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公開番号2025015383
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023196671
出願日2023-11-20
発明の名称レーザー溶着用樹脂組成物
出願人三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社
代理人弁理士法人愛宕綜合特許事務所
主分類C08L 101/12 20060101AFI20250123BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】優れたレーザー溶着性を有し、強固なレーザー溶着が可能なレーザー光透過側部材を提供する。
【解決手段】透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr及びCaからなる群より選択された少なくとも1種の金属ホウ化物(B1)、または、酸化カリウムタングステン、酸化ルビジウムタングステン、酸化セシウムタングステン及び酸化タリウムタングステンより選択された少なくとも1種のタングステン系酸化物(B2)を0.000001~0.05質量部含有し、かつレーザー光透過側部材用であるレーザー溶着用樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr及びCaからなる群より選択された少なくとも1種の金属ホウ化物(B1)、または、酸化カリウムタングステン、酸化ルビジウムタングステン、酸化セシウムタングステン及び酸化タリウムタングステンより選択された少なくとも1種のタングステン系酸化物(B2)を0.000001~0.05質量部含有し、かつレーザー光透過側部材用であるレーザー溶着用樹脂組成物。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
透明熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート樹脂を、透明熱可塑性樹脂(A)中、10~100質量%含有する請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、カーボンブラックを、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.000001~0.05質量部含有する請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
【請求項4】
さらに、近赤外光吸収性色素を、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.000001~0.5質量部含有する請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
【請求項5】
さらに、ホスファイト系酸化防止剤を、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.005~0.5質量部含有する請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
【請求項6】
ポリカーボネート樹脂が、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を、ポリカーボネート樹脂中、10~80質量%含有する請求項1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載のレーザー溶着用樹脂組成物からなるレーザー光透過側部材。
【請求項8】
1mm厚でのヘイズが20%以下である請求項7に記載のレーザー光透過側部材。
【請求項9】
請求項7に記載のレーザー光透過側部材をレーザー光吸収側部材とレーザー溶着したレーザー溶着体。
【請求項10】
レーザー光吸収側部材が、カーボンブラックを、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対し、0.000001~0.05質量部含有する請求項9に記載のレーザー溶着体。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー溶着用樹脂組成物、レーザー光透過側部材、レーザー溶着体に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂は射出成形等により成形品とされ、そして、これら各成形品は互いに接合し製品とすることが多く行われる。接合の方法としては、従来より熱板や赤外線等による加熱溶着、超音波等の振動による溶着、接着剤による接合、または、ネジやかしめによる機械的接合等が行われてきたが、接着剤ではその接着強度が、機械的接合では費用、締結の手間、重量増に問題がある。
【0003】
それに対し、加熱溶着や、振動溶着は短時間で接合が可能であり、特に加熱溶着のひとつであるレーザー溶着は、重ね合わせた樹脂成形体にレーザー光を照射し、照射した一方の透明性樹脂部材を透過させ、もう一方の吸収性部材でレーザー光を吸収させ溶融、融着させる工法であり、設計自由度が高い、意匠性に優れる、ランニングコストが安い等の利点から、幅広い分野にて急速に採用されつつある。
【0004】
透明熱可塑性樹脂であるポリカーボネート樹脂をレーザー溶着することも提案されており、特許文献1にはポリカーボネート樹脂が適用できることが記載され、ポリカーボネート樹脂をレンズに、ポリカーボネート系材料をボディに用い、車両灯具用部材をレーザー溶着により一体化しているが、レーザー光照射方向を斜めにすることでボディにおけるストレスクラック発生抑制を図ったものであり、ポリカーボネート樹脂からなるレーザー光透過材にレーザー光吸収性を付加することに関しては提案されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2002-292741号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
レーザー溶着強度はより大きなことが望まれるが、本発明者の検討によれば、レーザー溶着強度は形状に大きく依存することが判明した。例えば、溶着しようとする部分として接合部にフランジ等を設けてある場合は溶着強度が上がりやすいが、接合部にフランジ等がない場合や接合部の幅が狭い場合には、レーザー光をレーザー光透過側部材側から照射して、レーザー光吸収側部材が発熱・溶融するも、溶着部付近で蓄熱しないため、透過側部材は溶融せず、溶着強度が上がらず、吸収側部材の熱容量が小さいため、変形がしやすい。そのため、レーザー溶着する際の条件幅が狭いという課題がある。また、溶着強度を上げるためにレーザー光を強くすると、樹脂の分解等により、焦げや発泡による気泡を生じ、溶着体の外観が悪くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、レーザー光透過側部材用の樹脂組成物として、透明熱可塑性樹脂に、金属ホウ化物、またはタングステン系酸化物を少量添加することで、吸収側部材のみが溶融することを防止し、フランジ等がない場合や、接合部の幅が狭い等で、接合部の熱容量が小さい場合でも、高い溶着強度を達成できることを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下のレーザー溶着用樹脂組成物、レーザー光透過側部材、レーザー溶着体に関する。
【0008】
1.透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、Ho、Y、Sm、Eu、Er、Tm、Yb、Lu、Sr及びCaからなる群より選択された少なくとも1種の金属ホウ化物(B1)、または、酸化カリウムタングステン、酸化ルビジウムタングステン、酸化セシウムタングステン及び酸化タリウムタングステンより選択された少なくとも1種のタングステン系酸化物(B2)を0.000001~0.05質量部含有し、かつレーザー光透過側部材用であるレーザー溶着用樹脂組成物。
2.透明熱可塑性樹脂(A)が、ポリカーボネート樹脂を、透明熱可塑性樹脂(A)中、10~100質量%含有する上記1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
3.さらに、カーボンブラックを、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.000001~0.05質量部含有する上記1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
4.さらに、近赤外光吸収性色素を、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.000001~0.5質量部含有する上記1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
5.さらに、ホスファイト系酸化防止剤を、透明熱可塑性樹脂(A)100質量部に対し、0.005~0.5質量部含有する上記1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
6.ポリカーボネート樹脂が、エステル基を含む末端構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂を、ポリカーボネート樹脂中、10~80質量%含有する上記1に記載のレーザー溶着用樹脂組成物。
7.上記1~6のいずれかに記載のレーザー溶着用樹脂組成物からなるレーザー光透過側部材。
8.1mm厚でのヘイズが20%以下である上記7に記載のレーザー光透過側部材。
9.上記7に記載のレーザー光透過側部材をレーザー光吸収側部材とレーザー溶着したレーザー溶着体。
10.レーザー光吸収側部材が、カーボンブラックを、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対し、0.000001~0.05質量部含有する上記9に記載のレーザー溶着体。
11.レーザー光吸収側部材が、近赤外光吸収性色素を、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対し、0.000001~0.5質量部含有する上記8に記載のレーザー溶着体。
12.レーザー光吸収側部材が、ホスファイト系酸化防止剤を、熱可塑性樹脂(B)100質量部に対し、0.005~0.5質量部含有する上記9に記載のレーザー溶着体。
13.レーザー光吸収側部材の1mm厚でのヘイズが20%以下である上記9に記載のレーザー溶着体。
14.レーザー光透過側部材とレーザー光吸収側部材のレーザー溶着部の幅が0.5~10mmである上記9に記載のレーザー溶着体。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレーザー溶着用樹脂組成物は、フランジ等がない場合や、接合部の幅が狭い等で、接合部の熱容量が小さい場合でも、高い溶着強度を達成できるという優れたレーザー溶着性を有し、強固なレーザー溶着が可能なレーザー光透過側部材を提供する。また、レーザー溶着の際の条件幅が広いので、容易に強固なレーザー溶着を可能とする。また、溶着体は優れた透明性を示し、優れた溶着強度を有し、かつ外観がよい。そのため、レーザー溶着体は、高度の透明性が求められる医療用機器やウェラブル機器等に、特に好適に利用することができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施形態及び例示物等に限定して解釈されるものではない。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りのない限り、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
(【0011】以降は省略されています)

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