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公開番号2025016586
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-04
出願番号2024188836,2022161633
出願日2024-10-28,2015-08-06
発明の名称25-ヒドロキシビタミンDを用いる補助的療法
出願人オプコ アイルランド グローバル ホールディングス リミテッド
代理人個人,個人,個人,個人
主分類A61K 31/59 20060101AFI20250128BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】癌患者及び低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者に対する、新たなビタミンD補給手法の提供。
【解決手段】25-ヒドロキシビタミンDを用いる補助的療法のための方法、組成物、及びキットを開示する。25-ヒドロキシビタミンDは、低カルシウム血症のリスクを高める薬剤及び/又は抗癌薬と共に投与可能である。補助的療法は、医原性低カルシウム血症及び/又は続発性副甲状腺機能亢進症を治療及び予防するのみならず、癌の進行及び治療後骨関連事象までの時間を遅らせるのに有効である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
患者の治療方法における使用のための25-ヒドロキシビタミンDを含む組成物であって、前記方法が下記:
i. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の医原性低カルシウム血症及び続発性副甲状腺機能亢進症の治療又は予防方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法;又は
ii. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨ミネラル密度を上昇させる方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法;又は
iii. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨吸収マーカーの血中レベルを低下させる方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法;又は
iv. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨痛の治療方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法;又は
v. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の治療後最初の骨関連事象までの時間を増加させる方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法;又は
vi. 低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者を治療する方法であって、前記患者に有効量の前記25-ヒドロキシビタミンDを投与して、効果的かつ安全に血中25-ヒドロキシビタミンDレベルを少なくとも30ng/mLまで回復させ、該最適レベルで血中25-ヒドロキシビタミンDレベルを維持することを含む、前記方法
である、前記組成物。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の医原性低カルシウム血症及び続発性副甲状腺機能亢進症の治療方法であって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨ミネラル密度を上昇させる方法であって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法。
【請求項4】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨吸収マーカーの血中レベルを低下させる方法あって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法。
【請求項5】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の骨痛を治療する方法であって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法。
【請求項6】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者の治療後最初の骨関連事象までの時間を増加させる方法であって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与することを含む、前記方法。
【請求項7】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された患者を治療する方法であって、前記患者に有効量の25-ヒドロキシビタミンDを投与して、効果的かつ安全に血中25-ヒドロキシビタミンDレベルを少なくとも30ng/mLまで回復させ、該最適レベルで血中25-ヒドロキシビタミンDレベルを維持することを含む、前記方法。
【請求項8】
低カルシウム血症のリスクを高める薬剤で治療された前記患者が、低カルシウム血症のリスクを高める薬剤による治療を受けているか又は受けたことがある、請求項1~7のいずれか1項に記載の使用のための組成物又は方法。
【請求項9】
前記低カルシウム血症のリスクを高める薬剤が、骨吸収抑制薬、抗痙攣薬、コルチコステロイド、抗高カルシウム血症薬、抗菌薬、及びその組合せから成る群より選択される、請求項1~8のいずれか1項に記載の使用のための組成物又は方法。
【請求項10】
前記低カルシウム血症のリスクを高める薬剤が抗高カルシウム血症薬、場合により抗高カルシウム血症薬シナカルセトである、請求項1~9のいずれか1項に記載の使用のための組成物又は方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願によって、2014年8月7日に出願された米国仮特許出願第62/034,604号の米国特許法第119条(e)に基づく利益を主張し、その開示内容は、参照することにより本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 6,900 文字)【背景技術】
【0002】
背景
25-ヒドロキシビタミンD
2
及び25-ヒドロキシビタミンD
3
(「25-ヒドロキシビタミンD」と総称される)として知られるビタミンD代謝物は、血流中の十分なレベルのビタミンDホルモン、カルシウム及びリンの維持に寄与するビタミンDプロホルモンである。主に肝臓にある1種以上の酵素によって、プロホルモン25-ヒドロキシビタミンD
2
はビタミンD
2
(エルゴカルシフェロール)から産生され、25-ヒドロキシビタミンD
3
(カルシフェジオール)はビタミンD
3
(コレカルシフェロール)から産生される。これらの2種のプロホルモンは、肝臓に見られる酵素と同一又は同様の酵素を含有する腸細胞等の特定細胞内でビタミンD
2
及びビタミンD
3
(「ビタミンD」と総称される)から肝臓の外部で産生されることもある。
ビタミンDプロホルモンは、腎臓内で1α-ヒドロキシラーゼ酵素CYP27B1によってさらに代謝されて強力なホルモンになる。プロホルモン25-ヒドロキシビタミンD
2
は代謝されて、1α,25-ジヒドロキシビタミンD
2
(エルカルシトリオール)として知られるホルモンになり;同様に、25-ヒドロキシビタミンD
3
は代謝されて1α,25-ジヒドロキシビタミンD
3
(カルシトリオール)になる。これらのホルモンのプロホルモンからの産生は、腎臓外で、所要の酵素を含有する細胞内で起こることもあり得る。
【0003】
ビタミンDホルモンは、細胞内ビタミンD受容体(VDR)によって媒介されるヒトの健康に必要不可欠の役割を果たす。ビタミンDホルモンは、細胞の分化と成長、副甲状腺による副甲状腺ホルモン(PTH)分泌、並びに正常な骨の形成及び代謝の調節に関与する。特に、ビタミンDホルモンは、小腸による食事性カルシウム及びリンの吸収並びに腎臓によるカルシウムの再吸収を制御することによって血中カルシウムレベルを調節する。正常な状態下では、腸管のカルシウム吸収を刺激することに対するビタミンDの作用が優勢であり、その結果、食事性カルシウムが血清カルシウムの主要源である。しかしながら食事性カルシウム又はビタミンDが不十分な場合、副甲状腺はPTHの分泌を増やして骨からのカルシウムの動員を促して血清カルシウムレベルを維持する。過剰なホルモンレベルは、一時的であろうと持続的であろうと、異常に高い尿中カルシウム(高カルシウム尿症)、血中カルシウム(高カルシウム血症)及び血中リン(高リン血症)につながる恐れがある。不十分なホルモンレベルは、異常に低い血中カルシウムレベル(低カルシウム血症)という反対の症候群をもたらすことがある。ビタミンDホルモンは、筋骨格系、免疫系及びレニン・アンジオテンシン系が正常に機能するためにも必要である。ほぼ全てのヒト組織において実証された細胞内VDRの存在に基づいて、ビタミンDホルモンの多数の他の役割が想定又は解明されている。
【0004】
治療せずに放置すると、不十分なビタミンD供給は、くる病及び骨軟化症を含めた重症の骨障害を引き起こす恐れがあり、かつ骨粗鬆症、脊椎及び股関節の非外傷性骨折、肥満症、糖尿病、筋力低下、免疫不全、高血圧症、乾癬、及び種々の癌を含めた多くの他の障害の発症の一因となり得る。
全米科学アカデミーの医学研究所(IOM)は、健康な個体にとってビタミンDの適正摂取量(Adequate Intake)(AI)は、個体の年齢と性別に応じて、1日200~600IUの範囲であると結論づけた(食事摂取基準の科学的評価に関する常設委員会:Dietary reference intakes: calcium, phosphorus, magnesium, vitamin D, and fluoride. Washington, DC: National Academy Press (1997)、この内容は参照することにより援用される)。ビタミンDに関するAIは主に、ビタミンD欠乏性くる病又は骨軟化症を予防するのに十分な血清25-ヒドロキシビタミンDレベル(又は11ng/mL以上)に基づいて定義された。またIOMは、より高い用量は高カルシウム尿症、高カルシウム血症並びに心不整脈、発作、並びに全身血管及び他の軟組織石灰化を含めた関連続発症のリスク上昇を伴うという証拠に基づいて、ビタミンDに関する許容上限摂取量(Tolerable Upper Intake Level)(UL)を1日2,000IUと確立した。
現在入手可能経口ビタミンDサプリメントは、最適の血中25-ヒドロキシビタミンDレベルを達成及び維持するための理想から懸け離れている。これらの調製品は典型的に400IU~5,000IUのビタミンD
3
又は50,000IUのビタミンD
2
を含有し、胃腸管内での急速又は即時放出用に処方されている。ビタミンD充足によく必要とされるように、慢性的に高用量で投与されるときには、これらの製品は非常に、場合によっては厳しく制限される。
【0005】
ビタミンDのシグナル伝達及び代謝の異常は種々多様の腫瘍に存在し(Krishnan et al., (2012). Rheum Dis Clin North Am 38, 161-178)、CYP24の発現増加に起因すると考えられている(Luo et al., (2013) J Steroid Biochem Mol Biol 136, 252-257)。癌患者は一般的にビタミンD不足を示すので、骨カルシウムストアからのカルシウムの再吸収は血中カルシウムレベルの正規化において主要な役割を果たす。癌のタイプにかかわらず、25-ヒドロキシビタミンDの低い血清レベル及びVDR活性化の低下は転移増加と関連している。癌による死亡は一般的に転移の結果である。特定タイプの癌では、特に乳癌及び前立腺癌では、死亡時の腫瘍負荷の大部分が骨にある。骨代謝及び結果としての罹患率に及ぼす転移の影響は相当であり、原発腫瘍の起源に応じて、本質的に溶骨性(例えば、乳癌、骨髄腫)又は造骨性(例えば、前立腺癌)である。しかしながら、骨形成及び骨吸収は連関するので、「溶骨性」及び「造骨性」分類は転移と関連する骨代謝の正味のバランスに対応する。腫瘍から放出されるいくつかの因子は、副甲状腺ホルモン関連ペプチド(PTHrP)、トランスフォーミング成長因子-β(TGF-β)、インスリン様成長因子(IGF)、骨形成因子(BMP)及び血小板由来成長因子(PDGF)を含め、骨代謝の正味のバランスに影響を及ぼし得る。
【0006】
PTHrPは、乳癌細胞等の特定タイプの癌細胞によって産生され、NFκB活性化受容体リガンド(RANKL)(ligand for the receptor activator of NFκB)の産生を刺激することによって正味の骨吸収を誘発し得る(Rabbani, S.A. (2000). Int J Oncol 16, 197-206.; Soyfoo et al. (2013). Support Care Cancer 21, 1415-1419)。PTHのように、PTHrPは、ビタミンDシグナル伝達経路を活性化することによって調節され得る(Bhatia et al. (2009). Mol Cancer Ther 8, 1787-1798; El Abdaimi et al. (1999). Cancer Res 59, 3325-3328.)。結果として、ビタミンD及び関連類似体の使用は、乳癌及び前立腺癌におけるPTHrPの過剰発現に起因する過剰な高カルシウム血症の制御に役立つと提唱されている(Richard et al. (2005) Crit Rev Eukaryot Gene Expr 15, 115-132.)。癌患者における高カルシウム血症例の大部分は、PTHrPの産生に関係があると考えられる(Motellon et al. (2000) Clin Chim Acta 290, 189-197.)。一部の例では、悪性腫瘍の高カルシウム血症がビタミンD又はカルシフェジオールの使用に付随したことがあり、これはPTHrP発現上昇に関係がある。PTHのように、PTHrP発現は、カルシフェジオールの活性化に関与する腎臓酵素であるCYP27B1の発現を増やす可能性がある。従ってビタミンD不足でPTHrPが正常レベルより高い癌患者は、高レベルの非占有CYP27B1を発現する可能性があり;カルシフェジオールの突然のボーラスは1,25-ジヒドロキシビタミンDの急上昇を引き起こすことがあり、高カルシウム血症性エピソード(Motellon et al 2000, supra; Sato et al. (1993). Intern Med 32, 886-890.)及びCYP24のさらなる上方制御をもたらす可能性がある。これらの高カルシウム血症性エピソードは、RANKLのPTHrP刺激によって引き起こされるものとは対照的に、Caの腸管吸収率増加に起因する。
【0007】
腫瘍転移の進行と骨代謝との間の関係は、かなりの程度まで骨内の腫瘍微小環境によって決まる。前立腺癌等の特定タイプの癌においては、TGF-β、IGF、PDGF及びBMPによって骨形成が刺激される可能性があり、これらの因子は骨微小環境の確立に重要な役割を果たす。これらの患者は、血液中の血清カルシウムレベルの低下である低カルシウム血症を患うことがある。重症な低カルシウム血症は「飢餓骨」症候群と呼ばれることがある。従って、骨の健康状態は、骨の腫瘍細胞浸潤、血管新生反応、及び腫瘍細胞増殖、並びに骨細胞前駆体の骨芽細胞及び破骨細胞への分化を含めた転移プロセスの進行の重要な決定要因であり得る。ビタミンD状態がこれらの各パラメーターに影響を与え得るという証拠があり、ビタミンDの妥当性は骨転移の進行を最小限にするために必要不可欠であり得ることを示唆している。多くの臨床研究が種々の癌の治療のためにビタミンDレベルを高めようと試みてきたが、現在利用可能な療法は、25-ヒドロキシビタミンDが腫瘍の成長及び転移又は関連病的状態に与える影響を確立するのに十分に高く25-ヒドロキシビタミンDレベルを安全には上昇させない。
骨吸収は、原発腫瘍型とは関係なく骨転移の共通の病態生理であるので、患者は典型的に、骨の破骨細胞を標的にしてそれらの溶骨活性を低下させることによって骨吸収を抑制する骨吸収抑制薬で治療される。骨温存薬としても知られる骨吸収抑制薬は、骨吸収の癌関連増加の影響を少なくする。骨吸収抑制薬は、骨関連事象(SRE)を予防するか又は遅延させることができる。SREは、病的骨折、骨への放射線照射又は外科術、及び脊髄圧迫と定義され、SREは予後不良及び生活の質に関連するので、骨吸収抑制薬の臨床効果を評価するために用いられる。骨吸収抑制薬は骨減少を遅らせることができるので、それらは骨粗鬆症その他の骨障害の患者にも処方される。骨吸収抑制薬の例としては、ビスホスホナート、例えばゾレドロン酸、選択的エストロゲン受容体修飾薬(SERM)、カルシトニン、エストロゲン、及びモノクローナル抗体、例えばデノスマブが挙げられる。骨吸収抑制薬による治療は、PTH刺激骨吸収効率をも低下させるので、患者は血清カルシウムレベルを維持するためにカルシウムの腸管吸収に依存しなければならない。
【0008】
骨吸収抑制薬の最も重要かつ即時の副作用は低カルシウム血症である。低カルシウム血症のリスクを高め得る他の治療薬としては、抗痙攣薬、コルチコステロイド、抗高カルシウム血症薬、抗菌薬、及びその組合せが挙げられる。血清カルシウムは、体内における神経及び筋肉の正常な機能にとって重要であり、健康対象では血清カルシウムレベルは狭い制限範囲内に厳しく調節される。低カルシウム血症は、罹患及び死亡の重要な原因になり得る。血清カルシウムレベルが正常の下限未満まで低下した重症な低カルシウム血症は、筋強縮及び心停止を含めた致命的結果をもたらし得る。このような医原性としても知られる治療誘発低カルシウム血症は、重症であり、死に至ることさえあり得るので、制御しなければならない。
骨吸収抑制薬デノスマブの投与後、低カルシウム血症は、骨吸収性破骨細胞の活性と数に対するデノスマブの抑制効果に直接起因すると考えられる。臨床研究により、デノスマブ治療の開始後1日ですぐに血中のカルシウムレベルが低下すると示唆されている。同様に、骨吸収抑制薬ゾレドロン酸で治療した骨転移を有する患者の最近の研究では、39%の患者が低カルシウム血症を発症した(Zuradelli et al., (2009) Oncologist 14, 548-556)。低カルシウム血症は、ゾレドロン酸又はデノスマブによる治療の中断につながる最も一般的な有害反応の1つである。
【0009】
従ってビタミンD補給は、骨吸収抑制薬治療中の患者に推奨される。デノスマブに関する公表された反復用量臨床研究における治療プロトコルは、低カルシウム血症を予防するため、一様にデノスマブ治療対象に毎日カルシウムのサプリメント(0.5~1.0g以上)及び少なくとも400~800IUのビタミンD(コレカルシフェロール及び/又はエルゴカルシフェロール)を受けることを求めてきた。デノスマブ治療対象のカルシウム及びビタミンD補給に関する推奨は、デノスマブに関するFDAが承認した標識に含められている。しかしながら、現在入手可能な経口ビタミンDサプリメントは、25-ヒドロキシビタミンD又は1,25-ジヒドロキシビタミンDの血清レベルを望ましいレベルに上昇させて維持するためには最適でない。デノスマブ治療対象の低カルシウム血症を完全に緩和するときの現在入手可能なビタミンDサプリメントの欠点がカナダ保健省の最近の勧告によって強調されており、この勧告は、致命的であるいくつかの症例を含めて1~2%の推定率でデノスマブ治療対象において重篤な症候性低カルシウム血症の市販後症例が生じたことを指摘した。
【0010】
低カルシウム血症のリスクを高める骨吸収抑制薬及び他の薬剤の別の副作用は、続発性副甲状腺機能亢進症(SHPT)である。血清カルシウムの減少はPTHの産生増加という結果になり得る。PTHレベル上昇は、骨吸収抑制薬による治療を受けている患者に共通しており、ビタミンD要求の増加を示している。血中カルシウムの調節は、食事性カルシウムの腸管吸収及び腎臓によるカルシウムの再吸収を刺激するカルシトリオールの十分な産生を必要とする。PTH上昇に呼応してカルシトリオールも骨からカルシウムを動員する。十分なカルシトリオール産生は、前駆体カルシフェジオールの十分な供給を必要とし、不十分なカルシトリオール産生の最初の兆候は血漿PTHの増加である。PTHは、腎臓内のCYP27B1の発現を刺激し、それによって、カルシフェジオールのカルシトリオールへの変換を増やす。血清カルシトリオールレベルが適切なレベルに回復されると、PTH分泌は減少する。カルシフェジオール供給不足の場合(すなわち、ビタミンD不足)のように、血清カルシトリオールレベルを是正できなければ、血漿PTHは上昇したままであり、骨からカルシウムを動員し続けることになる。最近の研究(Berruti et al. (2012) Oncologist 17, 645-652)により、骨への前立腺癌転移を有し、かつゾレドロン酸を受けている対象は、プラセボを受けている患者の17%に比べて82%~90%がPTH上昇を示すことが報告された。PTH上昇は、生存期間と負の関係がある。骨吸収抑制薬治療中の患者においてビタミンD及びカルシウムによる補給にもかかわらずSHPTの有病率及び持続は、この患者集団に対して適切な補給レジメンが未だに明確に定義されておらず、軽度の低カルシウム血症及び/又はSHPTによってさえ骨吸収抑制薬の有効性が制限され得ることを示唆している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
(【0011】以降は省略されています)

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