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公開番号2025015424
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2024079891
出願日2024-05-16
発明の名称フルオロジヨードアルカン類およびジビニルパーフルオロアルカン類の製造方法
出願人東ソー・ファインケム株式会社
代理人個人
主分類C07C 17/275 20060101AFI20250123BHJP(有機化学)
要約【課題】簡便で製造設備の制約が少なく、製造に係るエネルギー消費を低減したフルオロジヨードアルカン類およびジビニルパーフルオロアルカン類の新規製造方法を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)
I-Rf-I (1)
で表されるパーフルオロアルキルジヨージドと、
下記一般式(2)
H2C=CHR1 (2)
で表される不飽和化合物を、
(i)アミン類存在下、有機溶媒中での光照射により反応させる、「R1-CHICH2-Rf-CH2CHI-R1」(フルオロジヨードアルカン類)の製造方法
または
(ii)環状アミジン類存在下、有機溶媒中での光照射により反応させる、「R1CH=CH-Rf-CH=CHR1」(ジビニルパーフルオロアルカン類)の製造方法を用いる。
【選択図】なし

特許請求の範囲【請求項1】
下記一般式(1)
I-Rf-I (1)
(一般式(1)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルジヨージドと、
下記一般式(2)


C=CHR
1
(2)
(一般式(2)中、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表される不飽和化合物を、アミン類存在下、
有機溶媒中での光照射により反応させる、下記一般式(3)


-CHICH

-Rf-CH

CHI-R

(3)
(一般式(3)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示し、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表されるフルオロジヨードアルカン類の製造方法。
続きを表示(約 1,400 文字)【請求項2】
有機溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、2-ペンタノン、2-ヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシドおよびアセトニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
アミン類が、下記一般式(4)
JPEG
2025015424000003.jpg
26
170
(式(4)中、R

、R

およびR

は各々独立して水素原子または炭素数1~8で窒素原子を含有してもよい直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示し、それぞれが互いに結合して環を形成してもよいが、R

、R

およびR

が全て水素原子であることはない。)
で表される群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の製造方法。
【請求項4】
照射する光の波長が、250nm~450nmである、請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
アミン類が第3級アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
パーフルオロアルキルジヨージドが1,4-ジヨードオクタフルオロブタンまたは1,6-ジヨードパーフルオロ-n-ヘキサンである、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
不飽和化合物がエチレンまたはR
1
中に水酸基を含有する炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
不飽和化合物がエチレンまたはアリルアルコールである、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項9】
有機溶媒がアセトンであり、アミン類がトリエチルアミンである請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
下記一般式(1)
I-Rf-I (1)
(一般式(1)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルジヨージドと、
下記一般式(2)


C=CHR
1
(2)
(一般式(2)中、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表される不飽和化合物を、環状アミジン類存在下、有機溶媒中での光照射により反応させる、下記一般式(5)


CH=CH-Rf-CH=CHR

(5)
(一般式(5)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示し、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表されるジビニルパーフルオロアルカン類の製造方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フルオロジヨードアルカン類およびジビニルパーフルオロアルカン類の新規な製造方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
フルオロジヨードアルカン類はフッ素系機能性高分子材料の合成に有用なジビニルパーフルオロアルカン類の合成前駆体(例えば、特許文献1)や電気電子用途向け封止剤の原料として有用なジエポキシパーフルオロアルカン類の合成前駆体(例えば、特許文献2)等として幅広く用いられている。
【0003】
フルオロジヨードアルカン類の製造方法として、特許文献2ではパーフルオロジヨージドと不飽和アルコールとをアゾ系の熱ラジカル開始剤存在下、50℃~200℃の高温およびゲージ圧力で最大1MPaの高圧下で反応させる方法が開示されている。また、特許文献3にはパーフルオロジヨージドとエチレンとを180℃の高温およびゲージ圧力で最大5MPaの高圧下で反応させる方法が開示されている。さらに、特許文献4では、パーフルオロジヨージドとエチレンとを過酸化物系の熱ラジカル開始剤存在下、50℃およびゲージ圧力で最大1.3MPaの高圧下で反応させる方法が開示されている。
【0004】
これらの手法はいずれも反応圧力が高く、高圧ガス保安法上の特定設備が必要となる等製造設備に制約が発生する課題があった。
加えて、熱ラジカル開始剤を用いる場合、反応系の加熱に多くのエネルギーを要し、高温の場合はフルオロジヨードアルカン類が熱的に分解する場合や、フルオロジヨードアルカン類がさらにラジカル付加するテロメリゼーションなどの副反応が発生する場合があるなどの課題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2012-21054号公報
特開2009-67687号公報
特表2015-500910号公報
特表2012-530800号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の背景技術に鑑み、簡便で設備制約が少なく製造に係るエネルギー消費を低減したフルオロジヨードアルカン類およびジビニルフルオロアルカン類の新規製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、パーフルオロアルキルジヨージドと不飽和化合物とをアミン類存在下、有機溶媒中で光照射により反応させることで、反応圧力が低いため設備制約が少なく、反応温度が室温以下のため製造に係るエネルギー消費が少なくフルオロジヨードアルカン類およびジビニルパーフルオロアルカン類を製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の発明に係る。
[1]下記一般式(1)
I-Rf-I (1)
(一般式(1)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルジヨージドと、
下記一般式(2)


C=CHR
1
(2)
(一般式(2)中、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表される不飽和化合物を、アミン類存在下、
有機溶媒中での光照射により反応させる、下記一般式(3)


-CHICH

-Rf-CH

CHI-R

(3)
(一般式(3)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示し、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表されるフルオロジヨードアルカン類の製造方法。
[2]前記有機溶媒が、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、2-ペンタノン、2-ヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、ジメチルスルホキシドおよびアセトニトリルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項[1]に記載の製造方法。
[3]
前記アミン類が、下記一般式(4)
JPEG
2025015424000001.jpg
26
170
(式(4)中、R

、R

およびR

は各々独立して水素原子または炭素数1~8で窒素原子を含有してもよい直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示し、それぞれが互いに結合して環を形成してもよいが、R

、R

およびR

が全て水素原子であることはない。)
で表される群より選ばれる少なくとも1種である、項[1]に記載の製造方法。
[4]照射する光の波長が、250nm~450nmである、項[1]に記載の製造方法。
[5]前記アミン類が第3級アミンからなる群より選ばれる少なくとも1種である、項[1]~[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
[6]前記パーフルオロアルキルジヨージドが1,4-ジヨードオクタフルオロブタンまたは1,6-ジヨードパーフルオロ-n-ヘキサンである、項[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[7]前記不飽和化合物がエチレンまたはR
1
中に水酸基を含有する炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基である、項[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[8]前記不飽和化合物がエチレンまたはアリルアルコールである、項[1]~[4]のいずれか一項に記載の製造方法。
[9]前記有機溶媒がアセトンであり、アミン類がトリエチルアミンである項[1]~[4]のいずれかに記載の製造方法。
[10]下記一般式(1)
I-Rf-I (1)
(一般式(1)中、Rfは炭素数1~2のパーフルオロアルキレン基、または炭素数3~8の直鎖もしくは分岐もしくは環式のパーフルオロアルキレン基を示す。)
で表されるパーフルオロアルキルジヨージドと、
下記一般式(2)


C=CHR
1
(2)
(一般式(2)中、R

は水素原子または置換基を含有してもよい炭素数1~10の直鎖もしくは分岐もしくは環式の炭化水素基を示す。)
で表される不飽和化合物を、環状アミジン類存在下、有機溶媒中での光照射により反応させる、下記一般式(5)
【発明の効果】
【0009】
本発明により、簡便で製造設備の制約が少なく製造に係るエネルギー消費を低減したフルオロジヨードアルカン類およびジビニルパーフルオロアルカン類の工業的新規製造方法を提供できる。
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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