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公開番号2025003587
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-09
出願番号2024186467,2021536941
出願日2024-10-23,2020-07-17
発明の名称熱収縮性ポリエステル系フィルム
出願人東洋紡株式会社
代理人
主分類C08J 5/18 20060101AFI20241226BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】 主収縮方向に高い熱収縮率を有した上で、収縮応力が低く、かつ経時による引張破断伸度の低下が起こりにくい熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供すること.
【解決手段】 下記要件(1)~(6)を満たし、主収縮方向が幅方向であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)98℃の温湯中にフィルムを10秒間浸漬させた時の収縮率(温湯収縮率)がフィルム主収縮方向で40%以上であること
(2)フィルムの面配向係数が0.035以上0.070以下であること
(3)エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、ジエチレングリコール(DEG)成分の量が、フィルムを構成する全ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分100mol%のうち6mol%以上25mol以下で、多価アルコール成分100モル%のうち、エチレングリコール、及びジエチレングリコール以外の多価アルコール成分の含有率が0mol%以上15mol%以下であること
(4)90℃熱風中で測定したフィルムの主収縮方向の最大収縮応力が2MPa以上17MPa以下であること
(5)雰囲気温度40℃、相対湿度85%の雰囲気下でフィルムを28日間経時させた後の、主収縮方向と直交する方向の引張破断伸度が20%以上であること
(6)70℃の温湯中にフィルムを10秒間浸漬させた時の収縮率(温湯収縮率)がフィルム主収縮方向で10%以上であること
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
下記要件(1)~(6)を満たし、主収縮方向が幅方向であることを特徴とする熱収縮性ポリエステル系フィルム。
(1)98℃の温湯中にフィルムを10秒間浸漬させた時の収縮率(温湯収縮率)がフィルム主収縮方向で40%以上であること
(2)フィルムの面配向係数が0.035以上0.070以下であること
(3)エチレンテレフタレートを主たる構成成分とし、ジエチレングリコール(DEG)成分の量が、フィルムを構成する全ポリエステル樹脂中の多価アルコール成分100mol%のうち6mol%以上25mol以下で、多価アルコール成分100モル%のうち、エチレングリコール、及びジエチレングリコール以外の多価アルコール成分の含有率が0mol%以上15mol%以下であること
(4)90℃熱風中で測定したフィルムの主収縮方向の最大収縮応力が2MPa以上17MPa以下であること
(5)雰囲気温度40℃、相対湿度85%の雰囲気下でフィルムを28日間経時させた後の、主収縮方向と直交する方向の引張破断伸度が20%以上であること
(6)70℃の温湯中にフィルムを10秒間浸漬させた時の収縮率(温湯収縮率)がフィルム主収縮方向で10%以上であること
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
雰囲気温度40℃、相対湿度85%の雰囲気下でフィルムを28日間経時させた後の、主収縮方向と直交する方向の引張破断伸度が100%以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項3】
雰囲気温度30℃、相対湿度85%の雰囲気下でフィルムを28日間経時させた後に、70℃の温湯中にフィルムを10秒浸漬させたときの主収縮方向の収縮率と、経時前の収縮率の差が5%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項4】
溶剤接着強度が4N/15mm幅以上15N/15mm幅以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項5】
雰囲気温度40℃、相対湿度85%の雰囲気下でフィルムを28日間経時させた後の、主収縮方向の自然収縮率が1.0%未満であることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項6】
フィルムの極限粘度が0.60dl/g以上0.75dl/g以下であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項7】
一軸延伸フィルムであることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の熱収縮性ポリエステル系フィルムから得られたラベル。
【請求項9】
請求項8に記載のラベルで、包装対象物の少なくとも外周の一部を被覆して熱収縮させて形成されることを特徴とする包装体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性ポリエステル系フィルムに関するものであり、詳しくはフィルム製膜後に長期保管した後も、フィルムの引張伸度低下がないために印刷や製袋などの加工工程において破断が生じにくく、経時での収縮率の低下がなく、飲料ボトル用のラベルや、コンビニ弁当の外包装用途などに好適に使用されるポリエステル系熱収縮性フィルムに関するものである。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ガラス瓶やPETボトル等の保護と商品の表示を兼ねたラベル包装、キャップシール、集積包装等の用途に、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等からなる延伸フィルム(所謂、熱収縮性フィルム)が広範に使用されるようになってきている。そのような熱収縮性フィルムの内、ポリ塩化ビニル系フィルムは、耐熱性が低い上に、焼却時に塩化水素ガスを発生したり、ダイオキシンの原因となる等の問題がある。また、ポリスチレン系フィルムは、耐溶剤性に劣り、印刷の際に特殊な組成のインキを使用しなければならない上、高温で焼却する必要があり、焼却時に異臭を伴って多量の黒煙が発生するという問題がある。それゆえ、耐熱性が高く、焼却が容易であり、耐溶剤性に優れたポリエステル系の熱収縮性フィルムが、収縮ラベルとして広汎に利用されるようになってきており、PET容器の流通量の増大に伴って、使用量が増加している傾向にある。
【0003】
通常の熱収縮性ポリエステル系フィルムは、幅方向に大きく収縮するものが広く利用されている。そのフィルムはテンター延伸法等によって延伸され、広幅のマスターロールを作製し、その後マスターロールを任意の幅でスリットしながら任意の巻長のロール状に巻取りフィルムロール製品とする。そのフィルムに意匠性を持たせたり、商品の表示の目的で、ロール形態で印刷工程に掛けられる。印刷後は、必要な幅に再度スリットしロール状に巻き取られた後、溶剤接着によるセンターシール工程を経てチューブ状に製袋され、ロール状に巻き取られる(ラベルのロールになる)。
【0004】
チューブ状に製袋され巻き取られたラベルは、ロールから巻き出しながら必要な長さにカットされ、環状にラベルになる。環状ラベルは手かぶせ等の方法で、被包装物に装着され、スチームトンネルもしくは熱風トンネル等を通過して収縮させてラベルとなる。
【0005】
熱収縮性ポリエステル系フィルムは、その収縮特性においてはさらなる改良が求められている。収縮時の収縮応力が高すぎると、収縮により上記チューブの接着部に剥がれが生じて、外観が著しく悪化するだけでなく、被包装物を保護する機能まで損なわれる場合がある。また、近年、ゴミの減量化を目的に、コンビニやスーパーで販売されている弁当や惣菜の容器は厚みが薄い容器が使用されているが、厚みの薄い容器に収縮ラベルを用いると、収縮応力が高い場合に、容器が変形する等のトラブルが生じる。収縮応力は、高すぎず、また、被包装物を密着保護するために低すぎないことが重要である。
【0006】
ラベルの収縮応力の高さを改善する方法は、過去にいくつか報告されている。特許文献1には、多価アルコール成分として、ジエチレングリコール由来の構成ユニットを含有し
、収縮応力を低減している。しかしながら、特許文献1に記されている幅方向に一軸のみ延伸したフィルムは、製膜後に長期保管した場合に、フィルム長手方向の引張伸度が著しく低下する問題がある。また、ジエチレングリコール由来の構成ユニットを含有することによりポリエステルの加水分解が進行しやすくなることが知られており、加水分解による分子量低下も引張伸度の低下を招く原因となる。
【0007】
上記のフィルムは、製膜してロール状に巻き取られた後、すぐさま印刷等の後工程に掛けられるわけではなく、通常常温で保管や運搬の取扱いをされるが、場合によっては半年以上の長期間を経て印刷工程に掛けられることもある。収縮フィルムはこの長期保管中に、フィルムの引張伸度が低下すると、後工程において長手方向に張力がかかった際に破断しやすくなり工程トラブルを引き起こし、伸度低下が著しい場合は加工が不可能となり問題である。
【0008】
この長期保管(経時)での引張伸度の低下を改善する方法として、フィルム幅方向だけでなく長手方向にも延伸する二軸延伸とする方法があるが、必然的に設備が長大となり好ましくない。また、フィルムを構成するポリエステルの極限粘度を高めることにより伸度を維持することも可能であるが、極限粘度で改善できる範囲はわずかであり、また極限粘度を高めるためにはポリエステルの重合度を高めるために重合時間が長くなるためコストがかかる上に、溶融押出の際に濾圧上昇が大きくなり高精度濾過が困難となり好ましくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
国際公開WO2018/147249号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、主収縮方向に高い熱収縮率を有した上で、収縮応力が低く、かつ経時による引張破断伸度の低下が起こりにくい熱収縮性ポリエステル系フィルムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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