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公開番号2025015570
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024196550,2023001436
出願日2024-11-11,2015-11-20
発明の名称液晶表示装置及び偏光板
出願人東洋紡株式会社
代理人弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類G02F 1/1335 20060101AFI20250123BHJP(光学)
要約【課題】励起光を出射する光源と量子ドットを含むバックライト光源を有する液晶表示装置において、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合にも、虹斑が抑制された液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配置された液晶セルを有する液晶表示装置であって、前記バックライト光源は、励起光を出射する光源と量子ドットを含むものであり、前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層されたものであり、前記ポリエステルフィルムは、1500~30000nmのリタデーションを有し、前記ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層及び/又は低反射層が積層されている、液晶表示装置。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配置された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は、励起光を出射する光源と量子ドットを含むものであり、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層されており、
前記ポリエステルフィルムは、1500nm以上30000nm以下の面内リタデーションを有し、
前記ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層又は低反射層が積層され、
前記ポリエステルフィルム、及び前記反射防止層を含む積層体において、前記反射防止層側の表面から測定した波長550nmにおける表面反射率が2.0%以下である、
又は、
前記ポリエステルフィルム、及び前記低反射層を含む積層体において、前記低反射層側の表面から測定した波長550nmにおける表面反射率が5%未満である、
液晶表示装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配置された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有し、各ピークの半値幅が5nm以上80nm以下であり、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層されており、
前記ポリエステルフィルムは、1500nm以上30000nm以下の面内リタデーションを有し、
前記ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層又は低反射層が積層され、
前記ポリエステルフィルム、及び前記反射防止層を含む積層体において、前記反射防止層側の表面から測定した波長550nmにおける表面反射率が2.0%以下である、
又は、
前記ポリエステルフィルム、及び前記低反射層を含む積層体において、前記低反射層側の表面から測定した波長550nmにおける表面反射率が5%未満である、
液晶表示装置。
【請求項3】
前記バックライト光源が、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上750nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有し、各ピークの半値幅が5nm以上80nm以下である、請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが、前記偏光子の透過軸とポリエステルフィルムの進相軸とがなす角が-15度~15度になるように積層されている、請求項1~3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記ポリエステルフィルムは、リタデーション(Re)と厚さ方向のリタデーション(Rth)との比(Re/Rth)が、0.2以上2.0以下である、請求項1~4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記反射防止層及び/又は低反射層と、前記ポリエステルフィルムとの間に、他の層を有する、請求項1~5のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記反射防止層及び/又は低反射層と、前記ポリエステルフィルムとの間に、防眩層を有する、請求項1~5のいずれかに記載の液晶表示装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び偏光板に関する。詳しくは、虹状の色斑の発生が軽減された液晶表示装置及び偏光板に関する。
続きを表示(約 4,100 文字)【背景技術】
【0002】
液晶表示装置(LCD)に使用される偏光板は、通常ポリビニルアルコール(PVA)などにヨウ素を染着させた偏光子を2枚の偏光子保護フィルムで挟んだ構造であり、偏光子保護フィルムとしては殆どの場合トリアセチルセルロース(TAC)フィルムが用いられている。近年、LCDの薄型化に伴い、偏光板の薄層化が求められるようになっている。しかし、このために保護フィルムとして用いられているTACフィルムの厚みを薄くすると、充分な機械強度を得ることが出来ず、また透湿性が悪化するという問題が発生する。また、TACフィルムは非常に高価であり、安価な代替素材としてポリエステルフィルムが提案されているが(特許文献1~3)、虹状の色斑が観察されるという問題があった。
【0003】
偏光子の片側に複屈折性を有する配向ポリエステルフィルムを配した場合、バックライトユニット、または、偏光子から出射した直線偏光はポリエステルフィルムを通過する際に偏光状態が変化する。透過した光は配向ポリエステルフィルムの複屈折と厚さの積であるリタデーションに特有の干渉色を示す。そのため、光源として冷陰極管や熱陰極管など不連続な発光スペクトルを用いると、波長によって異なる透過光強度を示し、虹状の色斑となる(参照:第15回マイクロオプティカルカンファレンス予稿集、第30~31項)。
【0004】
上記の問題を解決する手段として、バックライト光源として白色発光ダイオードのような連続的で幅広い発光スペクトルを有する白色光源を用い、更に偏光子保護フィルムとして一定のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムを用いることが提案されている(特許文献4)。白色発光ダイオードでは、可視光領域において連続的で幅広い発光スペクトルを有する。そのため、複屈折体を透過した透過光による干渉色スペクトルの包絡線形状に着目すると、配向ポリエステルフィルムのレタデーションを制御することで、光源の発光スペクトルと相似なスペクトルが得られ、虹斑の抑制が可能であることが提案されている。
【0005】
配向ポリエステルフィルムの配向方向と偏光板の偏光方向を互いに対して直交、あるいは平行にすることにより、偏光子から出射した直線偏光は配向ポリエステルフィルムを通過しても偏光状態を維持したまま通過するようになる。また、配向ポリエステルフィルムの複屈折を制御して一軸配向性を高めることにより、斜め方向から入射する光も偏光状態を維持したまま通過するようになる。配向ポリエステルフィルムを斜めから見ると、真上から見たときと比較して配向主軸方向にズレが生じるが、一軸配向性が高いと斜めから見たときの配向主軸方向のズレが小さくなる。このため、直線偏光の方向と配向主軸方向のズレが小さくなり、偏光状態の変化が生じにくくなっていると考えられる。このように、光源の発光スペクトルと複屈折体の配向状態、配向主軸方向を制御することにより、偏光状態の変化が抑制され、虹状の色斑が発生せずに、視認性が顕著に改善すると考えられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2002-116320号公報
特開2004-219620号公報
特開2004-205773号公報
WO2011/162198
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた偏光板を用いて液晶表示装置を工業的に生産する場合、偏光子の透過軸とポリエステルフィルムの進相軸の方向は、通常互いに垂直になるように配置される。これは、次のような事情による。偏光子であるポリビニルアルコールフィルムは、縦一軸延伸をして製造される。よって、偏光子として使用するポリビニルアルコールフィルムは、通常延伸方向に長いフィルムである。一方、その保護フィルムであるポリエステルフィルムは、縦延伸した後、横延伸をして製造されるため、ポリエステルフィルム配向主軸方向は横方向となる。つまり、偏光子保護フィルムとして使用するポリエステルフィルムの配向主軸は、フィルムの長手方向とおおよそ垂直交わる。これらのフィルムは、通常互いの長手方向が平行になるように貼り合わせて偏光板が製造される。そうすると、ポリエステルフィルムの進相軸と偏光子の透過軸は通常垂直方向となる。この場合、ポリエステルフィルムとして特定のリタデーションを有する配向ポリエステルフィルムを用い、バックライト光源として白色LEDのような連続的で幅広い発光スペクトルを有する光源を用いることにより、虹状の色斑は大幅に改善される。しかし、バックライト光源が励起光を出射する光源と量子ドットを含んだ発光層からなる場合、以前として虹斑が生じるという新たな課題が存在することを発見した。
【0008】
近年の色域拡大要求の高まりから、量子ドット技術を利用した白色光源以外にも、白色光源の発光スペクトルが、R(赤)、G(緑)、及びB(青)の各波長領域に、それぞれ明確な相対発光強度のピークを有する液晶表示装置が開発されている。例えば、励起光によりR(赤)、及びG(緑)の領域に明確な発光ピークを有する蛍光体と青色LEDを用いた蛍光体方式の白色LED光源、3波長方式の白色LED光源、並びに赤色レーザーを組み合わせた白色LED光源等、様々な種類の光源を用いた、広色域化対応の液晶表示装置が開発されている。これらの白色光源は、いずれも従来から汎用されてきたYAG系黄色蛍光体を用いた白色発光ダイオードからなる光源と比較してピークの半値幅が狭い。これらの白色光源は、リタデーションを有するポリエステルフィルムを偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムとして用いた場合に、上述した励起光を出射する光源と量子ドットを含む発光層からなるバックライト光源を有する液晶表示装置の場合と同様の課題が存在することを発見した。
【0009】
すなわち、本発明の課題の一つは、励起光を出射する光源と量子ドットを含むバックライト光源に代表されるように、発光スペクトルの各ピークの半値幅が比較的狭いバックライト光源を有する液晶表示装置において、偏光子保護フィルムとしてポリエステルフィルムを用いた場合にも、虹斑が抑制された液晶表示装置及び偏光板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
代表的な本発明は、以下の通りである。
項1.
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配置された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は、励起光を出射する光源と量子ドットを含むものであり、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層されたものであり、
前記ポリエステルフィルムは、1500以上30000nm以下のリタデーションを有し、
前記ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層及び/又は低反射層が積層されている、
液晶表示装置。
項2.
バックライト光源、2つの偏光板、及び前記2つの偏光板の間に配置された液晶セルを有する液晶表示装置であって、
前記バックライト光源は、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満、及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有し、各ピークの半値幅が5nm以上である光を発し、
前記偏光板のうち少なくとも一方の偏光板は、偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層されたものであり、
前記ポリエステルフィルムは、1500以上30000nm以下のリタデーションを有し、
前記ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層及び/又は低反射層が積層されている、
液晶表示装置。
項3.
前記バックライト光源が、400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満及び600nm以上750nm以下の各波長領域にそれぞれ発光スペクトルのピークトップを有し、各ピークの半値幅が5nm以上である、項2に記載の液晶表示装置。
項4.
前記反射防止層表面の波長550nmにおける表面反射率が2.0%以下である、項1~3のいずれかに記載の液晶表示装置。
項5.
偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層された偏光板であって、
前記ポリエステルフィルムが1500以上30000nm以下のリタデーションを有し、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層及び/又は低反射層が積層されている、
励起光を出射する光源と量子ドットを含むバックライト光源を有する液晶表示装置用偏光板。
項6.
偏光子の少なくとも一方の面にポリエステルフィルムが積層された偏光板であって、
前記ポリエステルフィルムが1500以上30000nm以下のリタデーションを有し、ポリエステルフィルムの少なくとも一方の面に反射防止層及び/又は低反射層が積層されている、
400nm以上495nm未満、495nm以上600nm未満、及び600nm以上780nm以下の各波長領域にそれぞれピークトップを有し、各ピークの半値幅が5nm以上である発光スペクトルを有するバックライト光源を有する液晶表示装置用偏光板。
項7.
前記反射防止層表面の波長550nmにおける表面反射率が2.0%以下である、項5又は6に記載の偏光板。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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