TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025057880
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-09
出願番号2023167699
出願日2023-09-28
発明の名称耐熱性ポリエステルフィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類B32B 27/36 20060101AFI20250402BHJP(積層体)
要約【課題】本発明は、高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れ、且つ表面性に優れた耐熱延伸フィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】 フレーク状ガラスを含むA層と、少なくとも1つのB層とを有する耐熱性ポリエステルフィルムであって、前記A層およびB層は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを主成分として含み、フィルム中にフレーク状ガラスを10質量%以上30%質量%以下で含み、フレーク状ガラスの厚みは2.0μm以下であり、
前記耐熱性ポリエステルフィルムは、フィルム長手方向における200℃での貯蔵弾性率が600MPа以上、及び260℃での貯蔵弾性率が300MPа以上、200℃と260℃の貯蔵弾性率との差ΔE´値が300MPа以下である、耐熱性ポリエステルフィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
フレーク状ガラスを含むA層と、少なくとも1つのB層とを有する耐熱性ポリエステルフィルムであって、
前記A層および前記B層は、ポリエチレンナフタレンジカルボキシレートを主成分として含み、
前記ポリエステルフィルムの重量を基準として、前記フレーク状ガラスの含有量が10重量%以上30重量%であり、
前記フレーク状ガラスの厚みは2.0μm以下であり、
前記耐熱性ポリエステルフィルムは、
200℃での粘弾性測定における貯蔵弾性率(E´200)が、フィルム長手方向において600MPа以上であり、
260℃での粘弾性測定における貯蔵弾性率(E´260)が、フィルム長手方向において300MPа以上であり、
前記貯蔵弾性率(E´200)と前記貯蔵弾性率(E´260)との差ΔE´(200-260)の値が
300MPа以下である、耐熱性ポリエステルフィルム。
続きを表示(約 340 文字)【請求項2】
前記A層の両面に前記B層を有する、請求項1に記載の耐熱性ポリエステルフィルム。
【請求項3】
前記フレーク状ガラスの長さが、85μm以上300μm以下である、請求項1に記載の耐熱性ポリエステルフィルム。
【請求項4】
前記耐熱性ポリエステルフィルムは、DSC測定で得られる融解ピーク温度が266℃以上である、請求項1に記載の耐熱性ポリエステルフィルム。
【請求項5】
前記B層において、前記A層側とは反対側の面で測定した最大高さRzが、3000nm以下である、請求項1に記載の耐熱性ポリエステルフィルム。
【請求項6】
請求項1~5の何れかに記載のフィルムを用いてなるフレキシブルプリント回路基板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は耐熱延伸フィルムに関する。更に詳しくは、高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れ、且つ表面性に優れた耐熱性ポリエステルフィルムに関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性ポリエステルフィルム、特にポリエチレンナフタレート(以下「PEN」と称することがある)やポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称することがある)の二軸延伸フィルムは、優れた機械的性質、耐熱性、耐薬品性を有するため、磁気テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、電気絶縁フィルム、金属ラミネート用フィルム、ガラスディスプレイ等の表面に貼るフィルム、各種部材の保護用フィルム、基板材料用フィルムとして広く用いられている。
【0003】
近年、電気あるいは電子回路の小型化の要求に伴い、これら各種用途の構成部材についても小型化や実装化が進んでおり、更なる耐熱性が要求されるようになってきた。また、自動車用途においては、運転室内での使用のみならず、エンジンルーム内にまで使用範囲が拡大しており、より高温下での寸法安定性に適した構成部材が要求されている。
【0004】
各種用途の中で、例えばフレキシブル回路基板に着目してみると、フレキシブル回路は可撓性を有する基板上に電気回路を配置してなるものであり、基板となるフィルムに金属箔の貼り合せや、メッキ等を施した後にエッチングを行って回路を形成し、加熱処理、回路部品の実装等が行われ作成されるものである。従来、フレキシブル回路基板用フィルムとしては、回路との密着性、回路部品実装時のハンダ付けでの耐熱性等が良好であるとの理由からポリイミド(以下「PI」と称する場合がある)フィルムが一般的に使用されてきた。
【0005】
フレキシブル回路に対して小型化、高密度化が要求される一方で、基板材料に対してより廉価な材料が求められている。PETフィルムは廉価であり、また耐薬品性、絶縁性等が良好であるとの理由から一部で使用されている。しかしながら、最近の高密度化した回路基板フィルムとしては耐熱性が十分でないことがあった。また、環境対応の点から、最近鉛フリーハンダが使用されつつあり、鉛フリーハンダリフロー工程では従来のフローハンダに比べてハンダ付け温度を高くすることがあるため、PETフィルムでは依然として耐熱性が不足する。
【0006】
このような背景から、従来のPIフィルムやPETフィルムに代わるプラスチックフィルムの探索が行われており、耐熱性を有するプラスチックフィルムの中では比較的安価なポリエチレンナフタレート(PEN)フィルムが検討され、例えば特許文献1にはフレキシブル回路基板用フィルムをPENフィルムにすることが提案されている。しかしながら、最近の回路の高密度化に対して要求されている高温下での寸法安定性が不足するため、このままでは回路部品実装工程でのハンダ付け後にフィルムにシワが入る、回路の平面性が崩れ凹凸が発生することがある。
【0007】
ポリエチレンナフタレートフィルムの耐熱寸法安定性を高める方法として、特許文献2では、フィルムに熱弛緩処理を施す方法、特許文献3では、金枠で固定して長時間熱処理する方法といった、特殊な製膜方法が採用されているため、生産性が低いという問題があり、より簡便で一般的な製膜方法で製造することができるポリエステルフィルムが求められている。
【0008】
特許文献4にはガラス短繊維を含むPENフィルムを用いることで、ガラス短繊維の補強効果により、高温下での260℃近辺でのハンダ加工耐性が得られることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開昭62-93991号公報
特開2001-191405号公報
特開2006-316217号公報
特許第6215690号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、例えばフレキシブル回路基板に適用する場合、高温下での耐熱寸法安定性およびフィルムの機械強度の確保に加え、さらに最近では、回路部品実装工程で精密な部品の使用により、実装時の回路の平面性を得るためにフィルム表面の平滑性が求められるようになってきている。しかし、ポリエチレンナフタレートの高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れ、且つ表面性を得る方法はまだ提供されていないのが現状である。
本発明は、上記状況を鑑み、本発明は、高温下での耐熱寸法安定性および機械強度に優れ、且つ表面性に優れた耐熱性ポリエステルフィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPatで参照する
Flag Counter

関連特許

東洋紡株式会社
耐熱性ポリエステルフィルム
12日前
東洋紡株式会社
透明導電性フィルム
11日前
東洋紡株式会社
二軸配向ポリプロピレン系樹脂フィルム及びそれを用いた包装体
10日前
東レ株式会社
積層体
9か月前
東レ株式会社
積層体
6か月前
東レ株式会社
積層体
9か月前
東レ株式会社
積層体
3か月前
東レ株式会社
積層体
10か月前
東レ株式会社
積層体
10か月前
東レ株式会社
フィルム
7か月前
東レ株式会社
多層成形品
11か月前
ユニチカ株式会社
積層体
2か月前
東レ株式会社
積層構造体
2か月前
東レ株式会社
積層フィルム
19日前
東レ株式会社
積層フィルム
2か月前
東レ株式会社
積層フィルム
11か月前
アイカ工業株式会社
化粧板
6か月前
アイカ工業株式会社
化粧板
7か月前
東ソー株式会社
多層フィルム
1か月前
積水樹脂株式会社
磁性シート
24日前
エスケー化研株式会社
積層体
2か月前
日本バイリーン株式会社
表面材
10か月前
ダイニック株式会社
ターポリン
8か月前
大倉工業株式会社
多層フィルム
2か月前
東ソー株式会社
蓋材用フィルム
4か月前
三菱製紙株式会社
不織布積層体
1か月前
東レ株式会社
電子機器筐体用部材
3か月前
東レ株式会社
サンドイッチ構造体
6か月前
個人
加熱調理に利用可能な鉄製品
4か月前
株式会社カネカ
ポリイミド積層体
11か月前
三洋化成工業株式会社
複層硬化膜
11か月前
株式会社カネカ
ポリイミド積層体
11か月前
東レ株式会社
電子機器筐体用部材
3か月前
株式会社カネカ
保護フィルム積層体
7か月前
菊地シート工業株式会社
遮熱シート
2か月前
株式会社エフコンサルタント
被覆方法
10か月前
続きを見る