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公開番号
2025029510
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-03-06
出願番号
2023134234
出願日
2023-08-21
発明の名称
膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウム検出用オリゴヌクレオチド
出願人
東洋紡株式会社
,
国立大学法人 筑波大学
代理人
弁理士法人三枝国際特許事務所
主分類
C12Q
1/6893 20180101AFI20250227BHJP(生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素学;突然変異または遺伝子工学)
要約
【課題】膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウムの新規な検出手段及び方法の提供。
【解決手段】膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブであって、以下の(a)の特徴を有するプローブを提供する。
(a)特定の塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも8塩基以上の塩基配列S1、又は塩基配列S1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列S2を含むオリゴヌクレオチドであって、5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
また、マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブを提供する。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブであって、以下の(a)及び(b)の特徴を有するプローブ。
(a)配列番号5で示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも8塩基以上の塩基配列S1、又は塩基配列S1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列S2を含むオリゴヌクレオチド。
(b)前記(a)のオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
続きを表示(約 1,200 文字)
【請求項2】
配列番号9又は10で示される塩基配列を含む、請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブであって、以下の(c)及び(d)の特徴を有するプローブ。
(c)配列番号6~8及び30のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも8塩基以上の塩基配列S3、又は塩基配列S3において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列S4を含むオリゴヌクレオチド。
(d)前記(c)のオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
【請求項4】
配列番号20~22のいずれかで示される塩基配列を含む、請求項3に記載のプローブ。
【請求項5】
前記標識が蛍光色素標識である、請求項1~4のいずれかに記載のプローブ。
【請求項6】
前記標識が、グアニンとの相互作用により消光する蛍光消光色素による標識である、請求項1~4のいずれかに記載のプローブ。
【請求項7】
前記標識されている末端塩基がシトシンである、請求項1~4のいずれかに記載のプローブ。
【請求項8】
膣トリコモナスを検出するための組成物であって、
以下の(A-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第一プライマーと、以下の(B-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第二プライマーとの組み合わせからなるプライマーセットを含み、膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブと組み合わせて用いられる組成物。
(A-1)配列番号11~14のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第一プライマー。
(B-1)配列番号15~19のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第二プライマー。
【請求項9】
膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブが、配列番号9又は10で示される塩基配列を含む、請求項8に記載の組成物。
【請求項10】
マイコプラズマジェニタリウムを検出するための組成物であって、
以下の(C-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第一プライマーと、以下の(D-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第二プライマーとの組み合わせからなるプライマーセットを含み、マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブと組み合わせて用いられる組成物。
(C-1)配列番号23~25のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第一プライマー。
(D-1)配列番号26~29のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第二プライマー。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)及び/又はマイコプラズマジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)を検出するためのオリゴヌクレオチドに関する。
続きを表示(約 3,500 文字)
【背景技術】
【0002】
性感染症は性的接触によって感染する病気であり、無症状や自覚しない軽症の場合も多く、感染がいつの間にか広がってしまうという問題がある。性感染症を引き起こす原因微生物としては、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、膣トリコモナス(Trichomonasvaginalis)、マイコプラズマジェニタリウム(Mycoplasma genitalium)が代表例として挙げられる。更に、その他の原因微生物として、Mycoplasma hominis、Ureaplasma parvum、Ureaplasma urealyticum、Treponema pallidum等も知られている。
【0003】
これらの性感染症を引き起こす原因微生物のうち、トリコモナス原虫は膣炎、尿道炎、膀胱炎等を引き起こすことが報告されており、これを簡便、迅速、高感度に検出することは臨床診断上重要である。トリコモナス原虫の検査方法としては、これまでに顕微鏡検査、培養検査、遺伝子検査が開発されている。これらの検査方法のうち、顕微鏡検査が最も主流とされているが、検査の精度は鏡検者のスキルと機器の品質に依存するという問題がある。また、最近では顕微鏡検査では感度が不足していることも懸念されている。それに対して、遺伝子検査はトリコモナス原虫を迅速に感度よく検査でき、作業者のスキルの影響を受けにくい特徴がある(非特許文献1)。
【0004】
男性尿道炎の主な原因微生物として、クラミジアトラコマチスや淋菌が広く知られている。一方で、非淋菌尿道炎患者の14~16%からマイコプラズマジェニタリウムが検出されることもあり、マイコプラズマジェニタリウム尿道炎と診断される。また、マイコプラズマジェニタリウムは尿道炎だけでなく、子宮頸管炎等を引き起こすことも報告されている(非特許文献2)。これを簡便、迅速、高感度に検出することは臨床診断上重要である。マイコプラズマジェニタリウムの検査法としては核酸増幅法が主流になっており、日本国内で体外診断薬として販売されている。代表的なものとしてはPCRを用いたコバス 6800/8800 システムTV/MG(登録商標、ロシュダイアグノスティックス製)がある。研究用試薬としてはTMA法を用いたアプティマ マイコプラズマ ジェニタリウムAssay(登録商標、ホロジックジャパン製)がある。
【0005】
上記の核酸増幅法はいずれも感度特異度とも優れた検査法であると言われている。しかし、いずれにも検査時間が数時間以上かかるという問題点がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
Issa,R.M.et al.,Iranian Journal of Clinical Infectious Diseases,2006;1(4):171-175
日本性感染症学会 性感染症診断・治療ガイドライン2020
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウムの新規な検出手段及び方法を提供することが1つの課題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討した結果、膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウムの新規な検出手段及び方法を見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成させるに至った。
【0009】
本発明の代表的な実施形態は次の通りである。
[項1]
膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブであって、以下の(a)及び(b)の特徴を有するプローブ。
(a)配列番号5で示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも8塩基以上の塩基配列S1、又は塩基配列S1において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列S2を含むオリゴヌクレオチド。
(b)前記(a)のオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
[項2]
配列番号9又は10で示される塩基配列を含む、項1に記載のプローブ。
[項3]
マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブであって、以下の(c)及び(d)の特徴を有するプローブ。
(c)配列番号6~8及び30のいずれかで示される塩基配列又はそれらに相補的な塩基配列において連続する少なくとも8塩基以上の塩基配列S3、又は塩基配列S3において1~3個の塩基が置換、欠失、挿入若しくは付加した塩基配列S4を含むオリゴヌクレオチド。
(d)前記(c)のオリゴヌクレオチドの5’末端又は3’末端のいずれか一方のみが標識されている。
[項4]
配列番号20~22のいずれかで示される塩基配列を含む、項3に記載のプローブ。
[項5]
前記標識が蛍光色素標識である、項1~4のいずれかに記載のプローブ。
[項6]
前記標識が、グアニンとの相互作用により消光する蛍光消光色素による標識である、項1~5のいずれかに記載のプローブ。
[項7]
前記標識されている末端塩基がシトシンである、項1~6のいずれかに記載のプローブ。
[項8]
膣トリコモナスを検出するための組成物であって、
以下の(A-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第一プライマーと、以下の(B-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第二プライマーとの組み合わせからなるプライマーセットを含み、膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブと組み合わせて用いられる組成物。
(A-1)配列番号11~14のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第一プライマー。
(B-1)配列番号15~19のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第二プライマー。
[項9]
膣トリコモナスの5.8SrRNA遺伝子を検出するためのプローブが、配列番号9又は10で示される塩基配列を含む、項8に記載の組成物。
[項10]
マイコプラズマジェニタリウムを検出するための組成物であって、
以下の(C-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第一プライマーと、以下の(D-1)に示す中から選択される少なくとも1つの第二プライマーとの組み合わせからなるプライマーセットを含み、マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブと組み合わせて用いられる組成物。
(C-1)配列番号23~25のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第一プライマー。
(D-1)配列番号26~29のいずれかで示される塩基配列と少なくとも90%以上の同一性を示す塩基配列からなる第二プライマー。
[項11]
マイコプラズマジェニタリウムのmgPa遺伝子を検出するためのプローブが、配列番号20~22のいずれかで示される塩基配列を含む、項10に記載の組成物。
[項12]
膣トリコモナス及びマイコプラズマジェニタリウムを検出するためのキットであって、項8又は9に記載の組成物及び項10又は11に記載の組成物を含むキット。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウムの新規な検出手段及び方法が提供される。当該検出手段及び方法により、例えば高感度に検出を行うことができる。また、本発明によれば、核酸精製工程を経ておらず核酸増幅反応を阻害する生体由来の夾雑物を含み得るような検体試料からでも、検体試料中に含まれる膣トリコモナス及び/又はマイコプラズマジェニタリウムを高感度に検出することが可能である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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