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公開番号2025019264
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-06
出願番号2024205791,2023064183
出願日2024-11-26,2021-06-14
発明の名称二軸配向ポリプロピレン系フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人アスフィ国際特許事務所
主分類B32B 27/32 20060101AFI20250130BHJP(積層体)
要約【課題】二軸配向ポリプロピレン系フィルムが本来有している優れた透明性や機械的特
性を損なうことなく、蒸着やコーティング、他のフィルムとのラミネートにおいて優れた
密着性を示し、滑り性、耐ブロッキング性も良好な加工原反として適した二軸配向ポリプ
ロピレン系フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材層(A)と、前記基材層(A)
の一方の面に表面層(B)を、基材層(A)の表面層(B)とは反対の面に表面層(C)
を有し、表面層(B)が以下の(1)~(5)を満たし、表面層(C)が以下の(6)(
7)を満たす二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
(1)濡れ張力が38mN以上である。
(2)表面抵抗値が14.0LogΩ以上である。
(3)算術平均粗さ(Ra)が3.0以上、5.5nm以下である。
(4)マルテンス硬さが248N/mm2以下である。
(5)中心面平均粗さ(SRa)が0.010以上、0.026μm以下である。
(6)中心面平均粗さ(SRa)が0.020μm以上である。
(7)マルテンス硬さが270N/mm2以上である。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリプロピレン単独重合体および/または炭素数4以上のα-オレフィンを共重合したポリプロピレン樹脂を含むポリプロピレン系樹脂組成物で構成される基材層(A)と、前記基材層(A)の一方の面にポリプロピレン系樹脂組成物で構成される表面層(B)を、基材層(A)の表面層(B)とは反対の面にポリプロピレン単独重合体を含むポリプロピレン系樹脂組成物で構成される表面層(C)を有し、
表面層(B)を構成する前記ポリプロピレン系樹脂組成物は、ポリプロピレン単独重合体とエチレンおよび/または炭素数4以上のα-オレフィンを共重合したポリプロピレン樹脂とを1重量%/99重量%~49重量%/51重量%の割合で含み、
表面層(C)を構成する前記ポリプロピレン系樹脂組成物に含まれるエチレンおよび炭素数4以上のα-オレフィンに由来するユニットの合計が0.5モル%以下であり、
表面層(B)が以下の(1)~(5)、(8)、及び(10)を満たし、表面層(C)が以下の(6)、(7)、及び(9)を満たす二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
(1)濡れ張力が38mN以上である。
(2)表面抵抗値が14.0LogΩ以上である。
(3)算術平均粗さ(Ra)が3.0nm以上、5.5nm以下である。
(4)マルテンス硬さが248N/mm

以下である。
(5)中心面平均粗さ(SRa)が0.010μm以上、0.026μm以下である。
(6)中心面平均粗さ(SRa)が0.020μm以上である。
(7)マルテンス硬さが270N/mm

以上である。
(8)表面層(B)にコロナ処理が施されたものである。
(9)表面層(C)がアンチブロッキング剤を含む。
(10)表面層(B)がアンチブロッキング剤を含む。
続きを表示(約 700 文字)【請求項2】
二軸配向ポリプロピレン系フィルムの表面層(B)同士の23℃における動摩擦係数が0.6以下である、請求項1に記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項3】
二軸配向ポリプロピレン系フィルムのヘイズ値が5%以下である、請求項1あるいは2に記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項4】
表面層(B)の最大山高さRp+最大谷深さRvが30nm以上、50nm以下である、請求項1~3のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項5】
二軸配向ポリプロピレン系フィルムの空気抜け時間が10秒以下である、請求項1~4のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項6】
二軸配向ポリプロピレン系フィルムの厚みが9μm以上、200μm以下である、請求項1~5のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項7】
表面層(B)を構成する前記ポリプロピレン系樹脂組成物に含まれる前記ポリプロピレン単独重合体の方が前記共重合したポリプロピレン樹脂よりもメルトフローレートが小さい、請求項1~6のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の二軸配向ポリプロピレン系フィルムと無延伸ポリエチレンフィルムとの積層体。
【請求項9】
前記二軸配向ポリプロピレン系フィルムと無延伸ポリエチレンフィルムとのラミネート強度が2.0N/15mm以上である、請求項8に記載の積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、二軸配向ポリプロピレン系フィルムに関する。詳細には、無機物や有機物の
蒸着、コーティング、他部材フィルムとのラミネートなどの加工において、蒸着膜や塗布
膜、接着剤との密着性に優れ、ロールでのシワやブロッキングが少ない加工に適した二軸
延伸ポリプロピレン系フィルムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、二軸配向ポリプロピレン系フィルムは、その透明性や機械的特性において非常に
優れたものであるところから、食品や繊維製品などを始めとする様々の物品の包装材料と
して広く用いられている。しかしながら、ポリプロピレン系フィルムの問題点としては、
例えば、ポリプロピレン系樹脂が無極性であることから表面エネルギーが小さく、そのた
めに無機物や有機物での蒸着や、コーティング、他部材フィルムとのラミネートなどの加
工で密着力が十分ではないことが指摘されている。
【0003】
特に、蒸着やコーティングによる薄膜層形成では密着力だけでなく、表面凹凸による突
起部分で薄膜形成が出来ず、バリア性などが不良となる問題もある。一方で二軸配向ポリ
プロピレン系フィルムはその優れた柔軟性と平面性により滑り性が乏しく、フィルム同士
で貼りつくブロッキングが発生するため、一般的にアンチブロッキング剤を添加し、表面
凹凸を形成させる。そのため、形成した表面凹凸で蒸着やコーティングによる薄膜形成が
不十分となり、バリア性などの不良につながる。
【0004】
更に、二軸配向ポリプロピレン系フィルムは様々な食品包装用として用いられているた
め、粉末や乾物などが静電気で貼り付かないよう帯電防止剤をフィルム中に含有させ、表
面へのブリードにより帯電防止性を高めることが一般的である。しかしながら、この帯電
防止剤がフィルム表面にあることで、コーティングで溶液がはじかれ、不良となる。
【0005】
このような問題点に対する対策として様々の方法が提案されており、例えば、プロピレ
ン樹脂に分岐鎖状ポリプロピレンを混ぜ、ポリプロピレンのβ晶をα晶に結晶変態させる
ことでフィルム表面に凹凸を形成させ、実質的に無機物や有機物によるアンチブロッキン
グ剤を用いずに滑り性を良好とする方法(例えば、特許文献1等参照)が開示されている
。しかしながら、立体規則性の高いホモポリプロピレンのみを用いていることから、表面
は硬く、蒸着やコーティング、ラミネートなどの加工後の薄膜やコーティング層との密着
性は考慮されていない。
【0006】
一方で、帯電防止剤を極力なくし、フィルム表面層に凹凸を形成させ、インキや他部材
フィルムとのラミネートでの密着性を上げる方法(例えば、特許文献2等参照)が開示さ
れている。
しかしながら、蒸着やコーティングによる薄膜形成後のバリア性や加工性について、よ
り高度な要求がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2007/094072号
国際公開第2018/142983号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、二軸配向ポリプロピレン系フィルムが本来有している優れた透明性や機械的
特性を損なうことなく、蒸着膜や塗布膜、他部材フィルムとのラミネートにおける接着剤
との密着性に優れ、加工におけるフィルムの滑り性や巻き品位に優れた二軸配向ポリプリ
ロピレンフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決し得た本発明は、ポリプロピレン系樹脂を主成分とする基材層(A)と
、前記基材層(A)の一方の面に表面層(B)を、基材層(A)の表面層(B)とは反対
の面に表面層(C)を有し、表面層(B)が以下の(1)~(5)を満たし、表面層(C
)が以下の(6)(7)を満たす二軸配向ポリプロピレン系フィルムである。
(1)濡れ張力が38mN以上である。
(2)表面抵抗値が14.0LogΩ以上である。
(3)算術平均粗さ(Ra)が3.0以上、5.5nm以下である。
(4)マルテンス硬さが248N/mm

以下である。
(5)中心面平均粗さ(SRa)が0.010以上、0.026μm以下である。
(6)中心面平均粗さ(SRa)が0.020μm以上である。
(7)マルテンス硬さが270N/mm

以上である。
【0010】
この場合において、前記二軸配向ポリプロピレンフィルムの動摩擦係数が0.6以下で
あることが好適である。
(【0011】以降は省略されています)

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