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公開番号2025022386
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-14
出願番号2023126903
出願日2023-08-03
発明の名称光学積層体
出願人日東電工株式会社
代理人弁理士法人籾井特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20250206BHJP(光学)
要約【課題】液晶配向固化層を含み、配向基材を剥離する際の剥離不良が抑制された光学積層体を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態による光学積層体は、偏光子を含む偏光板と、偏光板に第1接着剤層を介して積層された位相差層と、位相差層に剥離可能に積層された基材と、を有し;位相差層は、偏光板側から順に、第1液晶配向固化層と、第1液晶配向固化層に第2接着剤層を介して積層された第2液晶配向固化層と、を含み;位相差層は、全体として、円偏光機能または楕円偏光機能を有し、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を有し、かつ、そのNz係数が0.30~0.70であり;基材は、第2液晶配向固化層の配向基材であり、その引張弾性率が3000N/mm2以上である。
【選択図】図1

特許請求の範囲【請求項1】
偏光子を含む偏光板と、該偏光板に第1接着剤層を介して積層された位相差層と、該位相差層に剥離可能に積層された基材と、を有し、
該位相差層が、該偏光板側から順に、第1液晶配向固化層と、該第1液晶配向固化層に第2接着剤層を介して積層された第2液晶配向固化層と、を含み、
該位相差層が、全体として、円偏光機能または楕円偏光機能を有し、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を有し、かつ、そのNz係数が0.30~0.70であり、
該基材が、第2液晶配向固化層の配向基材であり、その引張弾性率が3000N/mm

以上である、
光学積層体。
続きを表示(約 360 文字)【請求項2】
前記基材の厚みが75μm以上である、請求項1に記載の光学積層体。
【請求項3】
前記基材が単一フィルムである、請求項2に記載の光学積層体。
【請求項4】
前記基材が2層以上の積層構造を有する、請求項2に記載の光学積層体。
【請求項5】
前記偏光板が前記偏光子の両側に配置された保護層を含み、該偏光板の厚みが100μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の光学積層体。
【請求項6】
前記偏光板から前記第2液晶配向固化層までの合計厚みが110μm以下である、請求項1から4のいずれかに記載の光学積層体。
【請求項7】
前記第1接着剤層が、紫外線硬化型接着剤で構成されている、請求項1から4のいずれかに記載の光学積層体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学積層体に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置には、多くの場合、位相差フィルムを含む光学積層体(例えば、偏光板と位相差フィルムとを一体化した反射防止フィルム)が用いられている。近年、画像表示装置の薄型化への要望が強くなるに伴って、光学積層体についても薄型化の要望が強まっている。光学積層体の薄型化を目的として、厚みに対する寄与の大きい位相差層(位相差フィルム)の薄型化が進んでいる。薄型の位相差フィルムの代表例としては、液晶化合物を配向させてその配向状態を固定したフィルム(以下、液晶フィルムと称する)が挙げられる。液晶化合物は樹脂に比べて複屈折(Δn)が格段に大きいので、液晶フィルムは、所望の面内位相差を得るための厚みを樹脂フィルムの延伸フィルムに比べて格段に小さくすることができる。液晶フィルムは、代表的には、液晶化合物を含む組成物を配向基材に塗布し、塗布膜を固化または硬化させることにより形成される。形成された液晶フィルムは、偏光板に貼り合わせられ、次いで、配向基材が剥離除去される。しかし、液晶フィルムを薄型の偏光板に用いる場合には、配向基材を剥離する際に剥離不良が発生する場合がある。具体的には、配向基材を剥離する際に液晶フィルムも一緒に剥離されてしまう場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2014-222282号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、液晶配向固化層を含み、配向基材を剥離する際の剥離不良が抑制された光学積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[1]本発明の実施形態による光学積層体は、偏光子を含む偏光板と、該偏光板に第1接着剤層を介して積層された位相差層と、該位相差層に剥離可能に積層された基材と、を有し;該位相差層は、該偏光板側から順に、第1液晶配向固化層と、該第1液晶配向固化層に第2接着剤層を介して積層された第2液晶配向固化層と、を含み;該位相差層は、全体として、円偏光機能または楕円偏光機能を有し、Re(450)<Re(550)<Re(650)の関係を有し、かつ、そのNz係数が0.30~0.70であり;該基材は、第2液晶配向固化層の配向基材であり、その引張弾性率が3000N/mm

以上である。
[2]上記[1]において、上記基材の厚みは75μm以上である。
[3]上記[1]または[2]において、上記基材は単一フィルムである。
[4]上記[1]または[2]において、上記基材は2層以上の積層構造を有する。
[5]上記[1]から[4]のいずれかにおいて、上記偏光板は上記偏光子の両側に配置された保護層を含み、該偏光板の厚みは100μm以下である。
[6]上記[1]から[5]のいずれかにおいて、上記偏光板から上記第2液晶配向固化層までの合計厚みは110μm以下である。
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、上記第1接着剤層は、紫外線硬化型接着剤で構成されている。
【発明の効果】
【0006】
本発明の実施形態によれば、液晶配向固化層を含み、配向基材を剥離する際の剥離不良が抑制された光学積層体を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の代表的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
【0009】
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの面内位相差である。Re(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Re=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定したフィルムの厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、フィルムの厚みをd(nm)としたとき、式:Rth=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、特に明記しない限り、当該角度は時計回りおよび反時計回りの両方の方向の角度を包含する。
【0010】
A.光学積層体
図1は、本発明の1つの実施形態による光学積層体の概略断面図である。図示例の光学積層体100は、偏光板10と、偏光板10に第1接着剤層30を介して積層された位相差層20と、位相差層20に剥離可能に積層された基材40と、を有する。偏光板10は、代表的には、偏光子11と、偏光子11の両側に配置された保護層12、13とを含む。目的に応じて、保護層12、13の少なくとも一方は省略されてもよい。したがって、偏光板は、いわゆる両保護偏光板であってもよく、いわゆる片保護偏光板であってもよく、偏光子単独で構成されていてもよい。偏光板は好ましくは両保護偏光板であり、かつ、偏光板の厚みは、例えば110μm以下であり、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは15μm~100μmである。偏光板を両保護構成とし、かつ、その厚みを特定値以下とすることにより、本発明の実施形態による効果が顕著なものとなり得る。
(【0011】以降は省略されています)

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