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公開番号
2025004021
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-14
出願番号
2024161404,2021567679
出願日
2024-09-18,2020-12-25
発明の名称
エアバッグ用ポリエステル基布
出願人
東洋紡株式会社
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
B60R
21/235 20060101AFI20250106BHJP(車両一般)
要約
【課題】コスト負担軽減可能なポリエステル繊維を使用し、エアバッグ用基布としての機械的特性を保持しつつ、展開時に乗員を受け止める高い拘束性能を有し、更には、経年変化しても当該性能を高い水準で保持するエアバッグ用ポリエステル製基布を提供する。
【解決手段】ポリエステル製基布のクリンプ率を最適化し、70℃95%RH408時間劣化処理後のスクラブ試験回数が400回以上であることを特徴とする少なくとも片面に樹脂が配されたエアバッグ用ポリエステル製基布を提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
少なくとも片面に樹脂が配されたエアバッグ用ポリエステル製基布であって、
前記エアバッグ用ポリエステル製基布を構成する糸のクリンプ率が、経糸および緯糸共
に1.0%~12.0%であることを特徴とする、エアバッグ用ポリエステル製基布。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアバッグ用ポリエステル基布に関する。より詳細には、本発明は、エアバッグとしての機械的特性を保持しつつ、展開時に乗員を受け止める高い拘束性能を有し、更には、経年変化しても当該性能を高い水準で保持するエアバッグ用ポリエステル製基布に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)
【背景技術】
【0002】
近年、エアバッグは自動車の乗員安全保護装置として広く装着されており、その装着箇所は、運転席用、助手席用、座席シートに内蔵された大腿部保護用、側部窓に沿って展開するカーテンエアバッグ等多岐に広がり、自動車1台当たりに使用されるエアバッグ用基布の量は増加する傾向にある。現在のエアバッグを構成する基布は、エアバッグ用基布に適した性質を有するポリアミド繊維、特にナイロン6,6繊維が主として使用されているが、ナイロン6,6繊維は比較的高価であり、エアバッグが広く使用されるにつれそのコスト負担が増大している。そこで、ナイロン6,6繊維よりも原糸コストが安価なポリエステル繊維からなる基布が望まれている。
【0003】
しかしながら、エアバッグ用基布は、自動車の乗員を保護するため種々の特性を具備してすることが要求される。例えば、エアバッグ用基布は展開性だけでなく、乗員を受け止めるために必要な各種機械特性を備える必要があるとともに、使用環境を想定した経年劣化加速試験においても、十分な性能を維持していることが求められている。これらの要求を満たすために、例えば特許文献1には、湿熱劣化後の耐揉み性能を規定することで、経年劣化後の性能を保持することを意図したエアバッグ用基布が提案されている。しかし、このような基布は、いずれもナイロン6,6等のポリアミド製の基布であり、ポリエステル製の基布では、実質的に開示されていない。
ポリエステル繊維の性質は、ナイロン6,6繊維に比して、エアバッグ用基布への使用としては好ましくない点が見られ、ポリエステル繊維を使用したエアバッグ基布は十分に普及していないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
中国特許公報 103132333B
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術の課題を背景になされたものであり、コスト負担軽減可能なポリエステル繊維を使用し、エアバッグ用基布としての機械的特性を保持しつつ、展開時に乗員を受け止める高い拘束性能を有し、更には、経年変化しても当該性能を高い水準で保持するエアバッグ用ポリエステル製基布を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究した結果、ついに本発明を完成するに到った。すなわち、本発明は以下の通りである。
【0007】
1.70℃95%RH408時間劣化処理後のスクラブ試験回数が400回以上であることを特徴とするエアバッグ用ポリエステル製基布。
2.下記式1で計算される単位重量当たりのエネルギー許容量(EA)が5.0(J/g)以下である上記1.に記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
式1: EA(J/g)=(EW+EF)/W
ここで
EW(mJ/cm
2
)は、応力120N/cmまで伸張し、その後、応力0N/cmまで緩和させたときの経糸方向の単位表面積当たりのヒステリシスエネルギーを、
EF(mJ/cm
2
)は、応力120N/cmまで伸張し、その後、応力0N/cmまで緩和させたときの緯糸方向の単位表面積当たりのヒステリシスエネルギーを、
W(g/m
2
)は、単位面積当たりの基布重量を、
それぞれ示す。
3.下記式2で計算される拘束能力使用率(RR)が85%以上である上記1.または2.に記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
式2:RR(%)=RW/BW+RF/BF
ここで
RW(mm)は、120N/cm荷重時の経糸方向の基布の伸びを、
BW(mm)は、経糸方向の伸長破断時の基布の伸びを、
RF(mm)は、120N/cm荷重時の緯糸方向の基布の伸びを、
BF(mm)は、緯糸方向の伸長破断時の基布の伸びを、
それぞれ示す。
4.初期のスクラブ試験回数が500回以上である上記1~3いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
5.カバーファクターが1900~2600である上記1~4いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
6.目付が300g/m
2
以下である上記1~5いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
7.配されている樹脂が、シリコーン樹脂であって、5g/m
2
以上50g/m
2
以下塗布されている上記1~6いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
8.総繊度が200~555dtex、単糸繊度が6.0dtex以下のポリエステル繊維から構成される上記1~7いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
9.乾熱収縮率が3%以下である上記1~8いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
10.布目曲がり率が3%以下である上記1~9いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
11.VOC成分含有量が100ppm以下である上記1~10いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
12.基布を構成する糸のクリンプ率が、経糸、緯糸共に1.0%~12.0%である上記1~11いずれかに記載のエアバッグ用ポリエステル製基布。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、比較的安価なポリエステル繊維を使用した基布であっても、エアバッグに使用するに際し、自動車の乗員を保護するための種々の特性を高いレベルで具備した基布を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
布目曲がり率の測定方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の技術思想は、主として3つの要素からなる。すなわち、70℃95%RH408時間劣化処理後のスクラブ試験回数が400回以上であること、応力120N/cm時の基布のヒステリシスエネルギーより求められる単位重量当たりのエネルギー許容量(EA)が5.0J/g 以下であること、破断時の伸びに対する120N/cm時の伸びの比率より求められる拘束能力使用率(RR)が85%以上であること、である。
(【0011】以降は省略されています)
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