TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025023204
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2024209804,2021181708
出願日2024-12-02,2018-09-25
発明の名称ポリエステルフィルムとその用途
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250206BHJP(光学)
要約【課題】フィルムのスリット端面の髭状欠点の存在個数を減らすことにより、偏光子保護フィルムとして好適に用いられるポリエステルフィルムを提供すること。
【解決手段】フィルム製造時の機械流れ方向に沿ってスリットされたフィルムの端面に、5μm以上突出する髭状物の存在本数が、フィルム長さ100μmあたり1本以内であるポリエステルフィルム。面内リタデーションが3000nm以上30000以下である前記の偏光子保護フィルム用ポリエステルフィルム。また、その用途である偏光版及び液晶表示装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フィルム製造時の機械流れ方向に沿ってスリットされたフィルムの端面に、5μm以上突出する髭状物の存在本数が、フィルム長さ100μmあたり1本以内であり、幅方向の厚み変動率が5%以下であるポリエステルフィルム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム製造時の機械流れ方向に沿ってスリットされ、そのスリット端面に髭状の欠点の少ないポリエステルフィルムに関し、更に詳しくは、スリット端面に前記髭上欠点の少ない偏光子保護フィルム用ポリエステルフィルム、それを用いた偏光板および液晶表示装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)に使用される偏光板は、通常ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着させた偏光子を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構成となっていて、偏光子保護フィルムとしては通常トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。近年、LCDの薄型化、コストダウンに伴い、偏光板の薄層化が求められるようになっている。しかし、このために偏光子保護フィルムとして用いられているTACフィルムの厚さを薄くすると、充分な機械強度を得ることができず、また透湿性が悪化するという問題が発生する。また、TACフィルムは非常に高価であり、安価な代替素材が強く求められている。
【0003】
ポリエステルフィルムは、TACフィルムに比べて耐久性に優れるが、TACフィルムと異なり複屈折性を有するため、これを偏光子保護フィルムとして用いた場合、光学的歪みにより画質が低下するという問題があった。すなわち、複屈折性を有するポリエステルフィルムは所定の光学異方性(リタデーション)を有することから、偏光子保護フィルムとして用いた場合、斜め方向から観察すると、虹状の色斑が生じ、画質が低下する。
そのため、特許文献1では、ポリエステルフィルムの面内リタデーションを特定の範囲に制御することで色斑への対策がなされている。
【0004】
また延伸方向に分子が配向しているTACフィルムやポリエステルフィルムなどの製造において、幅方向の両端部は、膜厚が不均一であり、製造後に切断装置(スリッター)により切り落とされる(スリット工程)。しかし、フィルムを構成している分子鎖が配向していることが災いし、フィルムのスリット端部に、髭状物や毛羽立ちなどが現れ、異物の増加や切断時のフィルム破断などの問題があった。そのため、特許文献2では、切断手法により、上記問題を解決する方法が提案されている。
【0005】
一方、ポリエステルフィルムを製造する際には、屑フィルムが生じる。製品から切断除去したフィルム端部等の屑フィルムについて、再利用またはリサイクルする方法が試みられてきた。しかしながら、易接着樹脂や帯電防止樹脂などの塗布層を有するフィルムは、リサイクルして再生ポリエステル原料を主成分に用いる場合、含まれる塗布層の成分が熱劣化し、得られたフィルムが著しく着色したり、濁りが生じてしまうという問題があった。そのため、特許文献3では、自己回収原料を含み、透明で着色の少ないポリエステルフィルが得られる方法などが提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献2においては、ポリエステルフィルムでの知見はなく適用できるかどうかは疑わしい。さらに特許文献3においては、光学用途への適用を考えた場合、自己回収原料添加による内部異物発生のハードルが高く、近年複雑化(多様化)する塗布層の組成において、架橋した成分のなどが混入が回収を妨げ、内部異物の要因となるという欠点を有していた。また、自己回収原料のとなるポリエステルフィルムの塗布層をいずれかの手法により除去したのち、基材ポリエステルフィルムのみとし、これから、溶融押出、ペレタイズして再生原料を得るという煩雑な別工程が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第2011/162198号
特開2017-109262号公報
特開2013-039764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、上述した欠点を解消せしめることであり、特にフィルムのスリット端面の髭上欠点の存在個数を減らすことにより、偏光子保護フィルムとして好適に用いられるポリエステルフィルムを提供することにある。
【0009】
本発明者は、かかる目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の構成によりなる。
1. フィルム製造時の機械流れ方向に沿ってスリットされたフィルムの端面に、5μm以上突出する髭状物の存在本数が、フィルム長さ100μmあたり1本以内であ
り、幅方向の厚み変動率が5%以下であ
るポリエステルフィルム。
2. 固有粘度が0.55dl/g以上0.65dl/g以下である上記第1に記載のポリエステルフィルム。
3. ヘイズ値が2.0%以下であり、かつb値が-0.5以上3.0以下である上記第1または第2に記載のポリエステルフィルム。
4. 厚さが15μm以上300μm以下である上記第1~第3のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
5. ポリエステルフィルムを構成するポリエステルの一部に、ポリエステルフィルムを製造する工程で生じた自己回収ポリマーを含む上記第1~第4のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
上記第6. 少なくとも片面上に塗布層を有する上記第1~第5のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
7, ポリエステルで構成される中間層の両面上にポリエステルで構成される表面層を少なくとも有する3層以上の積層構造を有し、中間層にポリエステルフィルムを製造する工程で生じた自己回収ポリマーを含む上記第1~第6のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
8. ポリエステルで構成される中間層の両面上にポリエステルで構成される表面層を少なくとも有する3層以上の積層構造を有し、中間層を構成するポリエステルの固有粘度が、両表面層を構成するポリエステルの固有粘度よりも小さい上記第1~第7のいずれかに記載のポリエステルフィルム。
9. 面内リタデーションが3000nm以上30000以下である上記第1~第8のいずれかに記載の偏光子保護フィルム用ポリエステルフィルム。
10. 偏光子の少なくとも一方の面に、上記第9に記載の偏光子保護フィルム用ポリエステルフィルムが積層された偏光板。
11. バックライト、液晶セル、および液晶セルの両側に配置された偏光板を有する液晶表示装置であって、少なくとも片側の偏光板が、上記第10に記載の偏光板である液晶表示装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、スリット端面の髭状物の少ないポリエステルフィルムロールを提供でき、欠点となる因子を減らすことができたことで、光学用途、特に偏光子保護フィルムへの適用がより可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東洋紡株式会社
積層ポリエステルフィルム
29日前
東洋紡株式会社
白色熱収縮性ポリエステル系フィルム
1か月前
東洋紡株式会社
標的核酸を特異的に検出するオリゴヌクレオチド及びその用途
1か月前
東洋紡株式会社
標的核酸を特異的に検出するオリゴヌクレオチド及びその用途
1か月前
東洋紡株式会社
透明導電性フィルム
1か月前
東洋紡株式会社
液晶表示装置及び偏光板
16日前
東洋紡株式会社
ネムノキ抽出物含有組成物
26日前
東洋紡株式会社
白色積層ポリエステルフィルム
11日前
東洋紡株式会社
エアバッグ用ポリエステル基布
1か月前
東洋紡株式会社
ポリエステルフィルムとその用途
1日前
東洋紡株式会社
ポリエステルフィルムとその用途
22日前
東洋紡株式会社
熱収縮性ポリエステル系フィルム
1か月前
東洋紡株式会社
二軸配向ポリプロピレン系フィルム
9日前
東洋紡株式会社
二軸配向ポリエステルフィルム及びその製造方法
11日前
個人
太陽光反射板。
9日前
個人
眼鏡こめかみ支持具
22日前
日本精機株式会社
表示装置
2日前
日本精機株式会社
空中表示装置
10日前
株式会社クラベ
光伝送体及び照明装置
16日前
住友化学株式会社
光学積層体
1日前
住友化学株式会社
光学積層体
1日前
ハート光学株式会社
眼鏡ケース
22日前
キヤノン株式会社
光学機器
15日前
ブラザー工業株式会社
走査光学装置
2日前
日本精機株式会社
ヘッドアップディスプレイ装置
23日前
日本精機株式会社
ヘッドアップディスプレイ装置
2日前
キヤノン株式会社
画像表示装置
1日前
キヤノン株式会社
画像表示装置
2日前
住友ベークライト株式会社
積層体の製造方法
16日前
大日本印刷株式会社
光学フィルム
16日前
スリーアール株式会社
拡大鏡
8日前
ヘラマンタイトン株式会社
コネクタ保持具
22日前
株式会社 GLASSART
水に浮くアイウェア
22日前
株式会社エスパー
マイクロプリズム反射体
15日前
日本精機株式会社
ヘッドアップディスプレイ装置及び車両
2日前
日東電工株式会社
光学積層体
1日前
続きを見る