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公開番号2025016815
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-02-05
出願番号2021209651
出願日2021-12-23
発明の名称フッ素樹脂組成物
出願人AGC株式会社
代理人弁理士法人志賀国際特許事務所
主分類C08L 27/12 20060101AFI20250129BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】難燃性及び着色性に優れるフッ素樹脂組成物の提供。
【解決手段】塩素原子を含まないフッ素樹脂と、前記フッ素樹脂に難燃性を付与する添加剤とを含むフッ素樹脂組成物であり、引張強度が、前記フッ素樹脂の引張強度に対して77%以上であり、引張伸度が、前記フッ素樹脂の引張伸度に対して80%以上であり、前記添加剤のマンセル明度が5以上であり、前記添加剤の含有量が、前記フッ素樹脂組成物の総質量に対して0.1~20.0質量%であることを特徴とするフッ素樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
塩素原子を含まないフッ素樹脂と、前記フッ素樹脂に難燃性を付与する添加剤とを含むフッ素樹脂組成物であり、
引張強度が、前記フッ素樹脂の引張強度に対して77%以上であり、引張伸度が、前記フッ素樹脂の引張伸度に対して80%以上であり、
前記添加剤のマンセル明度が5以上であり、
前記添加剤の含有量が、前記フッ素樹脂組成物の総質量に対して0.0001~20.0質量%であることを特徴とするフッ素樹脂組成物。
続きを表示(約 470 文字)【請求項2】
28℃80%RHの雰囲気下に14日間保持した前記添加剤を150℃のオーブンで1時間加熱したときの質量減少率が、0.3質量%未満である請求項1に記載のフッ素樹脂組成物。
【請求項3】
前記フッ素樹脂が部分フッ素化樹脂を含み、
前記フッ素樹脂組成物に含まれる全ての前記フッ素樹脂のなかで、前記部分フッ素化樹脂の含有量が最も多い請求項1又は2に記載のフッ素樹脂組成物。
【請求項4】
前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに基づく単位とエチレンに基づく単位とを有する共重合体を含み、
前記フッ素樹脂組成物に含まれる全ての前記フッ素樹脂のなかで、前記共重合体の含有量が最も多い請求項1~3のいずれか一項に記載のフッ素樹脂組成物。
【請求項5】
前記共重合体が、主鎖末端に水酸基を有し、
前記主鎖末端の水酸基の含有量が、赤外吸収スペクトルにおけるC-F結合の倍音のピークに対する水酸基のピークの面積比で、1~50%である請求項4に記載のフッ素樹脂組成物。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、フッ素樹脂組成物に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体は、耐薬品性や耐熱性、耐候性の高さから、ケーブル被覆材、コーティング材、建築物の構造材等、多くの用途に用いられる。エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体は、難燃性も良好であり、難燃性が求められる用途にも用いられる。しかし、昨今、使用環境の変化、関連法規の改正等によって、より高い難燃性が求められてきている。
【0003】
特許文献1には、エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体95~99.5質量部、黒色顔料0.5~5質量部、難燃剤5~20質量部を含む高難燃性黒色エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体塗料が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
中国特許出願公開第111574890号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の塗料は、難燃性に優れるものの黒色であるので、黒色顔料以外の着色剤を配合しても全て黒色系統になり、着色性に劣る。かかる材料は、着色性が求められる用途には適さない。例えばケーブル被覆材が黒色系統のみであると、複雑な配線において各ケーブルの区別に大きな困難を伴う。
エチレン-テトラフルオロエチレン共重合体以外の塩素不含有のフッ素樹脂にも同様の問題がある。
【0006】
本発明は、難燃性及び着色性に優れるフッ素樹脂組成物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、以下の態様を有する。
[1]塩素原子を含まないフッ素樹脂と、前記フッ素樹脂に難燃性を付与する添加剤とを含むフッ素樹脂組成物であり、
引張強度が、前記フッ素樹脂の引張強度に対して77%以上であり、引張伸度が、前記フッ素樹脂の引張伸度に対して80%以上であり、
前記添加剤のマンセル明度が5以上であり、
前記添加剤の含有量が、前記フッ素樹脂組成物の総質量に対して0.0001~20.0質量%であることを特徴とするフッ素樹脂組成物。
[2]28℃80%RHの雰囲気下に14日間保持した前記添加剤を150℃のオーブンで1時間加熱したときの質量減少率が、0.3質量%未満である前記[1]のフッ素樹脂組成物。
[3]前記フッ素樹脂が部分フッ素化樹脂を含み、
前記フッ素樹脂組成物に含まれる全ての前記フッ素樹脂のなかで、前記部分フッ素化樹脂の含有量が最も多い前記[1]又は[2]のフッ素樹脂組成物。
[4]前記フッ素樹脂が、テトラフルオロエチレンに基づく単位とエチレンに基づく単位とを有する共重合体を含み、
前記フッ素樹脂組成物に含まれる全ての前記フッ素樹脂のなかで、前記共重合体の含有量が最も多い前記[1]~[3]のいずれかのフッ素樹脂組成物。
[5]前記共重合体が、主鎖末端に水酸基を有し、
前記主鎖末端の水酸基の含有量が、赤外吸収スペクトルにおけるC-F結合の倍音のピークに対する水酸基のピークの面積比で、1~50%である前記[4]のフッ素樹脂組成物。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、難燃性及び着色性に優れるフッ素樹脂組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明における用語の意味や定義は以下の通りである。
「引張強度」、「引張伸度」はそれぞれ、試料(フッ素樹脂組成物又はフッ素樹脂)から、JIS K 6251に規定されるダンベル形状の試験片(厚さ1mm)を作製し、試験片について、JIS K 6251に準拠した条件で引張試験を行って求められる。
「マンセル明度」は、マンセル表色系の明度(Value)である。マンセル明度は、色差計により測定したX,Y,Z値をもとに計算して算出される。
「限界酸素指数」(以下、LOIとも記す。)は、JIS K 7201-2:2007に準拠して測定される酸素指数である。LOIは、試料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(体積%)を指数化したものであり、指数が大きいほど難燃性が高いことを示す。
「融点」は、示差走査熱量測定(DSC)法で測定した融解ピークの最大値に対応する温度である。
「溶融成形可能」であるとは、溶融流動性を示すことをいう。
「溶融流動性を示す」とは、荷重49Nの条件下、樹脂の融点よりも20℃以上高い温度において、溶融流速が0.1~1000g/10分となる温度が存在することをいう。
「溶融流速」は、JIS K 7210:1999(ISO 1133:1997)に規定されるメルトマスフローレート(MFR)である。
「単量体に基づく単位」は、単量体1分子が重合して直接形成される原子団と、該原子団の一部を化学変換して得られる原子団との総称である。
「単量体」とは、重合性炭素-炭素二重結合を有する化合物を意味する。
数値範囲を示す「~」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
【0010】
〔フッ素樹脂組成物〕
本発明の一実施形態に係るフッ素樹脂組成物(以下、本組成物とも記す。)は、塩素原子を含まないフッ素樹脂(以下、フッ素樹脂Aとも記す。)と、フッ素樹脂Aに難燃性を付与する添加剤(以下、添加剤Bとも記す。)とを含む。
(【0011】以降は省略されています)

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