
前記船体の前方に位置する船首部と、該船首部に繋がる上甲板と、該上甲板の両側に位置して前記船首部に繋がる一対の船側部とを有する船舶において、
前記船首部は、前記船体の垂直断面において、前記船体の前方側から後方側に向かって曲率半径が増加するクロソイド曲線を含む第1輪郭線を形成し、前記船体の水平断面において、前記船体の前方側から後方側に向かって曲率半径が増加するクロソイド曲線を含む第2輪郭線を形成する湾曲面を有することを特徴とする請求項1に記載の船舶。
【請求項7】
前記船首部の湾曲面は、前記船体の横断面において、前記船体の幅方向外側から内側に向かって曲率半径が増加するクロソイド曲線を含む第3輪郭線を形成することを特徴とする請求項6に記載の船舶。
【請求項8】
前記船首部の湾曲面は、前記船体の中心線と平行であって前記中央垂直断面に対して傾斜する断面において、前記船体の前方側から後方側に向かって曲率半径が増加するクロソイド曲線を含む第4輪郭線を形成することを特徴とする請求項6に記載の船舶。
【請求項9】
前記上甲板と前記船側部の各々とを繋ぐガンネル部は、前記船体の横断面において、前記船体の幅方向外側から内側に向かって曲率半径が増加するクロソイド曲線を含む第5輪郭線を形成する湾曲面を有することを特徴とする請求項6に記載の船舶。
【請求項10】
前記上甲板は平面で構成されることを特徴とする請求項6~9のいずれかに記載の船舶。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、翼型の帆を備えた船舶に関し、更に詳しくは、エアドラフトを抑制しつつ、良好な帆走性能を発揮することを可能にした船舶に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
客船、貨客船、貨物船、自動車運搬船、タンカー等の船舶において、船体の水面下の部位にプロペラ及び舵を備えると共に、上甲板上の帆柱に翼型の帆を備えた船舶が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような帆を備えた船舶では、風がある場合に、帆柱を回転させて、風の相対的な向きに対して帆に迎え角を付けることにより、帆による推力を発生させることができる。
【0003】
しかしながら、帆を備えた船舶は、エアドラフト(水面から最高点までの距離)が大きくなるため、橋の下を通過する際に帆が干渉する恐れがある。このような帆の干渉を回避するには、例えば帆を折り畳み式とする必要があるが、その場合、帆の構造が複雑化するという欠点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開昭61-18594号公報
特開2014-184936号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、エアドラフトを抑制しつつ、良好な帆走性能を発揮することを可能にした船舶を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための本発明の船舶は、船体の上甲板に少なくとも1枚の翼型の帆を備えた船舶において、
前記帆は、垂直軸の廻りに回動自在であって水平断面において左右対称の流線形をなす翼本体を有し、前記翼本体の水平方向長さに対する前記翼本体の垂直方向長さの比からなるアスペクト比が2.0以下であり、前記翼本体の最大幅が水平方向長さの12%~25%の範囲にあることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明者は、船舶の帆の形状について鋭意研究した結果、特定の形状を有する翼型の帆はアスペクト比が小さい場合であっても、上甲板に沿って流れる風を効率的に捉えて良好な帆走性能を発揮することを知見し、本発明に至ったのである。
【0008】
即ち、本発明では、翼型の帆は、垂直軸の廻りに回動自在であって水平断面において左右対称の流線形をなす翼本体を有し、翼本体の水平方向長さに対する翼本体の垂直方向長さの比からなるアスペクト比が2.0以下であり、翼本体の最大幅が水平方向長さの12%~25%の範囲にあることにより、航行時に上甲板に沿って流れる風を捉えて揚力を発生させ、良好な帆走性能を発揮することができる。特に、海上での相対的な風は船自身の航行に起因する風と自然風との合力となり、自然風の速度が変化すると相対風向が変化する。そして、相対風向が目まぐるしく変化する状況下で、それに追従して帆の角度を変化させても、帆の角度が変わったときには相対風向が既に変わっている場合がある。これに対して、本発明者の知見によれば、翼本体の最大幅を水平方向長さの12%~25%の範囲として翼本体を太らせた構造とすることにより、相対風向の変化に対して揚力変化が生じ難くなり、翼本体のアスペクト比が小さい場合であっても、航行時に安定的に揚力を発生させることができる。しかも、翼本体のアスペクト比が2.0以下であるため、エアドラフトを抑制することができる。そのため、帆を折り畳み式とする必要がなく、帆の構造が複雑化するという問題も生じない。
【0009】
本発明において、翼本体は、水平方向の少なくとも1箇所に、厚さ方向に貫通するスリットを有することが好ましい。このようなスリットを翼本体に設けることにより、翼本体が風を受けた際に圧力側から背面側に風が抜けるので、背面側の失速を防止し、揚力を増大することができる。
【0010】
翼本体は、スリットで分断された複数の分割片を有し、これら分割片の少なくとも1つが他の分割片に対して水平方向に揺動自在に構成されることが好ましい。このように少なくとも1つの分割片が揺動自在に構成されることにより、翼本体に見掛け上のキャンバーを付与することが可能となり、揚力を増大することができる。
(【0011】以降は省略されています)
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