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公開番号
2025010230
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-01-20
出願番号
2024188602,2021530534
出願日
2024-10-25,2020-06-09
発明の名称
ネムノキ抽出物含有組成物
出願人
東洋紡株式会社
代理人
主分類
A61K
8/9789 20170101AFI20250109BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約
【課題】時計遺伝子の発現リズムの乱れを抑制または予防するための組成物、紫外線等によって誘発される皮膚の紅斑を抑制するための組成物、および、タンパク質と糖の反応によって生じる糖化生成物の生成を抑制するための組成物を提供する。
【解決手段】ネムノキ抽出物を含有してなる、時計遺伝子の発現リズムの乱れを抑制または予防するための組成物、抗炎症剤、または、抗糖化剤。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
ネムノキの樹皮から水により抽出されたネムノキ樹皮抽出物を含有し、該ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00001~5.0重量%の濃度範囲である、紫外線照射によって誘発される皮膚の紅斑を抑制する作用を有する、化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
続きを表示(約 880 文字)
【請求項2】
ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00005~3.0重量%の濃度範囲である、請求項1に記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項3】
ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.0001~1.0重量%の濃度範囲である、請求項1に記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物を含有する皮膚外用組成物。
【請求項5】
ネムノキの樹皮から水により抽出されたネムノキ樹皮抽出物を含有し、該ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00001~5.0重量%の濃度範囲である、タンパク質と糖の反応によって生じる糖化生成物の生成を抑制する作用を有する、化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項6】
ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00005~3.0重量%の濃度範囲で含まれる、請求項5に記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項7】
ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.0001~1.0重量%濃度範囲で含まれる、請求項5に記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物を含有する、皮膚外用組成物。
【請求項9】
ネムノキの樹皮から水により抽出されたネムノキ樹皮抽出物を含有し、該ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00001~5.0重量%の濃度範囲である、紫外線照射によって誘発される皮膚の紅斑を抑制する作用を有し、かつタンパク質と糖の反応によって生じる糖化生成物の生成を抑制する作用を有する、化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
【請求項10】
ネムノキ樹皮抽出物が、乾燥重量で0.00005~3.0重量%の濃度範囲である、請求項9に記載の化粧料用のネムノキ樹皮抽出物含有組成物。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、正常な時計遺伝子の発現リズムと比較して、不規則あるいは異常な状態にある時計遺伝子の発現リズムを示す皮膚細胞に対して、時計遺伝子の発現リズムの異常を抑制または予防することが実現できる、ネムノキ抽出物含有組成物に関する。また、本発明は、ネムノキ樹皮抽出物を有効成分とする抗炎症剤に関する。より詳細には、該抗炎症剤を用いることにより、紫外線照射後の紅斑抑制作用効果のある皮膚外用組成物に関する。さらに、本発明は、ネムノキ樹皮抽出物の抗糖化作用を利用した抗糖化剤に関する。より詳細には、タンパク質と糖の反応によって生じる糖化生成物の生成を抑制する効果のある抗糖化剤、および該抗糖化剤を含有する皮膚外用組成物に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)
【背景技術】
【0002】
地球に存在する殆どの生物は、外部環境(主に明暗サイクル)に合わせて、約24時間周期で、生理機能(睡眠覚醒、体温調節、摂餌排泄、ホルモン分泌等)を制御しており、このような生物学的な日周変動は「概日リズム(サーカディアンリズム)」と呼称される。特に哺乳類においては、概日リズムの機能の中枢は、脳内の視床下部に存在する視交叉上核である。視交叉上核から発信される周期的なシグナルが神経伝達やホルモンを介して抹消組織に伝達されることで、全身の多様な生理機能が一定の周期をもって規則正しく調律されている。
【0003】
一方で、抹消組織にも自律的なサーカディアンリズムを形成する機構が存在することが明らかとなっている。抹消組織における細胞レベルでは、サーカディアンリズムは複数の時計遺伝子の相互作用により、転写レベルで調節される。その中心にあるのが転写因子であるBmal1ならびにClockを中心とした転写のコアループである。核内においてBmal1とClockはヘテロダイマーを形成し、これがDNA上のE-box配列に結合することで、Perならびにcryなどの時計遺伝子、さらには多くのホルモン、サイトカイン類あるいは酵素等の非時計遺伝子群の発現を調節する。翻訳されたPerタンパク質およびCryタンパク質はPer/Cryヘテロダイマーを形成して核内に移行し、Bmal1/Clockによる転写活性を抑制する。これによりPer遺伝子及びCry遺伝子の転写が終結する。また同時にPERタンパク質及びCRYタンパク質がリン酸化とそれに引き続き起こるユビキチン―プロテアソーム系により速やかに分解される。その結果、このネガティブフィードバックループは解除され、再びBmal1/Clockによる転写調節が開始される。これらの機構が24時間周期で遂行されることにより、生体はサーカディアンリズムを刻む。
【0004】
皮膚細胞においても例外ではなく、バリア機能に関してはアクアポリンがBMAL1/CLOCKによる発現制御を受けていることが示唆されている。また、活性酸素産生とBMAL1に密接な関係があることが示唆されているといった報告がある(非特許文献1)。一方で、皮膚培養細胞に酸化ストレスを与えると時計遺伝子の発現リズムが異常をきたすといった報告もあり、これら皮膚細胞における時計遺伝子の発現リズムの異常が、生理機能の不調を引き起こすことは想像に難くない。
【0005】
このように、概日リズムは、時計遺伝子の発現によって制御される。そのため、当該発現を変化させることによって、概日リズムを変化させ得る物質の探索が行われている。特許文献1では、スフィンゴイド塩基を有効成分として含有する、時計遺伝子発現調整剤が報告されている。当該発明においては、過酸化水素によるストレスを与えた状態で時計遺伝子の乱れを誘発しているが、その振幅の回復に着目している。特許文献2では、トケイソウ抽出物(ハルミンを含有する物を除く)を含む概日リズム改善剤が報告されている。当該発明においては、非ストレス下における時計遺伝子の発現(振幅)の増強に着目している。特許文献3では、黒生姜(Kaempferia parviflora)を含有する、時計遺伝子発現促進用組成物が報告されている。当該発明においても、非ストレス下における時計遺伝子の発現(振幅)の増強に着目している。
【0006】
生体内の時計遺伝子に対して、安全かつ有効に作用する成分を探索することは、より安全でより有効性の高い成分を市場に提供するという観点のみならず、製剤の多様化、処方配合上の選択肢の拡大、異なる成分を組み合わせて使用することによる相乗効果といった観点からも重要であり、時計遺伝子に対して作用する新規成分の開発が求められていることは言うまでもない。特に、単に時計遺伝子の発現に影響するのではなく、ストレスによって誘発された時計遺伝子の異常を抑制または予防する効果が求められている。市場には時計遺伝子の振幅に着目した素材が見出されている一方、時計遺伝子の位相に着目した素材は少なく、位相の変化に対応し得る素材が求められている。
【0007】
そのような背景の中、特許文献4では、ネムノキ樹皮の水抽出物は、マウス胚性線維芽細胞に添加することによって、当該細胞の時計遺伝子(Per2遺伝子)の発現リズムにおいて、その振幅の経過的減弱を抑制できることを見出した。さらに、前記抽出物は、細胞への投与のタイミングによって、Per2遺伝子の発現リズムの位相を、濃度依存的に前進させることも、また後退させることもできることが示されており、時計遺伝子への柔軟な作用が示唆されている。
【0008】
ネムノキは、日本国内では東北地方以南の山地の林縁、原野等の日当たりのよい湿地に自生するマメ科の落葉高木で、海外においては中国、東南アジア等にも等にも分布し、栽培される。花期の頃に樹皮を採取し、水洗いしてから天日乾燥して適当な長さに刻んだものを合歓皮と称し、民間では関節炎、腰痛、利尿、浮腫、強壮を期待して服用され、外用として腫物、打撲傷、関節痛に煎じ液で患部を冷湿布したり、浴湯料として使用されてきた。樹皮にはトリテルペン系サポニン(多数のジュリブロシド類)、フラボノイド(ゲラルドン、イソオカニン、ルテオリン等)やタンニン等を含むことが知られている。(非特許文献2)
【0009】
また、近年、紫外線の皮膚に及ぼす影響や、その作用機構が盛んに研究されている。通常、地表に達する紫外線は、UVA(320~400nm)、UVB(290~320nm)に分けられる。一般に、UVBは太陽から届く紫外線の約1割と量は少ないが、肌への作用が強く、短時間でも肌が赤くなるサンバーン(日焼けによる炎症反応)や、数日後に肌が黒くなるサンタン(色素沈着反応)を引き起こす作用を有する。また、波長が短いUVBは、炎症やしみの原因となるだけでなく、肌表面の表皮細胞やDNAを傷つけるなど、生体への影響が強いことで知られている。
【0010】
肌色を4段階(I-IV)に分けた時、日本人の平均的なタイプIIの人が真夏の東京湾で約20分日光浴すると12~24時間後にうっすら赤くなった状態のサンバーンを紅斑と呼んでいる。この紅斑を引き起こす最小のエネルギー量を最小紅斑量(MED:Minimal Erythema Dose)と呼び、日本人のUVB照射によるMEDは0.04~0.07J/m
2
と言われている(非特許文献3)。
(【0011】以降は省略されています)
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