TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025020022
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-07
出願番号2024115843
出願日2024-07-19
発明の名称水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体、該未硬化体の硬化体、および繊維構造体
出願人株式会社クラレ,清水建設株式会社,シーカ・ジャパン株式会社
代理人個人,個人
主分類C04B 28/02 20060101AFI20250131BHJP(セメント;コンクリート;人造石;セラミックス;耐火物)
要約【課題】撥水、疎水および/または防錆効果を発現する硬化体をもたらす、水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体の提供。
【解決手段】セメントを含有する水硬性組成物と、シラン化合物を含有する組成物が付着している繊維構造体とを含む未硬化体であって、繊維構造体は水硬性組成物に埋設されている、未硬化体。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
セメントを含有する水硬性組成物と、シラン化合物を含有する組成物が付着している繊維構造体とを含む未硬化体であって、繊維構造体は水硬性組成物に埋設されている、未硬化体。
続きを表示(約 670 文字)【請求項2】
シラン化合物は重合性シラン化合物を含む、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項3】
シラン化合物は、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される1以上の化合物である、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項4】
シラン化合物はモノマーのシラン化合物を含む、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項5】
繊維構造体から10mm以内の範囲におけるセメント100gに対するシラン化合物の量は、未硬化体全体におけるセメント100gに対するシラン化合物の量より多い、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項6】
繊維構造体を構成する繊維は、酸性若しくは塩基性の官能基を有さず、親水性官能基を有する、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項7】
繊維構造体を構成する繊維はポリビニルアルコール繊維である、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項8】
未硬化体は鉄筋を更に含み、未硬化体の表面から内部に向かって繊維構造体、鉄筋の順に繊維構造体および鉄筋が水硬性組成物に埋設されている、請求項1に記載の未硬化体。
【請求項9】
繊維構造体と鉄筋との距離は10mm以下である、請求項8に記載の未硬化体。
【請求項10】
繊維構造体は、長繊維、織物、編物、不織布、一方向繊維束、紡績糸および編組コードからなる群から選択される1以上である、請求項1に記載の未硬化体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体、該未硬化体の硬化体、および繊維構造体に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
シラン化合物は、厳しい環境下でも高い撥水、疎水および/または防錆効果を発現する剤として知られている。また、撥水性、疎水性および/または防錆性を付与するために、無機または有機建築資材で作られた構造物にシラン化合物を使用できることも知られている。
【0003】
例えば特許文献1には、少なくとも1つのオルガノシロキサン(A)、少なくとも1つの乳化剤(B)および水を含有し、オルガノシロキサン(A)が、SiC結合C

~C

アルキル基およびSiC結合C

~C
18
アルキル基を有する、組成物;並びにa)少なくとも1つの水硬性結合剤、好ましくはセメント、b)少なくとも1つの前記組成物、c)好ましくは、砂、砂利、石灰岩およびチョークからなる群から選択される少なくとも1つの骨材、d)好ましくは追加の水を含んでなる水硬性組成物が開示されている。同文献には、水硬性組成物が、オルガノシロキサン(A)を含有する組成物を含んでなることにより、水硬性組成物の硬化体が疎水化されることが記載されている。
【0004】
特許文献2には、オリゴマー化度2~6を有するn-プロピルエトキシシロキサンを80~100質量%の量で含んでなるn-プロピルエトキシシロキサンのオリゴマー混合物を、コンクリート等の無機建築資材に含浸させることにより、該無機建築資材を疎水化できることが開示されている。
【0005】
また、コンクリート構造体における鉄筋の腐食を遅延または防止するために、シラン化合物とは異なる亜硝酸系またはアミン系等の腐食防止剤を用いることも検討されている。例えば特許文献3には、1)固体気相腐食防止剤混合物を均一に混合し、該混合物とポリマーとをブレンドおよび造粒して、紡糸用のポリマーマスターバッチを得る工程;2)工程1)で得たポリマーマスターバッチと、固体気相腐食防止剤が添加されていない新たなポリマー材料とを混合し、従来の紡糸プロセスに従って繊維前駆体を紡糸する工程;3)工程2)で得た繊維前駆体を短繊維後紡糸処理に付す工程(従来の紡糸油剤中で液体気相腐食防止剤を撹拌、混合および乳化し、オイルバス中で安定した後紡糸油剤を生成し、この後紡糸油剤を繊維にコーティングする);4)従来のプロセスに従って、後紡糸油剤がコーティングされた合成繊維を延伸、熱固定、カットおよび包装の工程に付すことを含む、腐食防止機能を有するコンクリート用合成繊維の製造方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
国際公開第2022/128994号
特開2002-226490号公報
中国特許出願公開第101337782号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、本発明者らの検討によると、特許文献1および特許文献3のように、シラン化合物含有組成物、または腐食防止剤が練り込まれかつコーティングされたカット合成繊維を、水硬性組成物に配合する場合、水硬性組成物の硬化体が十分な撥水、疎水および/または防錆効果を発現するためには、かなりの量のシラン化合物含有組成物またはカット合成繊維を配合する必要があり、これは、水硬性組成物の流動性に悪影響を及ぼす。また、特許文献2のように、シラン化合物含有組成物を無機建築資材に含浸させる場合、含浸ムラまたは含浸が不均一な箇所が生じ得、これは、無機建築資材において不十分な撥水、疎水および/または防錆効果を招く可能性がある。
【0008】
上記に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、撥水、疎水および/または防錆効果を発現する硬化体をもたらす、水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、前記課題を解決するために、水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体について詳細に検討を重ね、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、以下の好適な実施形態を包含する。
[1]セメントを含有する水硬性組成物と、シラン化合物を含有する組成物が付着している繊維構造体とを含む未硬化体であって、繊維構造体は水硬性組成物に埋設されている、未硬化体。
[2]シラン化合物は重合性シラン化合物を含む、[1]に記載の未硬化体。
[3]シラン化合物は、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される1以上の化合物である、[1]または[2]に記載の未硬化体。
[4]シラン化合物はモノマーのシラン化合物を含む、[1]~[3]のいずれかに記載の未硬化体。
[5]繊維構造体から10mm以内の範囲におけるセメント100gに対するシラン化合物の量は、未硬化体全体におけるセメント100gに対するシラン化合物の量より多い、[1]~[4]のいずれかに記載の未硬化体。
[6]繊維構造体を構成する繊維は、酸性若しくは塩基性の官能基を有さず、親水性官能基を有する、[1]~[5]のいずれかに記載の未硬化体。
[7]繊維構造体を構成する繊維はポリビニルアルコール繊維である、[1]~[6]のいずれかに記載の未硬化体。
[8]未硬化体は鉄筋を更に含み、未硬化体の表面から内部に向かって、繊維構造体、鉄筋の順に繊維構造体および鉄筋が水硬性組成物に埋設されている、[1]~[7]のいずれかに記載の未硬化体。
[9]繊維構造体と鉄筋との距離は10mm以下である、[8]に記載の未硬化体。
[10]繊維構造体は、長繊維、織物、編物、不織布、一方向繊維束、紡績糸および編組コードからなる群から選択される1以上である、[1]~[9]のいずれかに記載の未硬化体。
[11][1]~[10]のいずれかに記載の未硬化体の硬化体。
[12]ポリマーのシラン化合物を含む、[11]に記載の硬化体。
[13]シラン化合物はアルキル基を有しており、硬化体から切出した繊維構造体から10mm以内の領域の硬化体切出し片を熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析に付した際に検出される、該硬化体切出し片に含まれるシラン化合物から脱離したアルキル基に由来する炭化水素の、該硬化体切出し片に含まれるセメント100g当たりの量は、セメントと該セメント100質量部に対して0.5質量部のシラン化合物とを含んでなる水硬性組成物の硬化体を熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析に付した際に検出される、該硬化体に含まれるシラン化合物から脱離したアルキル基に由来する炭化水素の、該硬化体に含まれるセメント100g当たりの量より多い、[11]または[12]に記載の硬化体。
[14]シラン化合物を含有する組成物が付着している繊維構造体であって、該組成物の量は、該組成物が付着していない繊維構造体100質量部に対して10~300質量部である、繊維構造体。
[15]シラン化合物は重合性シラン化合物を含む、[14]に記載の繊維構造体。
[16]シラン化合物は、オルガノシランおよびオルガノシロキサンからなる群から選択される1以上の化合物である、[14]または[15]に記載の繊維構造体。
[17]シラン化合物はモノマーのシラン化合物を含む、[14]~[16]のいずれかに記載の繊維構造体。
[18]繊維構造体を構成する繊維は、酸性若しくは塩基性の官能基を有さず、親水性官能基を有する、[14]~[17]のいずれかに記載の繊維構造体。
[19]繊維構造体を構成する繊維はポリビニルアルコール繊維である、[14]~[18]のいずれかに記載の繊維構造体。
[20]長繊維、織物、編物、不織布、一方向繊維束、紡績糸および編組コードからなる群から選択される1以上である、[14]~[19]のいずれかに記載の繊維構造体。
[21]下記式:
シラン化合物放出量[質量部]
=洗浄前のシラン化合物含有組成物の付着量[質量部]-洗浄後のシラン化合物含有組成物の付着量[質量部]
[式中、シラン化合物含有組成物の付着量は、シラン化合物含有組成物が付着していない繊維構造体100質量部に対する、繊維構造体に付着しているシラン化合物含有組成物の質量の割合である]
で示されるシラン化合物放出量は3質量部以上である、[14]~[20]のいずれかに記載の繊維構造体。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撥水、疎水および/または防錆効果を発現する硬化体をもたらす、水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

株式会社クラレ
水硬性組成物と繊維構造体とを含む未硬化体、該未硬化体の硬化体、および繊維構造体
今日
株式会社トクヤマ
水硬性組成物
3か月前
花王株式会社
水硬性組成物
18日前
花王株式会社
水硬性組成物
18日前
個人
高物性セラミックス体とその製造法
15日前
サンノプコ株式会社
焼成用スラリー
2か月前
株式会社大木工藝
活性炭成形体の製造方法
3か月前
三井住友建設株式会社
水硬性化合物
18日前
東ソー株式会社
ジルコニア焼結体及びその製造方法
18日前
花王株式会社
セメント系用粉塵低減剤
15日前
タイハクマテリアルズ株式会社
化粧仕上塗材
2か月前
株式会社MARUWA
窒化アルミニウム焼結体
1か月前
東京窯業株式会社
蓄熱体の製造方法及び蓄熱体
1か月前
花王株式会社
水硬性組成物用プレミックス
17日前
五洋建設株式会社
炭素貯留人工石・ブロック
17日前
デンカ株式会社
防錆剤及び防錆処理方法
14日前
株式会社Polyuse
造形物の製造方法
2か月前
TOTO株式会社
基材と釉薬層とを備えた部材の表面処理方法
14日前
日本製紙株式会社
剥離防止剤
18日前
信越化学工業株式会社
炭化金属被覆炭素材料
2か月前
東ソー株式会社
フッ素含有イットリウム焼結体及びその製造方法
2か月前
日本特殊陶業株式会社
接合体、および、静電チャック
3か月前
株式会社ワールドラボ
酸化物セラミックス及びその製造方法
29日前
個人
改質フライアッシュ
2か月前
個人
陶器、磁器、ガラスまたはファインセラミックスの焼成物
2か月前
積水化学工業株式会社
硬化体
1か月前
株式会社タンガロイ
立方晶窒化硼素焼結体
29日前
大成建設株式会社
水硬性組成物
2か月前
翔飛工業株式会社
テラゾー構造物及びテラゾー構造物の製造方法
14日前
太陽誘電株式会社
誘電体磁器組成物および積層セラミック電子部品
1か月前
三菱ケミカルインフラテック株式会社
速硬性モルタル組成物
2か月前
太陽誘電株式会社
誘電体磁器組成物および積層セラミック電子部品
1か月前
日本特殊陶業株式会社
複合部材、接合体、および、保持装置
29日前
JFEスチール株式会社
コンクリート組成物
7日前
トーメイダイヤ株式会社
衝撃加圧を用いたw-BN焼結体の製造方法
3か月前
デンカ株式会社
補修材料、補修モルタル組成物及び硬化体
1か月前
続きを見る