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公開番号2025016606
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-04
出願番号2024189529,2023014793
出願日2024-10-29,2015-09-15
発明の名称抗NKG2A抗体を使用した治療計画
出願人イナート・ファルマ・ソシエテ・アノニム,INNATE PHARMA PHARMA S.A.
代理人個人,個人,個人
主分類C07K 16/30 20060101AFI20250128BHJP(有機化学)
要約【課題】ヒトNKG2Aに特異的に結合し、それを阻害する抗体を提供する。
【解決手段】細胞表面にHLA-Eを発現する癌細胞を含む癌を有する個体の治療に使用される、NKG2Aに結合し、かつその阻害活性を中和する抗NKG2A抗体であって、前記抗NKG2A抗体は、特定のアミノ酸配列を含む重鎖および特定のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、前記治療が、前記個体に前記抗NKG2A抗体を少なくとも1回の投与サイクルの間、投与することを含み、治療サイクル全体を通じて前記抗NKG2A抗体が、前記抗NKG2A抗体の2回の相継ぐ投与間で少なくとも100μg/mLの抗NKG2A抗体の持続血中濃度を維持するために少なくとも2回、その維持に有効な量で投与される、抗NKG2A抗体が提供される。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
細胞表面にHLA-Eを発現する癌細胞を含む癌を有する個体の治療に使用される、NKG2Aに結合し、かつその阻害活性を中和する抗NKG2A抗体であって、前記抗NKG2A抗体は、配列番号2、4~6のいずれかのアミノ酸配列を含む重鎖および配列番号7のアミノ酸配列を含む軽鎖を含み、前記治療が、前記個体に前記抗NKG2A抗体を少なくとも1回の投与サイクルの間、投与することを含み、治療サイクル全体を通じて前記抗NKG2A抗体が、前記抗NKG2A抗体の2回の相継ぐ投与間で少なくとも100μg/mLの抗NKG2A抗体の持続血中濃度を維持するために少なくとも2回、その維持に有効な量で投与される、抗NKG2A抗体。
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
前記抗NKG2A抗体が、前記抗NKG2A抗体の投与後、少なくとも1週間にわたって、少なくとも約100μg/mLの前記抗NKG2A抗体の持続血中濃度をもたらすのに有効な量で投与される、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項3】
前記抗NKG2A抗体が、1ヶ月当たり2回投与される、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項4】
前記抗NKG2A抗体が、静脈内に1ヶ月当たり2回投与され、かつ投与される前記抗NKG2A抗体の量が、体重1kg当たり6~10mgである、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項5】
前記治療が、負荷期間とその後に続く維持期間とを含み、前記負荷期間において前記抗NKG2A抗体が、前記抗NKG2A抗体の次の相継ぐ投与まで少なくとも100μg/mLの血中濃度を維持するのに有効な初期用量で少なくとも1回投与され、前記維持期間において前記抗NKG2A抗体が、前記抗NKG2A抗体の相継ぐ投与間で少なくとも100μg/mLの前記抗NKG2A抗体の持続血中濃度を維持するのに有効な第二の用量および頻度で少なくとも2回投与される、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項6】
前記抗NKG2A抗体が、静脈内に投与され、かつ前記負荷期間が、前記抗NKG2A抗体を体重1kg当たり8~10mgの用量で1回投与することを含み、かつ前記維持期間が、前記抗NKG2抗体を体重1kg当たり2~6mgの用量で約2週間の間隔で少なくとも2回投与することを含む、請求項5に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項7】
前記個体が、白血病、急性リンパ性白血病、慢性リンパ性白血病、急性リンパ芽球性白血病、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、有毛細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病、前骨髄球性白血病および骨髄異形成症候群からなる群から選択される血液癌を有する、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項8】
前記個体が充実性腫瘍を有する、請求項1に記載の抗NKG2A抗体。
【請求項9】
前記個体が頭部および頸部扁平上皮癌(HNSCC)を有する、請求項8に記載の抗体。
【請求項10】
前記抗NKG2A抗体が、ヒトIgG4定常領域を含み、またはヒトFcγ受容体との結合を減少させるアミノ酸修飾を含むFcを遺伝子的に操作された定常領域を含む、請求項1に記載の抗体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年9月16日出願の米国仮特許出願第62/050,948号明細書、2014年10月23日出願の米国仮特許出願第62/067,642号明細書、2014年11月25日出願の米国仮特許出願第62/083,929号明細書、2014年12月17日出願の米国仮特許出願第62/093,141号明細書、および2014年12月17日出願の米国仮特許出願第62/093,124号明細書に関する特典を請求し、これらのすべては図面を含めたそれらの全体が参照により本明細書中に援用される。
続きを表示(約 2,900 文字)【0002】
配列表の参照
本出願は、電子形式の配列表とともに出願される。配列表は、2015年9月15日に作成され、サイズ26KBの「NKG2A-ST25」という名称のファイルとして提供される。この配列表の電子形式の情報は、その全体が参照により本明細書中に援用される。
【0003】
本発明は、治療、とりわけ癌の治療のための抗NKG2A抗体の使用法に関する。
【背景技術】
【0004】
NK細胞の活性は、活性化シグナルと阻害シグナルの両方と関係する複雑なメカニズムによって調節される。NK細胞が仲介するHLAクラスI欠失標的細胞の認識および致死において重要な役割を演じる幾つかの異なるNK特異的受容体が同定されている。天然の細胞障害性受容体(NCR)とは、NK細胞中で特異的に発現する活性化受容体タンパク質のクラスおよびそれらを発現させる遺伝子を指す。NCRの例には、NKp30、NKp44、およびNKp46が挙げられる(例えば、(非特許文献1)、(非特許文献2)、(非特許文献3)、(非特許文献4)、(非特許文献5)、(非特許文献6)を参照されたい。これらの全開示内容は参照により本明細書中で援用される)。これらの受容体はIgスーパーファミリーのメンバーであり、特異的mAbsによって誘導されるそれらの架橋は、高い細胞内Ca
++
レベル、細胞障害の誘発、およびリンホカインの放出をもたらす強いNK細胞活性化と、多くの型の標的細胞に対するNK細胞毒性の活性化とを引き起こす。
【0005】
CD94/NKG2Aは、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)、ナチュラルキラーT細胞(NKT細胞)、およびT細胞(α/βおよびγ/δ)のサブセット上で見出される障害性受容体である。CD94/NKG2Aは、CD94/NKG2AのリガンドであるHLA-Eを発現させる細胞に向けての上記リンパ球のサイトカインの放出および細胞障害応答を制限する(例えば、(特許文献1)参照)。またHLA-Eは、幾種類かの腫瘍細胞((非特許文献7))によって、また活性化された内皮細胞((非特許文献8))によって可溶な形態で分泌することが分かっている。CD94/NKG2Aのシグナル伝達(ウィルス感染細胞に対するCD94/NKG2A陽性NK細胞の応答の感応などの)を阻害する抗体は、HLA-E陽性の標的細胞に向けてのリンパ球のサイトカイン放出および細胞溶解活性を増すことができる。したがってCD94/NKG2Aを阻害するが、CD94/NKG2A発現細胞の致死を引き起こさない治療用抗体(すなわち非枯渇性抗体)は、癌患者における腫瘍成長の制御を誘導することができる。これに加えて自己免疫性または炎症性疾患の治療用の抗NKG2A抗体もまた、提案されている(例えば(特許文献2)、(特許文献3)参照)。
【0006】
当技術分野ではNKG2Aに対する様々な抗体が開示されている。(特許文献3)および(特許文献4)((特許文献5)もまた参照されたい)は、抗NKG2A抗体Z270について述べており、一方、(特許文献6)は、ヒト化抗NKG2A抗体Z199について述べている。(非特許文献9)は、ラットの抗マウスNKG2抗体20D5(BD Biosciences Pharmingen、カタログ番号550518、米国)によって現在市販されている)に言及しており、また(特許文献2)はマウス抗体3S9について述べている。抗体Z270は、活性化受容体NKG2CおよびNKG2Eを中和することなく障害性受容体NKG2Aに結合し、中和する。抗体Z199、20D5、および3S9はすべて、NKG2Aに加えて活性化NKG2ファミリーのメンバーであるNKG2CおよびNKG2Eに結合する。抗体Z270は、HLA-EのNKG2Aとの結合を遮断し、一方、抗体Z199は、NKG2AのHLA-Eとの結合を妨げることなくNKG2Aを中和する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
国際公開第99/28748号パンフレット
米国特許出願公開第20030095965号明細書
国際公開第2006070286号パンフレット
米国特許第8,206,709号明細書
国際公開2008/009545号パンフレット
国際公開第2009/092805号パンフレット
【非特許文献】
【0008】
Lanier(2001)Nat Immunol 2:23~27
Pende et al.(1999)J Exp Med.190:1505~1516
Cantoni et al.(1999)J Exp Med.189:787~796
Sivori et al.(1997)J.Exp.Med.186:1129~1136
Pessino et al.(1998)J Exp Med.188(5):953~60
Mandelboim et al.(2001)Nature 409:1055~1060
Derre et al.,J Immunol 2006;177:3100~7)
Coupel et al.,Blood 2007;109:2806~14
Vance et al.,J Exp Med 1999;190:1801~12)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明者らは、リンパ球上のNKG2A受容体を完全に占拠する抗NKG2A抗体の用量および濃度が、in vivoのHLA-E発現標的細胞の存在下ではNKG2A受容体の最大限の中和を生じないことを発見した。具体的には、NKG2A

リンパ球を使用した結合アッセイにおいてNKG2A受容体を完全に占拠するには、HLA-E発現標的細胞の存在下でのNK細胞上のNKG2A受容体の完全な中和に必要な抗NKG2A抗体の濃度は、観察される濃度の100倍である。同時に、抗NKG2Aの抗腫瘍効果は、腫瘍細胞上でのHLA-Eのより高い発現に応じて増加することが分かる。
【0010】
本明細書中で示すNKG2A+NKおよびCD8+Tリンパ球は、循環血液中だけでなく腫瘍環境内にも存在し、さらにNKG2A+CD8 T細胞は、腫瘍所属リンパ節(tumor draining lymph nodes)および脾臓中のCD8+T細胞と比較して腫瘍浸潤サブセット内では著しく高い頻度で見出すことができる。したがって本発明の治療計画はさらに、抗NKG2A抗体を使用して腫瘍環境内のリンパ球を調節することによる充実性腫瘍を治療するための有利な方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)

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